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Part3(2004・8)
8月9日の朝を迎えました。

今朝は、こちら、亀山駅からスタートです。

きょうは、この亀山から関西本線を進むのではなく、紀勢本線を南下するルートを取ります。
本来の計画では、8時21分発、921D列車伊勢市行きに乗車することにしていたんですが、早めに駅に着いたので、1本前の7時44分発、919D列車伊勢市行きに乗車することにしました。

919Dは、7時35分に亀山に到着する多気始発の906C列車でやってきた気動車2両編成に、この亀山で2両を連結し、合計4両編成となって折り返します。
車両は、JR東海カラーのキハ40・48形です。
亀山を発車した列車は、関西本線と分かれて右にカーブし、鈴鹿川を渡って南下を始めます。
きょうも日差しが強いなぁと・・・。
列車は、三重県の県庁所在地・津に到着しました。
漢字でも1文字、かなでも1文字、ということで、日本一短い駅名の駅として知られるところです。ちなみに、ローマ字にするともっと短い駅名のところがありますけども・・・。

JRホームと並ぶように、近鉄名古屋線のホームがありまして、そちらには21000系「アーバンライナー」が停まっていました。

そういえば、ワタシ、近鉄線にはまだ乗っていないんです。なかなか機会がなくてですねぇ・・・。関西の大手私鉄では、京阪にもまだ乗っていません。意外に思われるかもしれませんがね。
津を出た列車。若干お客さんが少なくなり、のんびりと先へ進みます。
長閑な田園風景が広がっていました。
8時43分、919Dは松阪に到着しました。
ワタシは、ここで列車を降りることにしました。

本来の計画では、津で途中下車する予定だったんですが、ここ松阪にやってきたのには、もちろんわけがあったということで・・・。
駅の改札横にあるこちら。キヨスクの横にある、駅弁のあら竹さんです。
この松阪で、駅弁といえば、もちろん、アレしかないでしょう。
そう、やはり松阪牛を食べなきゃ、でしょう!(爆)

とはいっても、「日本一高い駅弁」こと「極上松阪牛ヒレ牛肉弁当」(10500円)を買うようなゆとりはないので(^^;)、とりあえずベーシックなものを買うことにしました。

こちら、「元祖特撰牛肉弁当」(1260円)。
タレに漬け込まれた牛肉、これがほどよい噛み応えで、非常にいい感じでしたねぇ。
さて、ここからさらに南下をすることにしますが・・・。

ここ松阪は、近鉄山田線との接続駅。
近鉄の列車が走っている姿というのも、JRホームから当然目に入るわけですが・・・。
次なる列車は、松阪9時16分発、特急「南紀1号」紀伊勝浦行き。
きのう「ひだ」で乗ったのと同系列のキハ85系気動車で運転される列車です。

基本は3両編成の運転、しかしながら、きょうは6両編成に増強されています。
車内も、確かにかなり混み合っていました。
列車は参宮線との分岐駅である多気に停車したあと、山間の区間に入っていきます。
写真のあたりでは、大内山川を何度も渡りながら進んでいきますが・・・とにかく、川の水がきれいなことに驚いていました。
山を下り、列車は熊野灘を望む紀伊長島に停車。
ここから先しばらく、熊野灘の海沿いの区間を進みます。

天気がいいもんで、海も非常にきれいな青。
これは本当にいい景色だ・・・しばし絶句しておりました。

ところが・・・。
実は、このときワタシが乗った車両では冷房装置が不調だった模様で、車内の温度が上がってしまい、非常に暑くてですねぇ・・・。車内の温度計も一時は30度くらいまで上がってしまいましたので、他のお客さんからは車掌さんへクレームも出ていたようでした。
尾鷲を過ぎてしばらく進むと・・・。
こちら、新鹿海水浴場のそばを通ります。
砂浜がきれいで・・・南国の雰囲気いっぱいですよね。
「南紀1号」は熊野市に到着しました。

