(2024・5)
2024年のゴールデンウィークも最終日というところ。
今年のGW、「SL人吉」の運用がなくなった50系700番台客車3両を使用して、久留米~由布院間で全席指定の臨時快速「ゆふいん」が運転されました。4月27日から5月6日まで、日曜日を除く毎日運転となっていましたが、初日と最終日については運用の都合で、DE10形DLが客車の前後を固めるプッシュプル運転となっていました。
その最終日、最初は撮影だけしに行こうかなと思って出かけたんですが、試しにと思って指定席の空席照会をかけてみたら、なんと窓側の指定が空いているということで・・・だったら、乗っちまうか、ということで、突発で乗車してみることにしました。
5月6日朝。
まずは箱崎から7時41分発、普通2327M列車久留米行きに乗車です。813系RM2302+RM2201+RM104編成計9両での運転でした。
・・・ってか、この列車、2日前にも乗ってましたね。(笑)
で、次の吉塚で降りて乗り換えるのも、2日前と同じ。(笑)

吉塚7時48分発、快速4221M列車羽犬塚行き。817系VM3004+VM3009編成+813系RM6編成、計9両での運転でした。

ということで、この列車で久留米まで行くわけですが・・・その車内で、前述のとおり指定券の空席照会をかけまして、窓側席をゲットできた、というわけでしてね。
スマホからでも指定席の照会・購入ができてしまうっていうことで、ほんと便利な世の中になりました。
そうこうしているうちに、列車は筑後川を渡るところまできました。

この日は生憎の天候でして、時折雨がぱらつく空模様でした。天気がいいのが一番ではありますけど、まぁこればかりはね・・・。
8時33分、4221Mは久留米に到着しました。

駅の外へ出てきました。
快速「ゆふいん」の久留米発は10時54分ということで、まだ2時間あるんですよね。
さてどうしたもんか・・・。
JR久留米駅近辺ではまだ営業しているお店も少ないということで、だったらと、バスで西鉄久留米駅のほうへ向かうことにしました。まぁバスだと10分ほどの距離ですし、両駅のあいだはけっこうバスの本数もあるのでですねぇ。

JR久留米駅前9時ちょうど発、鳥栖駅前から中原駅→国立佐賀東病院前を経由してくる系統番号41番西鉄久留米行きに乗車しました。
写真では右側、西鉄バス佐賀・鳥栖営業所所属、いすゞ2012年式の2694号車がやってきました。
このバスに10分ほど揺られて、西鉄久留米へ・・・。
で、西鉄久留米に着いて、ちょっと駅の周りを歩いてみたんですが、さすがに朝9時過ぎだと、なかなかこれ、というお店が開いていませんでね。
で、西鉄久留米駅まで戻ったところで・・・あ、このお店があるじゃん!ということで入ったのがこちら、「やりうどん」久留米店です。
「やりうどん」は西鉄グループのうどん屋さん、現在は西鉄ストアが運営にあたっています。

実は、この「やりうどん」久留米店には、かつて来たことがありました。18年前のこのときなんですがね。ワタシとしてはその時以来の訪問となりました。
今回ワタシが注文したのは、天ざるうどん(980円・税込)の野菜天トッピング(+360円)、そして出ました!朝から、久留米は城島の地酒・比翼鶴(680円・税込)の冷で。
朝から地酒が呑めて、しかもこれだけ野菜天たっぷりの天ざるうどんいただいて、それで2000円ちょっとなんですから、これはうれしい!
「やりうどん」の実力を思い知らされましたね、ハイ。(^^;
朝からいろいろいい思いをして(笑)、ぼちぼちとJR久留米駅へ戻ることにします。

西鉄久留米9時59分発、八女営業所からやってきた系統番号3番JR久留米駅行きに乗車します。西鉄バス久留米・八女営業所所属、日産ディーゼル2007年式、ボディは西工96MCの9657号車がやってきました。
96MCでいうと、ワタシはやはりこの白と赤の「赤バス」塗装が一番見慣れていますのでね・・・。
ということで、JRの久留米駅へ戻ってきました。

駅改札の発車案内を見ると、乗車予定の快速「ゆふいん」がすでに表示されていますね。
指定券の発券を済ませ、さらに飲み物とつまみを購入して、改札を通りました。
5番ホームに降りると、すでに快速「ゆふいん」となる車両は入線していました。

DE10-1206(上り方)と1207(下り方)に挟まれた50系700番台「SL人吉」編成3両、この日は、所属の熊本車両センターから回送で、この久留米までやってきていました。
この久留米で機回しせずに折り返せるよう、客車編成の前後にDLを連結していたようです。
ちなみに、4月29日から5月4日までの運転は、DE10形1両での牽引で、由布院到着後に機回しもやっていたとのこと。そのときは、竹下を拠点に運用されたので、それでいけたわけですが。

