Part1(2010・12)
今回は、12月4日に開業した東北新幹線八戸〜新青森間に乗車するというのが最大の目的。
JR旅客営業路線の全線完乗タイトルを維持するには、もちろん乗っておかないとね。
開業したら、なるべく早々に乗りつぶしたいと、機会を窺っていた。そして、その機会は、同区間の開業2週間後という割合早い時期にやってきた。

この旅を計画している段階から、嫁さんが一緒に行きたいと言ってたんだが、そうなると、まだ5ヶ月の末娘も連れて行かないといかん。
大変なのは分かってたんで、前々からシミュレーションをいろいろと行っていた。
このときの旅も、実は今回の旅行を意識しての予行演習だったりとか。(笑)
12月18日早朝。
5時半に、タクシーで自宅を出発。

今回初っ端に利用するのは博多6時発、「のぞみ2号」東京行き。
博多6時発の新幹線に乗るには、鹿児島本線の初発に乗れば間に合うんだけど、なにしろベビーカーの赤ちゃん連れなんで、乗り継ぎには通常より時間がかかることを考えなきゃいかん。

ってことで、博多駅筑紫口前にタクシーで乗り付け、そのまま改札を通過。
「のぞみ2号」は、博多駅13番ホームからの発車。

車両は、JR西日本博多総合車両所所属のN700系3000番台N6編成16連。

N700系16両編成には、JR東海所属の0番台Z編成と、JR西日本所属の3000番台N編成とが存在するが、その差異はほとんどない。
我々は、4号車の指定席に陣取る。
10月に、当時3ヶ月の末娘を連れて南九州へ向かった際には、787系「リレーつばめ」のグリーン個室を使ったんだが、この「のぞみ」には個室なんてものはない。
とりあえずは東京までの約5時間、どうにかこのオープンスペースで持ちこたえる以外にはないわけで。

博多時点では、さすがに時間が早いせいもあってか、乗客はまばら。
定刻に博多を発車した「のぞみ2号」は、時速300kmで夜明け前を駆け抜け、16分で小倉へ。

下りホームには、「こだま851号」博多行きとして発車を待つN700系編成が停車中。グリーン車以外すべて自由席での運用となっている。
小倉を出ると、列車は九州に別れを告げる。新関門トンネルを抜けて本州へ。

写真はまもなく広島到着、というところ。
ようやく空が少し明るくなってきた。
広島から先は、福山、岡山、新神戸と停車。

福山では、駅のそばにある福山城の天守閣を眺める。

心配していた末娘だが、ここまでそれほどぐずることもなく、わりとおとなしく乗っていた。
時々、窓の外を食い入るように見つめている・・・車窓風景が好きなのは、やはりワタシの影響か。(笑)
新大阪到着直前。

新大阪駅では、現在の新幹線26番ホームのさらに隣に、新しいホームを整備しようとしている。そのための新しい線路の工事もすでに行われている。
「のぞみ2号」は、新大阪から東海道新幹線区間へ進む。
実をいうとワタシ自身、N700系で東海道新幹線区間を乗るのは、これが初めてだったり。もう車両が営業デビューして3年半以上になるんだけどねぇ。

鳥飼車両基地の横を通過。留置されている車両の顔触れも、ずいぶん変わったもんだ。
京都を出て、滋賀県へ。

大津市内、琵琶湖から流れ出す瀬田川を渡る。
久々に見るこの光景も、かつて東京在住で、帰省時によく新幹線を使っていたワタシには馴染みの景色だ。
9時29分、名古屋に到着。

この「セントラルタワーズ」のツインタワーを見るのも久しぶりやなぁ・・・。
トンネルの多い山陽新幹線とは違い、東海道新幹線は明媚なところを通っていく。

左上写真の浜名湖然り。

そして左下写真、富士山も、美しい姿を見せていた。
富士山は、空気の澄んでる冬場が、一番きれいに見えるもんねぇ。
列車は足早に関東へ。

新横浜に停車し、気がつけばもう多摩川を渡っていた。
ここから東京都内。思ってたよりもあっという間。

品川に停まって、「のぞみ2号」はほどなく東京駅に滑り込む。
11時13分、定時に16番ホームに到着した。
「のぞみ2号」を降りたあとは、東北新幹線との乗り換え改札に進む。

新幹線同士の乗り継ぎで改札を通るのは、この東京での乗り換えくらいだろう。
東海道新幹線はJR東海、東北新幹線はJR東日本と、別々の会社が運営しているうえ、レールがつながっていないということもあるんだろうけど。
ここ東京からは、21番ホームから11時56分発、「はやて25号」に乗車。

車両は、JR東日本のE2系J67編成10連。
E2系のうち、2002年の東北新幹線八戸開業に向けて増備された1000番台の編成だ。
この編成では、車両側面のLED表示器に、「列車名・座席種別」と「行先」とが交互に表示されるシステムになっている。

「新青森」の行先表示。
いよいよだな。
列車は盛岡まで、秋田行きの「こまち25号」E3系6両を併結。

乗車したのは、「はやて」8号車の指定席。JR東日本の新幹線はすべての車両が禁煙になっている。時代の流れからいっても当たり前のことだけどね。
ちょうどお昼時なんで、乗車前にホーム売店で駅弁を調達してきた。

「津軽味祭」、1200円。
東北新幹線新青森開業を記念して、津軽をイメージした食材を満載したという弁当。竹皮の弁当箱っていうのも、旅情をかきたてるね。
列車は定時に東京を発車。

