(2022・6)
今回は、前日に続き、JR九州ウォーキングの今年の春編の事後補習です。
3月6日に有田駅スタート・ゴールで開催されたコース、3月ということで、町内各所に展示された雛飾りを見て回ることが一つのメインになっていたんですが、さすがに6月ともなると、それは望むべくもなく・・・。
ただ、陶器市開催時期以外の有田の街を歩くというのはいままでやったことがなく、以前から一度やってみたかったというのもあって、今回はこのコースを選んでみました。
なお、ウォーキング部分についてはこちらも参照ください。
6月12日朝。
まずは地元・箱崎をこの列車で出発。

7時3分発、普通2325M列車熊本行き。415系Fo-110編成4連での運転でした。
博多でいったん改札を出て、朝飯を調達して再びホームへ。

博多からは7時29分発、「みどり1号」佐世保行きに乗車です。車両は787系BM2編成6連。

で、今回は、3号車のこの場所へ。
そう、サハ787-209の、かつてのビュッフェ部分です。天井のエッグラインも健在です。
そして、買ってきた朝食はこちら。

鳥栖中央軒の「長崎街道焼麦弁当」(930円・税込)。
やはりかしわめしと、焼麦(しゃおまい)、相変わらずいい組み合わせでありますな。
焼鮭など他のおかずもいい塩梅であります。

最近ずっと、朝食はごはん食で、毎日ある程度の量を食べているワタシとしては、このくらいの量を朝からいただくことは、なんら苦ではありません。(^^;
定刻に博多を発車した「みどり1号」、鹿児島本線を南下していきます。

太宰府信号場のあたり、朝から田んぼの水鏡狙いでしょうか、列車を撮ってる人の姿がありました。
鳥栖から長崎本線に入り、列車はまもなく肥前山口へ。

先月通った時には、まだ麦の穂が風に揺れていたんですが、今回はすでに刈り取りが終わっていました。
肥前山口から佐世保線へ。

左手に新幹線の高架が現れて、まもなく武雄温泉に到着。
このときに、新幹線駅のホーム見学もしてきました。
武雄温泉を出て、山間部を進みます。

上有田を通過し、右手には有田の街並みが見えてきました。
8時54分、「みどり1号」は有田に到着しました。

駅前に出てきました。
さすがに、陶器市期間じゃないと人が少ないですね・・・。
では、歩くとしますか。
陶器市期間中だと出店がずらりと並ぶ通りを、上有田駅の方向へ進んでいきます。もちろん、出店はないどころか、人通りもほとんどありません。

こちらは有田町役場東出張所のあたり。
日曜日なんで、駐車場にもほとんど車はいません。
このあたりには、かつて銀行として営業していた建物が、閉店でもぬけの殻になっているところがいくつか・・・。

写真の建物は、かつて西日本銀行有田支店として営業していた建物。建物の入り口部分に、うっすらと「西日本銀行 有田支店」の表示の跡が残っていました。
2004年には、西日本銀行と福岡シティ銀行が合併して西日本シティ銀行になっていますから、それより前に閉店になっていたということになりますね。
さらにコースを進んで、こちら。
陶山神社です。

階段を登ったところに、佐世保線の踏切があり、警報機はありますが遮断機はありません。
ウォーキングの当日マップでは、この踏切を通らず、線路下をアンダークロスするよう案内していましたが、今回は安全に十分気をつけながら、踏切を通ってみました。
この神社、本殿前のこの鳥居が磁器製になっていることで知られています。実際に見ると、「え、これ磁器製なの?」と驚くほかありません。
この鳥居だけでなく、境内にあるさまざまなものが磁器製になっていまして、さすがは有田だなぁと。
コースを進むと、少し裏通りへ。
このあたりには、解体した古窯のレンガを再利用してつくられた「トンバイ塀」という塀がつくられています。以前、陶器市期間中にここへ来た時には、この裏通りの方にも陶器を売る露店が出てましたよねぇ。
さらに進んで、こちら。

泉山弁財天神社の境内に、「大公孫樹」と呼ばれるイチョウの巨木が鎮座しています。
樹齢は約1000年、とにかくスケールが大きくて、イチョウの木ってこんなに大きくなるんやなぁ~と。
続いてやってきたのは、こちらの有田町歴史民俗資料館。
有田焼の歴史に関する展示がメインの資料館です。
入り口ロビーのところで流されていた映像では、伝統技術を受け継ぎながらも新しい仕掛けをさまざま導入し、大量生産が可能になった現在の有田焼の製作の様子を紹介していました。

それにしても、このとき我々以外に見学者はおらず。
陶器市期間外だとこんな感じなんすね・・・。
コースはここでいったん有田町から武雄市へ入ります。

馬乗場峠の交差点、ここも武雄市内。
ここを右へ曲がり、坂を下っていくと、再び有田町内へ戻ります。

下っていく途中で、佐世保線の線路が見えてきました。
ちょうど、「ハウステンボス・みどり5号」が、有田へ向けて走っていくところに遭遇・・・。
コースを進んで、上有田駅にたどり着きました。
陶器市期間中は特急が臨時停車したり、臨時列車がやってきたりと賑やかになりますが、さすがにいま時期は閑散としていますね。

