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Part2(2016・9)
9月19日の朝です。

早朝、宿泊した札幌アスペンホテルの客室の窓から、きれいな虹が見えていました。明け方に一雨きたようです。

この日の北海道は、この秋一番の冷え込みになったところが多かったようで、朝5時までに記録した札幌の最低気温は12.3℃でした。
ホテルのバイキング朝食を済ませて、札幌駅に出て来ました。

北口駅舎の上には、北海道新幹線H5系が描かれた看板が・・・札幌延伸は2031年頃の予定ということですけどもね。まだまだ先だよな・・・。
札幌駅では、しばらく列車ウォッチング。

ちょうど、この列車が来る時間だったので、ホームで待ってみました。
そう、札幌発旭川行きの臨時特急「旭山動物園号」。キハ183系5両で運転されますが、この外装はやはり派手ですよね~。

入線の様子を動画撮影しています。(新しいウインドウが開きます)
https://www.youtube.com/watch?v=_1_uj15tygM
こちらも見かけました。

733系B-3106+B-3206編成の快速「エアポート90号」新千歳空港行き。北海道新幹線を利用して東北への旅を、とPRする内容のもので、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの大谷翔平投手の写真が貼りつけられたラッピング車両となっています。
このラッピングは11月末までの予定とか。
そして、ワタシたちはこちらの列車へ。

札幌発富良野行きの臨時特急「フラノラベンダーエクスプレス3号」。車両は、キハ183系5100番台リゾート車両「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」4両編成です。
ワタシ自身、この「クリスタルエクスプレス」に乗車するのは、このとき以来ってことになりますかね。11年ぶりかぁ・・・。
列車は定刻の9時7分に札幌を発車。

札幌市街地を抜けると、田園地帯では稲穂が収穫を待っていました。
岩見沢に停車したあと、列車は滝川へ。
函館本線を離れ、ここから根室本線へと進みます。
滝川を発車したあと分岐を進む様子を、娘と一緒に、通路から前面展望で楽しみました。

ところで、この「クリスタルエクスプレス」、両先頭車はいわゆるパノラマ形状になっていますが、いわゆる先頭部のパノラマスペースは、2010年の789系「スーパーカムイ」の踏切事故を受けて、座席が撤去され立ち入れない状態になっています。
ところで、北海道内の特急車両には、座席ポケットにこちらが入れられていました。
最近、海外からのお客さんが多いことを念頭に、英語や中国語、韓国語で乗車マナーの啓発を行う内容の案内です。

確かに、この列車にも、中国や韓国からのお客さんが乗っているのを見かけましたしね。北海道は海外からのお客さんにとっても、魅力的な観光地なのです。
列車は単線の根室本線を進んでいきます。

上空を見上げると、すっかり秋の空ですね。
青空に、絹雲が見えていました。
このキハ183系「クリスタルエクスプレス トマム&サホロ」ですが、バブル期の1989年に、JR北海道の自社製造(苗穂工場製)で登場しています。
既に、新製から27年が経過し、かなりくたびれてきている印象を受けますね。
同じくリゾート列車として登場した1年先輩のキハ183系5000番台「ニセコエクスプレス」がまだ走ってはいますが、どちらも、もうあまり先は長くないかもしれませんね。
定刻の11時7分、「フラノラベンダーエクスプレス3号」は終点・富良野に到着しました。
富良野へ来るのは7年ぶり。前回は嫁さんと来ましたっけね。

到着した「クリスタルエクスプレス」は、折り返し待ちの留置のため、早々に入れ換えられていました。
さて、富良野といえば・・・。
執筆時点で、富良野から新得までの根室本線は、台風10号の大雨による新得駅付近での橋梁流失のため、運転見合わせになっていました。
左写真の張り紙では「代行バスは運転しておりません」となっていますが、実際は朝夕1往復ずつ、バスの運行が行われていました。

実は今回の旅で、この富良野~新得間の根室本線に乗車することにして行程を組んでいたんですが、この事態で変更せざるを得なくなりました。その辺はまた後程。
そして、ここからは富良野線を走る「富良野・美瑛ノロッコ号」への乗車を予定していたんですが、こちらは上富良野~中富良野間で線路からの異音感知のため、点検のため運転見合わせに。

とりあえず、駅そばを食べながら再開を待つことにします。
待合室には、同じ目的で待っているお客さんがけっこういましたが、やはり中国語をしゃべっている人が多かったですね。
線路点検がどうにか終わり、「富良野・美瑛ノロッコ2号」の改札開始。
折り返しの旭川発「富良野・美瑛ノロッコ1号」は、12時7分に富良野にやってきました。

大慌てで折り返し整備ののち、美瑛行きの「2号」は定刻23分遅れの12時16分、富良野を発車しました。
そういえば、「ノロッコ号」は道内の各地で運転されてきていますが、乗車するのは今回が初めてでした。

乗車した1号車・オハテフ510-51の車内には売店スペースがあり、だるまストーブが置かれていました。
この車両も、元はといえば50系51形客車からの改造。今や数少なくなった50系の残党なのですね。
車内では改札時に、こちらの乗車証明書が配布されました。
娘はこれをもらうと、喜び勇んで売店前のスタンプ台へ行き、大きなスタンプを押していました。
こちらは途中停車駅の中富良野。
先ほどまで運転見合わせとなっていた影響で、行き違いの列車も遅れていたためにここでしばらく停車。
期せずして、ここで列車の撮影タイムに。富良野駅で撮れなかった機関車・DE15-1533の先頭部を撮影することができました。
12時39分、「富良野・美瑛ノロッコ2号」は、臨時駅・ラベンダー畑に到着。
ワタシたちはここで下車しました。

