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Part3(2004・8)
津和野駅に戻ってきました。

駅構内には、「やまぐち号」の客車編成が入換を待っています。
昨年から、もともと展望デッキが設置されていた1号車に加えて、5号車側にも展望スペースが新設されました。前回ワタシが乗車したときには、展望デッキのついた1号車を津和野で転車台に載せて上り最後尾に連結しなおす作業がされていましたが、もうその必要はないということで。

そして、機関車C57-1は、すでに転車台での方向転換を終え、入換を待っている状態でした。
やがて、C57-1が入れ換えられて客車編成の上り方先頭に連結されました。
さらに、客車編成はC57-1に牽かれて留置線から上り本線へ出て行き、推進運転でホームへ入ってきました。
本線へ出た客車編成が踏切を見事にふさいでますが、交通量が少ないから問題にならないんでしょうねぇ・・・。

そういえば、C57-1の煙突には、集塵装置がついていませんね。
15時15分の発車予定ではありましたが、列車はおよそ4分遅れて津和野を発車しました。
他の列車が遅れたため、「やまぐち号」の入換作業も遅れてしまったことが響いたようですね。

街並みを右手に見ながら、列車は山登りを続けていきます。
私は復路も2号車の乗車。往路のときより機関車が近い位置に来たことで、息遣いがより近いところで聞こえるようになりました。
トンネルに入ったところで、2号車の車内を。

この雰囲気、なんともいえませんねぇ・・・。
こちらは、鍋倉駅のあたり。

ここは、リンゴ園が多いところ。
すでにリンゴの実には袋がかけられていました。
沿線の川は、というと、降り続いた雨の影響でこのように濁流と化していました。

本当に、こんな悪天候のもとで、列車はよく走ってくれたなぁと思ったわけで。
さきほど、SL列車同士の離合があった篠目駅まで戻ってきました。
もはや、先ほどのあの喧騒はありません。

篠目を出たところ、ここでも撮り鉄のみなさんが・・・。
まだ雨も降っているというのに、がんばってますねぇ。
山を下り、列車は山口市内へ。

復路もやはり、途中一部区間で徐行運転となったため、列車には遅れが出ていました。
ワタシも、そのあとの乗り継ぎのことが気になってはいましたが・・・。
16時47分、列車は湯田温泉へ。
この時間には、もう新山口に着いていなければならないんですが・・・。

車内では、新幹線の接続についての案内放送も。
遠方から来ている人たちにとっては、本当に切実な問題ですね。
17時1分、列車は14分ほど遅れて終点の新山口に到着しました。

私はもう少し接続時間がありましたが、とりあえず新幹線ホームへと移動します。
もともと接続予定だった新幹線の各列車は、それぞれ乗り継ぎを待っていました。
下り側は、16時59分発の「こだま553号」博多行き。
そして、上り側は17時ちょうど発、「のぞみ28号」東京行き。

それぞれ、「やまぐち号」からの乗り継ぎ客を乗せたあと、足早に発車していきました。
そして、ワタシは「こだま553号」が出た直後に入線してきた700系7000番台「Rail Star」E10編成の「ひかり367号」博多行きに乗車します。
ほんと、あと5分「やまぐち号」が遅れていたら、ちょっと接続が危うかったわけなんですが・・・。

ワタシは今回、5号車の指定席を確保していましたが、この「ひかりRail Star」の5号車は7月1日から新たに禁煙車になったものでして。
やはり、禁煙車の拡大を求める声がけっこう出されていたようですね。
新山口ではけっこう降っていた雨も、西へ向かうに連れて少しずつ弱まっていくのが分かりました。

少し遅れて新山口を出た「ひかり367号」は、厚狭で先行の「こだま553号」を追い抜き、めいっぱいのスピードで山口県内を駆け抜けていきました。
やがて、列車は新関門トンネルを抜け、小倉の市街地へ入ってきました。

17時28分、小倉に到着。
ワタシは足早に在来線ホームへ向かい、家路を急いだのでした。
復活以来すでに、四半世紀を駆け抜けてきた「やまぐち号」。
牽引機であるC57-1自身、現役時代の転覆事故、そして復活運行が実現してからも、鷹取工場入場中の阪神大震災での被災と、幾度もの修羅場をくぐり抜けていまに至っていますし、今日あの姿で走っていられること自体が、奇跡に近いことだというふうにも思いますね。

すぐ近くを掠めていった台風の影響をかいくぐって、よくまぁ記念列車運転にこぎつけたもんだなぁ・・・そのことに感心しきりだった今回の旅でした。
<おわり>