(2022・5)
今回は、諫早駅スタート・ゴールのJR九州ウォーキング参加の顛末記です。
西九州新幹線武雄温泉~長崎間の部分開業が9月に迫るなか、先月の武雄温泉駅のウォーキングの際には、武雄温泉駅の新幹線駅舎見学がありましたが、今回は諫早駅の新幹線駅舎見学がコースに組み込まれていました。そしてさらに、在来線の長崎工務センターにも足を延ばすという・・・。
で、往復の行程は長崎本線。西九州新幹線部分開業とともに、長崎本線の肥前山口(「江北」へ改称予定)~諫早間はJR九州が運行を担うものの上下分離となります。肥前鹿島から先は特急が走らなくなり、さらに肥前浜から先は非電化になります。やはり気になりますよね。

ということで、ウォーキングとその前後の乗り鉄のまとめ、いってみましょう。今回はワタシ単独でした。
なお、ウォーキング部分についてはこちらも参照ください。
5月21日朝。
まずは、箱崎6時9分発の普通2831M列車肥前山口行きに乗車して、博多まで出てきました。車両は811系PM2010編成4連。
土曜の朝ですが、通勤の人も含めて、お客さんはけっこう乗っていました。博多でかなり入れ替わっていましたが。
一回改札を出て、きっぷと朝食を調達して、再びホームへ。

3番ホームから6時33分発、「かもめ3号」長崎行き。885系SM9編成6連での運転です。車両は南福岡車両区から回送で到着しました。

乗り込んで、調達してきた朝飯を。
コンビニ飯ですが、ファミリーマートの鶏そぼろ弁当。やはりかしわめしが幅を利かせている土地柄、こちらの弁当は地域限定販売とのこと。
まぁでも、それなりにおいしいのですよ。(^^;
定刻に博多を発車した「かもめ3号」。鳥栖からは長崎本線に入ります。

朝早い列車ということもあってか、車内はけっこう空いていまして、ゆったりと過ごすことができました。
シートに電源もあるので、スマホを充電器につないで・・・。(^^;
まもなく肥前山口、というあたり。

もう麦も収穫の時期ですね。すっかり麦秋の雰囲気に。

ここで一句。
「黄金色 朝日に輝く 麦秋の候」、字余り。
肥前鹿島手前、塩田川を渡る橋梁のところで、列車が減速。
25km/h制限がかかっていました。
工事か何かでしょうかね・・・。
こちらは、肥前大浦を過ぎて、里信号場のあたり。
本当にいい眺めが広がります。
このあたりの長崎線は、有明海の明媚な光景を見ながらの道のり。直線的ではないのでどうしても時間がかかるんですが、それでもここを経由する路線に乗る価値は十分にあると思いますけどもね・・・。
乗車した885系SM9編成の2号車・モハ885-202のデッキは、こんな感じです。
このデッキも、登場当時はかなり斬新な感じだったんですが、最近はだいぶ傷んできているのが写真でもわかります。
そういえば885系も、登場からすでに20年以上が経過してるんですよね・・・。
8時14分、「かもめ3号」は諫早に到着しました。

ここで列車を降りるのは、このとき以来かな・・・。
向かい側のホームには、YC1系。8時20分発の長与経由長崎行き普通229D列車のようですね。YC1-204+1204+1104の3両でした。
さて、ここからはウォーキング、ということになるんですが・・・。
スタートが8時30分から、ということで、新幹線改札の前に列ができていましたので、ワタシもそこに並ぶことに。

時間よりやや早く受付がスタート。
並んでいた人たちが続々と、新幹線駅の構内へ入って行きます。

この諫早駅での案内は、上りが「新鳥栖・博多方面」、下りが「長崎行」という感じでした。「武雄温泉」の名は出てきません。
やはり、九州新幹線の部分開業時と同じく、新幹線とリレー特急を一体として捉える向きになっていますね。
ホームへ降りてきました。
今回の見学に供されていたのは、上り用となる11番ホームでした。

左下写真は駅名標の様子を撮ったものですが、ガラス張りの背後にはもう住宅地が・・・なんだか、新幹線駅とのギャップがすごいなぁと。
こちら、上り方を見たところですが・・・。

諫早手前の高架から、グッと坂を下って諫早駅に進入するという感じが、よく分かると思います。跨線橋もあるのでやむを得ない構造なんだと思いますけどね。
新幹線駅舎の見学を終えて、出てきました。
「新幹線のりば」の標記の上に、「2022年秋 新幹線開業」と赤い文字で表示されているのが見えています。
今までの新幹線開業で、こんな標記ってやってたのかなぁ・・・。

