(2023・4)
今回は、日田彦山線宝珠山駅スタート・夜明駅ゴールで行われた、JR九州ウォーキング参加の様子です。
日田彦山線といえば、2017年の九州北部豪雨で被災し運休となっていた添田~夜明間について、今年の夏にBRT転換が予定されています。昨年のこのウォーキングのときもそうですが、これまで幾度かにわたって被災区間の様子を見てきたワタシとしては、ぜひとも行っておきたいところでもありました。
で、今回は、また久々に、嫁さんと娘2人を連れて4人での参加でした。小4末娘のスポーツクラブの練習が休みになりましたのでね。最近はなかなか揃って参加できていませんが。

なお、ウォーキング部分についてはこちらも参照ください。
4月9日朝。

箱崎7時18分発の普通2123M列車で、まずは博多へ出てきました。
車両は811系PM110+1511編成計8両でした。

ここでは乗り継ぎ時間20分で、到着した6番ホームの向かい側、5番ホーム発の列車に乗り継ぐんですが・・・。
その列車がこちら。

博多7時43分発、「ゆふ1号」別府行き。キハ185系での運転ですが、このところの湯布院観光のお客さんの増加をうけて、しばらく5両編成に増結されての運転となっています。
なお、この日はウォーキングの開催に伴って、夜明と恵良に臨時停車することがアナウンスされていました。今回ワタシたちが参加するのは宝珠山駅スタートのコースですが、そこへ行くために夜明で下車する必要がありましたのでね。

7時39分、キハ185系5両が竹下方から入線してきました。
この日の編成は、下り方からキハ185-16+キハ186-7+キハ186-6+キハ185-1011+キハ185-7となっていました。相変わらず、中間車のキハ186も2両が連結されています。
ワタシ自身、「ゆふ1号」に乗るのはこのときに博多から筑後吉井まで乗って以来、ということになります。
定刻より1分ほど遅れて、「ゆふ1号」は博多を発車。

インバウンドの方も含めて、特に指定席はかなりの混雑になっていたようです。ワタシたちは自由席に陣取りましたが、それほど混雑はしてませんでしたね・・・。
南福岡で先行の普通列車を待避させて、「ゆふ1号」は速度をあげて南下していきます。
早くも、筑後川を渡るところまできました。

本当にこの日はいい天気で、川面に映る日射しも眩しいくらいでした。川の流れも穏やかでした。
久留米を出た列車は、鹿児島本線と分かれて久大本線へ。

分岐してすぐに、今度は西鉄天神大牟田線の橋梁の下をくぐります。
このあとの車内からは、天神大牟田線の試験場前駅も見ることができました。
久留米の街並みを通り過ぎ、気がつくと「ゆふ1号」は筑後吉井の駅に到着していました。このときはここで下車しましたね。

駅の前には大きな桜の木があるんですが、そちらももう、かなり花びらが落ちてしまっているようでした。
列車は筑後大石駅の先で、再び筑後川を渡ります。
先ほど、久留米の手前で渡ったときと比べると、かなり川幅も狭くなっているのが分かります。

この先、列車は夜明ダムのダム湖に沿って走っていきます。
9時ちょうど、「ゆふ1号」は夜明に臨時停車です。
ワタシたちはここで下車しました。やはりこの日は、同じ目的の人がけっこう乗っていたようで、いっせいに降りていました。

到着した2番ホームの反対側・3番ホームには、かつて日田彦山線の列車が発着していたんですが、既にレールは取り外されていました。
昨年2022年8月に、この3番ホーム側に列車を入線させるツアー団臨が運行されましたが、それを最後に3番ホームは廃止となっていました。
ただ、駅名標には、日田彦山線の次駅となる「いまやま」の表示が残されていました。
駅前に出てきました。
この夜明駅舎、2010年4月に新築されたものです。

