(2022・4)
今回は、JR九州ウォーキングの開催のない日曜日に、小6娘と2人で自主練のウォーキングに行ったときの記録になります。

以前から、柳川にまともに行ったことがありませんでね。
何度か西鉄電車やクルマで通過はしているんですが、街を歩いたことは皆無でした。
県内では有数の観光の街でもあり、川下りなど全国的にも知られる名物がありますが、なかなか訪ねる機会がありませんでした。
とにかく一度行ってみよう、と思い立ち、であればと、JRの駅から歩いてアクセスしようと考えました。

いまから8年前の4月、今回同行する小6娘がまだ保育園年少組だった頃に、筑後船小屋駅スタート・ゴールで行われたJR九州ウォーキングに2人で参加したことがありました。そのとき3歳9ヶ月だった娘が、時間はかかったけども9kmのコースを初めて最後まで歩ききって、ワタシ自身もとてもうれしかったのを覚えていました。
そのときに訪ねた「中山の大藤」が、おそらくそろそろ見頃になるだろうというのもあり、筑後船小屋駅から「中山の大藤」を経由して、西鉄柳川駅をめざそうということで、ある程度のコースの見立てを考えました。柳川に着いたあとは、ご飯も食べて、少し観光して行こう、という腹積もりで・・・。

なお、前半のウォーキング部分についてはこちらも参照ください。
4月17日朝。
まずは地元・箱崎駅から、こちらの列車に乗車。
7時50分発、普通2391M列車羽犬塚行き。813系6両での運転、前3両はRM2234編成でした。
あ~やっぱり、座席少ないやつがきちゃったか・・・。
こちらは吉塚駅。
2番ホームに停まっているのは、「或る列車」。
博多発由布院行きの運転を前に、ここ吉塚で、食材などの積み込みを行っています。このときにブログでも書いてましたっけね。
博多で、こちらの列車に乗り継ぎます。
博多始発で運転される、8時12分発区間快速(久留米まで快速)1383M列車荒尾行き。813系RM2236編成+RM6編成の計6両です。
ワタシたちが待っていたのは前寄りの方、ということで、またしても座席が少ない車両に・・・。
1383Mは定刻に博多を発車。

竹下(南福岡車両区竹下車両派出)には、写真のキハ71系をはじめ、これから出番を迎える車両たちが待機していました。
そういえば「ゆふいんの森」にもしばらく乗ってないなぁ・・・。
久留米の手前、新幹線の高架と並走しながら筑後川を渡ります。
久留米を出ると、そこから先には田園地帯が広がります。

そろそろ麦が穂をつけてきて、もうしばらくすると、それらが黄金色に色づき、「麦秋」を迎えるわけですね。もうそんな時期なんだなぁ。
9時7分、久留米から各駅に停まってきた1383Mは、筑後船小屋に到着しました。

駅前に出てきました。
まさしく快晴の青空、いいウォーキング日和になりました。
ここ筑後船小屋駅は、福岡ソフトバンクホークスのファームの本拠地であるタマスタ筑後の最寄り駅。というか、もうスタジアムは駅の至近です。
駅前に掲げられたこの「LOCK ON」の看板は、地元の筑後市が設置したもの。このタマスタ筑後を含む「HAWKSベースボールパーク筑後」を誘致したときも、かなり熱心に動いたということでしたしね。

スタジアムではこの日、ファームの練習を見られるようスタンドを無料で開放するとのことでしたが、今回は素通り。
そういえば、試合もまた見に行きたいけどなぁ・・・まだちょっと、感染状況がおさまらないので心配な面もあるんですが。
筑後船小屋駅近くといえば、県営の筑後広域公園がありますね。矢部川の川沿いにいろいろな施設があります。
これまでも何度か、この公園内はウォーキングで歩きました。
さらに進んでいき、「中山の大藤」のある立花いこいの森公園までたどり着きました。
まずは、こちらの「藤のトンネル」をくぐりましょう。白フジがかなりいい咲き具合でした。
ノダフジの藤棚にやってきました。
こちらは少し見頃には早い感じでしたが、それでもかなりいい感じに咲いてきていました。

