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Part2(2004・6)
運転停車の狩留家を出た「みよし2号」はさらに山のほうへ走っていきます。

引き続き川沿いを走っていますが、このあたりは山が川岸に迫っていて、線路も断崖の上を走る格好になっています。そのこともあってか、このあたりではかなりきつい速度規制が敷かれています。25km、20km、なかには15km規制という区間もありまして、列車は文字通りそろりそろりと走っていきます。
定刻よりやや遅れて、9時20分、列車は最初の途中停車駅である志和口に到着しました。
こういうロケーションの駅ですが、降りていくお客さんもいました。
志和口の次の井原市までが広島市内。
広島市が非常に広く感じてしまうのは私だけではないでしょう。

向原に停車した後、「みよし2号」は甲立に停車。
向かいホームには広島行きの快速「みよしライナー」のキハ47形気動車2両編成が停まっていました。
実はそのキハ47形の向こう側には、レール輸送用の貨車が停まっていました。

このあたりは、梨の産地としても知られているところですね。
やがて列車は、三次の市街地へ入ってきました。

左手から三江線の線路が合流してくると・・・。
10時ちょうど、列車はやはり少し遅れて終点・三次に到着しました。

ここからは先へ向かうため乗り換えますが・・・。
跨線橋を渡って2番ホームに来ると、同じ線路の上に、キハ47形とキハ120形とが向かい合わせに停まっています。
乗り継ぎの列車はこのホームと聞いたのですが、私が乗る列車というのは・・・。
こちらのキハ120形で運転される、354D列車備後落合行きでした。

JR西日本のローカル線区ではけっこう見られるこのキハ120ですが、車内にトイレがない、ということで、登場当時から物議をかもしてきた経過もあります。
10時4分発の354Dは、3分ほど遅れて三次を発車しました。
さきほど乗車してきた急行「みよし」のキハ58系や、向かい合わせに停まっていたキハ47形が、後ろに遠ざかっていきます。
列車は馬洗川沿いに、東へ向けて走っていきます。
すいぶん、川も水が多いような印象ですが・・・。
列車は塩町に到着です。

この塩町は、山陽線福山へ向かう福塩線が分岐する駅。しかし、ホームは島式ホームが1面あるのみで、芸備線と福塩線でその1面のみのホームを共用しています。

ちょっと雨が降ってきまして、列車の窓ガラスにも雨粒が見えます。
10時40分、列車は備後庄原に到着しました。

芸備線は全線でCTC(列車集中制御装置)による運行管理が行われていますが、その芸備線のCTCセンターはこの備後庄原にあるとかで・・・。

この駅は、かつて農産物を運び出すための貨物扱いもあり、その当時をしのばせる広い構内が印象的でした。
このあたり、基本的には田園地帯なわけですが、所々、川沿いで速度規制がかかってます。
左上写真のように25km規制の区間もあったり・・・。

かと思えば、左下写真のように、麦が色づいているところがあったり・・・。
さらにしばらく走ると、やがて備後西城へ。
けっこういい雰囲気の街並みが広がっています。

備後西城の駅舎には、理髪店とスポーツ用品店が入っているようです。
列車はどんどん山を目指して進んでいきます。

西城川沿いに進んで、こちらは比婆山駅。
国定公園となっている比婆山への入り口となる駅です。
比婆山駅を出ると、道のりはいっそう険しさを増してきます。
川沿いでカーブも多く、スピードも落ちてきました。

やがて青と黄色の「減速」信号が見えてきたあと、トンネルをくぐり・・・。
・・・354Dは11時20分、2分遅れで終点の備後落合に到着しました。

2番ホームに到着した354Dの向かい側、3番ホームには、この備後落合から先の芸備線を走る422D〜434D列車の新見行きが待っていました。こちらもキハ120形での運転です。
備後落合の駅の前に出てきました。

この備後落合は、芸備線と、この備後落合から山陰線宍道へ向かう木次線とのジャンクションの駅。いまはもちろん無人駅ですが、かつては駅員もいて、売店の営業もあったということです。

駅前には新聞販売店とタクシー営業所らしき建物がありましたが、あたりは静寂に包まれていました。
駅の構内ですが・・・。

ホームには、洗面台。
かつては、多くの旅人がこの洗面台で一息ついたことでしょうが・・・。
かつてのSL時代には、転車台も使用されていた構内ですが、その広さと残された側線に、当時の面影をしのぶことができるにすぎません。

左上写真、先ほど乗ってきた354Dのキハ120は、折り返し359D列車となって三次へ戻っていきます。
デジカメのモニタを見ていると、緑の木々に包まれた山間の小駅、というフレーズが頭の中をめぐっていきました。

ここにきて、青空も出てきました。
さわやかな風が、谷間を吹き抜けていきます。
359D列車が三次へ向かってからしばらくの静寂のあと・・・。

12時8分、木次線のほうから、こちらの列車がやってきました。
この列車が、この日の最大の目的である、トロッコ列車「奥出雲おろち号」です。
木次から8421レとして走ってきたこの列車は、ここ備後落合から折り返し12時28分発の8422レとして木次へ戻ることになります。

その「奥出雲おろち号」乗車の様子については、次ページで・・・。
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