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Part2(2004・8)
山口を出た車内では、さまざまな記念品が配られ始めました。

まずは、25周年「記念乗車証」と、オリジナルのポストカード各種。
沿線の観光案内パンフも一緒に袋に入っていました。
さらにこちらも・・・。

缶のフタをあけてみると、そこにはC57-1のチョロQ(!)が入っていました。
通常、「やまぐち号」の車内販売で売られている品ですが、それを無料で配るとはさすがに記念列車、やることが違います。
列車は次第に山の中へ。スピードも落ちてきました。
雨はますます激しく窓を叩いていました。
しばらくすると、今度は車掌さんがオレンジカードの販売にやってきました。
1枚1000円のカードを1枚、購入しました。
けっこう、私、「やまぐち号」では乗るたびに買ってますね、オレカ。

車掌さんの衣装も、この25周年を機に一新されてまして、濃紺の制服に、ドゴール帽には国鉄時代の徽章が取り付けられています。写真はありませんので、ぜひみなさん、現地に見に行ってみては?(笑)
列車はさらに進んで、まもなく篠目に到着するところ。
すでにホームに進入している上り列車がいますが・・・おっ!向こうも煙を吐いてますねぇ!(笑)

というのも、今回の25周年記念運行では、新山口発のC57-1牽引「SLやまぐち号(25周年ありがとう号)」だけではなくて、津和野10時31分発新山口行きの「SLやまぐち25周年記念号」が、C56-160牽引のオリジナル12系客車3両で運転されていたんですよね。
その双方の列車は、この篠目で離合することになっていました。

雨が激しく降る中ではありましたが、篠目駅に到着したところで、イベントの行われているホームに降りてみました。
C56-160のほうには、C57-1と同じようなデザインながらも、色の違うヘッドマークが取り付けられていました。

SL列車同士の離合、で思い出すのは、いまから4年前、磐越西線津川駅でのC57-180「SLばんえつ物語号」と、D51-498「SLえちご阿賀野号」との離合ですねぇ。あのときもすごいなぁと思ったもんでしたが、まさかちょうど4年後の8月1日に、今度は山口線でこういう光景を目の当たりにするとは、夢にも思いませんでした。
もちろん、SL列車同士の離合というのは昔は当たり前の光景だったんでしょうけど、SLの現役時代をじかに体験しているわけではない私の場合は、やはり格別の思いです。

しばしの停車のあと、両方のSL列車は同時に篠目を発車します。
発車時に、双方の機関車が、長声を轟かせます。その場を圧するような長い汽笛の響き、思わず鳥肌が立つほどでした。マジですごすぎる・・・。
次の停車駅である長門峡を過ぎて、阿武川を渡るとそこには・・・。
かなりの雨が降っているにもかかわらず、「SLやまぐち号」を撮ろうと多くの撮り鉄さんが陣取っていました。
本当にご苦労さんでございます・・・。
この雨の影響で、「SLやまぐち号(25周年ありがとう号)」は安全確保のため、途中一部区間で速度を落として運転していました。そのため、通常なら停車時間を十分確保している駅でも、その停車時間を削って少しでも遅れを取り戻すという措置がとられたわけで・・・。

写真の地福駅でも、正規のダイヤでは3分の停車時間となっていました(通常の「SLやまぐち号」では6分です)が、さすがに「停車時間はわずかです」という車掌さんのアナウンスが・・・。
鍋倉、徳佐と停車し、列車は白井トンネルのなかで山口・島根の県境を越えました。

山を下り、津和野の街の中に入ってきました。
相変わらず、雨は激しく降り続けていました。
  「SLやまぐち号(25周年ありがとう号)」は12時32分、終点の津和野に到着しました。
結局、遅れは4分程度まで縮まっていました。この天候に速度規制、そしてSL列車という条件を考え合わせると、もともとのダイヤである程度の余裕を見ているということはあるにしろ、これはほんと、お見事というほかありません。

C57-1の前には、またまたこのように列車から降りてきたみなさんがカメラを持って集まってきていました。
  とりあえず、駅前に出てきました。
相変わらず雨がひどい・・・大きな傘を持ってきておいて本当によかったですわねぇ・・・。

ところで、お昼時ですねぇ、どうしようかなぁ・・・。
  ・・・と考えていたところで思い出したのは、このお店の存在でした。
駅から歩いて2分で、こちらに到着したわけですが・・・。

そのお店は、こちらの「和風喫茶 能濃」。
「堺の車窓から」を見ていた方ならピンと来るはずですね。あえて細かいことは解説しませんが・・・。
  そして、注文したのはこちら。
堺アナも食べていた、津和野の郷土料理である「うずめ飯」の定食です。

このうずめ飯、出てきたものを見るとだし汁のなかに白いご飯と海苔だけが入っているように見えますが、実はご飯の下に、山菜をはじめとした野菜類や鶏肉などの具材がたくさん埋まっています。うずめ飯という呼び方は、そういう感じで具材が飯の下にうずまっている、というところからついた名前のようですね。

だし汁のお味がちょうどよくてですねぇ・・・おいしくいただきました。
  雨はまたいっそう激しさを増してきました。
時折、軒先で雨宿りをしながら、こちらの場所まで歩いてきました。

ここは、かつての藩校・養老館の前。
相変わらず、よく太った鯉が泳いでいますね。

この養老館のなかに、津和野町の民俗資料館がありましたので(入館料200円)、雨宿りも兼ねてしばらく入っておりました。
 
  さらに歩いて、ここは津和野町立の「安野光雅美術館」。津和野町出身の画家で、風景画から絵本まで幅広く手がける安野氏の作品を展示しているほか、別館でアトリエや昔の木造教室が再現されていたり、プラネタリウムも設置されている、というところです。
建物もこういうたたずまいで、ただの美術館、という感じではありませんね。

ちょうど、「日本の原風景−津和野・明日香−」の展示が行われていたので観てみることにしました。
素朴な水彩画ですが、その素朴な中にも、自然や田園などといった、日本人の心を癒す原風景が、適度なボリュームで描かれた作品が多いことに感心させられました。

そろそろ駅に戻らないといけない時間になってきましたね。
帰路につくとしますか・・・。
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