そういえば、例年こちらでは、この藤の花の見頃にあわせて「中山大藤まつり」が開催されるんですが、やはりコロナウイルス禍のもとで、ここも例外ではなく中止が続いていて、今年もすでに中止が決定しています。
最後にこちら。
橋にかかる藤の花のトンネル。

咲き具合が見事でした。
祭りは中止だけど、ボリュームのある藤棚をまた見られて、この時期に来て本当によかったなと思いました。
立花いこいの森公園を後にして、そこからは田園地帯をひたすら歩きました。
最後は国道443号に出て、道なりに柳川市街地へ。
ここを走るバスは堀川バス。この筑後地区ではおなじみの路線バス会社ですね。

向こうには有明海沿岸道路の高架が見えています。
そこを通り抜けて・・・。
筑後船小屋駅から約2時間ほど歩いて、西鉄柳川駅にたどり着きました。
現在の橋上駅舎になったのは2015年3月のこと。ずいぶんとしゃれたデザインの駅舎ですね。

さて、ここからはお昼を食べに移動します。
柳川といったら、やはり鰻のせいろ蒸し、ですよね。
駅前にも、鰻を出すお店はいくつかあるんですが・・・。
・・・事前にリサーチしていたお店がありましたんで、そちらへ向かうことにして歩き始めました。

ここは柳川橋。
このあたりには、柳川名物・川下りの乗船場がいくつかあります。そちらはまた後ほど、ということで・・・。
さらに歩いて、この場所へ。

ここは、「元祖本吉屋」本店。
創業1681(天和元)年、柳川名物・鰻のせいろ蒸し発祥、といわれるお店です。

お店に到着したのは11時半少し前。すでにお客さんが入っているようでしたが、そこまで混雑はしていませんでした。
入店するとまず検温と手指の消毒、そして靴を下駄箱に入れたあと、2階のお座敷へ案内されました。
メニューを見ると、やはりせいろ蒸しがメインを張っています。なので、ワタシはせいろ蒸し定食(5200円・税込)を注文。リサーチの段階から、お値段が張るのは分かってましたからね。
小6娘は、うなぎ丼(3500円・税込)で。

ワタシが注文したせいろ蒸し定食は、左下写真のものに、白焼きの酢の物がついています。
酢の物の白焼きの焼き具合が中はふんわり、皮はパリッとしていて抜群に良かったですね。
せいろ蒸しは、秘伝のタレをかけたご飯の上に、焼き上げたばかりの鰻の蒲焼きと錦糸玉子を載せ、それをせいろで二度にわたって蒸すという手の込んだもので、香ばしさとタレの濃厚さがダブルで押し寄せる、しかも熱々、という、珠玉の品でありました。
美味くないわけがないでしょう、という・・・さすがは元祖だなぁと、ただただ恐れ入るばかりでした。
お昼を食べ終わって、小6娘が「川下りしたいな~」と言い出すもんで、じゃあ行ってみるかと。(笑)

やってきたのは、先ほどの柳川橋のたもとにある、大東エンタープライズさんの川下り乗船場。大東エンタープライズは、市内にある鰻屋さん「うなぎの大東」が母体となっていて、川下りの船上で鰻をいただくことができるサービス(3200円~)もあったりします。

やがて、乗船しながら鰻を食べるという家族連れなどが集まってきて、そんな人たちと一緒に船に乗ることになりました。
12時40分過ぎ、ワタシたちの乗った船は、川下りへ出発しました。

出番を待つ船の舳先に、アオサギがとまっていました。
この柳川の水辺にはけっこう出没する鳥なんですが、こうして船が近くを通りかかっても逃げる様子はありません。堂々としたもんですね。
お隣に陣取った家族連れの人たちは、用意された鰻のせいろ蒸しを開けて食べ始めていました。
先ほど、「元祖本吉屋」本店で鰻を食べてきたワタシたちでしたが、同行の小6娘、船上で食べている人たちを見て「いいな~、私もあれがよかった」と言い出すではありませんか。(笑)
まぁ、確かに船上で食べるっていうのはもろに非日常で、惹かれるものはありますけどもねぇ。
船は、川から水をひいた水路、あるいはかつての柳川城のお堀に沿って、柳川の街を巡っていきます。

