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Part2(2005・8)
次の列車に乗るために駅構内へ。

岩見沢、といえば、ばんえい競馬が有名ですね。一般の競馬より大柄な馬が、錘を載せた大きなそりを引いて障害のあるコースを走るという、重量感溢れるレースをする競馬ということですが・・・。

岩見沢駅の3・4番ホームには、ばんえい競馬で走る馬をかたどった「ばんば」の像があります。
さて、この岩見沢駅では、札幌在住のネット仲間氏が合流。
ここからの未乗線乗車に同行してもらえることになりました。

ここ岩見沢からは、室蘭本線のうち、未乗で残している沼ノ端までの区間に乗車します。
この岩見沢〜沼ノ端間と、東室蘭〜室蘭間を乗ってしまえば、室蘭本線は完乗、ということになります。

岩見沢15時6分発、1470D列車苫小牧行き。苫小牧運転所所属のキハ40形寒冷地タイプ2両編成です。
写真手前のキハ40-1703は、エンジンや変速機の取り替え、車内の扇風機→送風機への取り替えなど更新工事を受けており、車号が従来の車号から「プラス1000」となっています。
列車は、定刻より少し遅れて岩見沢を発車。

駅に隣接する岩見沢運転所の留置線には、冬場に活躍する除雪車用のDE15形ディーゼル機関車が3両並んで待機していました。
岩見沢を出ると、次の停車駅は、志文。

昨年、このときに廃線跡をめぐった万字線の起点となっていたのが、この駅です。

それにしても、雨がひどくなってきました・・・。
このあたりの室蘭線は、かつて石炭輸送で賑わった路線。複線の区間もありますが、栗丘〜栗山間は、1990年の栗山トンネル崩壊の影響で下り線が使えなくなり、それ以降上り線での単線運転が続いています。

沿線ですが、田園風景の見える区間が多いですねぇ。
牧草を丸め込んだ「草団子」の白いロールが見えています。
やがて、列車は石勝線と接続する追分へ。

この区間の室蘭線は複線。一方、現在は札幌〜道東のメインルートとなっている石勝線のほうは単線。
やはり、敷設された時代背景の違い、ということなんでしょうねぇ。
追分を出た後、石勝線をアンダークロスしていきます。

写真は、安平。
このあたりも車窓には、北海道らしい田園風景が続きます。
雨ですので、ちょっと残念でしたが。
遠浅を出てから勇払原野を進み、16時24分、列車は千歳線と合流する沼ノ端に到着しました。

相変わらずよく雨が降っています。
16時34分、1470Dは終点・苫小牧に到着。
車両は、ここで乗客を降ろした後、車庫である苫小牧運転所へ引きあげていきます。

ここで、札幌のネット仲間氏と別れ、ワタシは単独で先へ進みます。
ここ苫小牧からは、16時50分発、特急「すずらん6号」に乗車します。
室蘭行きですが、途中の東室蘭までが特急、その先は各駅停車の普通1436M列車になります。

車両は、札幌運転所所属の781系電車4両編成。
781系は「ライラック」や、かつての「エアポート」では乗ったことがありましたが、「すずらん」では今回が初乗車となります。
苫小牧から東室蘭へ向かう線路は、太平洋に沿って敷かれています。
時折、左手遠方には海が見えています。

お客さんは、苫小牧でけっこう下車しまして、だいぶ空いている印象でした。
列車は、温泉で有名な登別へ。

ここには、水族館や遊園地などを含む「登別マリンパークニクス」があります。
観覧車が見えていますね。

駅の向かい側ホームには、キハ400形お座敷気動車を使用したビールトレインの送り込み回送列車・回9276Dが停車していました。
このあと室蘭まで回送され、ビールトレインとして室蘭〜苫小牧間を往復する運用だったようです。
「すずらん6号」は、17時33分、東室蘭に到着。
列車は、ここから長万部へ行くメインルートと分かれ、普通列車として室蘭へ向かいますが・・・。

その長万部方面から、札幌方面へ向かうブルトレ「北斗星」の編成が、ホームに滑り込んでいきます。
一瞬「??」と思いましたが、前出の今朝ほど起こった土砂流出で足止めされていた、「北斗星3号」の編成のようだ、ということが分かりました。
なんと、この時点で8時間の遅れ!

