(2021・6)
1975年に誕生して筑豊路を走り、2001年の「福北ゆたか線」電化開業後は大村線系統に転じて活躍を続けてきた、九州内独自の国鉄型気動車、キハ66・67形が、この6月いっぱいで全車引退することになりました。
ワタシ自身、子供の頃から乗ったり見たりしていた車両ではあるけど、近郊形のようで外見は急行色のキハ66・67が、いわゆる子供向けの鉄道図鑑にはほとんど載っていないことを、当時は不思議に思っていました。急行形にしても近郊形にしても、国鉄時代の気動車は全国区な車両が多かったですから。

乗れるのはこれが最後なのだろうなぁと思いながら、1日、乗り撮りを楽しむことにしました。
6月24日朝。
博多駅にやってきました。

自宅で朝食は食べてきていたんですが、行程の都合上、昼の食事が時間不定になる可能性があり、朝のうちに少し余分にお腹に食べ物を入れておこうと、博多駅でテイクアウトを物色。
実際、スケジュールはゆるゆるで考えていて、夕方までに帰りの列車に乗れればいいや、程度で組んでおりました。

で、手を出したのが、「博多サバーガー」(490円・税別)。
https://ameblo.jp/tohmori/entry-12682884969.html
↑ブログ記事にもしたんですが、博多駅のコンコース内に半年間限定で出店している「3&」(サンド)というお店のもの。これ、めちゃおいしいうえに、しっかりお腹にたまってくれました。(^^;
その「博多サバーガー」を持って乗り込んだのは、博多8時36分発、佐世保行き「みどり3号」。車両は783系CM13編成4連。
早岐までは、783系CM25編成4連のハウステンボス行き「ハウステンボス3号」と併結運転です。

来年2022年秋には、西九州新幹線(九州新幹線長崎ルート)の武雄温泉~長崎間の開業を迎えますが、武雄温泉から先の佐世保線、早岐・佐世保方面の在来線の運行体系についてはまだまだよく分からないところがありますよね。もちろん、佐世保方面は新幹線の恩恵はありませんから、博多との直通特急がなくなることはないと思いますが。
定刻に博多を出た「ハウステンボス・みどり3号」は、二日市、鳥栖、新鳥栖、佐賀、肥前山口と、快調に先を目指します。
写真は鳥栖駅。梅雨時期なんで天気を心配してたんですが、よさそうですね。
肥前山口からは佐世保線へ進みます。

肥前山口から武雄温泉までの間は、西九州新幹線開業に伴ってアクセス特急「リレーかもめ」が走ることになるため、現在、複線化工事が進行中です。
あちこちで、新しい線路敷や架線がすでにできていました。
こちらは、9時42分着の武雄温泉駅。
ここでは、在来線の「リレーかもめ」と、新幹線の「かもめ」との対面乗り換えのための工事が進んでいました。

かつて、九州新幹線新八代以南の部分開業の際は、新八代駅が在来線と交差するまったくの新設駅だったこともあって、在来線からの「リレーつばめ」が新幹線ホームへ駆けあがるためのアプローチ線が整備されるなど、配線も含めて大仕掛けな整備だったですもんね。
今回は既存駅を高架化したうえ、新幹線駅をそれに併設する形になったので、かなり違ったアプローチになっているのが分かります。
10時10分、「ハウステンボス・みどり3号」は早岐に到着。
ワタシはここで下車です。

早岐駅の横には、佐世保車両センターがあります。
南側に、国鉄色のキハ66・67-110の姿が。この日は昼はお休みのようでした。
一方、構内ではキハ66・67-3が入換で走り回っているのが見えていました。
ここからは、こちらの列車にちょっと乗ってみます。

10時25分発、区間快速4225D列車長崎行き。YC1-203+1203の2両での運転です。
YC1系には初めて乗りました。起動時はバッテリー電源で制御装置からの音が響き、加速時にエンジンがかかって・・・っていうのは、これまで体験したハイブリッド鉄道車両と同じですね。
で、この駅で4225Dを降りました。

千綿です。
目の前は大村湾。海が近い駅として、最近とくに人気のある駅です。この日も、撮影者が何人か構えていました。

いったん駅の外へ出てみました。
駅舎もこんないい佇まいです。
駅舎内では喫茶店が営業しています。次にきたときは、この喫茶店でのんびりしてみたい・・・。
ここからは、いったんもときた道を戻ります。

11時8分発、区間快速4228D列車佐世保行き。キハ66・67-7での運転です。
海の見えるホームに、ゆっくりと入ってくる2両編成の気動車。なんかいいですよね・・・。
動画もあります。(新しいウインドウが開きます)
https://www.youtube.com/watch?v=xGVU6xJCs1Q
4228Dを、川棚で降りました。
この駅で降りるのは初めてでした。

