(2024・5)
「東の灘、西の城島」と言われるほど、酒処として知られる久留米市城島町。
城島町とその周辺には、おいしいお酒を造る酒蔵があちこちにあります。
そんな酒蔵がタッグを組み、毎年2月に「城島酒蔵びらき」を行っているのはご承知の通り。ワタシも何度も足を運んでいるイベントで、その参加の様子を旅行記にしたこともありました。

その城島で、実は例年11月に、マイペースで酒蔵をめぐって地酒を楽しむイベント「城島郷酒街道をゆく」が開かれていました。人がたくさん集まる「酒蔵びらき」とは違い、地酒好きの人がのんびり楽しめるスタイルになっています。
今年は、「福岡・大分デスティネーションキャンペーン」開催にあわせ、この5月の開催になりました。

今回、そんな「アナザーバージョン」といえるイベントに、初めて参加する機会を得ました。
5月25日。いよいよ城島へ向かいます。
今回の「城島郷酒街道をゆく」は、5月18日と25日の2日間開催、いずれも土曜日。今回はどちらかで参加したいと、早くから休みの希望を入れてありました。(^^;

箱崎から8時7分発、普通131M列車久留米行きに乗車します。817系VM3002+VM3001+VM3004編成計9両での運転、後ろ3両のVM3004編成は南福岡で切り離しとなります。

幸いにも乗車してすぐに座れたので、そのままのんびり座っていることしばし・・・。
・・・気が付いたら、131Mは鳥栖に到着しようとしていました。
すると、こちらの列車の左手を並走する貨物列車の姿が目に入りました。

131Mはその貨物列車を追い抜き、鳥栖駅6番ホームへ。
そして、そのあとからゆっくりと、熊本貨物駅行き高速貨8057レが入線。牽引はEF81-501でした。
富山をベースに走っていた501号機が門司機関区へやってきたのは2013年の話。そしてまもなく、EF510形300番台の本格運用が始まることで、九州内での運用機会も失うことになるわけで。
501号機はJRになってからの新製機ですが、メカ的には国鉄時代に製造されたEF81と同じですからね。

そんな、過渡期にある貨物列車を横目に見ながら、131Mは先に鳥栖を発車しました。
9時25分、131Mは終点の久留米駅1番ホームに到着しました。

久留米に来たのは、先日のこのとき以来ですね。

駅の改札を出て、今回は西口のほうへ出ることにします。
今回の「城島郷酒街道をゆく」では、JR久留米駅西口、そして西鉄大善寺駅から、各酒蔵へ向かう無料シャトルバスの運行が行われていました。
無料シャトルバスの運行は「城島酒蔵びらき」のときも行われていますが、今回は「酒蔵びらき」ほど参加者が多いわけではないので、絞られた台数での運行となっていました。
ただまぁ、やはりこの無料シャトルバスの存在が、この城島の酒蔵イベントを支えている、と言っても過言ではないですね。

久留米駅西口の乗り場のところでは、係の方が出て、バス乗車待ちの参加者へのチラシ配布などを行っていました。

久留米駅西口から初発のシャトルバスとなる、9時57分発のバスに乗り込みます。西鉄バス久留米・御井町支社所属、日野2014年式の7841号車が充当されていました。
並んで待っていた人たちがいっせいに乗り込みまして、文字通り満員の状態で、バスは走りだしました。
久留米駅から西へ向かいますので、筑後川を下る方向へ、バスは進んでいきます。

このように川沿いを走るところもありましてね。
とにかく、いい天気だったですもんねぇ。
今回は、久留米駅からだと一番遠い場所にある、筑紫の誉酒造をまず訪ねることにしていました。

ワタシ自身、これまでの「城島酒蔵びらき」参加のときには訪ねることができていなかった酒蔵ですが、今回ようやくの訪問となりました。
ワタシはここから「酒街道をゆく」参加になるので、まずは「飲みくらべチケット」を買い込みます。
1500円で、チケット11枚、さらにスターターキットとしてやわらぎ水とお猪口がついてきます。
通常、チケット1枚でお猪口1杯分のお酒をいただけるんですが、ランクの高いお酒になるとチケットが2枚、あるいは3枚と必要になるものも。

