Part1(2000・1)
北国への憧憬(あこがれ)・・・九州生まれ、九州育ちのワタシは、これまで、ことあるごとに口にし、そして文章にしてきました。
その憧憬を追い求めて、ワタシはすでに何度か、北海道へ足を運びました。

とりわけ、前回の北海道行では、かねてからワタシが目指していた、冬の北海道にふれる旅を経験しました。
しかしながら、このときは、時間的な制約もあり、限られた地域に足を運ぶにとどまりました。

そしていま、ワタシは再び、東北、そして北海道と、北の大地へ足を踏み出そうとしています。
もちろん、移動手段の基本は、鉄道です。

偉大なる、そして未知なる北の大地からの誘いは、いったいどのような結末を導くのか?
その旅の幕は、1月8日、いよいよ切って落とされます・・・。

まずは、土・休日の連続する2日間、JR東日本全線(新幹線・特急・急行の普通車自由席)乗り放題という、「ウイークエンドフリーきっぷ」を持ってのスタートです。
今回の旅の幕は1月8日早朝、切って落とされました。
まずは、八王子から4時52分発、長野総合車両所189系11連で運転の急行「アルプス」新宿行きに乗り込みます。長野から夜行で走ってくる列車ですが、実を言うと、上りの「アルプス」に乗るのは、これが初めてだったりします。下りにはもう何度も乗っているというのに・・・。(笑)
車内ですが、自由席でもずいぶんと空いていました。ま、なにしろ午前5時前後ですからね・・。
新宿まで35分の乗車、ぼんやり夜明け前の車窓を眺めていました。
新宿に着いたワタシは、中央線の各駅停車に乗って東京駅へ向かいます。東京から青森までの本州内は、ネット仲間某氏と行動を共にすることになっていたので、その待ち合わせ場所に向かおうというわけです。
東京からは、22番線発の「つばさ」自由席に乗ることにしていたので、その22番線を、走る列車のなかから偵察。・・うん、まだあまり人はいないようですな・・・。

5時51分に、東京駅の中央線高架ホームに到着。そそくさと新幹線22番線に向かいます。・・まだそれほど人はいませんね。十分、席に座れる位置を確保できたようです。
6時20分の列車入線時刻、同行者氏が息せき切って走ってきました。
そして、上野方から「つばさ111号」新庄行きが入線。「やまびこ」の併結のない列車なので、当然「やまびこ」編成の姿はありません。新車のE3系が来るかな、とかすかな期待を持っていましたが、400系でした。
列車は6時32分、定刻に東京駅を発車しました。自由席の車内は、やはり週末ということもあってか、観光やスキーに向かう客で、通路に立客が出るほどの混雑になっていました。
同行者氏と話しているうちに、列車は大宮を過ぎて、最高速度240km/hでの走行が始まります。ワタシにとっては、山形新幹線は2年ぶりの乗車ということになりますが、最近は速い新幹線に乗り付けているせいか、なんとなく走りが重く感じちゃって・・・いけませんねぇ。(笑)
安達太良山の雪景色を見ながら、福島に到着。「やまびこ」編成の切り離しはないのですが、3分停車。その後、東北新幹線の高架を降り、在来線の奥羽本線へ足を進めます。
しばらく走ると、「つばさ」は板谷峠越えにさしかかります。最大勾配38‰(パーミル)、かつては多くのスイッチバックを抱え、信越本線碓氷峠と並び称された山越えの難所でしたが、いまはこの新幹線車両がいとも簡単に登っていきます。
さすがに、山の中だけあって雪が積もってますね。同行者氏と二人で歓声を上げていました。
列車は、米沢、赤湯、かみのやま温泉に停車し、9時8分、山形に到着しました。
ここから先の区間は、昨年12月4日に新幹線として開業したばかりの区間ですね。ワタシも山形から先は、初乗車になります。
で、羽前千歳までの区間は、仙山線の列車が走るため、在来の狭軌線と、新幹線の走る標準軌線の単線並列となります。・・・その羽前千歳の手前で「つばさ」が信号停車。何かな?と思っていたら、そこはその狭軌線と標準軌線が平面クロスしているところで、仙台から来た仙山線の455系が左側を走っていきます。なんか、変な感じですねぇ・・・。
列車は、天童、さくらんぼ東根、村山、大石田と停まって行きます。けっこうこのあたりから乗ってくるお客さんもいるんですよね。ま、地元の人からすれば、普通列車の本数も少ないし、以前走っていた特急「こまくさ」と同じような感覚で利用してるんでしょうねぇ。それにしても、みんな東京からの直通客が多いので、うんざりした顔してました。(^^;)

