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Part5(2000・1)
おはようございます。1月12日の朝を迎えました。
札幌の朝の最低気温はマイナス6.5℃。けっこう冷え込んでいるようです。しかも外は吹雪いています。いや〜、顔にあたる雪の粒が痛いくらいです。(^^;)
きょうは、7時札幌発、キハ283系特急「スーパー北斗2号」函館行きに乗ります。ご存知、北海道ご自慢の振り子気動車です。きっぷがグリーン車乗り放題のきっぷなので、当然のごとく、3号車のグリーン車・キロ283-4に乗り込みました。
列車は定刻に札幌駅を発車。はじめは雪雲に覆われた空の下でしたが、南千歳を過ぎるころから雲が切れ、苫小牧に着くころには青空がのぞいてきました。
グリーン車なもんで、ツインクルレディによる車内サービスが始まります。ドリンクサービスもあるので、眠気覚ましにコーヒーを頼みました。

苫小牧を過ぎると、右側には雪をかぶった樽前山が見えてきます。青空の下に雪をかぶった活火山・・・いいもんですねぇ。
このあたりで、反対の下り線をブルーの機関車が2両駆け抜けた後、銀色の客車が流れていきます・・・そう、下り「カシオペア」です。すれ違う列車の中から見ていても、なかなか存在感のある列車ですね、やはり・・。

このあと、「北斗星1号」とも離合。列車はグイグイとスピードを上げ、走っていきます。
東室蘭を過ぎてしばらく、左手車窓には時折噴火湾の海が間近に見えるようになります。左に、右にカーブを切りながら、列車は先を急ぎます。洞爺の近辺では、有珠山が今度こそ見られるかと思っていたんですが、残念ながら今回も雲の中です。
噴火湾沿いをしばらく走り、森に到達。ここからは、大沼に向かって山登りです。けっこうカーブもあるので、ここでも振り子の威力が発揮されています。
坂を登りきると、左手車窓には雪をかぶった渡島駒ヶ岳の山容が、ごらんのようにすっきりと望めます。まもなく、列車は大沼公園へ。左手には大沼、右手には小沼の雪景色が見えてきます。
小沼の景色を見送るとまもなく、列車は峠下トンネルへ。抜けると、左手眼下に函館の市街が見え始めます。
五稜郭到着を目前にして、車内放送では「5分遅れ」のアナウンスが・・・。五稜郭では、10時9分発の盛岡行き「はつかり14号」との接続があるので、乗り換え客が一瞬顔色を変えましたが、さすがにそこは接続をとるようです。
五稜郭に着くと、向かいホームに485系3000番台の「はつかり」が待っていました。乗り換え客は慌ててホームの反対側へ・・。
五稜郭を出れば、次は終点・函館。列車はそろりそろりと7番線へ入っていきます。
函館駅を出た私は、すでにお決まりのコースともなっている函館山に向かうことにします。駅前のビルの気温計はマイナス1.4℃。札幌に比べるとずいぶん暖かいようですね。
まずは市電に乗って十字街で下車。そこから、この港町特有の坂道を登っていきます。・・でも、私自身が港町の育ちなので、なんとなくこうした景色には安堵感を覚えます。

ようやくロープウエーの山麓駅にたどり着きました。それでは、山の上へあがってみましょうか・・。
ロープウエーで山頂へ。そして展望台へあがってみます。
そこから見下ろした函館の市街。昨年の冬に来たときはあいにくの天気でしたが、今回は晴れていて、とてもいい眺めです。今回は、渡島駒ヶ岳の雪化粧した姿も遠くに眺めることが出来ました。・・・やはり、天気は景色の見栄えを大きく左右するものなんですね。