それにしても、いい雰囲気の駅舎ですよね。
1898(明治31)年開業当時からの木造駅舎、リファインされつつ現役の駅舎として残されています。
上有田駅から下ってきて、再び県道281号を有田駅方面へ向かいます。

その途中、氷旗を掲げたお店がありました。
「Arita Porcelain Lab」。有田の伝統的な窯元である弥左ヱ門窯が、現代の感性を取り入れた陶器を製造直販しているお店なんですが、その棟続きの建物でレストラン・喫茶を営業しています。

とにかくこの日は天気がよくて、強い日差しが降り注いでいました。
同行の小6娘が、とにかく冷たいものがほしい!と言いだしましたんで、時刻的にはランチでもおかしくない時間ですが、かき氷をいただくことに。

娘はいちごのかき氷、ワタシは写真の黒蜜きな粉ごどうふ添え(練乳添えで825円・税込)をいただきました。
ごどうふ、というのは、この佐賀や長崎あたりの郷土食材で、にがりで凝固させる普通の豆腐と違い、豆乳にくずや澱粉を混ぜて凝固させたもの。もちもち感が強いのが特徴で、プリンのような食感です。黒蜜やきな粉がついた状態で食べると、これが本当によく合います。
氷の量もけっこうありまして、本当にこの値段でいいの?っていうくらいの量。しかも、氷もしっかり冷たくてなかなか融けないんですよね。これは食べ応えありました。(^^;
かき氷を食べ終わり、引き続き、伝統的建造物の多いエリアを歩きます。
この内山地区は伝統的建造物群保存地区に指定されており、指定された163軒の伝統的建造物には、左下写真のような表示板が張られています。
建築年代が個別に記されていまして、やはり古いものでは江戸時代のものから残っているようですね。陶磁器の町として栄えた有田の歴史の生き証人ですね。
コースはいよいよ終盤。
有田駅の駅舎の反対側に入ってきました。

有田駅のこの場所は現在、オフレールステーションとなっています。
有田駅には1996年まで貨物列車の運行がありましたが、貨物列車の運行がなくなってからは、最寄りの貨物列車発着駅である長崎線鍋島駅との間で、トレーラーによるコンテナ輸送が行われています。
スタートから3時間半余り、有田駅前まで戻ってきました。
先ほどかき氷は食べていますが、やはりお昼を食べないとな~という話になり、駅の近くで物色することにしたんですが・・・。
こちら、駅前の一角にあるお店が目にとまり、娘と2人で入ることにしました。

「hapi cafetta」というこのお店、今年3月にオープンしたばかりとのこと。テイクアウト専門カフェと銘打っていますが、店内には6席ほどのイートインスペースがあります。
やはりここは軽めで、お店の一押しのハンバーガーをいただくことにしました。ワタシが注文したのは、写真のベーコン&チーズバーガーMサイズ、パテは通常は合挽肉で、1個600円(税込)ですが、プラス150円でビーフ100%のパテにすることができるので、せっかくだしとビーフ100%にしてみました。
このパテがですねぇ~なかなか分厚くて、しっかりとした噛み応えもありました。トマトやレタス、オニオンといった野菜もしっかり挟みこんであり、バランスのいいハンバーガーでしたよ。
コーヒーはバリスタクオリティというこだわり。アイスのブレンドコーヒーにしましたが、なかなか香りも良かったです。
で、ここからは帰路につくわけですが・・・。

ワタシ自身が未乗で残していた、松浦鉄道西九州線の有田~伊万里間に乗車してみることにしました。
有田駅の駅舎内には、このように松浦鉄道のきっぷ売り場があり、日中は駅員も一部時間を除いて常駐しています。
駅に入り、しばらくすると、乗車する列車が到着です。
14時3分発、627D列車伊万里行き。車両は現在の松浦鉄道の主力車両であるMR-600形、MR-617です。
車内はこのように、ボックスシート・転換クロスシート・ロングシートが混在したつくりになっています。
列車は定刻に有田を発車。

線路はしばらく、佐世保線と並走していきますが、写真の場所で分かれていきます。
・・・っと、もう次駅の表示板が見えていますね。
その駅がこちら、三代橋駅。
ここはJRから松浦鉄道に転換されたあとの1989年3月に開業した駅です。

有田から伊万里まではわずか13kmなんですが、その間に9つの駅が存在しています。
国鉄時代には蔵宿、大木、夫婦石、金武の4駅しかなかったので、地域需要を取り込むために、松浦鉄道がこまめに駅を配置しているのがよく分かります。
次も、松浦鉄道転換後の1997年に開業した黒川駅。

