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Part2(2019・8)
8月24日、土曜日の朝です。

JR九州ホテル宮崎、最上階14階の客室から。
明けゆく空の下に見えているのは、宮崎駅。
鹿児島中央行きの「きりしま1号」となる783系編成が停まっているのが見えていました。
朝6時半から朝食ということで、8階のレストランへ。

朝は、宮崎の食材を多く採り入れたビュッフェスタイル。宮崎名物の冷や汁も、もちろんラインナップされていました。
玉子かけご飯にしていますが、使用されている玉子は、JR九州グループの農場で生産される「うちのたまご」。さすがにJR九州のホテルですよね。
さて、朝食も終わってホテルをチェックアウト。
2日目の行程スタートです。

ここからは、まず「きりしま5号」鹿児島中央行きに乗車して、鹿児島県入りということにしていました。
車両は、大分車両センター所属の787系Bo-105編成4連。前日の「にちりん3号」で乗車したのも787系ですが、こちらはもともと、鹿児島線の「有明」用に組成された編成。1号車は半室グリーンで、ちびさんたちは前日のイメージがあるのか「個室がない!」とびっくりしていました。(^^;
宮崎駅2番ホームを8時15分に発車し、大淀川を渡ります。
川面が水鏡のようですね。

列車ではしばしのんびり・・・。
9時4分、列車は都城へ。
続けて9時9分には西都城へ。

西都城を出ると、左手には、国鉄分割民営化直前の1987年3月に廃止となった、かつての国鉄志布志線(西都城~志布志、38.6km)の分岐跡が見えてきます。
西都城駅は、1979年に全面高架化となっていて、この分岐した区間を列車が走ったのはわずかな期間だったということになります。
山間部を抜けて鹿児島県へ。

9時35分、列車は霧島神宮へ。
ここで、上り宮崎行きの「きりしま6号」と行き違いなんですが、そちらが少々遅れてやってきました。

で、このあたりで雨が・・・。
なんとかここまでは、雨降らずに来たんですけどもねぇ・・・。
行き違いの遅れがあり、「きりしま5号」は2分遅れの9時54分、隼人に到着。
ワタシたちはここで下車しました。

隼人駅には、いろいろな列車が。
2番ホームには、肥薩線からやってきたキハ47-9046+キハ147-105が、そして3番ホームには415系Fk-514編成4連がやってきました。
Fk-514編成は、かつて南福岡電車区(現・南福岡車両区)に所属していましたが、すでに鹿児島へ移って12年ですか・・・。
ここからは、肥薩線へ進みます。

隼人10時8分発、「はやとの風2号」吉松行き。キハ147-1045+キハ47-8092のペアでの運転です。

キハ47が特急に!と騒がれながら運転開始したのが、九州新幹線部分開業の2004年3月。すでに15年が経過しましたが、いまやすっかり肥薩線南区間の顔になりましたね。
ワタシもそうですがうちのちびさんたちも、このとき以来の乗車となりました。
乗車して、さっそくこちら。

お酒は、芋焼酎にも使用されるサツマイモ「黄金千貫」を使用した発泡酒「薩摩GOLD」。そして、おつまみは有村屋さんのさつま揚げ。
少しビリ辛なさつま揚げに、サツマイモのあま~い香りがする発泡酒、これはたまらんですね。(^^;
10時22分、列車は嘉例川に到着。ここで8分停まります。

かつて、2004年に放映された「最長片道切符」の番組で登場して以来、すっかり全国区の有名駅になった、ここ嘉例川駅。
開業から116年が経過した木造駅舎は、現在は地元の霧島市の管理下に。列車以外にも自動車や観光バスで訪ねてくる人もけっこういますよね。
続いて10時36分、霧島温泉に到着。
ここでも5分停まります。
ホームでは地元のみなさんが、お茶のお振る舞いをしてくださっていました。こういう歓迎ぶりが、乗車している側としては非常にうれしいのです。
ちなみにそのお茶は、水出しでもいけるという粉末を使っているとのことで、そちらをお買い上げ。こうして地元にお金を落とすのも、大事なことですよね。
次に10時48分、大隅横川に停車。
ここでも6分の停車となります。

ここ大隅横川の駅舎も、嘉例川駅と同じく116年前の木造駅舎が残っています。ここの駅舎のことについては、こちらでも書いてますので参照してください。
そのとき(16年前)と比べると、さらに手が入れられていて、駅舎前に掲げられた駅名額も木目のものに取り換えられていますね。
かつての山野線の分岐駅である栗野に停車し、「はやとの風2号」は11時11分、終点の吉松に到着しました。

ここからの乗り継ぎには少し時間がありますので、ちょっと駅の前に出てみることにしました。
ワタシが以前、ここに来たときにはなかったものが、駅の前にできていました。
それがこちらの観光SL会館。
お土産やお弁当などを売っていて、飲食もできるという建物。鉄道資料館も併設されています。

そして、C55-52、こちらも健在でした。
引き続き、きれいに整備されているようですね。

ちょっと雨が降ってきましたので、大慌てで駅へ戻りました。
駅へ戻ると、「はやとの風」は折り返し鹿児島中央行きの「3号」として発車したあと。
そして、次に乗る列車が到着していました。

11時49分発の「しんぺい2号」人吉行き、熊本車両センター所属のキハ47-9082+8159の2両での運転となります。
「いさぶろう・しんぺい」に乗車するのも、ワタシ自身15年ぶりになるのですよね。

