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Part5(2006・2)
2月26日の朝。

宿泊先を出て、大通公園にやってきました。
テレビ塔の前、雪まつりの雪像がすでに粉々になっていました。
きょうの朝一は、列車ではなく、バスの利用となります。

こちら、中央バス札幌ターミナルから、9時10分発、北海道中央バスの「日本海るもい号」留萌行きに乗車し、増毛へ向かいます。
目的はもちろん、増毛から留萌本線に乗車すること。

「日本海るもい号」は1日1往復、高速道路を使わず、札幌市内から日本海沿いのルートで留萌までを結んでいます。

今回は列車のダイヤや増毛での時間の活用など、いくつかの要素を考え合わせた結果、増毛までバスで行くことを決めました。
9時を少しまわったころ、「日本海るもい号」となるバスが、ターミナルの乗り場に横付けされました。
私自身、バスにはそれほど詳しくはないんですが、高速バスなどにも使われるトイレ付きの車体のようです。
バスは9時10分の定刻に札幌ターミナルを発車。

まずは日本海をめざして、国道231号を通り札幌市街地を北上していきます。

道路が本当に広いですよねぇ・・・。
こちら、石狩川の支流・茨戸川を渡るところです。
凍ってますね・・・。

国道231号はこのあと、日本海沿いの区間に入ります。
日本海に沿って走るこの国道231号は、あの「オロロンライン」の一部を構成するルート。
とくに、石狩市の厚田地区から増毛町へ抜けるルートは、山が海に迫り、道路の工事も難航をきわめたという話です。

きょうは朝のニュースで天候が荒れる、という予報が流れていましたが、その予報どおり、強風が吹きつけるあいにくの天候になってきました。
札幌ターミナルを出て2時間余り、バスは雄冬へ。

この雄冬の手前で、札幌ターミナルからずっと一緒だったおばちゃんが下車して、乗客は私一人に・・・。
1日1往復の運転でも、やはりこれでは厳しいでしょうねぇ。
バスは定刻より若干遅れて11時43分、沿岸バス増毛バスターミナルに到着しました。

「最後の一人」となった私がここで下車し、バスは乗客ゼロの状態で留萌へ向けて走っていきました。

バスを降りて、増毛の街を歩いていきます。
歩道では凍った雪がアイスバーン状態になっていまして、慎重に足を運ばざるを得ません。
風も強くなってきまして、重い荷物を持って歩くには一苦労・・・。
歩いていく途中には、時代を感じる木造建築のたたずまい。

こちら、「日本最北の酒蔵」といわれる、国稀酒造の建物です。
この増毛の地で酒造を始めてから、すでに120年以上になるということです。

酒蔵の見学もできるということでありますが、そこまでの時間は今回ないので見送りました。

近いうちに、この日本最北の造り酒屋で生まれたお酒を呑んでみようと思います。通販でも手に入るようですから。
お昼になりましたので、どこかおいしいものを食べられるところがあるかな〜と歩いていると、増毛駅の手前で一軒の寿司屋さんを発見し、入ってみることにしました。
せっかく、海の幸がおいしいところに来たんだから、うまいものを食べて行きましょう!

「鮨居酒屋 忠」というお店でいただいたのは、こちらの「特上生ちらし」(2625円)。
出てきたものをみて、納得しました。ちらしの寿司飯が見えないくらい、海の幸がこんもりと積み上げられています。
ウニ、アワビ、甘海老、イクラ、カニ、数の子、そして脂ののったトロ!

口には出しませんが、心の中で叫んでおりました。

「んめ〜ぇ!」(笑)
うまい海の幸を平らげたところで、増毛駅へやってきました。

留萌本線の終着駅。かつて、高倉健主演の映画「駅 STATION」の舞台にもなった駅ですが、公衆トイレなどが増設されていて、映画撮影当時のたたずまいとは異なっています。
駅の看板は、毛筆縦書きのものがかかっておりました。

なお、駅前には映画のロケで実際に使用された「風待食堂」(もともとは雑貨屋で、現在は観光案内所になっている)の建物も残っていたりします。
駅の待合室には、かつての出札窓口を流用したと思われる駅そば屋さんがあります。
残念ながら冬場は営業していないんですが、増毛産のそば粉を使用した手打ちそばをいただけるようです。
駅構内に入ってみると・・・。

通路の部分は除雪してありますが、それでもかなりの量の雪が残っていますね。

線路の途切れる終着駅、独特の風情があります。
私の乗車する列車がやってきました。
13時4分発、深川行き4928D列車。キハ54-503の単行運転となります。

いよいよ、JR北海道の全線完乗を果たす乗車となります。
増毛を出ると、列車は日本海を左手に見ながら留萌へ向かいます。

左下写真は、増毛の次の箸別駅。
この駅もそうなんですが、このあたりでは気動車の単行ワンマンが当たり前。それも、前乗り前降りというスタイルのため、ホームの長さも、1両の気動車が半分くらいかかればいい、という感じになっています。
さらに進んで、こちらは阿分の駅。

ここでもホームが短いつくりになっていまして、停車中の列車が踏切をふさいだままになっています。
交通量も少なく、停車時間も短時間ですから、問題にはならないのでしょうが・・・。
こちらは、礼受の駅。
ローカル線ではよく見受けられる、貨物列車用の車掌車(緩急車)の廃車体を流用した待合室があります。

ここ礼受から、札幌在住のネット仲間氏が合流してきてくれました。
ここからは、彼との会話を楽しみながらの乗車となります。
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