Part1(2025・1)
2025年が明けました。
このところ、年末年始には何かしらの旅をしている我が家ですが、今回は正月3日から末娘のスポーツクラブの行事が入っていたので、近場で計画することにしました。

行先に選んだのは、大村線千綿駅。そう、大村湾の海が線路のすぐ脇に迫る、絶景の駅です。
以前何度か行った際に、駅のすぐそばにお宿があるのが目に入っていまして、これはさぞかし良かろうなぁと思ったもので、その宿に泊まってみようと思い立ちました。

元日の朝、さっさと準備を済ませて旅立ちました。
1月1日朝。
箱崎8時25分発、普通133M列車南福岡行きに乗って、博多まで出てきました。813系RM3115+RM3503+RM108編成計9両での運転でした。
さすがに元日の朝、博多駅はお客さん少なめでした。
いったん改札を出て買い出しをしたあと、3番ホームへ。

8時54分発、「リレーかもめ13号」武雄温泉行きに乗車します。787系BM3編成8連が、ホームに横付けされていました。
このときにも乗車していた編成ですが、ワタシにとって787系「リレーかもめ」への乗車もそのとき以来、ということになりました。
「リレーかもめ13号」は定刻に博多を発車。

博多駅の下り方、これからこの線路敷の上に人工地盤が構築され、その上に新しい商業ゾーンが出現するわけで、こんな景色も今のうち、ということだと思います。
今回我々家族が乗車したのは、4号車のサハ787-203。

思えば、今回乗車しているBM3編成は、「リレーつばめ」化に備えた787系リニューアルを最初に受けた編成でした。リニューアル直後のこのサハ787-203に初めて乗ったときのことは、今でもよく覚えています。このエッグラインの天井の下にあったビュッフェがなくなったことの衝撃は、忘れられないですね。
あれからもう22年半ですか・・・。
鳥栖、新鳥栖、佐賀と停車し、列車は嘉瀬川を渡るところまでやってきました。

佐賀バルーンフェスタの会場でもある、この嘉瀬川河川敷。昨年は来ることが叶いませんでした。今年もどうかなぁ、末娘の関係があるから無理かもなぁ・・・。
9時43分、「リレーかもめ13号」は江北に到着しました。
ふと隣を見ると、こちらの列車より先に2835Mで到着していた811系PM2108編成が、これから留置線へ入れ換えられようとするところでした。

811系のリニューアルは、最初の施行編成(PM1504編成)出場からすでに8年になろうとしていて、想像していたよりはゆっくりとしたペースで進んでいるようですが、それでも現在、4連27編成在籍のうち15編成で施行済みとなっています。だんだん、未リニューアルの編成に出合う機会が減ってきているようにも感じます。
列車はまもなく、武雄温泉に到着しようとしています。

降りる間際に、こちらを。
4号車の車端にあるこちら、前述の787系リニューアルの際、車販準備室を兼ねて設置されたミニショップです。
こちらでも書きましたが、今となっては車内販売も、客室乗務員の乗務もなくなってしまい、このスペースもこうして板で塞がれてしまっています。
なんだか物悲しいですね・・・。
9時58分、「リレーかもめ13号」は武雄温泉に到着しました。

ここからは、ホームの向かい側で待っている、新幹線「かもめ13号」長崎行きに乗り継ぎです。N700SのY2編成6連での運転、長崎まで各駅に停まる列車です。
とにかく、乗り継ぎ時間は3分しかないのでですね・・・。

乗り継ぎが終わると、「かもめ13号」は慌ただしく武雄温泉を発車しました。
嬉野温泉を挟んで、トンネルの多い区間が続いたあと。

こちら、大村湾が見えるところまでやってきました。
こんな感じできれいに見えるのは一瞬ではあるんですけども、それでもなんだかホッとする瞬間ですね。
新大村、諫早に停車し、再びトンネルがちな区間を抜けると、そこはもう長崎市街。

右手に見える在来線には、青いキハ47の姿が見えていました。
あぁそうだぁ、ここには在来線の電車はもう来ないんだった・・・。
10時32分、「かもめ13号」は終点の長崎駅11番ホームに到着しました。

このY2編成、両先頭車のヘッドライト周りに睫毛、ノーズの先端には唇のステッカーが貼られています。2023年9月の西九州新幹線開業1周年の際に施された装飾ですが、そのまま使用されているようです。
ということで、長崎駅の改札を出てきました。