こちらは、柳川城のお堀に水を取り込む位置にある水門の場所。ご覧のように水路としてはかなり狭いんですが、船はここへ入って行くんですね。
川下りの順路のなかには、このように狭くなっているところもあったりするんですが、船頭さんの巧みなコントロールで、船はぶつかることなく水路を進んでいきます。
船が巡る水路にもいろいろなところがありましてね。

今の時期はやはり、新緑が美しい時期。
順路のなかには、しっかりと木に覆われて涼やかなところもあります。

かと思えば、橋の下をくぐる場面もいくつもあります。
かなり低い橋もありますが、この日は水路の水位が低いおかげで、それほど難なく橋の下を潜り抜けていました。
水位が高いときは、船頭さんだけでなく、乗船している側も姿勢を低くしないと通過できないとかで、なかなか大変なようなんですが・・・。
さて、しばらく順路を進んでいくと、こちら。

「水上売店 一期一会」。水上の船や筏を組み合わせた上に建っており、なんと、乗船客が希望すれば船を横付けして、飲食物の買い物ができる、という場所なんです。
1986(昭和61)年から営業してるのだとか、へぇ~そんなのあったんだ、って感じでしたが。(^^;

そこで、小6娘はあまおうソフトクリーム、ワタシは缶ビールを調達。
ビール、ぎんぎんに冷えてましたね~。船の上で、春の日差しと涼やかな風のなかいただくビール、いいすね~。(^^;
さて、そろそろ下船ポイントに到着です。

ここは、今回利用した川下り船を運営している「うなぎの大東」のお店がある場所。
ここから歩いて、少し街を散策することにしました。
このあたりは、観光通りと言って、飲食店もあるし、近くには名所・名跡もいろいろあります。
「元祖本吉屋」の支店・沖端店もこのあたりにあります。
街並みをそぞろ歩いて、やってきたのはこちら。
日本を代表する詩人の一人である、北原白秋の生家です。

現在の熊本県南関町に生まれたとされる白秋ですが、生後すぐにこの柳川(当時は福岡県山門郡沖端村)に移ったとのこと。
ここには、白秋が青春時代に勉強部屋として使っていた部屋が残っているほか、生家の裏側には資料館も併設されていて、白秋の足跡を偲ぶことができます。
白秋生家を後にして、そのあとは歩いて西鉄柳川駅へ向かいます。

こちらは、柳川城址。
1500年代初頭にこの地域を支配した蒲池氏によって築城され、その後、1872年に火災で焼失するまで、この柳川地域の象徴となっていました。
このあたりはいま、柳川高校をはじめ学校施設が立ち並んでいますので、こんな感じでしか跡を偲ぶことができませんが。
そのあとは、ほぼほぼ、先ほど川下り船で通ったところを戻るような格好で歩いて行きました。
途中でこうして、川下り船が通っていく様子を見かけます。ゆっくりと進む船、本当に長閑でいい眺めです。
結局、船に乗った柳川橋のあたりまで戻って、そこから西鉄柳川駅へ戻ることにしました。

そのまま、15時22分発の普通甘木行きに乗車することにしました。車両は左下写真の左、7000形7104Fの2連。

・・・って、ホームの向かい側になんかいますね。
そう、ちょうど「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」が停まっていたんですね。
福岡(天神)から大牟田までのランチの旅コースが終わった後、夜のディナーのコースに向け、福岡(天神)へと回送される場面でした。
甘木行きは定刻に西鉄柳川を発車、各駅停車で北上します。

こちらは三潴駅。
そう、「城島酒蔵びらき」の際には最寄りとなる駅です。

昨年、今年と、「城島酒蔵びらき」は中止となっています。
また心置きなく、酒蔵びらきを楽しむことができるようになるのを、心から待ち望んでいるわけなんですがね・・・。
それにしても、本当にこの日はいい天気でした。