ホームには、この快速「ゆふいん」に乗車する人たち、そして見物にやってきた鉄道ファンらが集まってきていました。客車のドア扱いが発車10分前でしたので、それまでの間は、ホーム上に多くの人たちが・・・。

50系編成自体は、3月まで「SL人吉」で運行されていたそのままの姿でしたが、車内ではビュッフェや車内販売の営業は行われていませんでした。それをやってくれれば面白かったのでしょうが、位置づけとしてはそういう観光列車的なものではなく、あくまでも多客臨でしかありませんでしたから、無理もないんでしょうがね。
乗車してすぐに、買い込んできていたものをテーブルに出しました。

お酒は、八女市の喜多屋特別純米のカップ酒! こういうカップ酒というと、醸造アルコールの入っているものが多いなか、特別純米のカップが置いてありました。さすが酒どころ!
そしてつまみは、こちらではよく見かけるうなぎの骨の唐揚げ! 少し塩味が効いてるんですが、これうまいんですよね。(^^;
さて、DE10の汽笛の合図で定時で久留米を発車した快速「ゆふいん」9821レ、ポイントを渡って鹿児島本線を横切り、久大本線へ進んでいきます。

特急や普通列車など、いろんな車両でこの光景を見てきましたが、やはり客車となると、何か違う気がします。
最初の一杯がなくなったので(笑)、続いてこちらを。

こちらの2品は、久留米駅構内のファミリーマートで買ったもの。
手前はいか天&のり天。そして奥のお酒は、神奈川県の会社が手掛ける「ICHI-GO-CAN」シリーズで、九州のD&S列車をデザインした缶のお酒。「ゆふいんの森」がデザインされた缶の中身は、大分・日田市の井上酒造の純米酒「百合仕込み」。
こういう形で、手軽に地酒をいただけるというのはありがたいですね。
先ほど「やりうどん」でお酒を呑んできていて、車内で2合ほど呑んでいますんで、すでに日本酒を3合くらいは呑んでいますが。(笑)

車窓の風景は久留米の市街地から、耳納連山の景色へと移ってきました。お天気が生憎なんですが、それでもやはり、この景色はいいもんですね。

思えば、この久大本線で客車列車に乗るのは、25年前の1999年夏、気動車置き換え目前だった久大線の普通客車列車に乗車して以来でした。そのときは12系客車に乗ったんでしたけども、なんかそのときのことを追憶するような感じに・・・。
久留米市からうきは市へ進み、田園地帯を快走する客車列車。揺れもとても心地いい感じでした。

あっという間に、列車は筑後大石を通過して筑後川を渡り、大分県へ入っていきます。

筑後川を渡ると、夜明までの間はトンネルも多い区間。
トンネルに入ると、車内はけっこう暗くなります。こんなに暗くなるんでしたかね・・・肥薩線でもトンネル区間あったはずですが、ちょっとびっくりでした。
11時51分、快速「ゆふいん」9821レは日田に到着しました。

地下道を通って、駅舎前から列車を撮ってみます。
ほんと、この「SL人吉」用客車の50系700番台と、黒いDE10、いい組み合わせですよね。

2分の停車後、9821レは由布院に向けて発車していきました。
日田発車の様子の動画はこちらから。
9821レを見送って、駅前に出てきました。
雨はパラパラと降っていましたが、まぁどうにか、傘をささなくても歩けるレベルでした。

少し時間がありましたので、駅前にある日田バスターミナルの売店に立ち寄って、少し土産物を買い込んできました。
あとは、ペットボトルのお茶を駅の自販機で買い込み、先ほど久留米のコンビニで買ってきていたナッツをつまんで、昼飯の補完、ということにしました。意外にも「やりうどん」の天ざるうどんがお腹にたまってまして、ここでさらに飯、という感じまではしなかったのでですね。
さて、せっかく日田まで来ましたので、ここからは昨年8月から走り始めていた、日田彦山線BRT、愛称「BRTひこぼしライン」に初乗りすることにしました。

12時44分発で添田行き「ひこぼし10号」が来るということで待っていると、こちらのバスが登場。
BRTの営業開始にあわせて設置されたJR九州バス添田支店に所属する、いすゞエルガミオ・331-23610号車、あやめカラーの車両です。
ご存知のように、日田彦山線BRTでは中国BYD製の小型電気バスJ6が導入されていますので、そちらの登場も期待したんですけどもね。
「ひこぼし10号」は日田を出ると、日田市役所前や林工西口を経由していきます。
こちらは日田市役所前。市役所の建物が見えています。このあたりは以前、ウォーキングで歩いたこともありましたので、へぇ~ここを走るんだ、という感じでした。
林工西口を出ると、バスは光岡へ。
ここは久大本線の駅でもありますが、BRTのバス停が駅舎の前に設置されています。さきほど列車で通ったところを、今度はバスで通るという形になりました。
夜明へ向かって走るバスは、国道386号へ入りました。

