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Part2(2010・12)
明けて、12月19日の朝。

朝6時の青森の気温は0℃。
左写真は6時半過ぎに撮影した。ようやく外が明るくなり始めたところ。
前日の到着時は、吹雪いてる中をベビーカーを押してホテルまで行ったんだけど、さすがに朝は足もとも凍ってそうなんで、赤ちゃん連れだし無理をせんどこうと、ホテルからタクシーで青森駅へ向かう。

東北新幹線新青森開業に伴って、東北本線の八戸〜青森間が「並行在来線」としてJRから切り離され、青い森鉄道の路線となったため、駅舎内には青い森鉄道のきっぷ売り場が、JRのそれとは別個に新たに設置されていた。
駅で土産や朝食を買い込み、ホームへ向かう。

前述のような経過があり、青森駅の1・2番ホームは、基本的に青い森鉄道の列車が使用することに。

左下写真の、1番ホームに停まっていた701系電車、これはもともとJR東日本青森車両センターに所属していたもので、八戸〜青森間の第三セクター化とともに青い森鉄道に移籍し、「青い森701系」となった車両。
帯色はJR時代のままだが、JRマークのステッカー類は消え、前面に「青い森鉄道」 のロゴ、そして車体各所に青い森鉄道のイメージキャラクター「モーリー」のステッカーが貼られている。
で、新青森まで乗車するのは、青森駅4番ホームから8時3分発、642M列車弘前行き。
車両は、JR東日本秋田車両センターに所属する701系3両編成だが、これがN1編成、つまりは 701系のトップナンバー(青森方からクモハ701-1 + サハ701-1 + クハ700-1)で組成された編成だった。まさか、ここでトップナンバーが来るとはねぇ・・・。(笑)
青森を定刻に発車し、列車は奥羽本線を進む。

写真は青森駅を出たあとの3線並行区間で、列車が走っているのが奥羽本線、真ん中が青森車両センターへ続く回送用の線路、そして写真で一番向こう側にあるのが津軽線。
新青森に到着し、乗り換え通路を進む。

乗り換え改札には、昨夜も一緒だった地元ネット仲間某氏が見送りに来てくれていた。
改札を抜け、少し売店を物色してからホームへ。

乗車するのは、11番ホームから8時28分発、「はやて18号」東京行き。
車両はE2系J13編成10連。0番台の編成で、前日乗車した1000番台の J67編成とは仕様の違う編成だ。もともと8両編成で製造されていたため、東北新幹線八戸開業に向けた10両編成化の際に、7・8号車に新造ユニットを組 み込まれている。
ホームで見送る某氏と別れ、列車は定刻に新青森を発車。

発車して、さっそく朝飯。

青森駅で買ってきた駅弁は、「大人の休日−津軽物語−」。
青森の気候風土に培われた代表的な料理をふんだんに盛り込んだとのことで、とりわけウニご飯の香りがたまらんかった。
そして、雪景色を見ながら・・・。

地酒「豊盃」(ほうはい)の特別純米酒をいただく。「豊盃」を造っている三浦酒造は家族経営の小さな酒蔵で、生産量が少ないことで知られている。
新幹線車内で雪見酒ってのも、なかなか面白い。
「はやて18号」は、往路で通過した七戸十和田にも停車する。

かつて、東北本線(現・青い森鉄道)野辺地駅から七戸までを結んだ南部縦貫鉄道の路線が、この駅の近くで東北新幹線と交差する予定で、両路線を接続する計画もあったが、南部縦貫鉄道の廃止でそれは夢に終わった。
盛岡までは各駅に停車。

盛岡で、秋田からの「こまち18号」を連結し、16両編成となって南下。
次第に、雪は車窓から消えていった。
仙台では、遅れていた仙山線の列車からの乗り換え客を待ち、3分遅れで発車。

前日は雲の中に隠れて見えなかった蔵王が、きょうはくっきりと見えていた。
大宮直前、上越新幹線と合流。
仙台3分延で発車したのに、大宮到着は11時42分の定時。もともと、ダイヤにゆとりがあるんだろうね。
上野では、前日乗車した「はやて25号」とすれ違う。

24時間前は、あっちに乗ってたんだよな・・・なんか、あっという間だな・・・。
「はやて18号」は、12時8分、定時に終点・東京駅23番ホームに到着。

乗り換え改札を抜け、東海道新幹線の16番ホームへ。
12時30分発、「のぞみ35号」博多行きに乗り継ぐ。車両はJR西日本所属のN700系3000番台N8編成16連。
・・・あら、今回も西日本の編成にあたったよ。(笑)
「のぞみ35号」は東京を定発。

右手では、東北新幹線の線路が途切れている。・・・東海道新幹線と東北新幹線の接続計画もあるにはあったんだが、結局実現していない。
東京発車後、東京駅で買い込んできた駅弁で昼飯。

「黒毛和牛のハンバーグ弁当」。
こういう洋食系のお弁当っていいよね・・・で、このハンバーグがなかなかの厚みで食べ応えもあったのよ。うれしいね。
車窓の景色は、前日の車窓とは大きく違っていた。

前日は綺麗な姿を見せていた富士山は、残念ながら雲の中。

一方、前日は見えなかった伊吹山は、くっきりと姿を現した。
15時6分、新大阪駅21番ホームに到着。ここから山陽新幹線へ。

列車内では、末娘がぐずっていた。
いったん泣き出すと客室内にはいられないので、抱きかかえてデッキに行き、窓の外の景色を見せながらあやして、泣きやんで寝落ちすると自席へ戻る、っていうのをずっと繰り返してた。
まぁ、しゃあないよね、こればっかりは。
「のぞみ35号」は新神戸、岡山、福山、広島の順に停車していく。

福山では、「こだま748号」の500系8両編成と行き違う。
500系も「のぞみ」から撤退して、完全に後景に追いやられた感がある。
本州最西端・新下関を通過し、新関門トンネルを抜けて九州へ。

やっとこのころ、末娘の機嫌がだいぶよくなってきた。
「まだ新幹線降りたくない」って言ってるようだった。(笑)
「のぞみ35号」は定刻の17時44分、終点の博多駅16番ホームに到着。

そのまま在来線に乗り継ぎ、帰宅の途につく。

ワタシは、赤ちゃん連れの長距離旅行をどうにか無事に終え、胸をなでおろしていた。
朝方には青森にいて、日が暮れると博多にいる。
それだけの距離を移動してきているんだけど、以前なら鉄道で行ってももっと時間がかかっていたはず・・・日本列島の南北の長さを実感できたけど、その南北の距離が、時間短縮で少しずつ「短く」なってきているというのも実感できた、不思議な体験だった。

今回の旅で、JR全線完乗のタイトルを回復したけど、次は来年3月、九州新幹線博多〜新八代間が開業し、新たな未乗区間が発生する。地元九州の路線だし、これも早々にクリアしたい。
できれば、乗車するだけじゃなくて、旅先を楽しむようなこともやりたい。

でもさ、旅の計画をたてるときって楽しいよね。今回の旅も、計画してるときは実に楽しいんだけど、実行するとあっという間なんだよなぁ・・・。
日々の生活のモチベーションを維持するべく、次の旅の計画を温める時間をしっかりとりたいと思ったわけで。
<おわり>