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Part3(2024・9)
9月19日、旅の最終日になりました。

ワタシは早朝に宿から外出して朝食をいただきに、北陸鉄道バスで近江町市場へやってきました。
朝の通学ラッシュで、制服姿の高校生たちと乗り合わせてきましたが、さすがに金沢駅から乗って、近江町市場で降りる人は、平日でもありほとんどいませんでしたね。(^^;
朝7時前の近江町市場です。
各店舗では、市場で仕入れてきた品物を並べて、開店準備に追われていました。やっぱり、見ていると活気を感じましたね。

近江町市場で朝飯を食べるっていうのは、何度も金沢へ来ているワタシですが、今回が初めてです。身軽な一人旅なんでそこまでやってみようかなと思えましたが、ツレがいる旅だと簡単じゃないですもんね。
市場内には、朝7時から営業を始めるお店がいくつかありまして、ワタシも事前に調べていたんですが、こちらのお店を通りかかったときに、お店のおばちゃんから声をかけられまして、そのまま入店となりました。もちろん、この日一番乗り。(^^;

「海鮮丼 ゆたか水産」近江町市場本店。
2021年にオープン。市場直送の海の幸を、料亭の板前出身の大将が海鮮丼に仕立てる、というのがウリのお店なんだとか。聞くところによればその大将は、あの「和の鉄人」道場六三郎氏のお弟子さんなんだそうで。(^^;
で、いただいたのが、こちらのゆたか最強丼(期間限定で3500円・税込)と、のどぐろ握り。(2貫800円・同)
蟹の甲羅が飾り付けられ、これでもかと海の幸が乗っかった最強丼、これはほんとすごかった!とにかく、全てモノが良くて、このボリュームですからね。たまらんですわこれ。
そして、のどぐろ握り、少し炙って旨みがしみ出したのどぐろ、美味いに決まっとる!(笑)

朝から最強の海の幸を補充できて、大満足な朝食でした。
さて、ここからはまた北鉄バスで金沢駅へ戻りましょう。

金沢の街のなかはやっぱり自動車社会ですねぇ。朝のこの時間、駅の近くまで来るとなかなか進まないところがありました。
金沢駅東口前のバスターミナルに到着し、宿へ戻らずにこちらへやってきました。

東口の地下にある、北鉄金沢駅です。
そう、北陸鉄道浅野川線に乗ってみようと思い立ったのでした。

電車の始発駅では、改札が始まるまで改札前に並ぶのが、北鉄の流儀のようですね。
そのうち改札が始まりましたので、ホームに入りました。

2番ホームで待っていた、7時54分発内灘行き、03系03-129F2連での運転でした。
浅野川線では、京王井の頭線3000系改の8000系が主力となってきましたが、2020年から東京メトロ03系の改造投入が行われ、現在は03系2連5編成、8000系2連1編成の陣容となっています。
電車は地下駅の北鉄金沢を出て地上へ抜け、金沢の下町を浅野川に沿って駆け抜けていきます。駅間が短く、いかにもな地方ローカル私鉄の風情です。
時間が時間なんで、通勤通学客で車内はまぁまぁの混み具合でした。

この浅野川線にはいくつか難読駅名の駅があります。
こちらは蚊爪、「かがつめ」と読むんですが、これを最初からすんなり読める人って、まずいないでしょうね。(^^;
こちらは、大野川を渡るところ。
浅野川もこの大野川の支流でして、この近くで大野川に合流しています。

朝のこの時間、雨がぱらついていました。
このあたり、明け方には雷が鳴っていた時間帯もありましてね。
大野川を渡って粟ヶ崎に停車し、まもなく終点の内灘というところまで来ました。

左カーブしながら、列車はホームに進入していきます。
8時11分、電車は終点の内灘に到着しました。
北鉄金沢からは17分の乗車でした。

折り返しの電車にそのまま乗らず1本後にして、少し駅の近辺を歩いてみようと思い立ちました。
駅の外をぐるりと一周してきました。

駅には内灘検車区(車両基地)が併設されていて、検修庫があります。
ワタシが訪ねたときには、構内に03-130Fと03-140Fの2本が留置されていました。で、写真中央の検修庫の中には、8000系唯一の残存車・8801Fが眠っていたようです。

実は25年前、この内灘駅には来たことがありました。こちらでも書きましたが、そのときは車での訪問でして、浅野川線に乗ってやってきたのは今回が初めて。
25年も経つと、さすがにいろいろ変わりますよね・・・。
さて、そろそろ金沢へ戻りましょう。

