(2023・6)
1年前、このときに、初めて九州オルレのコースに手を出しました。
しばらく九州オルレはご無沙汰していたんですが、JR九州ウォーキングの春編も終わってしまい、次に歩くポイントを探していたワタシにとって、九州オルレは有力な選択肢の一つになりますんでね。
なかでも、最も近場の福岡・新宮コースがまだ手つかずでしたんで、今回はそこを歩いてみることにしたんですが・・・。
なお、トレッキング部分についてはこちら(GPSでの軌跡マップつき)も参照ください。
6月18日、まずは朝。

箱崎8時19分発、普通2134M列車福間行きに乗車します。
列車は813系RM2+RM2210+RM2203編成計9両での運転でした。
この日は九産大で資格試験が行われていたため、2134Mは九産大前まで多くのお客さん、とくに若い人たちで混雑していました。

今回のワタシは、その九産大前の次、福工大前で下車となります。
ここからは、新宮町のコミュニティバス(新宮タクシーが運行受託)を利用して、コースのスタート地点である佐屋バス停を目指すことにしていました。
8時42分発で、その佐屋行きのバスが来るということになっていましたんで、それを待っていたんですが・・・。

ワタシが乗るべきバスの少し前に、反対の海側へ向かうバスが来るということを確認しておらず、行先をろくすっぽ確認しないままに来たバスに乗ったところ、これがその海側へ行くバスでして・・・。
あろうことか、そのことにバスに乗ってから気づくという有様・・・あーやらかしちゃった・・・。(笑)
仕方ないので、その海側へ行くバスを次のバス停で降り、そこから本来乗るべきだったバスのルートへ向かって歩いてきました。もちろん、乗るはずだった佐屋行きのバスは行ってしまったあと・・・。

福工大前駅から2つ先のこの八重洲団地口のバス停で、やむなくタクシーを呼ぶことにしました。
しばらくするとタクシーがやってきましたんで、佐屋バス停までと告げて走ってもらいました。
ほどなくタクシーは、バスの終点である佐屋バス停に到着しました。
痛い出費ですが、次のバスを待つと1時間40分も時間が空いてしまうんでさすがにそれは・・・。(^^;

タクシーを降りてしばらくすると、そこに、本来乗るはずだったバスが到着してきました。バスのルートは少々大回りなので、タクシーのほうが先に到着してしまったようで。
まぁ、バスとほぼ同じ時間に着けてリカバリーできたということで、前向きに考えますか。(笑)
気を取り直して、オルレのコースを歩き始めました。

佐屋バス停のすぐそばには、九州自動車道にある高速バスの立花山バス停がありまして、歩いて連絡可能です。
高速バスのバス停の案内看板が立っているのが見えました。
さらに少し歩いたところに、こちら。

「六部様」と描かれた石碑が立っていました。
書写した法華経を全国66ヶ所の霊場へ1部ずつ納める行脚僧のことを「六部様」と呼ぶのだとか。その昔、その六部様の一人がこのあたりに立ち寄った際、死期が近いのを悟り、宿泊先の家で「私が死んだら当地に埋葬してくれ、そうしたらこの地に流行病で死ぬ人が出ないように祈禱するから」と言い残したので、その通りに埋葬したらその後、流行病で死ぬ人はこの佐屋地区では出なかった、という言い伝えが残っているのだそうで。
流行病、というと、今の時期だとやはりコロナウイルスを思い出してしまうんですが、本当にもう、これ以上死者が出ないようになればいいなぁと思ったわけで。
九州自動車道の脇を歩いた後、コースは三本松山のほうへと入って行きます。
こうした鬱蒼とした山道を進んでいきます。