1996年に開催された世界焱博覧会の有田会場への送客を目的に、この黒川駅の三代橋寄りに期間限定で臨時駅が設置されました。博覧会終了の翌年に、この黒川駅が開設され、有田会場跡地に整備された歴史と文化の森公園の最寄り駅となっているとか。
ここでも書きましたが、2枚設置されている駅名標の1枚が、なぜかJR九州仕様になっているんですよね・・・。
で、こちらが、国鉄時代、いや、国鉄になる前の伊万里鉄道~九州鉄道の時代からの駅である蔵宿駅。
ここには、いい雰囲気の木造駅舎が残っています。1913(大正2)年建築の建物とか。
さらに進み、こちらは夫婦石駅。ここも、開通当初の伊万里鉄道の時期からの駅です。
ここでは、今回の乗車で唯一の列車交換がありました。630D列車有田行き、MR-618で運転されていました。
有田川沿いに走ってきた列車、
金武駅のあたりから、山が遠ざかって平地が広がってきました。

川東を過ぎ、しばらく進むと、新田川を渡るところで、左手から、松浦・たびら平戸口方面へ続く線路が近づいてきました。
まもなく終点ですね。
14時26分、627Dは終点の伊万里駅3番ホームに到着しました。

1番ホームでは、伊万里始発で佐世保へ向かう、14時36分発359D列車が発車を待っていました。MR-600形のラストナンバーであるMR-621が充当されているようでした。
今回、伊万里駅を訪ねてびっくりさせられたのは、かつてはJRと松浦鉄道の駅舎が隣り合って設置されていたのが、双方の駅の間に道路が通され、駅自体が完全に分断されてしまっていたことでした。
ワタシが前回、伊万里駅を訪ねたのは21年前のこと。その翌年には、両駅を分断する形で道路が造られていました。
JRの伊万里駅を少し覗いてきました。
左の駅名標は、伊万里焼の街らしく、陶製になっています。
かつて線路がつながっていた、松浦鉄道西九州線の隣駅名も書かれています。今となっては・・・なんですけどもね。
ここからなんですが、JRを使って唐津へ抜けようにも列車は16時21分までない・・・ということで、やむなくバスを使うことにしました。
伊万里駅前15時発で、博多バスターミナル行きの「いまり号」が来るということで、そちらへ乗車することに。
松浦鉄道の駅舎内に、バスの乗車券の券売機がありましたので、そちらできっぷを買って、と。

時刻少し前、昭和バス唐津営業所伊万里支所所属の、日野セレガがバス停にやってきました。
伊万里駅前でまとまった数の乗車がありましたが、それでも乗車率は30%程度ってところでしょうか。
新型のバスではあるんで、乗り心地は快適でしたね。バス車内にはWi-Fiはありましたが、電源まではついていなかったです。
バスは伊万里の街並みを抜け、国道202号を唐津方面へ進みます。
北波多バス停を出て、県道52号へ折れ、松浦川沿いまで出たところで国道203号へ。
その先に、こちら、山本駅が見えてきました。
唐津線と筑肥西線の接続駅。本当なら、ここも列車で通りたかったんですがね・・・。
バスは唐津の市街地へは寄らず、外周部を走って、やがて西九州道(二丈浜玉道路)へ進みます。唐津湾が左手に見えていますね。
この先、西九州道→福岡都市高速と進んでいきます。途中、やや交通量が多くて詰まっているところもありましたが、それほどひどいものではなく・・・。
やがて、右手には福岡PayPayドームが見えてきました。

この日はセパ交流戦の終盤、ホークスは交流戦首位のスワローズとの対戦、しかも「鷹ガールデー」ということで盛り上がってたはずなんですが、結果ホークスは敗れてしまいましたね・・・ドームの周りには、引き上げていくピンクユニのファンの姿が多く見られました。
天神北ランプで都市高速を降り、天神日銀前に停車したあと、バスは16時55分に博多バスターミナルに到着しました。
定刻から4分遅れ・・・途中、西九州道(二丈浜玉道路)で少し詰まったことを考えると、もともと少しゆとりのあるダイヤなんでしょうね。
バスを降りた後は、そのまま博多駅から列車に。
博多17時12分発、普通2166M列車海老津行き、821系UM7編成+817系VM3001編成計6両での運転でした。

どうにか夕方に帰り着きましたね。
久しぶりの有田、松浦鉄道への乗車、さらにはバスで伊万里→博多という、ある意味盛りだくさんな行程となりました。
陶器市期間以外の有田が、あんなに静かな町で、ゆったりと過ごせるところなんだというのは、ワタシにとっては発見でした。
そして、未乗だった松浦鉄道の有田~伊万里間、長年の懸案だった区間の乗車がこの機会にできて、本当によかったです。
筑肥西線に今回乗れなかったので、そこと、松浦鉄道の伊万里~佐世保間、またいずれゆっくり訪ねたいです。なにしろ20年以上乗ってないもんで。(笑)

ウォーキングの事後補習ですが、こうしてやってみると、開催日でなくてもけっこう楽しめますね。今後も可能なところへ出掛けてみようと思います。
<おわり>