見ていると、中央快速線や京浜東北線のE233系電車が行き交っている・・・ここも顔ぶれが入れ替わってしまったねぇ・・・。
上野で地下駅に潜った列車は、再び地上へ。

荒川を渡ると、埼玉県。
このあたりでは、進行方向右側を埼京線が並走している。
大宮を出発して上越新幹線と分かれ、北上していく列車。
宇都宮を通過してからはこの車両の本領発揮、最高運転速度である275km/hでの運転になる。

関東はいい天気で、栃木県を北上していっても晴天が続いていた。
大宮から1時間15分で、列車は杜の都・仙台へ。
ここで多くの乗客が入れ替わった。

ワタシが前回仙台に来たのは、もう4年も前の話。
仙台くらいまではなんとか天気がもっていたんだけど、盛岡が近くなると次第に雲行きが怪しくなってきた。

同時に、雪が残っているところが目立ってきた。予報的には厳しい話を聞いていたけどねぇ・・・。
盛岡には、14時22分に到着。
ここで、「こまち25号」を分割。
「こまち」が先に発車し、2分後に「はやて25号」も発車。

「こまち」分割の様子を動画で撮影しているので、↓アドレスから。(新しいウインドウで表示)
http://www.youtube.com/watch?v=ML8u3NSxbjE
いわて沼宮内、二戸を通過して、列車はいよいよ青森県に入ってきた。
途中駅となった、八戸に停車。

八戸近辺は、雪がなかった。
もともと、青森県内でも、太平洋側の「三八地方」と呼ばれるこのあたりは積雪が少ないのだ。
八戸を出ると、そこから先はいよいよ未乗区間。

八戸を出てしばらく行くと、吹雪いてきた。
かなり視界も悪い。

七戸十和田を通過し、さらに進むと八甲田山の下をトンネルで抜けていく。
26kmを超えるこのトンネルが難工事で、土砂崩れによる犠牲者も出ている。

26km超というと、青函トンネルの約半分程度の長さ。山陽新幹線の新関門トンネルよりは8km程度長いわけだけど、思ったほど長さは感じなかった。このあたりでの新幹線は最高運転速度260km/hだし、速いからね。
15時19分、「はやて25号」は新青森駅13番ホームに到着。
この時点で、ワタシはJR全線完乗のタイトルを回復した。

ってか、一日で、博多から山陽新幹線、東海道新幹線、東北新幹線と、フル規格の新幹線ばかり計1744kmを走破したことになるんよね。
東北新幹線の終点となった新青森駅だが、開業から2週間、すでにフィーバーは通り過ぎたようで・・・。

ここで、たまたま東京からやってきていた某ネット仲間のお出迎えを受けた。

左下写真は、乗り換える途中に通路から撮った在来線ホーム。
1面のホームの片側しか使っていなかった頃しか知らないワタシには、やはり大きな変貌に映ってしまった。
当初、博多から新青森までの乗車券しか準備していなかったんで、ここから青森へ向かうきっぷは、自動券売機で調達した。

そして、青森までの一駅間乗車する列車は・・・。
新青森15時38分発、特急「スーパー白鳥25号」函館行き。車両はJR北海道の789系電車8両編成。
実は・・・東北新幹線新青森開業に伴って、在来線では新青森〜青森間の乗車に限り、乗車券のみで特急の自由席に乗車できるという特例が新設された。
北海道への新幹線延伸をにらんで、青森市街地から離れて設置された新青森駅と、市街地にある青森駅とのアクセスを考慮したものだと思うが。
新青森から6分で、青森に到着。

駅前に出てきたら、吹雪いていて、足もともけっこう悪かったり。

ただまぁ、夜行列車で雪の青森駅へ降り立つ「津軽海峡冬景色」の世界とは、明らかに異なる風情だよなぁ・・・。東京から4時間かからずに、もう青森駅前にいるんだからね。
重い旅行荷物があったもんで、それを荷ほどきするために一旦ホテルに入り、青森駅まで出なおしてきたところに、地元在住のネット仲間某氏に合流してもらった。

クルマに乗せてもらい、やってきたのは左上写真の場所。
観光物産館アスパム。

エレベーターで展望台へ。
しばし青森市街地の夜景を堪能させてもらった。
その後は、仲間たちが宴席を用意してくれているとのことで、宿泊したホテルに近い「きはら」へ移動。

まずはビールで乾杯! 嫁さんはジュースにしてたけど。
乾杯して宴を始めると、そこへ続々と地元の食材が。

タラの白子や、ホタテ貝柱の刺身、そしてハタハタの田楽、などなど・・・。
タラの白子は、新鮮でないと生で食べられないんでね。

ワタシの場合、旅に出て何が楽しいかっていうと、やっぱりその土地の「地のもの」の食材をいただくことなのさ。
必ず、その土地の名物・名産品ってあるから、そういうものを堪能させてもらうってのは、やっぱり旅の醍醐味っていうか。
そうやって楽しんでると、続々と有志が合流。東京からの遠征組も含めて5人が集まってくれた。
みんなネット上での付き合いは長いんだけど、中には会うのが10年ぶりだった人もいたしねぇ。
それにしても、こうしてみんな出てきてくれて、本当にありがたい。

ってことで、今度は地酒の盃で乾杯!

我が末娘は最初は寝ていたんだけど、起きた時に、初めて会うお兄さん(おじちゃん?・笑)たちに囲まれていきなり泣き出してしまった(人見知りか??・笑)。ただ、そのあとはあやしてもらったり、怪しい写真(謎)を撮られたり・・・なんとかもってくれてよかった。

楽しい時間は、あっという間に過ぎていく。再会を約してお開きに。

さて、夜が明けたら、今度は帰路が待っている。
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