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Part2(2000・1)
翌1月9日早朝、ワタシたちはネット仲間氏宅を出て、タクシーで青森駅へ向かいます。
青森駅から、青森の仲間たちの見送りを受け、6時11分発の特急「白鳥」大阪行きに乗り込みます。昨夜青森まで乗ってきた485系編成がそのまま折り返しで充当されるため、当然昨夜と同じ車両に乗ることになります。
定刻に、列車はまだ暗い空の下へと発車しました。徐々に空は明るくなっていきますが、沿線には昨夜来の雪がかなり積もっている様子。こりゃあかなり期待できそうですな・・・。
「白鳥」は8時43分、秋田に到着。

さて、きょうのメインイベントその1が始まります。この列車「リゾートしらかみ」(キハ48形の改造車)で、五能線の景色を満喫しようというのであります。
この列車、通常は4両編成なのですが、この冬の期間は半分の2両編成で運転されます。ということで、普段は見られないはずの顔が・・・。
・・・というのが、こちらの顔。これまさしく、キハ48のオリジナルの顔ですね。上写真の改造車のほうは、汽笛もメロディーホンになっているんですが、こちら側はそれも種車のまま。なんか、このギャップがたまらんですね。(笑)
・・でもって、こちらが今回ワタシたちの利用するセミコンパートメントの席です。他の席とは仕切りで区切られている上窓は大きく、しかもいすはご覧のとおり。言うことないですな。(笑)

9時53分、「リゾートしらかみ」は秋田駅を定刻に発車。まずは奥羽本線を東能代まで。ワタシたちにしてみれば、「白鳥」で来た道を戻るかっこうになりますが、ま、ワタシたちの乗車券はフリーきっぷだし、そんなことは気にしません。(笑)
東能代からは、いよいよ五能線へ。進行方向は逆になります。しかし、このあたり、雪が少ない。海が近いと、積もらないのかな?やっぱり・・。
列車が八森を過ぎるころから、いよいよ進行方向左手に日本海が見えてまいります。昨日の荒天の名残か、けっこう海は荒れているようです。う〜ん、冬の日本海ですねぇ〜。(笑)
列車は、あきた白神、十二湖、艫作と停車。結構沿線には温泉施設などもあるようで、車内ではそうしたところの案内もぬかりなくやっていました。
12時17分、「リゾートしらかみ」は深浦に到着しました。ここで、12分という長い停車があります。このすきに同行者氏が「何かつまみになるようなもの買ってきます」といって買い物に出て行きました。ワタシはその間、ホームでこうして撮影をしています。

で、29分になり列車は発車。車内では、すでに青森県内に入っていることを意識してか、車掌がいきなり津軽弁での案内放送をはじめています。
途中、千畳敷などの景勝地を通過しながら、「リゾートしらかみ」は先を急ぎます。次の停車駅・鰺ヶ沢を前に、海岸線の景色とはお別れです。

その鰺ヶ沢からは、この列車の名物のひとつ、津軽三味線の生演奏が始まりました。車内放送の案内につられて、多くの乗客が4号車の展望ラウンジに集まり、身動きが取れない状況に・・・。そんななか、三味線の音色が車内に響き始めます。
車窓の景色は、白い平原へと変わってきました。まもなくワタシたちの下車駅・五所川原に到着です。

本日のメインイベントその2が、そこに待っているはずなんですが・・・。
13時36分、「リゾートしらかみ」は五所川原駅に到着しました。

ここから乗り換える列車・・・もうお分かりですね。津軽鉄道です。それも、いまや冬の風物詩としてすっかり定着した感のある「ストーブ列車」です。
この日の編成は、DLがDD352、そして客車が旧国鉄の旧型客車・オハフ33-1。なんと、客車は1両です。
1両ならディーゼルカーを走らせたほうが運転効率がいいのは日を見るより明らかなんですが、そこをあえてこういう編成で運転する・・・それが、津軽鉄道のサービス精神の表れなんですね。
で、オハフ33-1の車内に入ってみます。・・・ありました、ありました、これが、石炭を燃料とするだるまストーブです。腰掛け一つ分を撤去した跡にすえつけられています。この客車1両に、ストーブは2ヶ所。向こう側の座席の下には、ちゃんと石炭の入ったバケツも用意してあります。
とにかく、まずはこのストーブの前に腰掛けてみることにします。

13時53分、列車は定刻に走り始めました。
列車は、各駅に停車しながら、ゆっくりと津軽の大地を走っていきます。
乗客は、ほとんどがワタシたちと同じく「リゾートしらかみ」からの乗換え組と思われる人たちでした。
時折、車掌さんが車内へやってきては、ストーブの火加減を見て、石炭をくべています。他の列車ではなかなか見られない光景ですね、これは。おかげさまで、車内はかなり暖かい状態です。
この客車、デッキの貫通路には扉がなく、まさしく吹きっさらしの状態になっています。カメラを持って、後ろのデッキへ出てみました。木々の間を、しかも雪景色の中を、まっすぐに走っている様子が、うかがい知れるのではないでしょうか。
津軽五所川原から約45分ほど、列車は終点の津軽中里に到着しました。
ここの駅舎は、弘南生協のストアと一体の建物になっています。

帰りの列車は、15時29分発。ゆっくり時間がたつのを待ちます。
  発車の少し前、まだ誰も乗ってない車内に入ってみました。
いいですねぇ、この旧客の風情。子供のころ、山陰線の旧客列車に揺られて家族で旅行したことを思い出していました。旧型車両独特の、この木とニスの匂い。そこにストーブの匂いが加わって、なんともいえない雰囲気を感じてしまいます。

まもなく、列車は来た道を津軽五所川原へ向けて戻り始めました。
さすがに、ここで疲れが出てきたようで、ワタシはしばしウトウト・・・。
  ストーブ列車は16時12分、津軽五所川原へ戻ってきました。

本当はそこから、五能線と奥羽線の列車を乗り継いで青森へ戻る予定にしていたんですが、いかんせん接続が悪すぎる・・・。と、駅前に出てみると、そこのバスターミナルから、青森行きのバスが30分に1本のペースで出ているじゃありませんか!
・・・ということで、接続の悪すぎる列車をあきらめ、弘南バスに乗って青森に戻ったわけです。

とりあえず、青森で1泊する同行者氏は宿を確保。その後、晩飯に焼肉を食べに行き、さらに駅前のミスタードーナツでコーヒーを飲みながら、時間つぶし・・・。
そして、いよいよ本州を後にするときがやってきました。ワタシは、青森23時8分発、急行「はまなす」札幌行きの車上の人になります。編成は基本的に14系客車なんですが、ワタシが乗るのはB寝台車のオハネ25形客車。機関車は、函館まで写真のED79-20となります。
ここまでいっしょに旅をしてきた同行者氏とは、発車前に再会を約して別れました。
「はまなす」は定刻に青森を発車。いよいよここから、ワタシ自身2度目となる冬の北海道の旅が始まるのです・・。
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