川棚駅には、「ななつ星 in 九州」の停車位置目標が設置されています。1泊2日コースでこの大村線を走っていますのでね・・・にしても、ずいぶんホームからは外れた場所ですよね。
ここ川棚からはこちらに乗車。

11時43分発、区間快速4227D列車長崎行き。ハウステンボスカラーを纏ったキハ66・67-12での運転でした。

先ほど下車した千綿のあたりを含め、海沿いの景色のいい区間を走っていきます。
キハ66・67が直方所属だった当時は、まさかこんな海沿いの眺めのいい区間を走ることなんて想像もしていませんでしたね。

動画もあります。(新しいウインドウが開きます)
https://www.youtube.com/watch?v=eaPo3ONP1uE
こちらは、松原~竹松間で設置工事が進みつつある、新駅・大村車両基地駅通過中の様子。
ホームはほぼ完成し、現在は駅前の方も工事が進みつつあります。
12時8分、列車は竹松に到着しました。
ワタシはいったんここで下車しました。

時間はお昼。
一応、朝のうちにある程度の腹ごしらえはしてましたが、それでもやはりこの時間にはお腹は空きますよねぇ。
で、駅前に何かあるかなと・・・実は、事前に少しリサーチしておいたんですよね。(^^;
で、立ち寄ったのがこちら。
「肉のハマサキ」。ズバリ精肉店です。
隣には、直営の焼肉店も併設していて、ランチもやっているようでした。
ゆっくり時間があれば、焼肉店でランチ、というのもいいかなと思ったんですが、時刻表とにらめっこしてちょっと予定してた行程を組み替えたもんで、そんなに時間はありませんでした。
で、結局こちらを買い込んできました。

手作りメンチカツ。(2個260円・税込)
ブログ記事にも書いたんですが、とにかく肉汁がしっかり閉じ込めてあって、一口食べるとそれがジュワーっと溢れてくる感覚が・・・。
お肉屋さんの惣菜はやはり侮れませんね。(^^;
ここからですが、ちょっとまたYC1系を利用します。

竹松12時47分発、237D列車諫早行き。車両はYC1-214+1214の2両でした。

今回の乗り鉄でYC1系に初めて乗ったんですが・・・トイレスペースや機器スペースなどの関係で、座席の設置スペースがかなり限られてるんだなぁというのが、実際に乗ってみてよく分かりました。
列車は大村に到着。
対向列車との待ち合わせがあるんで見ていたら、区間快速4232D列車は国鉄色のキハ66・67-1でやってきました。
おぉ、ここにトップナンバー入ってたか・・・。(^^;
13時7分、237Dは終点・諫早に到着しました。

後続列車待ちの間にお手洗い休憩。(笑)
トイレを出てきたところに、こんな掲示が。
ここだけでなくいろいろな掲示を見かけましたが、大村線沿線の各駅も、キハ66・67のラストをしっかり盛り上げている様子が伝わってきました。
さて、ホームへ降りてきたところで、この並びが。

まずは、佐世保からやってきた区間快速4229D列車のキハ66・67-7(写真右)が入線。
続いて、長崎からやってきた区間快速4234D列車のキハ66・67-2(写真左)が入ってきました。
こんな光景も、もう見られなくなるんですよね・・・。
諫早からは4229Dのほうに乗車しました。

新線経由で長崎トンネルを抜け、長崎の市街地へ入ってきました。
浦上駅も高架駅に。そして浦上を発車すると見えてきたのは、こんな風景・・・。
えらいこっちゃな風景でした。

やがて長崎駅が近づくと、右側には留置線が見えてきました。
長崎車両センターが移転でなくなりましたが、やはり長崎駅には車両を置いておくスペースが必要なわけで、限られたスペースのなかで留置線を確保している様子が見てとれました。
14時2分、4229Dは終点・長崎駅1番ホームに到着しました。

高架化された長崎駅には、今回初めてやってきたんですが、話には聞いていたものの、やはり激変、ですね。

西口となる新しい駅舎の前に出てきました。
再開発が進みつつある長崎駅の西側。その玄関口となるこの西口。
ホテルなどすでにいくつかの施設が姿を現しつつありました。
長崎駅の改札内では・・・。

JR九州長崎支社の公式Twitterで募集していた、キハ66・67の思い出写真、その一部が展示されていました。
実はこのなかにワタシの写真もありましたので、見に行ってみた次第。(^^;
さて、いったん退行しましょう。(笑)

14時31分発、826M列車諫早行き、817系VN20編成での運転です。
発車するのは、欠き取り式となっている4番ホーム。
かつて、地上ホーム時代には0~4番ホームという5つの乗り場が存在していましたが、高架ホームでは2面のホームにこの欠き取り式を設けることで、同じ数の乗り場を確保しています。
826Mは15時7分、諫早に到着しました。