写真は三潴~大善寺間の車窓の眺めですが、これまた長閑でいい景色でしたね。
途中の大善寺で、あとから来る特急へと乗り継ぐことにしました。
大善寺15時45分発、福岡(天神)行き特急列車、3000形3001F+3002Fの計6両でやってきました。
車内は転換クロスシート、編成の後方へ行くとけっこう席が空いていました。
特急は大善寺を出ると、花畑、西鉄久留米、西鉄二日市、大橋、薬院の順に停車します。
こちらは、西鉄久留米を出て筑後川を渡る場面。JR鹿児島本線よりは内陸のところを走りますので、川幅も若干狭く感じますね。
大善寺から乗車すること40分。
16時25分、列車は福岡(天神)駅に到着しました。

たまにしか乗る機会のない西鉄天神大牟田線ですが、とくに特急に乗ると、久留米~二日市間無停車での爆走ぶりは素晴らしいですね。JRのほうだと、間に鳥栖というターミナル駅があるんで、そこでの停車は避けられないんですが、それが西鉄ではありませんのでね。
もちろん、単純比較でどうとかっていうのは言えないですが、時間的な「感覚」のところでは、特に久留米以北ではかなり変わるなという気がしました。

途中で出合ったTRKCにも、また乗ってみたいなぁ・・・このとき以来乗ってませんね。(^^;
で、西鉄電車を降りたあとですが・・・。

娘のリクエストで、たまたまバス停で停まっていたこちらに乗車。
そう、福岡の街なかを走るBRTの連接バスです。

今回乗車したのは、愛宕浜営業所に所属する0201号車、メルセデスベンツのシターロGというタイプの連接バスですね。
都心循環(快速)の外回りルートですので、天神から国際会議場・サンパレス前を通って、博多港国際ターミナルまでの乗車となりました。
交差点を曲がるところで後ろのほうから見ていると、前の車体がこうして曲がっている様子が見えています。連接バス独特の眺めですよね。
16時50分に、バスは終点の博多港国際ターミナルに到着しました。

まぁここまで来たんで、船に乗るわけではないんですが、国際ターミナルに入ってみることにしますかね。

・・・と言って入ってきたものの、ターミナル内は閑散としています。
もちろん、コロナウイルス禍の影響で、国際旅客航路は運航自体ができない状況が続いていますのでね。
見ていると寂しさしか芽生えてこないんですがね・・・。
ターミナル3階の展望デッキに上がってみました。
この日も中央ふ頭イベントパースには、JR九州高速船「QUEEN BEETLE」が接岸していました。
先日の旅行記で、4~6月の期間限定で博多~門司港航路に就航したことに触れていましたが、月3日程度の運航で、この日は運航日ではありませんでした。

この眺めも、博多港の景色としてすっかり定着した感があります。
さて、そろそろ帰りましょうかね。

博多港国際ターミナルから博多駅まで、再びBRTを利用することにしました。
今回の乗車は、那珂川営業所所属の0105号車、こちらはスカニア製車体のバスですね。
大博通りを進んで、20分ほどの乗車で博多駅に到着しました。

博多駅前では、ちょうどこの日まで4年ぶりの「さくらイルミネーション」が開催されていましたが、まだ17時半前の明るい時間なんで、イルミネーションがついててもほとんど目立ちませんでした。(^^;
改札を通り、ホームへ上がってみると、ちょうど向こう側の1番ホームに、1泊2日コースを終えた「ななつ星 in 九州」が到着するところでした。

この日は狙ったわけではないんですが、「或る列車」「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」も見かけましたし、なんかタイミングがですね。(^^;
博多からは17時41分発、普通2168M列車福間行きに乗車し、地元・箱崎へ戻ります。
車両は813系3両+811系1500番台PM2013編成4両の計7両でした。

今回も、約10時間ほどの日帰り旅でした。
ウォーキングでほどよく歩いたあとに、柳川観光を楽しんだ今回の日帰り行でした。
柳川は初めてまともに訪ねたんですが、いいところですよね。なんというか、街が程よく整ってて、しかもあれだけの観光名所を抱えてて、訪ねる側としてはとてもバランスがいいなぁと感じました。

この日は何よりも天気がよくて、いい日和でした。長閑な景色を眺めながらしっかり歩き、そのあとに美味しいものをいただいて、さらに名所・名跡をめぐるっていうのは、本当にいいもんですね。
今回は自主練でしたが、JR九州ウォーキングの春編もまだまだ続きますし、しばらくは週末ウォーキング三昧になりそうです。
<おわり>