観光バスでやってきた団体さんが乗り込んでいくところにも出くわしました。この列車にだけ乗る、っていう団体旅行のツアーもけっこうあるようでして。
定刻に発車した「しんぺい2号」、12時2分に真幸に到着。
ここでまず、5分停まります。

幸福の鐘を鳴らす、っていうのも、もはや定番のイベントになりました。
ウチのちびさんたちも、しっかり鐘を鳴らす列に並んでいました。雨がけっこう降ってたのが残念でしたが。

真幸を発車すると、スイッチバックして、さらに高いところへ登っていきます。
こちら。
日本三大車窓の一つとして知られる矢岳越えの区間。
霧島連山、そして天気のいいときは桜島まで見通せるという絶景の場所ですが、生憎の空模様、山々の景色を拝むことは叶いませんでした。
12時25分、列車は矢岳に到着。
ここでは7分の停車です。

矢岳といえば、駅のすぐそばにある人吉市SL展示館。
ここには、D51-170が保管されています。
ブログにも書いたように、最近は整備がなかなか行き届かないようで、外板の傷みが出てきているのが、見ている側からすると残念ではあります。手間とお金がかかる話なんで、なかなか難しいところだとも思いますが。
矢岳から先は、人吉へ向けて山を下っていきます。

ループ線とスイッチバックに囲まれた大畑駅へは、12時49分に到着。
ここでも、7分の停車です。

駅の横には昨年、フレンチレストラン「囲炉裏キュイジーヌ LOOP」がオープンしています。
かつての保線詰所をリノベーションしてオープンしたレストランは、この日も多くのお客さんで賑わっており、列車の到着にあわせて店員さんとお客さんがこちらに向かって手を振る姿が見えました。

そして、大畑駅といえば、木造駅舎の内外に貼り巡らされた数々の名刺。
この姿にはいつもびっくりさせられます。

ふだんは山間の静かな佇まいなんでしょうが、この列車の来たときだけは、かなりの賑やかさです。
さらに下って、列車は人吉盆地へ降りてきました。

球磨川を渡りました。
ここからは、街のなかを走っていきます。
しばらくすると、右手からくま川鉄道の線路が合流してきます。
13時8分、「しんぺい2号」は人吉駅2番ホームに到着しました。

到着した隣の1番ホームには、「かわせみ・やませみ4号」として発車を待つ、キハ47-9051+8087が停車していました。
そちらに乗り継ぐ人もいたようですが、ワタシたちはここで駅を出ました。
駅を出たワタシたち。
こちらにやってきました。

人吉鉄道ミュージアムMOZOCAステーション868。
4年前にオープンしたこの施設、子供たちにも大人気なんです。

実は6月に、小3娘を連れてここに来ていました。今回、人吉へ来るんだったら、また寄ってみようと。

2階にある軌道自転車が、ちびさんたちにはツボだったようで、しっかり楽しんでいるようでした。
そうこうしているうちに、14時38分、「SL人吉」の発車時刻になりました。

MOZOCAステーションの3階展望所から、発車の様子を見届けます。
動画はこちらをどうぞ。
15時になり、お宿からのお迎えの車が駅前に来てくれましたので、そそくさと宿に入ることにします。

人吉ではこれまで、駅周辺、あるいは青井阿蘇神社のあたりまでしか行ったことがありませんでした。
今まできたことのなかったエリアへ足を運びます。
そして、たどりついたのは、球磨川の川沿いにある旅館「翠嵐楼」。
明治43年といいますから1910年の創業、人吉温泉発祥の宿といわれています。
今回、前日の宿と同様、某旅行代理店経由で手配をかけ、こんないいお宿に泊まれることになりました。

創業の前年の1909年には、現在の肥薩線が全通。当時は水俣・川内経由の海沿いの線路は全通しておらず、肥薩線が「鹿児島本線」としての役割を負っていました。
そんななかで、温泉掘削が盛んに行われ、現在につながる人吉温泉の基礎をつくっていったんですね。

さっそく、家族で貸切露天風呂、としゃれこみました。
源泉かけ流し、本当にいいお湯です。
お風呂を上がると、なんと、そこには氷温ビール・エクストラコールドのビールサーバーが!
さっそく一杯いただいちゃいました。
風呂上がりの一杯は本当にたまらんばい!(笑)
しばらくお部屋でのんびり過ごし、夕食の時間になりました。

まずは乾杯!
ちびさんたちはジュースですが、ワタシと嫁さんは梅酒で。それも、宿の女将さんが漬けたものだそうで。
お料理のほうも、本当においしいものだらけでした。

まずは、お造り。
山間の旅館ではありますが、しっかりとおいしい海の幸が提供されていました。なかでも、右側にあるマグロのタタキがたまらん美味い!(^o^)/
こちらは、川魚! アユの塩焼き。
温泉旅館らしい一品。つけダレとして用意されていたポン酢もなかなかよかったです。
そして、こちら。
お鍋なんですが、蓋には58654が描かれていますね。
その名も「SL鍋」。中身は地鶏とお野菜で、温泉醤油仕立て。
お鍋が温まってくると、煙突から湯気が出てくるという仕掛け。

ちなみに、お宿で使用される野菜の大半は、自家栽培の無農薬野菜だそうで。
ほんとおいしい!
こちらも。
お酒は、やはり球磨焼酎!
「川辺」。米焼酎すっきり系の球磨焼酎のなかでも、切れがいいということで知られる焼酎です。
丸い氷が入っていますが、これが、お宿の敷地内で湧き出る水を凍らせた特製温泉氷! ここでも面白い仕掛けが用意されていました。

本当に、大満足の夕餉でした。

さぁ、あとは最終日を残すのみですが・・・。
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