しばらく工事が続いていた、駅の東口前ですが、だいぶすっきりしましたね。右手に見えるアミュプラザ長崎の新館も、すでに開業しています。この日は元日でさすがにお休みでしたが。(^^;
そして、こちら。

地上駅だった先代駅舎の頃に、ここ長崎駅のシンボルとなっていた「かもめ広場」の大屋根が、復活していました。
先代駅舎の跡にアミュプラザの新館が完成したところで、再度設置となったようです。
ここからですが、街へ出ようということになりまして、どこへ行くかいろいろ考えた挙句に、出島へ行ってみようと。

長崎電軌の路面電車に乗ろうと、一度電停に足を運んだんですが、お客さんがかなり多いので「それだったら歩いて行こう」ということになり・・・。

ちなみに左写真は、歩いて行こうという結論になる前に撮影していた、300形310号「みなと」。見てお分かりのように、あの水戸岡鋭治氏がデザインを手がけた車両です。
長崎駅から電車通り沿いをえっちらおっちらと歩くことしばし。

出島までやってきました。
ここには以前、このときに嫁さんと、そしてこのときにはいまの中2娘と来ていました。末娘もここの手前までは来たことあったんですけどもね・・・。

復元された建物の見学をいろいろとしているなかで、こちらを飲んでみることに。
その名も「かすていらサイダー」。サイダーなんですけどなんかカステラのような甘味がするという、不思議な飲み物。
ワタシ的にはアリでしたが、少し味見していた娘たちはなんだか渋い顔・・・。(笑)
そうやっているうちに、お昼が近い時間になりましたんで、そろそろランチの物色でも・・・と、出島を出て、新地中華街まで足を運んでみました。
思っていたより開いているお店があったんですけども、さすがに元日、その開いているお店を求めて多くの人が列を作る状態でして、ちょっと待つのはねぇ、ということになりまして・・・。
じゃあ、ということで、人が少ないんじゃないかと思ったベイサイドへ移動することにしました。

こちら、かつての長崎港線の廃線跡に佇むスポーク動輪のモニュメント。長崎港が大陸との往来で賑わった繁栄の歴史を今に伝えています。
で、やってきたのが、港を見渡せる出島ワーフの2階にあるこちら。
「出島テラス」です。
料理はイタリアンがメインとなっていますが、お酒やカフェメニューもあり、港の風景を見ながらの飲食を楽しめます。
テラス席もありましたが、我々は店内の窓側席へ。それでも左下写真のような良い眺めでありました。
中2娘はマルゲリータのピザ、小5末娘はボロネーゼのパスタを注文するなか、ワタシと嫁さんは、やはり長崎名物ということでトルコライス(2000円・税込)にしました。
こちらのお店のトルコライスは、プレート中央に盛られたピラフの上に、カレーのかかったとんかつが載り、左サイドにナポリタンパスタ、右サイドにサラダが載るというもの。とんかつは衣サクサクな仕上がりで歯触り良かったし、ピラフもよく旨みが効いていました。お値段ちょっと高めでしたが、まぁ場所代もあるのだろうと。
とりあえず、長崎らしいものを食べられてよかったです。(^^;
出島ワーフからは、歩いて長崎駅へ戻ることにしました。まぁ十分に歩ける距離ですしね。

途中にはこんなところが。
先ほど動輪のモニュメントもありましたが、この遊歩道も、長崎港線の廃線跡につくられたもの。戦時中の一時期にはここを、上海航路から接続する形で特急「富士」が走り、東京に向かっていた時期もありました。
そんな時代もあったんだということですが、こうして往時を偲べる場所が残っているというのはありがたいですね。
長崎へ戻ってきて、少し土産物を物色したあと、宿に向かうために列車に乗り込みます。

長崎15時8分発、区間快速(竹松まで快速)4238D列車佐世保行き、YC1系のYC1-1204+204の2連での運転でした。
今となっては、このハイブリッド気動車YC1系が、長崎の在来線の主役という形になっていますね。
4238Dは定刻に長崎駅5番ホームを発車しました。

浦上、喜々津と停車して、こちらは途中の諫早。
西九州新幹線の部分開業とともに非電化となったわけですが、架線の撤去はぼちぼちと進んでいるようですね。長崎駅構内などはまだけっこう残っていましたが。
大村線に入り、竹松からは各駅停車となって北上していきます。