北友田を出て、二串川を渡るところで、右手の久大本線上を、キハ72系「ゆふいんの森2号」博多行きが走っていくところに遭遇。
あっという間に、こちらのバスを追い抜いて、行ってしまいました。
夜明を出て、バスは国道211号へ入っていきます。

時折、右手側に日田彦山線の線路敷の跡が見えます。レールがなくなった様子がちらちらと見えて、やはりなんとも言えない気分になりましたね。
こちらは今山。
鉄道駅のあったところ。1年前、このウォーキングのときにも訪ねていましたが、ホームは残っていたものの、1年前には残っていたレールは取り払われていました。
続いてこちらは、大鶴。
ここは、駅が国道211号から少し入ったところにありましたが、BRTのバスは駅前には入らず、国道211号上にバス停が設けられました。
大鶴駅舎は2010年4月に建て替えられたばかりだったんですよね。駅舎として役割を発揮できたのは、2017年に九州北部豪雨で添田~夜明間が不通となるまでのわずか7年ほどだった、ということになります。
そして、宝珠山までやってきました。
ここは、ホームが一部撤去されたあとにBRTの乗り場が設置されました。

ここで、添田からやってきた日田行きのBRT「ひこぼし9号」と行き違いとなります。向こうはこちらと同じいすゞエルガミオの331-23609号車、やまなみカラーの車両でした。
さて、宝珠山から彦山までの区間は、かつての線路敷の跡に整備されたBRT専用道を走ることになります。
途中、他の道路と交差するところでは、BRT側に遮断機が設置され、運転士がバス車内からリモコンで遮断機を操作して、遮断棒を上げてから通過する、という形になっていました。
こちら、大行司に到着しようというところ。
かつての駅ホームは残っていましたが、そのホームの下り方に新たにBRT乗り場が設けられていました。

ここ大行司では、2017年の豪雨災害で不通になった際に駅舎が土砂に流される被害を受け、2019年に新しい駅舎が建てられていました。大相撲の立行司・第41代式守伊之助が駅名看板の揮毫を担当するなど、かなり気合の入った駅舎再建だったんですが、結局、列車の運行再開を見ることはありませんでした・・・。
大行司を出ると、次の筑前岩屋へ向かう道のりは、多連アーチ橋を含む区間で、鉄道運行だった時代から良い眺望で知られていました。
バスの車窓からも、沿線に広がる棚田を見ることができました。
筑前岩屋を出ると、バスは釈迦岳トンネル(4378m)を走っていきます。
完成当時は、九州内の鉄道トンネルでは最長を誇ったトンネルですが、そこもこうして、BRT専用道となってしまっていました。
バスになっても、通り抜けてしまうまではかなり長く感じましたね。
BRT専用道上に新設された深倉バス停に停車し、彦山へ向けて山を下っていくと、そこにはかつて爆発踏切があった場所。
踏切の設備はなくなりましたが、その場所は依然として、BRT専用道と一般道(といってもバイクが通れるくらいの細い道ですが)とが交差する場所。専用道側への進入禁止(路線バス・バス専用道管理車両を除く)標識が設置されていました。
そして、13時58分、バスは彦山に到着。

以前の駅舎が解体されたあとに、新しくバスの待合所が設置されていました。英彦山登山のゲートウェイ、英彦山神宮の最寄り駅として、神社建築を意識した特徴的な建物だっただけに、駅舎が失われたことについてはとにかく、残念の一言です。
彦山から先は再び一般道へ。県道52号八女香春線を走っていきます。

こちらは、かつて駅があった豊前桝田。ここは線路敷西側の道路上にバス停があります。駅の方はもともと駅舎が解体済みでした。
さらに進んで、道の駅がある歓遊舎ひこさんへ。
駐車場の一角にバス停が設けられていました。

ここ歓遊舎ひこさんの駅は、2008年に新設された駅でしたが、10年経たずに豪雨災害で列車が来なくなってしまいました・・・。
さらに進み、まもなく終点というところまでやってきました。

この場所は、添田の一つ手前、畑川(医院前)というバス停。
宮城内科胃腸科医院という医院の駐車場内にバス停が設けられていました。通院する患者さんたちにとっては、この位置にバス停があるとかなりありがたいでしょうね。
定刻の14時21分より5分も早く、「ひこぼし10号」は添田に到着しました。
先ほどの畑川(医院前)から添田まで、ダイヤ上は8分の所要時間を見込んでいますが、どう考えてもそんなにかからない距離ですからね。余裕をみているんでしょう。