不通だった区間の向こう側から列車が走ってきたということで、おそらく現場の復旧が一段落ついたのだなと察しはつきました。
しかし、これほどまで運行が乱れているということで、このあとその方面へ向かうワタシの行程はどうなるんだろう?と・・・。
列車は、室蘭へ向かう線路をゆっくりと進んでいきます。
この沿線は、工場地帯のなかを走っていく形になっています。もともと、室蘭といえば鉄鋼の街、でしたね。

輪西、御崎、母恋と進み・・・。
17時46分、列車は終点・室蘭に到着しました。
これで、ワタシの室蘭本線完乗は達成です。

この室蘭駅ですが、1997年に現在の位置に移転し、駅舎も左下写真のような新しい建物になっています。このときに、1.1kmほど東室蘭寄りの位置になりました。
それまで使用されていた旧駅舎は、明治時代の建築ということで市の文化財に指定され、現在も保存・活用されているとのこと。

まだ、雨が降っていますねぇ・・・。
そして、ここから先は、こちらの列車に乗って移動です。

室蘭18時10分発、484D列車。東室蘭でスイッチバックし、長万部へと向かう列車です。
車両は、苫小牧運転所所属のキハ150形2両編成です。

夕方の時間なのでもっとお客さんが多いのかと思いましたが、ボックスシートに1人ずつくらいの乗車でした。
東室蘭への入線時に、先行列車がつかえているため場内信号機の手前でしばらく待たされ、東室蘭への入線は結局定刻8分遅れ。

まぁしかし、ワタシの乗った484Dは、土砂流入で不通になっていた区間をどうにか通過できそう、ということで、一安心・・・。
本輪西、崎守、黄金、稀府・・・484Dは、各駅停車で先へ進みます。
写真は、黄金。
車内のお客さんですが、ポツリポツリと減っていき・・・。

次の稀府から、長和までの区間は単線区間。
稀府で、下り列車との交換待ち、ということで、何が来るのかなと思っていたら、やってきた対向列車、これまたブルトレ「北斗星」の編成。
編成を見てすぐに、土砂流出で足止めされ遅れていた「北斗星1号」の編成であることは察しがつきました。

・・・それにしても、「3号」より「1号」のほうが後に来ていたこと、さらには、この「1号」の牽引機に「トワイライトエクスプレス」のヘッドマークがついていたことには驚きました。
そういえば、土砂流出は、札幌行き「トワイライト〜」の通過直前に起こったということで、「北斗星1号」の機関車が「トワイライト〜」の救援に向かったそうですから、その影響かもしれません。
さて、列車のほうでは、室蘭在住のネット仲間氏が、ビールと焼鳥を持って合流してきてくれました。(^ー^)

再会を祝して、乾杯!
さすがに北海道だけあって、道内限定のビールが登場!
焼鳥も、室蘭の名物ですね。
話をしているうちに、列車は土砂流出の現場となった小幌〜静狩間を通過していました。

結局、484Dはほぼ定時に終点の長万部に到着しました。
ネット仲間氏とは、ここで別れました。
しっかし・・・ここからが大変でした。(^^;)

土砂流出事故で、やはり車両の運用が大きく乱れていたんです。
ここ長万部からは、20時28分発の特急「北斗20号」で函館へ向かう予定にしていたんですが、その「北斗20号」が、実は大幅に遅れているということで・・・。

長万部駅の駅事務室では、列車在線情報のモニタ画面で「北斗20号」の位置を駅員さんたちが確認していましたが、100分前後の遅れ、という話。こりゃまいった・・・。
結局、22時8分になって、「北斗20号」が長万部駅1番ホームに入線。

「北斗20号」、列車名に「スーパー」がついていないことで分かるように、国鉄形のキハ183系車両で来るものとばかり・・・。

しかし、やってきたのは、「スーパー北斗」用のキハ281系!

あまりに車両運用が乱れたために、どうやら編成変更になった模様です。
側面の行先幕は、ちゃんと「特急北斗 函館」になっていましたけども。
車内のほうですが、さすがに列車が大幅に遅れているということで、お客さんたちはかなり疲れた感じでした。
まぁ、かく言うワタシも長万部でかなり待たされたんですがねぇ・・・。

列車は、暗闇の中をグイグイ飛ばしています。
車両が「スーパー」の車両ですので、めいっぱい飛ばせば少しは遅れが縮まるのかなと思っていたら・・・。
23時24分、列車は終点・函館に到着しました。

遅れは96分。若干縮まりましたかね・・・。

側面の行先幕が「北斗」になっていたので、気になって1号車のヘッドマークを見ると、「SUPER HOKUTO」になっていました。
まぁ、さすがにそこまでは・・・。
ということで、ようやく函館に着きました。

遅くなってしまいましたが、たどり着けただけでもよしとしましょう。

とりあえず、駅前のホテルにチェックイン・・・。
明日も、朝が早いです。
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