三本松山は標高148mの低山で、その山頂へ向かう山道もあるにはあるんですが、オルレのコースは山頂へは立ち寄らないようになっています。何か理由があるんでしょうけどもね。
しばらく歩くと、このような眺望ポイントが。
向こうには、立花山が見えています。3つ峰があるうちの真ん中の高い山が立花山の山頂(標高367m)です。
ワタシ自身、立花山には以前登ったこともありますけどね。
そこから山道を降り、田畑のある中を歩いたりしながら高度を下げていきます。
このように、紫陽花の咲いているところもありました。まぁ時期ですからね。
コミュニティバスの立花口バス停まで出てきました。

バス停の一番下に、オルレ参加者向けの「エスケープポイント」の表示が出されていました。天候の悪い時などは無理せずここからバスに乗ってください、という趣旨のことが書かれていましてね。
無理は禁物です、はい。
立花口バス停を過ぎたところに、このように古い建物が多く残る集落があります。築100年を超える古い民家が多いのだそうで。
かつて、立花山の山頂に山城があり、このあたりは城下町となっていたとのことで、道割にもそうした雰囲気が残っています。
今度はまた高度を上げてきました。

立花山の登山道入口近くにある、こちらは梅岳寺。
安土桃山期に立花山城の城主だった立花道雪(戸次鑑連)の墓所があります。ここにも、以前立花山登山の際に立ち寄ったことがあります。
この付近でけっこう見かけた幟旗。

戦国大名であり、江戸時代に入ると初代柳川藩主となった立花宗茂と、妻の闇千代を主人公にした大河ドラマ撮影を誘致しようという活動が、所縁のある自治体や財界を中心に行われているのだそうで。
宗茂は、先に触れた立花道雪の婿養子で、妻となった闇千代は道雪の娘。その所縁で、このあたりでこの幟旗が散見される、というわけなんですね。
続いてやってきたのがこちら。
六所神社です。
駐車場には公衆トイレもあり、立花山登山をする方にはお馴染みのベースポイントですね。ワタシも、ここに立ち寄ると山行の無事を祈ってお詣りしていくんですけどね。
今回も、この先の安全を願ってお詣りしてきました。
六所神社を過ぎて少し行くと、再びこのような山道に入って行きます。
三城岳(標高156m)の裾を進んでいく形になります。ここも山頂へは向かいません。

山道をしばらく進んでいくと・・・。
視界が開けてきましたね。

この場所は「しんぐう愛の丘」。新宮の街並みを見渡せるビューポイント。
左写真では右のほうにうっすらと、相島が見えているのが分かります。
相島というと最近は「猫の島」としてすっかり有名になりましたが、島の形がハート形をしているということから、この場所も「愛の丘」という名前になったんだそうです。
愛の丘を後に、三城岳を下っていきます。

集落に近いところまで降りてくると、こちら。
「太閤水」と呼ばれる、湧き水が湧くポイントがあります。
豊臣秀吉が九州平定を果たし、帰る途中でここの湧き水を飲んだといわれることから「太閤水」と呼ばれているのだそうで。地元の方らしき人が、湧き水を汲んでいく姿も見られました。
このあと、新宮東中学校のあたりを歩くコースは、周辺の開発工事の影響で、九州オルレ公式サイトに示されたルートからは若干変更されているようでした。

そうしたエリアを抜け、住宅地を通ったあとに、こちら。
国道3号をアンダークロスするところまでやってきました。
普段、上の国道3号をクルマで通ることがあるんですが、このアンダーパスの存在は知りませんでした。
国道3号をアンダークロスしたあとは、こちら。
新宮中央駅までやってきました。

2010年に開業した駅ですが、駅の周辺は商業施設やマンションが立ち並んでいます。駅ができて以降、あっという間に開発が進んでいました。

コースのゴールはここではありません。駅を突き抜けてさらに先へ進みます。
新宮町役場や新宮高校のあるエリアを抜けて、こちらへ。

ここはかつての西鉄宮地岳線の廃線跡、西鉄新宮から古賀ゴルフ場前に至る部分です。西鉄新宮~津屋崎間は16年前の2007年に廃止となっています。
昨年、このときにこの廃線跡に沿って歩きましたね。この場所から西鉄新宮駅にかけては、既に廃線跡の上に住宅が立ち並んでいます。
さらに進んで、松林を抜け、新宮海岸へと出てきました。
もともと、オルレのコースは砂浜に降りずに歩くルートになっていましたが、現在はこの新宮海岸の砂浜を歩くコースに変わっています。
砂の粒が細かく、踏みしめて歩くということがなかなか大変な条件ではあるんですけどもね。(^^;