ここからなんですが、ウォーキング参加者向けに、スタート地点となる宝珠山駅までのシャトルバスの運行が行われているとのことで、それを利用することにしたんですが、ちょうど9時5分発のシャトルバスは満員になってしまい乗車できず。もっと早く出てくればよかった・・・。

とりあえず、バスの料金230円(こども110円)を払って、次の9時35分発のシャトルバスを待つことに。
時刻より少し早めに、9時35分発のシャトルバスになる車両が到着しました。
日田バスの貸切バスタイプの車両、577号車ですね。いすゞガーラの2018年式、車体長9mの短いタイプです。
まぁ、乗って待つことにしますかね。
後続の普通列車1842Dからのお客さんがやってきて、バスは満員に。

いよいよ、宝珠山駅に向けて動き出しました。
夜明ダムのダム湖を見たあと、国道211号を大肥川沿いに走っていきます。
夜明駅から12分ほどで、バスは宝珠山駅前に到着しました。

バスで直行すると、そんな時間で着いちゃうんですね・・・。
宝珠山駅前で、スタート受付を済ませました。

駅舎は1998年に建て替えられていますが、従前の駅舎のデザインを踏襲しているとのこと。
ワタシ自身はクルマでも何度か来ています。BRT化が決まったあとのこのときにも来ていました。
駅構内には、かつてのホームの一部が残されていました。

この宝珠山駅は、ホームの途中に福岡・大分の県境があることで有名な駅でした。
県境の標柱は、現在もそのまま残されています。
コースはいったん、宝珠山駅から大行司方へと進みます。

この宝珠山駅は、夏に開業するBRTでは専用道と一般道区間との境界となります。
ここから大行司方では、線路敷を転用して専用道の整備が進んでいます。舗装の終わった専用道をちょっとだけ、歩いて行きました。
線路敷のあったところが、きれいに舗装されているのが分かりますね。
専用道を歩く区間が終わり、そこから国道211号へ出てきました。
ここからは、夜明へ向けて南下する道のり。

宝珠山駅前を通過して、再び大分県へ入ります。
県境の標識も「おんせん県おおいた」をPRするものになっています。
しばらくコースを進み、次の大鶴駅に近いところに、こちらの「やさい工房沙羅」があります。
地元農産物の直売をやっているところですが・・・。

実は、13年前の2010年9月に、夜明駅スタート・大鶴駅ゴールで行われたJR九州ウォーキングに参加した際にも、この「沙羅」には立ち寄っていました。
その時は、今回も同行している中1娘がまだ生後2ヶ月でした。ワタシも嫁さんもウォーキングに行きたいけど、生まれたばかりの娘を置いては来れないので、ちょっと無茶かもなと思いながら娘をベビーカーに乗せて連れてきたんですけどもね。
そして今ではその娘が、ワタシたち夫婦と一緒にしっかりウォーキングしている・・・そんなことを考えてたら、なんか感慨に浸ってしまいました。(^^;
で、今回、「沙羅」の駐車場では、ウォーキング参加者向けにこちらが展示されていました。
夏から日田彦山線BRTの車両として走ることになる、中国BYD製の小型電気バスJ6ですね。
こちらでも書きましたが、BRT開業時には、この小型バスJ6が4台と、いすゞエルガミオのディーゼルエンジン車が2台、用意されるとのこと。
どんなふうになるんでしょうね・・・。
「沙羅」を出て少し歩くと、こちら。
大鶴駅ですね。
駅舎は、2010年4月に建て替えられたもの。前述の2010年9月のウォーキングに参加したときは、新駅舎だったこの場所にゴールしました。

そのときには、ウォーキング帰りの多くの参加者で賑わったホームも、今ではこんな感じ。線路も外されてしまい、すっかり「廃線の駅」の佇まいになってしまいました。
コースをさらに進んで、こちらへ。

井上酒造、創業200余年の酒蔵、ここではこの日、蔵開きが行われていました。
本当はここで、少しお酒を呑んでいこうかと思っていたんですが、ウォーキングに加えてこの春の陽気で多くのお客さんがつめかけていて、ちょっと無理だなぁと・・・ちょっと残念でしたが。
コースは、大肥川沿いへ。