あと、オプションで升を買うこともできるので、せっかくだからと塗り升(500円)を買い込んできました。
買ったチケットをさっそく使って、まずは「筑紫の誉」のいろいろなお酒をいただいてみることにしました。

純米大吟醸や原酒なども置いてありましたので、初めて蔵へ来たこの機会にいろいろいただいたんですが、どれもおいしいんですよね。

最後にいただいたのが、蔵びらき限定の無濾過生原酒「初蔵だより」だったんですけども、搾ってから一切水を加えず、芳醇な甘みを湛えたその濃厚な風味が、「うわー呑んだぞ~!」と思える満足感をもたらしてくれます。
せっかくなんで、その無濾過生原酒にあわせて、アテを調達。

有明海の最奥部に生息し、このあたりでは初夏の名物となっているエツという魚がおりまして、そのエツの南蛮漬が500円で売られていましたので、それを買っていただいてみることにしました。
甘酢でしめられた淡白なエツの白身。繊細で、鮮度が落ちると身が破れてしまうというデリケートな魚なんですが、それをこうしておいしくいただけるというのは、この時期ならではですよね。
おいしいアテもいただいたので、そろそろ次の蔵へ移動することにしましょう。

今回の「城島郷酒街道をゆく」での無料シャトルバスは、JR久留米駅西口発着の系統と、西鉄大善寺駅発着の系統があると前述しましたが、両者は微妙に立ち寄るところが違ってたんですよね。
今回乗車するのは、西鉄大善寺駅発着の系統のバスです。西鉄バス久留米・大川支社所属、いすゞ2007年式・ボディは西工96MCの2264号車がやってきました。
次にやってきたのはこちら。
比翼鶴酒造です。
先日、西鉄久留米駅のやりうどんで、朝から比翼鶴のお酒を呑んでたのは他ならぬワタシですが。(笑)

ここは、「酒蔵びらき」のときは蔵元の公開をしていないんで、今まで来たことがなかったんですよね。
比翼鶴酒造でも2杯ほどいただいたんですけどもね。

こちら、贈答用としてしか出回らない大吟醸「連理」をいただくことができました。通常、720mlのボトルが4000円近い値段で売られるというものなので、うまくないわけがない!(笑) 実際、すいすい呑めてしまうタイプのお酒でした。
これをいただけただけでも、比翼鶴に来たかいがあった、というものです。(^^;
続いては、かつて有薫酒造があった場所で営業している「酒乃竹屋」へ。
西鉄バス久留米・御井町支社所属、いすゞ2013年式の2814号車に乗ってやってきました。

有薫酒造はかつて、「城島酒蔵びらき」にも参加していて、ワタシ自身も何度か訪ねたことがあったんですけどもね。2017年末で業務を停止し、廃業となってしまいました。
さて、「酒乃竹屋」では、今回の「酒街道をゆく」に参加していない蔵も含め、「城島酒蔵びらき」ではおなじみの蔵の酒がずらりと並んで、チケットでの呑み比べが可能となっていました。

なので、ここは「酒街道をゆく」には参加していない、萬年亀酒造の純米吟醸「萬屋荒神」をいただくことに。
蔵の敷地内で湧いた天然水で仕込んだというこちらのお酒、スッキリ系でとても呑みやすいお酒でした。

このほか、やはり「酒街道をゆく」には参加していない旭菊酒造の純米吟醸もいただきました。やっぱりどれもおいしいなぁ~。(^^;
「酒乃竹屋」では、1皿200円で各種お惣菜が準備されていまして、こちらの3品を買い込んで、お酒のアテとしていただきました。
地域のおばちゃんたちの手作りのおかずでして、これまたうまくないわけがない!(笑) いいなぁこういうの・・・。
お惣菜もいただいたところで、次の蔵へ移動しましょう。