在来線の改札前のところには、カウントダウン表示もされていました。
もう、(この日の時点で)125日しかないんですね・・・。
ここからはウォーキングのコースへ歩みだしていきます。

前回、ここの東口駅舎の前に出てきたのはこのとき、だったですね。
あれから11ヶ月近く、すっかりこの駅舎もできあがっていました。
さてと、駅をあとにコースへ歩き出します。

コースは本明川をいったん渡って、そのあと河川敷へ降りていきます。
河川敷を上流に向かって歩いて行きますが、その先に、長崎本線の本明川橋梁があります。
時折、そこを列車が渡っていく光景を見ることができます。写真は遠いうえにタイミングが、ですが。スマホなんでね。(笑)
さらに河川敷を進むと、こんな光景に出合いました。

川の向こうに、新幹線の高架が見えています。
諫早の新しい風景、ということになるんでしょうか。
今回のウォーキングでは、立ち寄り場所が少ないというのもあってか、コースの途中でこうしてクイズを出題する、というアトラクションが設定されていました。
全部で4問ありまして、こちらは1問め。「金貨は千円 優しい」をひらがなにして並べ替えると、2つの単語ができる、ということで・・・これ、正解は「しんかんせん いさはやえき」となるんですが、こうして新幹線にひっかけた設問がされていました。
田園地帯や住宅街などを通っていくんですが、その途中でこちら。

カッパの辻、という場所で、よく見ると、カッパが釣り糸を垂れている石像が置かれています。
ワタシもいろいろ調べてみましたが、由来はよく分かっていないそうで・・・ただ、昔は水場として使用されていた場所ではあるようです。
そのままコースを進んでいくと、こちら。
在来線の長崎工務センターへたどり着きました。
ここは、このあたりの在来線の保線関係の業務を行っているところで、この日は保守用車や高所作業車の見学やアルミカートの乗車体験、子供向けの新幹線ミニトレイン乗車などが行われていました。

構内には、レールを載せた黒チキもおりまして、その横を大村線の列車が走っていく光景も。
YC1-211+1211の2両は、佐世保発(長与経由)長崎行きの普通231D列車のようでした。
さらに、工務センターを出ると踏切を渡っていくんですが、そこでは佐世保行きの列車の通過に遭遇。
YC1-1215+215の2両で運転のこちらは、快速3226D列車佐世保行きのようでした。

大村線もすっかり、YC1系だらけになっちゃいましたね。
コースもいよいよ終盤。

先ほど、新幹線ホームから眺めていた跨線橋、市道諫早駅前12号線の永昌東跨線橋(1992年架設)を歩いて、新幹線、そして在来線の線路を越えていきます。
写真は金網越しですが、スマホなんでこんな感じで撮れてしまいます。
結局、10時過ぎには諫早駅にゴールとなりました。
まぁ距離自体も5km余りと短かったのでですね。

で、先ほど触れたコース途中のクイズですが、ゴール受付で4問の答えを係員さんに伝え、全問正解だと、写真のオリジナルシールをプレゼントされます。ワタシもゴールで答えを全部伝えると、係員さんから「完璧です!」と。(^^;
あまりにも早くゴールして終わってしまったんで、もうちょっと足を延ばすことにしました。

諫早10時30分発、快速3223D列車長崎行きに乗車します。車両はYC1-205+1205の2両。
YC1系に乗るのも、前回このとき以来ということになります。
快速なので、諫早を出ると、喜々津、浦上にしか停車しません。
喜々津では787系「かもめ9号」の通過を待ち、そのあとは新線区間を爆走していきます。
写真は現川通過の様子。

キハ66・67もエンジン換装していましたが、やはり走りでは新型のYC1には敵わないですよね・・・。
浦上に停車し、次は終点の長崎。

混雑していたので、この列車ではずっと立っていました。
前方を見ると、高架駅の長崎駅が見えてきました。
まだ慣れないですねこの眺め・・・。

11時3分、3223Dは終点・長崎駅1番ホームに到着しました。
ホームから降りてきたところに、こちら。

新幹線のフォトスポットができていました。
N700S「かもめ」の指定席の座席も置いてありました。
こちらも、雰囲気の盛り上げには余念がないようで。
改札を抜けてきました。