川沿いに、八重桜の木がありまして、いい感じで見ごろになっていました。
ソメイヨシノはさすがにもう見ごろを過ぎているところが多かったんですが、こんな感じで他の種類が咲いているところがあって、春を感じられました。
とにかく、いい天気で、適度に風もあって、という、本当にいい条件でしたもんね。
こちら。
夜明の一つ手前の駅である、今山駅にやってきました。

前回、2010年9月のウォーキングでここに来た時には、すでに駅舎はありませんでした。
ホーム上に待合室があったんですが、今回来てみると、それもありませんでした。

駅の南側、線路が切られたところに、新たにBRT乗り場の整備が進んでいました。
なんだか、現実を思い知らされる場面がここでも、というところで。
こちらなんですが・・・。
日田彦山線の橋梁の下を通っていく道がありますが、この道は日田往還朝倉街道。筑前町山家から日田市までを結ぶ旧街道でして、かつて天領であった日田と各地を結ぶ日田往還の一つとして整備された道です。
その道がこんなところを通っていたんですねぇ。

で、上のほうには、大分自動車道の橋梁が見えていまして・・・。
やはりこのあたりは、交通上も重要なルートになってるんですね。
夜明駅のゴールが近くなったところで、こちら。

この場所は、夜明公民館。かつての夜明小学校(2011年閉校、その後2013年までは大明小学校)の敷地なんですが、そこに枕木が積み上げられていました。
日田彦山線の線路敷から外されたものだと思います。以前、大行司駅近くでも同じような光景を見かけましたが、とりあえず置かせてもらっている、ということなんでしょうかね。
さらにコースを進んできました。
ここで線路敷の下を通り抜けるんですが、以前あった橋桁はすでに取り外されていました。

ゴールの夜明駅が目前になったところで、かつて踏切があったところを渡ります。
線路の城野方を見てみると、カーブしている線路敷に、もちろんレールはありません。
これが現実なんですよね・・・。
というところで、夜明駅のゴールにたどり着きました。
日田彦山線の線路敷を撤去したところに、ゴール受付が設置されていました。

物産販売をしているテントがありまして、そこで娘たちが「喉が渇いた」と言い出しましたので(笑)、売られていた虹色ラムネ(1本200円・税込)を買って飲ませました。
醤油製造などをしている日田市内の「まるはら」という会社の製品で、いろいろな果物の味が揃えられているのが特徴。小4末娘はメロン、中1娘はグレープを飲みました。色がついていますが天然色素によるものということで、体にもやさしい一品でした。
ここからは、夜明駅の列車時刻表とにらめっこした挙句、いったん日田へ抜けることにしまして、こちらの列車に乗りました。

夜明12時17分発、普通1841D列車日田行き。キハ200-105+1105の2両での運転でした。この車両はまだロングシート化されていませんね。
1分遅れの12時27分、1841Dは終点の日田に到着しました。

駅の外に出てきました。
駅舎は2015年3月に改装されて現在の装いになりました。それ以前は典型的な地方都市の駅、という感じでしたが、この色になってなんか雰囲気変わったなぁと。

さて、時間も時間なんで、お昼をどこかで食べようということにしたんですが・・・。
ちょっと調べて、やはり日田名物を食べたいなぁということで、少し歩いてこの場所へやってきました。

日田駅から少し大分方へ行った線路沿いにある「大学軒」。
いかにも昭和な佇まいのお店。店内も小ぢんまりとしていて、そんなに多くのお客さんが入れないお店ではありますが、到着したときにちょうどタイミングよく空席があって、家族4人どうにか入ることができました。
実際、ワタシたちが入ったあとには、お店の前で待ってる人がいましたから・・・。
やっぱり、日田へ来たらば、日田焼そばでしょ!
ということで、ワタシと嫁さん、小4末娘の3人が焼そばを注文。中1娘はラーメンを注文していました。