熊野、といえば、最近、熊野古道が世界遺産に登録されたということで、一気に注目を集めることとなりました。
このあたりのエリアを管轄するJR東海・西日本でも、熊野古道の観光キャンペーンを早くも展開しつつありますが・・・。
やがて、列車は熊野川を渡ります。
この川を渡ると、そこから先は和歌山県。
列車はまもなく新宮駅の構内に入っていきます。

この新宮は、JR東海と西日本の境界駅。
紀勢線もここから先は、JR西日本の管轄になります。
新宮を出た列車は、一路終点をめざします。

時折、このように海が見えるエリアを通ります。
くどいようですが、本当に空も海も青くて、見ていて気持ちがいいです。
11時39分、定刻より若干遅れて、「南紀1号」は終点の紀伊勝浦に到着しました。

ここ紀伊勝浦は温泉の街、そして、漁業の街。
ホーム上では「県の魚」マグロの紹介もされていますが、マグロ漁の基地としてもここは有名なところです。
こちら、紀伊勝浦の駅舎です。
駅前には、観光タクシーが列をつくって、列車から降りてくるお客さんを待ち構えていました。

炎天下ではありましたが、少し街中を歩くことにしました。
こちらは、勝浦の漁港。
漁船がたくさん係留されていて、港町の活気を感じました。
近隣には、水揚げされた海のものを料理するお店もいくつか・・・。
駅前に戻ってきましたが・・・。

そこには、こちらの「秋刀魚の歌」の碑が建っていました。
「秋刀魚の歌」は大正時代に、新宮出身の佐藤春夫という詩人が世に出した詩なんですが、どうもその背景には「三角関係」というか、谷崎潤一郎の妻だった千代(のちに谷崎と離婚し、佐藤と結婚)にたいする恋愛感情があったようだ、というのが定説なのだそうで。
そういう碑があったから、というわけではありませんが、ここの有名駅弁に「さんま鮨」(630円)というのがありまして、ワタシは昼飯にそれをいただくことにしたのでした。
サンマ、というのは腐りやすい魚でもありますから、こうした形で駅弁として売られること自体、非常に珍しいことです。
再び、紀伊勝浦駅のホームにおりてきました。

ここ紀伊勝浦駅の駅ホームのベンチは、ここ紀州の地元の木材を使ったもの。
ベンチの木には、「紀州材」の焼印が押されていました。
ここ紀伊勝浦からは、紀勢本線をさらに先へ進むことにします。

次の列車は、特急「オーシャンアロー20号」京都行き。
新宮始発でやってきます。
車両は、283系電車。基本6両+付属3両の9両編成です。
指定席の7号車に乗り込みました。

283系には初めての乗車でした。
照明が非常に暗めになっていますね。

シートはこんな感じです。
太平洋を眺めながら、列車は進んでいきます。
こうした岩場の多い海岸もあります。

本当に海のすぐそばを走っていくんですよねぇ。
天気のいい日にこういう景色を見ながらなんて、本当にいい気分です。
紀伊半島の最南端・潮岬に近い串本に停車したあと、「オーシャンアロー20号」は14時38分、白浜に到着しました。
隣のホームに、381系電車が停まっていたんですが・・・こちらは「スーパーくろしお」増結用3両編成。
写真の車両はモハ381形500番台車で、基本の6両編成と連結する際に使用する自動解結装置も搭載しているという車両です。運転台はついていないということで、珍しい車両ですね。
次の停車駅は紀伊田辺ですが・・・。

中線に、写真の車両が停まっていました。
臨時快速「きのくにシーサイド」の客車編成。ワタシはこのときにまったく違うところで乗っている車両です。
きょうは天王寺〜白浜間1往復、という運転ですが、どうやら留置スペースの関係で折り返しまでの間、この紀伊田辺に退避しているようです。
紀伊田辺から先の紀勢本線は複線となります。

次の停車駅は、御坊。
向こう側のホームに停まっている電車、こんな切妻運転台の風貌ですが、これが実は113系電車なんですよね。
体質改善工事とともに、もともと編成中間にあったモハユニットに運転台をとりつけ、クモハ113+クモハ112というワンマン運転可能な編成にしてしまっているわけで。それにしても、なんだか通勤形の103系みたいですねぇ。
列車は御坊を出て、次の停車駅・和歌山へ向かいますが・・・。