松原を出てしばらく走ると、左手には本当にいい感じの大村湾の景色が見えてきました。車内から見ていると、まさしく海の上を滑っているような感覚になります。
そうした景色を見ながら、列車は16時9分、千綿に到着しました。
我々はここで下車です。

千綿駅にはワタシ自身は何度か来ていますが、本当に良いロケーションのなかにあります。
この日も、ギャラリーが三々五々集まっていて、夕刻の景色を撮影していました。

駅舎がまた、木造の建物で、とてもいい感じなんですよね。
1993(平成5)年に建てられたものなんですが、路線開業当初の駅舎をイメージして造られたものなんだそうで。
日が傾いたなかでの駅舎の佇まいも、いい感じですね。
で、今回の宿は、その千綿駅から歩いて1分のこちら。
「さいとう宿場」です。
かつてここで営業していた「恵比須屋御旅館」の建物をリノベーションし、2019年にオープンしています。東京から移住してきたというオーナーご夫妻が運営されています。

以前、千綿駅を訪ねた際に、駅のすぐ近くに宿があるということに気がつきまして、調べてみたらとてもよさそうだったので、一度泊まってみたいと思っていたのでした。
宿へのチェックインを済ませたあと、再び駅まで来てみました。
やっぱり、夕方の景色、いいですねぇ~。

ちょうど列車がやってきたので、そちらも。
普通247D長崎行きでやってきたYC1-213+1213+1102の3連と、それを撮るギャラリーを撮ってみました。
夕日のあたり具合もとても良いですねぇ。
日没の頃、宿のお部屋に戻ってきました。

そう、駅近なもんですから、こうして窓のすぐ外に線路が見えているんですよね。
対岸の西彼杵半島に、元日の太陽が沈んでいきます。これもいい眺めだわ~。(^^;
さて、そろそろ夕食のお時間です。
宿の予約の際、宿での夕食の提供はないということだったので、宿のおかみさんとメールでやりとりしまして、どこか夕食を食べられるところはないだろうかと相談したところ、あるお店を紹介されたので、事前に予約を入れていました。

日が暮れたあとの千綿駅前を通って、お店に向かいます。
駅舎が影絵のようになっていて、これもいい感じ・・・ほんと、この千綿駅はいいですねぇ~。(^^;
駅から歩いて5分もかからずに、こちらのお店に到着しました。
「栄喜屋」。1927(昭和2)年から営業しているという老舗の料亭です。ふだんは週末などにランチ営業もされているとか。
ただなにぶん、この日は元日。開いているだけでもとてもありがたいという感じでした。本当にお店の少ないエリアですのでね。
さっそくお席へ案内されましたので、まずは飲み物を。
ワタシは生ビール、嫁さんはうめのチューハイ、娘たちは三ツ矢サイダーで、乾杯!

このところ、元日は毎年旅先で迎えている我が家ですが、とりあえず今年一年の皆の健康を祈ってですね。
お料理もいろいろと出てまいりました。

こちらはお造りなんですが、さすがに料亭とあって、お魚も鮮度のよいものが用意されていて、しかも切身が厚めに切られていて、しっかりと食べ応えもありましたね。
ごはんが出るということで待っていたら、なんと、鰻が載っていました。(^^;
ランチでは鰻の丼も提供されているようで、そのミニ版みたいな感じだと思います。タレもしっかりかかっていましたね。
〆に出されたのは、そのぎ茶を練り込んだ団子を使った、ぜんざい。
昨年、ワタシがウォーキングで千綿を訪ねた時に、そのぎ茶のフラッペを飲んだり、お茶の葉を買って帰ったりしたんですが、やはりこういう形で地元の名産品が出てくるっていうのはいいですね。

元日からお店を開けていただいて、地のものも含めいろいろ頂けたのでとてもいい満足感でした。ほんと、千綿に来てよかったわ~。(^^;
しっかりお腹を満たして宿へ戻る途中、また千綿駅に寄ってみました。
夜の駅舎の佇まいも、とてもいいですね。

上を見上げると、星空がとてもきれいに輝いていました。オリオンの三連星もくっきりと見えていました。やっぱり空気がきれいで、街の灯りも少ないのでですねぇ。

宿に戻ったあとはのんびりと。
あくる日もあるので、早々に休むことにしました。
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