内灘8時39分発北鉄金沢行き、03系03-134F2連での運転でした。
ちゃんと内灘駅の改札前に並んで、入場開始を待っていました。(^^;
こちらは、大河端の駅。「おこばた」と読むんですが、これも難読駅名ですよね。

このあたりは、浅野川の土手沿いに走っているんですが・・・浅野川がもしも氾濫したとするとちょっと怖いかなと・・・。
8時56分、電車は北鉄金沢に到着しました。

北陸鉄道といえば、あと石川線のほうもありますね。そちらも、またの機会に乗っておきたいなと思います。
とりあえず、いったんホテルへ戻り、そしてチェックアウト。

今回金沢では、駅直結の「ヴィアイン金沢」を利用しました。なんたって駅直上ですから。(笑)
利便性を思い切り享受しました。

なんか天気もよくなってきましたね。
駅でお土産物を物色して、いよいよこの旅最大の目的を果たすために移動開始です。

金沢駅の新幹線ホームに上がってきました。
写真はどちらもW7系。右13番ホーム側が、「はくたか551号」で東京から到着したW4編成12連。そして左の14番ホームに停まっているのが、ワタシがこれから乗車する、9時54分発「つるぎ15号」敦賀行きのW1編成12連です。
W4編成が回送で白山総合車両所へ向かったあと、13番ホームには、ワタシが前日長野まで乗車した「かがやき503号」敦賀行きが入線。この日はW18編成でやってきました・・・ほんと、出合う車両が見事にW7系ばかり、E7系にはほんと合いません。(^^;
「かがやき503号」の後を追うようにして、「つるぎ15号」も金沢を発車。

しばらく走ると、左手には白山総合車両所が見えてきました。
JR西日本の北陸新幹線車両が拠点とする車両基地です。

9年前のこのときに、在来線からこの白山総合車両所を眺めたことがありましたね。ほんと、その頃からは、このあたりの鉄道は大きく変貌してしまいましたね。
こちらは、途中駅の小松。
「つるぎ15号」は停車駅の少ないタイプで、途中は福井にしか停まらないので、ここ小松は通過です。

このあとの加賀温泉や芦原温泉に関しては、通過したことに気づかないくらい、あっという間に走り抜けていました。(^^;
10時18分、唯一の途中停車駅・福井に到着。
列車の隣には、えちぜん鉄道のホームが見えています。愛知環状鉄道からやってきたMC6101形車両が見えていますね。

福井ももう、しばらく降りたってないですね。多分、越美北線に乗車しに行ったこのとき以来だと・・・もう17年も前ですか。
在来線と接続しない単独駅となった越前たけふを通過し、まもなく敦賀というところまでやってきました。
引上線で待機する特急車両の姿も見えていますね。
10時36分、「つるぎ15号」は終点の敦賀駅11番ホームに到着しました。
これをもって、ワタシ自身のJR旅客営業路線完乗のタイトルは無事回復ということになりました。
延伸開業から半年かかりましたが、ようやく乗ることができました。

新幹線駅のホーム、床が木目調になってますね。船の甲板をイメージしているのだとか。これは他の新幹線駅では見かけないですね。(^^;
さて、新幹線ホームから、階下のコンコースへ降りてきました。

新幹線から在来線へ乗り継ぐお客さんでかなり混みあっていたんですが、在来線乗換改札を通過してしまうと、人の流れはさらに階下の特急ホームのほうへ・・・。
この敦賀での新幹線~在来線特急間の乗り継ぎ問題は、開業直後から大きく報じられていましたが、実際これは大変そうだなぁと。
ワタシはいったん駅の外へ出ようと、駅の西口(まちなみ口)のほうへ向かいましたが、そちらの通路は人もまばらでした。
敦賀で街へ出ようという人は、やっぱり少ないのでしょうね。
というわけで、新幹線開業以前は唯一の駅舎であった、敦賀駅の西口へ出てきました。2014年に「敦賀駅交流施設オルパーク」と一体のものとして新しい建物になっています。
駅前にはロータリーが整備され、近郊へ向かうバス乗り場があります。

少しロータリーの周囲を歩いてみたんですが、実はこの敦賀駅西口前には、昔ながらの喫茶店がいくつかあってですね。なんかとてもよさげな雰囲気だったので、お昼はそちらにしようかな?とも一瞬思ったんですが・・・。
・・・事前にいくつか調べてあったなかに、このあたりのお酒で昼呑みができそうなお店がありましたんで、結局そちらへ向かうことに。(^^;