今度は、駅の外へ出てみました。
諫早駅舎も、新幹線対応で構造が一新されました。
こちらは東口駅舎。近代的な建物に変わりました。
以前の駅舎を知ってるので、まさに隔世の感というか・・・。
諫早からは、こちらの列車で長崎へ戻ります。

国鉄色のキハ66・67-1で運転の、区間快速4233D列車。
そう、先ほど大村で行き違いをした時点で、この列車に入ることは分かっていましたのでね。

オリジナルのエンジンではありませんが、しっかりエンジンの響きも堪能してきました。
動画もあります。(新しいウインドウが開きます)
https://www.youtube.com/watch?v=mOQJrncw3aw
先ほどの長崎到着とは逆側の車窓。
山のトンネルから出てきた新幹線の高架が、進行方向左側に寄り添ってきます。
長崎駅到着の車窓風景も、本当に様変わりしました。
16時3分、4233Dは長崎に到着しました。

2番ホームに到着。その向かい側の1番ホームには、YC1-101+1101で運転の長与経由佐世保行き242D列車が停車中。
大村線系統の新旧の主役が並ぶ光景が見られたのでした。

この4233Dが、キハ66・67への最後の乗車になるのかな・・・。
今度は、長崎駅の東口、もともとの地上駅があったエリアへ行ってみました。
地上ホームはもちろん、ほぼ撤去済みになっていましたが、駅ビルに近い一角だけ、旧3・4番ホームの上屋が残されて、新駅舎との通路の一部となっていました。
このホームにもいろいろ思い出がありましてね・・・そんなことをいろいろと思い出したりしておりました。

かつての改札口を抜け、駅ビルの前に出てきました。
「みどりの窓口」があった場所の上には、N700S「かもめ」のイメージ画像をあしらった。来年秋の西九州新幹線長崎~武雄温泉間開業を知らせる看板が出されていました。
なんかでも、機運が盛り上がっているとは言い難い雰囲気なのかな・・・コロナウイルス禍というのもあるんですが。

駅ビルの一角にある土産物店街「長崎おみやげ街道」へ行って、土産物を物色。
「まるなか」さんのちゃんぽん天を買い込みました。ついつい、長崎へ来ると買ってしまいます。(^^;
そろそろ、帰路につきましょう。

在来線ホームから、すぐ横の新幹線ホームが見えます。
かなり工事が進んでいる印象でした。レールもすでに敷かれています。
そう・・・もう来年の秋なんですよ・・・。
帰りの列車は、5番ホームから17時18分発、「かもめ34号」博多行き。787系BM14編成7連での運転でした。
この787系も、在来線「かもめ」の終了後の去就が気になる車両ですね。

とりあえず、ここまでの無事を祝して一杯やることにしました。
自宅へ帰ったら晩飯があるんで、軽くで。(笑)
長崎から博多まで、約2時間の乗車になります。

写真は、里信号場付近。
雲がかかっていますが、西日がこんな感じで差し込んでいました。
思わずTwitterで「ほんと、何も考えずにボーッと車窓の景色を眺めることほど、贅沢な時間の使い方はないな」って呟いたんですが、帰路の車中では本当にのんびり過ごしました。

並行在来線となってしまう肥前山口~諫早間の長崎本線。肥前山口方からの電化区間は肥前浜までとなる方向であることが、最近一部で報道されました。
肥前浜~諫早間は非電化、つまり電化設備が撤去される方向になるようで、列車の運行は引き続きJR九州が行う(線路施設は自治体が保有する上下分離方式)ことになりますが、運行体系は大幅に変化することが予想されます。
19時17分、「かもめ34号」は博多駅1番ホームに到着。

そのまま、向かい側の2番ホームから19時27分発、小倉行き普通146M列車に乗り継ぎます。415系8両編成、Fo-123+Fo-1511編成での運転でした。
この時間に415系に当たるのも久々な気がしますね。
ということで、キハ66・67形の最後の活躍を追う日帰り旅はこれで終了です。
子供の頃から馴染みがあった車両なんで、ぜひとも最後にもう一度、という思いだったんですが、風光明媚な大村線での乗りや撮りをワタシなりに楽しめて、やっぱり行ってよかったです。
車齢も車齢ですんで、残っている車両も廃車の運命だとは思います。国鉄型気動車ではありながら北部九州限定の車両、15編成30両しかつくられませんでしたが、この車両で培われたものが、後のキハ47などに影響を与えているわけですからね・・・。
九州の国鉄・JR史に深く刻まれる車両であることは間違いありません。

46年間、本当にお疲れさまでした、と声をかけたい気持ちです。
<おわり>