ワタシが注文した焼そば大盛(950円・税込)が写真の品。添付のスープは、ラーメンと同じ白濁の豚骨スープ。
がっつりと大盛食べましたが、麺のお焦げのカリカリ具合がとてもよく、少し胡椒を効かせた味の方もいい感じ!文字通り、箸が止まらなくなる味わいでした。
食事が終わって、帰路に就きます。

帰りは、高速バスにしました。
日田と福岡を結ぶ「ひた号」に乗るべく、日田駅前にある日田バスターミナルへ。

日田~福岡間で使用できる4枚回数券、6320円(1券片あたり1580円)というのが目に留まりました。
普通にワタシたち4人が、おとな3人とこども1人の正規料金を払うと6930円かかりますが、この回数券を使うと4人分で610円も安くなります。回数券にこども用はないんですが、それでもこの4枚回数券を使ったほうがトータルではお得、ということになり、この回数券を使って4人でバスに乗ることに。
中1娘がおとな料金適用になるので、こういうこともけっこうシビアに考えないといけなくなりました。(^^;
日田バスターミナル13時45分発の「ひた号」は、福岡空港国内線を経由して博多バスターミナルへ向かう経路。天神へは乗り入れません。

バスは、西鉄バス日田第二営業所所属で、日田バスが受託運行するいすゞガーラの2017年式、1123号車。日田営業所始発でやってきました。
車内は今どきの高速バス、スマホ充電用の電源コンセントも装備されていました。思ったほど混雑もしていませんでした。
バスは日田市内でいくつか停まってお客さんを拾ったあと、日田インターチェンジから大分自動車道へ。

写真の場所は、先ほど歩いてきた、大肥川の流れるあたり。
左側に見える山裾に、日田彦山線の線路敷の跡があるのが分かります。

さっき、下から見上げていた橋梁の上を、今度はバスで走り抜けていく・・・なんか不思議な感じでしたね。
杷木ではいったんインターチェンジを出て、近くの発着所まで足を延ばしたり、朝倉や甘木ではインターチェンジ併設のバス停に停まったりと、少しずつお客さんを乗せながら、バスは先を急ぎます。

写真の場所は、甘木鉄道の線路が並走する大板井のあたり。大板井駅のホームが見えていますが、この少し先に高速バスのバス停があり、両者は接続関係にあります。
バスは鳥栖ジャンクションから九州道へ入り北上。太宰府インターチェンジから福岡都市高速へ入り、金の隈ランプで一般道へ下りてきました。

気が付いたら、福岡空港が見えるあたりへ。
国内線ターミナルの前で停車してお客さんを降ろしたあと、東光二丁目を経由して終点へ向かいます。
15時27分、バスは終点の博多バスターミナル2階到着ホームに到着しました。
日田から1時間40分余りかかっていますが、バス車内ではのんびり過ごすことができました。それほど車内も道路も混みあわなくてよかったなと。
こうしてバスを使うという選択も、条件によっては十分にアリです。
博多からは列車で箱崎へ。
博多16時2分発、普通2342M列車福間行き、813系RM2213+2202編成計6両での運転でした。

帰り着きましたね。
この夏にBRT化を控えている日田彦山線の豪雨被災区間を歩くウォーキングでした。
BRTのバスによる利便性の向上が期待される反面、鉄路が復旧されず失われるということには、いろいろと考えさせられますね。鉄道という交通機関の今後のあり方が問われているのだと。

この春編のJR九州ウォーキング参戦も、これで4コースとなりました。
やはり、なかなか土曜日に仕事が休めないので、参戦できる数にはおのずと制限がかかるんですが、それでもどうにか、いろんなコースに参加していきたいのでですねぇ。いい気分転換になりますし、おいしいものなどにも出合えますのでね。
条件のあるときには、どんどん参加を模索していこうと思います。
<おわり>