途中の藤並駅を過ぎたところ。
藤並から金屋口までを結んでいたかつての有田鉄道線(2002年12月31日をもって廃止)の線路が併走しています。
廃止から1年半以上が過ぎ、レールは錆び、道床は草生しています。
箕島付近。
このあたりはみかんの産地。
山の上までみかん畑・・・すごいですねぇ、ほんと。
15時50分、「オーシャンアロー20号」は和歌山に到着しました。

紀勢本線はこの先、和歌山市が終点ですが、列車はここから阪和線に入っていきます。
ということで、紀勢本線の完乗達成はまたの機会に、ということになりました。

和歌山を出た列車は、紀ノ川を渡って北上します。
府県境を越え、列車は大阪府に入ってきました。

写真は、関西空港線との連絡駅である日根野。
通過する向かいのホームには、関空快速の223系電車が停まっていました。
列車は、市街地の中をスピードを落として走っていきます。
右手には、長居陸上競技場。球技場のスタンドが見えています。

このあたりの阪和線では、現在連続立体化工事が進行していました。
16時31分、ゆっくり走ってきた割には時刻どおりに、列車は天王寺に到着しました。
ここでかなりのお客さんが降りていきました。
列車は天王寺から、大阪環状線に入ります。

大正駅付近、右手には大阪近鉄バファローズの本拠地・大阪ドームが見えていました。

さらに進んで、西九条では、桜島線(JRゆめ咲線)に入っていくUSJアクセス仕様の103系電車とすれ違いました。

それにしても、この大阪環状線の場合は、通勤形の103系に加え、近郊形の221系や223系電車、さらには紀勢線特急や関空特急「はるか」までもが同じ線路上を走っているわけですよねぇ。
同じ都心環状線でも、東京の山手線のケースとは大きく違いますよね。
福島付近で、列車は大阪環状線の線路と分かれ、大阪駅には入らずに梅田貨物駅のほうへ進んでいきます。
その途中には四車線道路を踏切でまたぐところもあったりしました。
淀川を渡るところで東海道線と合流し、新大阪に停車した列車は、一路終点の京都をめざします。
途中、右手には京都総合運転所が見えてきますが、このように夜行急行「きたぐに」などに使われている583系電車の姿もありました。
17時17分、「オーシャンアロー20号」は京都駅0番ホームに到着しました。

思えば、2日前の朝に「サンダーバード7号」で発車したのがこのホーム。
戻ってきましたねぇ〜。
ここからですが、新幹線で移動することにしました。

乗車するのは、「こだま428号」東京行き。
JR東海の300系車両でやってきました。
そうですよ、もう東海道新幹線に100系はいないんです。

自由席に乗ったんですが、それほど混雑もしていませんでした。
少し時間的には早かったんですが、お腹が空いてきましたので、京都駅で買い込んできたこちらのお弁当で夕食とします。

「中華 饗」(870円)。駅弁で中華づくし、というのはそれほど多くはないんですが、このお弁当は万人ウケする感じかなぁと思いながらいただきました。ご飯も炒飯、というのがいいですね。
列車は米原に到着しようというところ。
右手、鉄道総研風洞技術センターの敷地内に、新幹線の高速試験車両の先頭車が保管されています。写真にはJR東海の「300X」、JR東日本の「STAR21」の各先頭車が写っていますが、他にもJR西日本「WIN350」の先頭車・500-901が置かれています。
伊吹山が見えてきました。
そろそろ外も暗くなり始めたでしょうか。
岐阜羽島に着きました。

向こう側には、名鉄羽島線の赤い電車が見えています。
列車はさらに進み、名古屋駅のセントラルタワーズが見えてきました。

名古屋もきのう通ってきたばかり。
きょうも、そのままスルーです。
19時ちょうど、「こだま428号」は豊橋に到着しました。
ワタシはここで下車して、宿に入ることにしました。

さて、明日はこの豊橋からスタートする乗り鉄旅。
ということになれば、あの路線かな?とピンとくる方も多いでしょう。
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