駅の西口側、前回来たときにはまだ整備中だった出島メッセ長崎・ホテルヒルトン長崎がすでに開業していました。
着々と事は進んでいるようですな。
一方、東口側はまだまだ整備中で、駅ビルのアミュプラザへ、こちらの通路を抜けないとたどり着かない状況は変わっていませんでした。

とりあえず、そろそろお昼を探しますかね。
11時過ぎではあるんですが、お腹も空いてきたことだし。
で、今回は東口駅前、電車通りを渡ったところを少し歩きまわって物色してみました。
すると、このお店の前に開店前の行列ができているのを見つけまして、これは入ってみるかと。
列もそこまで長くなかったので、並んで開店を待つことにしました。

ここは長崎大勝軒。2007年に閉店した東池袋「大勝軒」の山岸一雄氏(故人)のもとで修業した大将が開いた、「最後の暖簾分け」といわれるお店です。
「つけ麺の生みの親」といわれた山岸氏の薫陶を受けているだけあって、やはり、つけ麺のルーツとなったもりそばがメインではあるんですが、中でも長崎限定ということでこのお店の人気ナンバーワンとされているのが、ぶたもりそば(900円・税込)です。
スープは魚介豚骨醤油味、ぶたもりそばではたっぷりの豚肉、そしてショウガが入っています。スープをすすってみると、ショウガの香りがツンと鼻を突き、飲んでいるうちに体が温まってきます。
麺は中太ストレートの平打ち麺、スープとの絡みも良好です。200g・300g・400gから追加料金なしで選べるということで、初回ということで遠慮がちに300gを注文したんですが、この内容だと400gは楽に行けたなと、あとで後悔・・・。

いや、行列に並んで正解でした。
ほんと、長崎でこの味をいただけるとは・・・。(^^;
さて、お昼を食べ終わって、駅前に戻ってきました。
かつて四代めの駅舎があった場所、すっかり整地されていますね。

そうそう、四代め駅舎とアミュプラザの間にあった「かもめ広場」ですが、このあたりの再整備のなかで、再び大屋根付きの広場ができるらしいんですよね・・・あ、長崎市のサイトにイメージ図が出てましたよ、よかったらググってみてください。
駅に入ってきました。
新幹線改札のあたり、こちらも完成に近づいているようです。

改札口の奥・・・何か灯ってるな~と思ったら、電光案内板の電源がはいっていました。
表示は「調整中」でしたが・・・。
改札を通って在来線ホームへ。

在来線ホームの隣には、新幹線ホーム。
既にここにも、試験走行の列車が入線済み。
この日は見ることはありませんでしたが、じきにそちらも列車がいるのが当たり前になるんですよね。
そして、787系はここには来なくなる・・・。
ここからですが、こちらに乗って移動します。

長崎12時12分発、普通5124D列車長与経由喜々津行き。車両はYC1-1212+212の2両です。
長与経由の旧線に乗るのって、いつ以来?と思ったんですが、このときらしい・・・ということは、もう20年も乗ってなかったことになるわけで、何ともはや・・・。(^^;
列車は定刻に長崎を発車。次の浦上から旧線へ進みます。

12時29分、長与に到着しました。
ここでは下りの普通235D列車長崎行きとの行き違いのため、7分もの停車時間があります。

旧線区間、そういえば前回乗ったときはキハ200だったんですよね。
キハ66・67で乗っておくべきだったかな・・・。
長与を出ると、高度を上げて次の停車は本川内。
かつてはスイッチバックの駅として有名だったところですが、ワタシが前回乗車した直後の2002年3月にスイッチバックは廃止となり、勾配部分の本線上に新しくホームが設けられています。
今回見てみると、スイッチバック時代のホームにもまだレールが残ってるんですね・・・20年も経ってるのに、残ってることにびっくりしました。
さらに進んで、ここはまもなく東園、というところ。
旧線随一の列車撮影ポイントでもある、海沿いの大カーブのあたりです。
列車の中から見ても、この景色いいなぁ~とつい口走りそうになりますね。さすがに、単独乗車でそんなことすると怪しいだけなんでしませんが。(笑)
市布経由でやってきた新線と合流し、5124Dは12時56分に終点・喜々津に到着。

ここからは乗り継いで、さらに長崎本線を上ります。
喜々津13時1分発、普通2860M列車鳥栖行き。車両は817系VN31編成2連。長崎始発新線経由で、鳥栖までの長崎本線を走り切ってしまう運用です。
肥前浜~長崎間の電化をやめてしまうとなると、この区間を電車で走破するなんてことはできなくなってしまいますね。
次の西諌早でどうにか座ることができたので、そこから先はゆっくり窓の景色を眺めることにしました。

