Part1(2004・8)
1979年8月1日、当時の国鉄により、山口線小郡(現・新山口)〜津和野間で、京都・梅小路蒸気機関車館にて動態保存されていたC57-1を使用して「SLやまぐち号」の運行が始められました。1975年12月にSLが国鉄の本線上から姿を消して以降、初めての復活運行ということで、非常に注目を集めました。
以来、復活SLの老舗として、「やまぐち号」は多くの観光客やSLファンを楽しませてきました。ワタシ自身も、1998年6月、そして2002年8月と過去2回の乗車を楽しみ、SL列車ならではの独特の雰囲気を肌身で感じてきたわけです。

そして今回、復活運行の開始から25周年を迎えることになり、25周年の「その日」となる8月1日に記念列車「SLやまぐち号(25周年ありがとう号)」の運行が行われることに・・・。
新山口発津和野行きで運行されることになっていたその記念列車(全席指定)の指定券は、1ヶ月前の発売直後に売り切れた、という話を聞いていました。ところが、冷やかしのつもりで運行2日前になってから検索をかけてみたところ、なんと空席が・・・(^^;)。「これは行かねば」ということで(爆)、台風10号の接近で運転自体が危ぶまれていた状況の中、出かけることにしたのでした。
朝、まずは黒崎から小倉へ向かいます。
やはり、台風の影響で朝から雨。それも、時折激しく降っていました。
それでも、当初の予想より台風は足早に日本海へ抜けていったので、なんとかいけるだろうということで・・・。

筑豊線桂川から上ってきた692H列車門司港行き。817系電車4両編成でした。
途中、あとから来る鹿児島線の快速3180M列車小倉行きが追い抜くため、八幡で乗り換えとなりました。
いろいろ考えたんですが、結局小倉からは、新幹線で新山口へ向かいます。

8時7分発、「こだま638号」岡山行きは、100N系K53編成6連でやってきました。
朝早い出発のため、ここで腹ごしらえということにしましたが・・・。

小倉駅のキヨスクで購入したのは、こちらの「うにめし」。通常、1050円の品ですが、この日は「若松港祭」協賛企画ということで、800円という割引価格で販売されていました。

アルミカップに入った練りウニもありましたが、なんといっても、ご飯といっしょに炊かれたウニの香りがいいですよねぇ・・・。
新関門トンネルを抜け、「こだま638号」は新下関に停車。
本線上を、700系3000番台編成の「のぞみ6号」が足早に通過していきました。
厚狭に停車し、まもなく列車は新山口に到着します。
最初は在来線で来ることも考えていたんですが、やはりこの速さは・・・。
「こだま638号」は8時39分、新山口に到着しました。

ホームには、こういう大きな看板が・・・。
新幹線の乗客にも、時代を超えたSLの汽笛の響きが届いているでしょうか・・・。
さて、在来線ホームのほうに降りてきましたが・・・。

10時31分の発車の1時間ほど前。
「やまぐち号」の牽引機である「貴婦人」ことC57-1が、入換のため駅構内に姿を現しました。
前面には、きょうの記念列車向けの黄色い特製ヘッドマークが・・・。そして、ナンバープレートも赤地になっています。

C57-1はこのあと、留置線にいる客車編成を出迎えに再度入換作業へ・・・。
「やまぐち号」発着ホームである1番ホームでは、出発式の準備が進んでいました。このようにテープカットの準備も・・・。
  10時を過ぎて、C57-1に入れ換えられた客車編成が、1番ホームに入線してきました。
「やまぐち号」の運転開始当初は、かつての急行形客車である12系客車をオリジナルの状態で使用していましたが、現在の編成はその12系客車を改造したレトロ調客車5両編成。1988年に登場していますが、オリジナルの12系の面影が分からないくらい、大規模な改造を施されています。
  入線した「やまぐち号」の編成には、記念撮影をしようと家族連れや鉄道ファンがカメラを持って集まってきます。
これも、SL列車ではおなじみの光景ですね。
  「SLやまぐち号」編成の行先表示幕。
「新山口」という表示が、まだなんとなくなじまない感じもしないではないですが。
  出発前の1番ホームにて。
25周年記念列車ということで、もっと人出があるものかと思っていましたが、やはり台風の影響なんでしょうかねぇ。
  さて、今回ワタシが乗車する車両はこちらです。
2号車に連結された欧風車両・オハ12-701。

さっそく乗り込んでみることにしました。
以前からもちろん知ってはいたんですが、きらびやかというか、豪勢な感じの車内ですね。
 
  シートもこのように、非常に背もたれが高いんですよね。
上の写真とあわせて見ると、ほとんどセミコンパートメント、といった感じになっているのが分かると思いますが・・・。
  ・・・その設定、実は、その豪華さゆえに「動く宮殿」とまで呼ばれたヨーロッパのオリエント急行をモチーフにしたものでした。
デッキのところには、その設定の由来が書かれた案内文が掲げてありました。
  まだ発車前でしたが、駅のキヨスクでビールを買い込んで、一人で乾杯。(笑)
やっぱりこのSL列車の雰囲気にビール、というのはやめられないっすよねぇ。
  単線の山口線を上ってくる列車が遅れていたということで、「SLやまぐち号」の記念列車は定刻より7分遅れで、新山口を発車しました。
向こう側のホームで、鉄道ファンがたくさん見送っていました。
  山口に到着しましたが、まだまだ雨が激しく窓を叩いていました。

この先、山へ向かっていくわけですが、本当に大丈夫なんだろうか・・・?
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