海では既に、海水浴や釣り、サーフィンなどを楽しむ人の姿が見られました。
砂浜を後に住宅街を進んだあとは、いよいよゴール。

西鉄新宮駅にたどり着きました。
駅のフェンスには、オルレ参加者向けの横断幕もかかっていました。

佐屋バス停を出てから、およそ3時間ほどでここまできました。
標準が4.5~5時間となってましたから、やっぱり速い方なんですかね。(^^;
それにしても、このコースは新宮町の町内完結でありながら、山から海岸まで至るコースで、歴史を感じる古い街並みから田園地帯、新しい街まで、本当に変化に富んだコースになっていると思います。改めて、新宮町の奥深さを感じたというか・・・。
さてここからは、西鉄貝塚線の電車で帰路に就くことにします。

西鉄新宮12時28分発の貝塚行き、600形602Fの2連での運転でした。

貝塚行きでは最後尾となる602の運転台の背後から撮影したのが左下の写真。
線路はここで途切れて、車止めが設置されています。本当ならその先、津屋崎まで線路がつながっていたわけで・・・この日の気分的にはここから、津屋崎方面へ行ってみたかったんですが、もはやそれは叶いません。
貝塚線の電車の中から、こちら。

2021年12月に閉園となった、かつての「かしいかえん」のあたり。
遊具の撤去はかなり進んでいて、以前の面影がだいぶ失われてきつつありました。
現在は一部が「かしいのはまビレッジ」として利用されていますが、跡地の将来像については、まだ決まっていないんでですねぇ・・・。
12時41分、電車は西鉄香椎に到着しました。

そういえば、お昼まだなんですよね。
とりあえず、香椎で何か食べて帰るかな・・・。
西鉄香椎駅からJRの香椎駅に向かって歩いてきました。

駅前から少し路地に入ったところに、何やら飲食店があるということで・・・ビルの2階にあるようなんですが、階段の前に置いてあったメニュー看板を見ると、どうやら定食屋さんの様子・・・。
ちょっと行ってみますか。
ということで、そのお店「食堂 海トごはん」に入ってみました。
へぇ~こんなところに、と思ったんですが、ワタシが入ったあとにも続々とお客さんがやってきていました・・・調べてみるとけっこう人気のお店のようですね。
メインのおかずを選べる定食ということで、エビマヨと鯖竜田揚げを選んで定食にしてみました。小鉢には胡麻醤油のかかったサーモンの刺身が。海のものたくさんの定食になりましたが、これが内容的にもとてもよくて、おいしかったんですよね。
全部で1780円(税込)と少々お値段は張りますが、これだけ内容が良ければ満足ですね。(^^;
お腹も満足したので、帰るとしましょう。

香椎13時26分発、普通2337M列車羽犬塚行き、813系RM2226+RM2219編成計6両での運転でした。

ほどなく箱崎に到着。
さっさと帰りますかね。
1年ぶりの九州オルレ参戦となったんですが、やはり程よく起伏もあって、いろいろなところを見られるという点では、歩き甲斐があるというか、歩く一辺倒ではない楽しさがありますよね。他にもいろいろなコースがあるので、少しずつ攻略できればと思っています。

夏の暑い季節にさしかかり、歩くのにもしっかりした熱中症対策が必要な時期になっています。
十分に気をつけながら、でもやはり歩けるときには歩くことを追求したいですね。ある程度、体に負荷をかけておかないと、歳をとると鈍る一方なんでですね。無理をしない程度に、いろいろ行ってみたいです。
<おわり>