この後、ロープウエーで山麓へ下りた私は、しばらく街を歩いてみることにしました。
山頂から降りてきた私、元町方面を歩いています。

その元町公園の中に、洋館のたたずまいを見つけました。この建物は、旧・北海道庁函館支庁の庁舎として使われていた建物(北海道指定の有形文化財)で、現在は1階が函館市の元町観光案内所、2階が写真歴史館となっています。
1階の観光案内所に入ってみましたが、名産品の紹介のほか、市内観光施設の案内や、なかには施設の割引券を置いているものまであり、観光の際には立ち寄ると得をすることがあるかもしれません。
つづいて、海沿いの赤レンガ倉庫街へ下りてきました。
ここにはいろいろなショッピング施設やレストランなどがあり、私も昨年来たときは、ここの「ベイ函館」で昼食バイキングを食べました。
相変わらず、観光客の姿は多いようですが、私は今回、あえて通過するだけにしました。
  さらに海沿いを歩くことしばし、私は「メモリアルシップ摩周丸」にたどり着きました。ご存知、旧・青函連絡船の往時の姿を伝える船です。
私は一昨年の5月に一度見学しているんですが、今回、再び覗いてみることにしました。
  ここが操舵室です。一部の機器類は実際に動かすことが可能です。また、後方にある無線通信室では、モールス信号機に触ることも出来ます。
もちろん、青函連絡船の歴史を伝える展示も充実していますが、なかでも「洞爺丸台風」関連の展示が、青森の「八甲田丸」の展示より充実しているようです。ただし、この「摩周丸」では車両甲板の見学が出来ないほか、冬季は上甲板に出ることが出来ないようになっています。
  また、船内の展示で目を引いたのは、ご覧の「飾り毛布」ですかね。1964年以前、船の寝台室で、船内整備をするボーイさんたちが、毛布をさまざまな形に飾り付けてお客さんを迎えたのだとか。船の折り返し整備時間が短くなったためにとりやめになったそうですが、当時のボーイさんたちのプロ魂とサービス精神の深さを見た思いがしました。

このあと、私はグリーン船室用の座席に深々と腰掛け、ビデオ展示を見ていたのですが、あろうことか、疲れからウトウトしてしまいました(^^;)。・・・だって、グリーン座席ってリクライニングの角度が深くて、とても座りごこちがいいんですよ・・・。(笑)
  「摩周丸」を降りてきた私、なんだか腹が減ってきました。・・とそこに、「海峡ラーメン」の看板が・・・。(^^;)
先ほど見てきた連絡船の展示の中にも紹介があった「海峡ラーメン」、いまでもここで味わうことができる・・・もう、即決でした。(笑)
早速、「海峡ラーメン」のみそ味(720円)を注文します。出されたラーメンは具沢山のもので、私はそれこそかぶりつくように食べました(笑)。この日は晴れていたせいもありそれほど寒さは感じていなかったんですが、それでも体は冷え切っていたんでしょう。ラーメンの温かさが体中にしみわたる感じがしました。
では、いい時間になったことだし、そろそろ札幌へ戻りましょう。
乗る列車は、キハ183系6連で運転の、函館17時14分発「北斗17号」札幌行き。私は今度もグリーン車、ハイデッカーのキロ182-504に乗ります。
この列車、よく見ると4号車には赤っぽい色をした車両がつながれています。その正体とは・・・。
  その車両の車号はキハ182-6001。そう、お座敷車両への改造車なのです。ご覧の通り、掘りごたつ式の座卓が並んでいます。
この「北斗17号」には、禁煙の自由席車として連結されていましたが、「自由席」の表示があるにもかかわらず、来るお客さんは「ここ乗っててもいいのかしら?」・・・なかには私に向かって「ここ自由席ですか?」なんて聞いてくるおばちゃんもいたりして・・・。(^^;)

「北斗17号」は定刻に函館を発車。左手にスキー場の灯りを眺めながら、大沼へ向けて山を登っていきます。私はMDでも聴きながらリラックス、リラックス・・。
・・・といってのんびり過ごしているうちに、列車は20時59分、やはり5分遅れで札幌に到着しました。
それにしても、グリーン車の旅って、隣を気にして肩肘張ってしまう普通車の旅と違って、落ち着いて過ごせるというのが魅力ですね。私のような人には、本当に向いているなあと思います。

この日も、ホテルに泊まります。明日も札幌から出撃です。(^^;)
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