で、運行情報をチェックしていると、午前中に鹿児島線赤間で快速列車の窓ガラスが割れているのが確認された件で、博多方面からの列車に遅れが出ているとのことで・・・。
長崎線の末端に近いエリアでも、その影響が出てきていました。

写真は、肥前長田で行き違いとなった885系SM9編成(朝に乗った編成!)の「かもめ19号」ですが、7分遅れでやってきました。
列車遅れの関係で、JR九州アプリで在線情報を表示できる「どれどれ」を見ていたら、「かもめ19号」の後ろから何か列車が追いかけてきているのが分かりました。回送か試運転のようで列車名や行先は表示されていませんでしたが・・・。

次の小江駅で行き違いになるということで見てみると、待っていたのはYC1-214+1214の2両編成。
どうやら、非電化移行後を睨んでの試運転をやっているようでした。調べてみると16日から始まっていたとのこと。
なんと、こういう光景を見ることになるとは思いませんでしたねぇ・・・。
さらに進んで、長崎県内最後の駅となる小長井へ。

ここは本当に、海が近い。諫早湾がすぐそこに広がっています。
向こうには、雲仙・普賢岳が見えます。

ホームからのこの眺め、たまりませんぜ!
さらに進んで、ここは里信号場。
ここに着いた時点で、2860Mの遅れは2分まで戻っていました。

行き違いの列車は、そちらも2分遅れの「かもめ21号」、885系SM7編成でやってきました。
青い空に白い車体って映えますよねぇ~。この車両、もう登場して22年になるんですが、外見を見ている分にはそんな古さを感じません。
乗ってみると、上のほうでも少し書きましたが、いろいろあるんですけどもね・・・。
こちら、乗車したクハ816-31の車内の様子です。
最近、817系の転換クロス車で進行しているロングシート化の改造は、まだ施されていません。
ただ、この佐世保車両センター所属車でも、ぼちぼちと改造は進んでいますので、いずれはこの車両もそうなっちゃうんでしょうね・・・。
そうこうしているうちに、列車は14時30分、肥前浜に到着。
この時点で、まだ2分の遅れを引きずっていました。

このときに訪ねた、肥前浜駅の駅舎別棟にある日本酒バー「HAMA BAR」、この日も営業しているようでした。
一度、人が多くないときにゆっくり訪ねてみたいなぁ・・・。
こちらは肥前白石駅。
ここでは、787系BM10編成7連の「かもめ23号」との行き違い。

ワタシの乗った2860Mは4分遅れでの到着、「かもめ23号」は1分遅れでの通過でした。
しかしながら、行き違い待ちの短縮などで、2860Mは徐々に遅れを戻してきていました。
佐賀が近づくころには、遅れはわずか1分に。

写真は、嘉瀬川河川敷、臨時駅のバルーンさが駅のあたりです。
ほんと、いい天気ですね。
肥前山口あたりで少し増えてきてたお客さんが、佐賀に来ると一気にどっと増えてきました。

この日、実はサッカーJ1・サガン鳥栖の試合が鳥栖で行われるということで、それに向けてサポーターたちが続々と集まっているようでしてね。
いや~けっこう動員してるんだなぁ・・・。

このあと、肥前麓到着時点で、2860Mはついに遅れがなくなりました。
かなり回復運転がんばってましたもんね・・・運転士さんお疲れ様です。(^^;
定刻の15時32分に、2860Mは終点・鳥栖駅2番ホームに到着。
その直後、乗り継ぎの列車が向かい側の1番ホームに入ってきました。

鳥栖15時34分発、区間快速(二日市→博多間快速)福間行き1230M列車、817系VM3005+VM3011編成計6両でやってきました。

博多からは各駅に停まるんで、そのまま地元の箱崎まで戻ってきました。
長崎から・・・普通運賃だけで戻っちゃいましたね。帰りも特急に乗るつもりだったんですけどもね。(^^;
今回は思い切って諫早、そして長崎まで足を延ばしました。
ウォーキング自体も、新幹線駅見学ということで見どころはあったんですが、今回の場合は往復の乗り鉄で、まもなく激変を迎える長崎本線の様子をじっくり見られて、なおかつ、非電化移行をにらんだYC1系の試運転列車に遭遇するというトピックまでついてきました。
西九州新幹線の部分開業までにまた行く機会があるかは分かりませんが、今後の動きは注意深く見守りたいと思っています。
<おわり>