添田のBRT乗り場は、かつての鉄道2番ホームの線路敷をかさ上げして舗装したところに設けられ、3番ホームに発着する列車との対面乗り換えを実現しています。
このときは、列車のほうが入線する前にバスが車庫へ引き上げていきましたので、ホームを挟んでバスと列車が並ぶことはありませんでした。
ホームの上り方から、添田駅舎の方向を見ると、かつて国鉄添田線のホームがあったエリアに、JR九州バス添田支店の車庫が見えていました。
写真左側に車庫があり、その中に青いバスが見えていますが、水素燃料を使った実証実験のために配置された小型燃料電池バス(トヨタ・コースター)のようでした。特定日のみ運行に供されているようです。
14時28分、田川後藤寺からやってきた951D列車が、添田に到着しました。
キハ147-1069+185の2両。この2両が折り返し14時36分発、958D列車田川後藤寺行きとなります。

BRTのバスに日田から揺られてきて、あぁやっとここで列車に乗れる、という安心感があったことは確かです。(^^;
添田から田川後藤寺までは、わずか14分の乗車。
14時50分、958Dは田川後藤寺駅4番ホームに到着しました。
向かい側の3番ホームには、960D列車小倉行きのキハ147-91+1032が乗り継ぎを待っていました。

ワタシはそちらには乗車せず・・・。
跨線橋を渡って、後藤寺線の列車が発着する0番ホームへ。

ホーム横には、後藤寺線の田川後藤寺駅アプローチ部へ向かう下り勾配を示す勾配標がありますが、そのそばを、猫保線区員(笑)が見回りしているところに遭遇しました。(^^;
乗り継ぎの列車を待っていたところ、平成筑豊鉄道糸田線の列車が発着する2番ホームには、こちらの車両がやってきました。

500形501号。2008年に導入され、転換クロスシートの車内にカラオケやオーディオの機材を備え、主に団体運用を意識した「へいちく浪漫号」となっていましたが、それがロングシート+折り畳み式座席・自転車ラックを備えた車両として模様替え。塗装も黒ベースとなり、「黒銀(KUROGIN)」となって3月に再デビューを果たしていました。
この外装、なんかかっこいいですよね。(^^;
ということで、ワタシは田川後藤寺15時20分発、後藤寺線の1556D列車新飯塚行きに乗車します。キハ40-8052の単行ワンマン運転でした。
やはり、田川から列車で福岡方面へ向かうにはこちらのルート、ということになるのでですね。
車内はそこそこにお客さんが乗り込んでいました。
こちらは、新飯塚の一つ手前の上三緒。
かつては行き違い設備がありましたが、現在はホーム1面1線となっています。
以前使われていた対向ホームがまだ残っていましたけどもね。ここからはその昔、貨物支線の分岐もあったんですけども。
田川後藤寺から20分の乗車で、1556Dは新飯塚駅3番ホームに到着。
向かい側の2番ホームには、新飯塚始発となる普通2663H列車博多行きが停まっていました。817系VG1513+VG2004編成計4両ての運転です。
そそくさと乗り換えを完了しました。
こちらは、途中の城戸南蔵院前。
ワタシ、ウォーキングでもこの駅には来ていたのに全然気づいてなかったんですが、2021年に南口改札が新しくできていました。なんでも、納骨堂のほうに行ける出口なんだそうで。
従来の駅舎側は北口という名称になっています。
今回のワタシは、2663Hを吉塚の手前、柚須で下車しました。
ここから歩いて散歩しながら帰宅することにします。

結局、大回り乗車みたいな形になっていましたね。もちろん、途中で下車しているので、その都度きっぷを買いましたが。
思いがけず、大回りな乗り鉄(一部乗りバス)をすることになりました。
快速「ゆふいん」は、「SL人吉」なきあとの50系客車の活用としては、まぁいいんじゃないのかな、と思います。ほんと、かつての久大客レを追憶するような乗車になりました。今後の多客期の運転も期待できるのかなと。検査期限が来るまでは、団臨などでの運用とともに、この多客臨というのが大きな活躍の場となりそうです。なんといっても、JR九州ではクルーズトレインを除くと、一般のお客さんを乗せて本線を走る最後の客車編成ですのでね、大事にしてほしいです。
そして、日田彦山線BRT初乗り・・・やはり、添田~夜明間の鉄路喪失を改めて印象付けられた感じですかね。同じくBRT化された気仙沼線柳津~気仙沼間のように、現在は休止扱いの鉄道事業も廃止されていくのかなと思われますしね。線路がなくなるのを見るのは、やはりつらい・・・。

それにしても、乗り鉄はやっぱり楽しいですね。またいろんなところへ、列車で出掛けてみたいと思います。
<おわり>