このラベンダー畑駅は、毎年夏場の6月~10月まで開設されているもので、営業開始は1999年。ホームも仮設で、冬場は撤去されています。

やはりというか、ここで下車する人が多かったようですね。
ラベンダー畑駅から歩いて、こちらへやってきました。

有名な場所ですね、とみたメロンハウス。
折り返しまで1時間くらいありましたんで、ここで少し食べていくことに。
まずは、こちらのカットメロン、300円。
娘と分けて食べましたが、やはりというか、みずみずしくて甘くて、言うことないお味でした。
そして、こちらも。
ワタシは、メロンクリーム入りのメロンパン、娘はメロンゼリーを食べました。もうメロンパン、外はカリカリ、中はふわふわ。クリームも程よい甘さでおいしかったです。
メロンハウスの隣にある、ファーム富田にも足をのばしました。
さすがに、ラベンダーの時期は終わっていましたが、それでも園内には色とりどりの花が咲き誇り、なかなかの彩りになっていました。
そうしてあっという間に時間が過ぎ、折り返しの「富良野・美瑛ノロッコ3号」富良野行きに乗車するため、ラベンダー畑駅に戻ってきました。
臨時駅の仮設ホームですが、とてもいいロケーションの中にありますよね。
やってきた「富良野・美瑛ノロッコ3号」、美瑛での折り返し時間を短縮して、ほぼ定刻で運転されていました。
13時56分、富良野に到着です。
富良野で列車を降り、ここからは根室本線で先へ進むことができないので、レンタカーを借りることにしました。
レンタカーの手続きを終え、まず向かったのは、富良野プリンスホテル。
このときにも向かった場所。ということで、目的は・・・。
・・・こちら。
そう、喫茶「森の時計」です。

この「森の時計」を使用して撮影されたドラマ「優しい時間」の放映から、すでに10年が経過しました。
前回、7年前にここへ来た時にはかなり入店まで待たされたんですが、さすがに時間が経って、今回は待つことなく店内へ通されました。
今回は、カウンター席ではなく、テーブル席へ。
娘は地元富良野産のぶどうジュース、ワタシはコーヒーを注文。

相変わらず、時間がゆったりと流れていく空間ですね。BGMはやはり、「優しい時間」の挿入曲でした。

いつまでもここで座っていたいなと思いますが、娘はジュースを飲み終わると「早く行こう!」と。まぁ、思い入れの度合いがまったく違うんでしょうがないですけどね・・・。(・_・;)
富良野を出て、クルマで一路、先を目指します。
ルートとしては、運転見合わせとなっている根室本線に沿っていくことになりました。なので、見合わせ区間の各駅に立ち寄りながら進むことに。

こちらは、金山駅。
16年前のこのとき、臨時快速「ぽっぽや号」に乗車していたワタシは、信号トラブルのため、大雪のなか、この金山駅で1時間半余りにわたって足止めを食らいました。
この駅の名を聞くと、いまだにそのときのことが脳裏をよぎります。
さらに進んで、まもなく幾寅駅というところ。

ここは幾寅西1号線踏切。
長期の運転見合わせを見込んでか、踏切の遮断棒は取り外されていました。
16時10分頃、ワタシたちは幾寅駅前に到着しました。
ワタシとしてはここの駅前にやってくるのも、16年前の旅の時以来となりました。

幾寅地区ではご存知のように、先日の台風10号の大雨で空知川の堤防が決壊し、街が水浸しになる被害に遭いました。しかしながら、この幾寅駅周辺は高台になっており、浸水の被害は免れていました。

駅前には、16年前にはなかったものがありますね。それは・・・。
・・・こちら。
映画「鉄道員(ぽっぽや)」の撮影にも使用された、キハ40-764(キハ12-23)。その前頭部が置かれていました。

2005年8月にワタシが北海道を訪ねた際、苗穂工場にポツンと佇む同車を見かけたのが記憶に残っていますが、その直後に同車は前頭部を切りだされ、この場所に持ってこられていました。

前頭部の車内には立ち入りできるようになっていました。
車内はボックスシート1区画分までが残っていて、切断面には映画出演者のサイン色紙などが貼られていました。

実際、臨時快速で走ったこの車両に乗車したこともあっただけに、この姿はなんとも悲しいですね。前頭部が残っているだけでもマシなのかもしれないんですが・・・。
さて、宿泊ですが、幾寅駅のすぐ近くにあるこちらにしていました。
旅籠や・れすとらん「なんぷてい」。

台風10号の水害の前に予約をしていたので、水害のあとに一度、電話で状況を確認しました。水害の被害には遭わず営業中、とのことでしたので、そのまま宿泊することにした次第で。
ここはレストランもやっていて、エゾシカ肉を使ったカレーが名物とのこと。
なので、晩飯も期待して行ったんですよね。

こういう感じのコースメニューでした。
メインは、エゾシカ肉のローストを焼いて、特製のソースをかけたもの。臭みもなく、やわらかくて、おいしくいただくことができました。

夕食後は、疲れもあって早々に床に入りました。
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