やってきたのは、駅からすぐ近くにある、こちらの「魚とごはん ますよね」。11時には店を開けるとのことでしたので、ちょっと待ってから入店してみました。
で、メニューを見たらば・・・ちゃんと、地酒の呑み比べができるセットがあるんですわこれが。(笑)

なので、その「地酒飲み比べ3種」(1500円・税込)をまずチョイス。そこにいくつかアテをつけることにしました。
「地酒飲み比べ3種」は、鯖江市の「梵(ぼん)」ときしらず純米吟醸、永平寺町の「黒龍」大吟醸、美浜町の「早瀬浦」純米の3種類。福井県内各地の銘酒を一度に味わえるというのはいいですねぇ。
そしてそこに、紅ずわい蟹の酢の物(980円・同)なんてのをつけてみました。なんかこういう酢の物みたいなのが恋しくなってですね・・・ワタシは自宅での朝飯でふだんから、飲用の酢を飲んだりしているくらいなんで、旅に出るとそういうのがふと欲しくなりまして。(^^;

さらに、こちらのへしこお刺身(880円・税込)も注文。
へしこ、というのは、鯖などの青魚を塩漬けしたあとに米ぬかに漬けて作られるもの。前日に金沢で食べた「こんかこんか」と近いものですね。

まさに地のものづくし!短時間ですが、堪能させてもらいました。
昼の宴(笑)を終えて、少し土産物を物色したあと、敦賀駅に戻ってきました。

在来線ホームの向こう側に見える新幹線の高架は、車両基地(白山総合車両所敦賀支所)へ向かう回送線が分岐したあと、途切れています。
この先、新大阪までのルートもまだ完全に定まっていない状況で、しばらくはこの敦賀が北陸新幹線の終端ということになるんですが・・・果たしてこの先どうなるのか・・・。
で、西口の駅から在来線ホームを越え、特急が発着するホームへと向かいます。
敦賀駅の西口から、大阪・名古屋方面の特急に乗ろうとすると、在来線ホームを越えていったん新幹線ホーム下のコンコースまで行き、そこで下の特急ホームへ降りる、という道のりになります。
今回実際歩いてみて、これはかなり遠いわと・・・敦賀から特急に乗るということのハードルがかなり高くなった印象でした。体の不自由な人たちや高齢者などが「利用しにくくなった」と感じているのでは、という懸念はありますね。
さて、特急ホームへとやってきました。

ここからは34番ホームに停車中の、12時10分発「しらさぎ56号」米原行きに乗車します。車両は681系W12編成6連でした。
向かい側の33番ホームには、683系B40編成9連の「サンダーバード20号」大阪行きが停車中。乗り換え時の混乱を防ぐためという理由で、双方の停車位置はずれているのだとか。
敦賀から米原までということで短時間の乗車なんですが、少しビールでも、と思って(笑)、駅のコンビニで「北陸ビール アンバーエール」を買い込んできました。「加賀百万石ビール」や、北陸新幹線金沢開業時に登場した「グランアグリ」などを手掛けるファーム川北の製品、やはり芳醇な香りが特徴で、とてもおいしいビールです。
「しらさぎ56号」は定刻に敦賀を発車しました。

駅を出ると、右手に在来線の車両基地である金沢車両区敦賀支所が見えてきます。敦賀~大聖寺間の旧・北陸本線を運行する第三セクター・ハピラインふくいのカラーになった521系の姿も見えていますね。
かつては、寝台特急の牽引などで北陸路を走るEF81形が憩う機関区があり、機関車の姿をたくさん見られた場所ですが、顔ぶれもほんと変わりました。
鳩原ループ線を走り、列車は新疋田を通過。

ワタシも以前、ここへは北陸特急の撮影に来たりしたことがありました。それももう20年くらい前の話で・・・特急は走ってはいますが、当時のようなバラエティ豊かな顔ぶれというわけにはいかなくなりましたね。
滋賀県に入り、琵琶湖東岸へと進んできました。

「しらさぎ56号」は、途中長浜にしか停車しません。
というか、敦賀から米原までは34分しかかからないんでですね。
文字通り、東海道新幹線と北陸新幹線を結ぶ「シャトル特急」のような感じですもんね・・・。
12時44分、「しらさぎ56号」は終点の米原駅7番ホームに到着しました。

ここからは、ワタシも東海道新幹線への乗り換えとなります。あまり時間はないので、早々に乗換改札へ・・・。
そして、新幹線11番ホームへ。

米原12時53分発、「ひかり639号」新大阪行きに乗車します。N700系2000番台(N700a)X63編成16連がやってきました。
東海道新幹線に乗るのは、正月のこのとき以来になりますね。
東海道新幹線、というかJR東海の区間に来たら、こちら。