・・・ということで、「つばさ111号」は9時58分、1分ほど遅れて新庄駅に到着しました。
実は、ここである方とお会いすることになっているんですが・・。
新庄駅では、いつもお世話になっている酒田在住のネット仲間の方に出迎えていただきました。・・・実は、以前からこちらでオフ会をやろうという話がありまして、ワタシと同行者氏はそのお招きにあずかったわけなんです。
ただ、前々から計画していた最上川の川下り船の乗船計画は、予約がとれず断念。というわけで、地元ネット仲間さんの車に乗り込み、列車の撮影ポイントを案内していただくことに・・・。
というわけで、まずやってきたのは、陸羽西線高屋〜清川間の立谷沢川鉄橋です。ここで、新庄発酒田行きのキハ110系快速「最上川1号」を狙うことにします。
待つことしばし、橋の向こうのトンネルの中にヘッドライトがきらめき、列車が飛び出してきました。この路線には、山形新幹線の新庄延伸にあわせて、この黄色いラインの入ったキハ110系が投入されていますが、これの走りっぷりがなかなかいいんですよ、けっこう。
ここで、地元ネット仲間さんから「きょうは75(交流電機ED75)が来る日なんだけど、行かない?」と次なるお誘いが・・。
・・というわけで、次にやってきたのは羽越本線南鳥海〜遊佐間です。ここは晴れている日だとバックに鳥海山が入る絶好のポイントらしいんですが、この日はあいにくの天気で残念ながら・・。
しかしながら、みぞれ交じりの空模様の中をやってきた機関車は、なんとラッキーナンバー777号機! 「お、きたよ777が!」と興奮気味にカメラを向けたのでした。

このあと、酒田駅前の某カレー屋で昼食をとり・・・。
そして、今度は冬の日本海をバックにED75を狙ってみようか、とのことで、羽越本線吹浦〜女鹿間へとやってきました。左写真は普通列車の701系を撮ってみたものですが、この時間、夕刻、しかもあられ交じりの天気で、露出的にもかなり厳しかったんですよね。
そこで、私はある決断を・・・。
その決断とは、バックに海を写しこむことをあきらめ、機関車を流し撮りしてしまおう、ということでした。とてもじゃないけど、50mmF1.4のレンズを使っても、普通の撮影ができるシャッタースピードは確保できなかったもんで・・。
あられが顔をたたく厳しい条件の中、走ってきたED75-777がカーブを切って顔を右側に向けたのを見計らって、レンズを機関車の動きに合わせながら、シャッターボタンを押しました。
アップしているこの画像は解像度を落としているのでよくわかりませんが、実際にプリントした写真は、ちゃんとナンバープレートの文字が見えるようになっていました。
・・ということで、酒田駅前に戻り夕食。いよいよ、ワタシと同行者氏はさらに北を目指すため、列車に乗り込みます。
酒田発18時56分、京都総合運転所485系9連で運転の特急「白鳥」青森行きです。改札前まで見送っていただいた地元ネット仲間さんに別れを告げ、列車に乗ります。
「白鳥」は途中、大阪行き「日本海2・4号」や上野行き「あけぼの」、さらには「トワイライトエクスプレス」といった夜行列車と行き違いながら、先を急ぎます。
秋田を過ぎてしばらく走ったころから、沿線に積もっている雪の量が格段に増えたような気がしますねぇ。それまでは、まだけっこう雪の間から地面が露出してたんですけどね・・。
車内のほうは空いていて、けっこう楽な感じで過ごせました。
22時59分の定刻を若干過ぎて、「白鳥」は青森へ到達しました。
駅には、青森在住のネット仲間3氏がお出迎えに来てくれていました。
ワタシと同行者氏は、車で市内のネット仲間氏のご自宅に向かい、一晩そこでお世話になることにしました。それにしても、青森市内の積雪はすでにかなりの量。ネット仲間氏宅の前で、雪の深みにずっぽりはまってしまった私でした。

それにしても雪はまだ降り続いているし、明日も雪景色期待できるかな・・?
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