続いてやってきたシャトルバスは、西鉄バス久留米・御井町支社所属、いすゞ2015年式の2962号車でした。

JR久留米駅西口発着・西鉄大善寺駅発着の系統とも、概ね30分に1本程度の運行となっていましたが、なんかそれほど待つ感じはなかったですねぇ。30分も滞在すると、そこそこいろいろなことができるもんでして。
そして、次にやってきた蔵は、「城島酒蔵びらき」でもお馴染み、池亀酒造です。
ワタシ自身、けっこうこの池亀さんのお酒は呑みやすいものが多いなぁ~という印象でして、城島へ来るたびに寄らせてもらっていますし、「酒蔵びらき」とは全然違う時期にここの直売所へお酒を買いに来たこともあります。
こちら池亀さんで今回いただいたのは、「さわやか夏の純米酒」。
どちらかというとスッキリ系の味わいでして、芳醇な呑み口のお酒の印象が強い池亀さんとしては、ちょっと印象の違うものでした。もちろん、これもとてもうまい酒です。(^^;

今回買った塗り升も、しっかり活躍しておりますね。(^^;
さてさて、そろそろ最後の蔵へ向かうとしましょう。

次のシャトルバスでやってきたのは、西鉄バス久留米・御井町支社所属、日野2014年式の7841号車。おう、きょう初っ端に乗ったバスに、ここでまた出合いました。
最後にやってきたのはこちら。
瑞穂錦酒造です。
今年2月、「城島酒蔵びらき」のときには真っ先にここに来たんだったなぁ。(^^;

ここでお酒のアテとしていただくのは、このあたりでは名物の一つである、鰻の骨の唐揚げ。
少し塩気の効いたこの骨の唐揚げ、香ばしくてやめられないんですよねぇ~。
瑞穂錦さんでのおいしいひとときを終え、チケットも使い果たしましたんで、そろそろ引き上げることにします。

最後に乗車するシャトルバス、西鉄バス大牟田・大牟田営業所所属、日産ディーゼル2002年式、ボディは西工96MCの5743号車でした。
13時50分、ワタシはJR久留米駅西口に戻ってきました。
およそ4時間で戻ってきたということになるんですが、シャトルバスのおかげで主だったところをしっかりまわることができました。
初回の参加にしてはまぁまぁだったんじゃないのかな・・・と思ってますけどね。(^^;
ここからですが、久々に九州新幹線に乗ってみることにしました。

久留米14時3分発、「さくら556号」新大阪行きに乗車します。JR西日本のN700系7000番台S2編成8連でやってきました。

博多までの短区間なので、もちろん自由席に乗ります。
理由があって、進行方向右側のA席に座りたかったんですが、どうも空いてなさそうだったので、デッキに立っていくことにしました。
その、右側でなければならない理由が、これでした。

博多総合車両所の横を通過する際に、右側に見えていたのが、100系「グランドひかり」の生き残りである、2階建て食堂車・168-3009。
この間の博総では、0系先頭車の22-1047、「WIN350」の500-906、そして「グランドひかり」の2階建てグリーン車・179-3009と、保存車両が次々に解体される憂き目に遭っていますので、この168-3009も果たしてどうなるのか、と・・・。
この目撃が最期にならないことを、切に願っています・・・。
14時21分、久留米からはわずかに18分というところで、「さくら556号」は博多駅14番ホームに到着しました。
ほんと、すぐに着いちゃいますね。
博多からはそのまま、14時42分発、普通2156M列車福間行きに乗車。813系RM2210+RM2212編成計6両での運転でした。

この日は夜に用事がありましたんで、帰宅もあえて早め早めにということになりました。
初めての「城島郷酒街道をゆく」参加、「酒蔵びらき」とはかなり雰囲気の違うイベントでしたが、ワタシは個人的には「酒蔵びらき」よりも今回の「酒街道をゆく」のほうが、肌に合ってるな~、という感じがしましたね。基本、人大杉は苦手なもんで(笑)、今回のイベントくらいの人出のほうが、やはりゆったりとまわれるなぁと。お祭りではなく、本当の意味でお酒好きな人のためのイベント、という感じがしました。もう少し時間があれば、筑紫の誉さんや瑞穂錦さんの敷地内にある飲食店に入って、おいしいものをいただきながらゆっくり盃を傾けてみたかったな・・・今後の課題ですな。
ぜひまた参加してみたいイベントです。
<おわり>