やはり、静岡茶、飲んじゃいますね。(笑)
ほんと、30年くらい前から、この静岡茶にはお世話になってます。(^^;
こちらは、京都。

前回、いま中2の娘と泊りがけで京都に来たのが、もう2年前なんですよね。
またゆっくり京都にも来たいんですが・・・ほんと、行きたいところが多くて大変なんですわ。(笑)
13時27分、「ひかり639号」は終点・新大阪駅24番ホームに到着しました。

このあとの乗り継ぎ列車は22番ホームか・・・さっさと移動しなきゃですね。
同一ホーム乗り継ぎを期待しましたが、そんなに甘くはないです。(^^;
ここからは、この列車で一気に九州へ戻ります。

新大阪13時41分発「のぞみ27号」博多行き、JR東海所属のN700S・J38編成16連での運転でした。
東海道・山陽新幹線のN700Sはワタシ自身、小倉~博多の短区間でしか乗ったことがなかったもんで、今回ようやくじっくり乗れることになりました。
乗り継ぎの間に、ホームの売店でこちらを買い込んできました。

「シンカンセンスゴイカタイアイス」ことスジャータのアイスクリーム(バニラ)、そしてみっくちゅじゅーちゅさわー!大阪来たらやっぱり手が出ちゃいますわこれ。(笑)

ということで、旅の〆に「居酒屋のぞみ」開店といきませう。(^^;
新大阪を出て、まず見えてくる光景がこれ。

網干総合車両所宮原支所ですね。
写真には青い12系客車、あるいは欧風客車「サロンカーなにわ」が見えていますね。宮原の12系も、中間車のオハ12形をすべて廃車にするということでしたので、もう風前の灯という感じですね。
新神戸に停車したあと、左手には明石海峡大橋の姿が見えていました。

今回は関西圏は通過するだけになりましたが、京都だけじゃなく関西あちこち、じっくりまわってみたい・・・。
こちらは岡山発車後。

かつての岡山電車区、現在は下関総合車両所岡山電車支所と呼ぶそうですが、見ていると227系「Urara」がかなり数を増やしていまして、115系を追いやってきているのが分かりました。
岡山あたりでは、381系「やくも」も新型へ置き換えになりましたし、車両もかなり様変わりしてきているようですね。
まもなく広島というところまで来ました。
左手には、マツダスタジアムの姿が見えてきました。

広島でまた美味しいお好み焼き食べたい・・・あー本当に、いろいろ行きたいことやりたいことが尽きませんわ。(笑)
この間、新幹線で大きく変化したことの一つに、特大荷物の取り扱いがありますね。
各車両進行方向最後部座席の「特大荷物スペース付き座席」の設定に加え、一部車両に「特大荷物コーナー」の設置が行われています。いずれも事前予約したお客さん専用となっています。
従来から、大きな荷物の置き場所をめぐっては車内でトラブルもありましたからね。
新関門トンネルを抜け、「のぞみ29号」は九州へ。

小倉に停車し、紫川を渡ってさらに西へ。

日が傾いてきましたね。
16時9分、「のぞみ29号」は終点・博多に到着しました。

戻ってきちゃいましたね。(笑)
新大阪からの乗車時間はあっという間でした。朝も早かったし少しウトウトしようかなとも思ったんですが、結局そんな暇もなかったです。(^^;
新幹線改札内の「駅弁当」新幹線コンコース店で、鳥栖駅弁の中央軒「復刻版かしわめし」を4個購入。自宅で晩飯にしようと思って、家族の分も買い込みました。

そんな駅弁の袋も持って、博多16時23分発、普通2162M列車海老津行きに乗車。813系RM1+RM2221編成計6両での運転でした。
地元の箱崎までは5分ほど・・・。
ということで、久々の単独での泊りがけの旅となりました。ワタシ自身のJR旅客営業路線完乗タイトル回復がメインながら、東京に立ち寄ったり、ローカル線の乗車をしたりしながら、かなり盛りだくさんな内容になりました。
おいしい食べ物やお酒にも出合えて、そちらの面でも充実した内容になったかなと。振られたお店もありましたけどね。(^^;
地方私鉄も含めたローカル線の旅は、これからもっともっとしてみたいですね。まだまだ見たことのない風景がいろいろあるはずで、そんなところにも時間が許す限り行ってみたいと、今回強く思いました。
<おわり>