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Part4(2002・1)
16時25分、4235Dは終点・隼人に到着しました。
私にとっては、JR九州線完乗達成のゴールとなりました。早いところなんとかしなければ、と思っていた当面の懸案を達成できて、非常にうれしいです。
隼人の駅前に出てきました。
まだ雨は降っていました。でもまぁ、このときの私は完乗達成の気持ちの高ぶりで、それほど雨は気になりませんでしたね。
ここからは、西鹿児島を目指して移動です。
16時50分発の特急「きりしま9号」に乗りますが、これがなんと、復活国鉄色の485系DK2編成(鹿児島総合車両所所属)でやってきました。この編成で来ることは全然期待していなかったんですが、もちろん、こりゃラッキーということで、喜んで乗るわけですが・・・。
この編成、外側は国鉄メークですが、車内のほうはかなり手が加えられていまして、アコモデーションはかなりいい状態でした。走りのほうも揺れも少なく状態はいいようで、しばらくは安泰でいられるかな、という感じでした。確実に九州でも数を減らしている485系ではありますが、この編成はおそらく最後まで残るでしょうね。
列車は錦江湾沿いを走る区間に入りました。
本当なら海の向こう側に桜島が見えてくるところですが、この日はあいにくの天気のため、完全に雲に隠れてしまっておりました。
列車は鹿児島駅に到着です。駅の構内には485系車両が3両ほど、置かれたままになっていました。疎開留置なんでしょうか。
目を転じて反対側のホームに目をやると、これまた国鉄色の車両が・・・。鹿児島総合車両所に所属している復活国鉄色のキハ28・58が、肥薩線へ向かう運用に入っているのでした。私の乗っているほうの車両も国鉄色ですし、なんだか気分的には国鉄時代にタイムスリップしたかのような・・・。
17時20分に、「きりしま9号」は終点の西鹿児島に到着。私は、ここから5分接続の「つばめ24号」博多行きに乗り継ぎます。

この旅行記のプロローグにも書いているように、もともと「つばめ」の西鹿児島〜博多間の乗り通しをやっておかないとなぁ、と前から考えていました。いつも、熊本への通院に「つばめ」を使っていますが、やはり熊本以北での利用のため、ビュッフェ利用にしても短時間になってしまいますし、この際思い切って満喫するような機会があってもいいんじゃないか、とも思っていましたので・・・。
1号車グリーン車に乗り込み、しばらくは自分の席で「雑記帳」の更新をしていました。そして、川内を出た頃・・・。いよいよ、ビュッフェに乗り込みます。(笑)

まずは、ビールと、ミックスピザ、フライドポテトを注文。外はすっかり暗くなっていますので、景色を見るという感じではもうないのですが、車窓を過ぎていく灯りをぼんやりと眺めながら、のんびり過ごしていました。
食べるものがなくなると、もう遠慮なく追加です(笑)。今度は、鹿児島名物のさつま揚げを頼んでみました。このビュッフェではえび入りとごぼう入りの二種類が置いてありまして、私はごぼう入りのほうを頼んでみました。レンジにかけてあっためてもらったものをいただきますが、これがなかなかおいしいんですわ、ほんと・・・。
列車は出水駅に着きました。
この出水駅周辺の出水平野では、この冬の時期、ナベツルやクロツルがやってきます。その数は1万羽を軽く超えていて、この日の出水駅ホームでの掲示では、ご覧のように1万1845羽、という数字になっていました。
もちろん、この日はすでに夜で、車窓からツルが見えるというわけにはいかないんですが・・・。
私はさらに、つばめワインのほうも頼んでしまいました。つまむものももうなくなってしまったので(笑)、ミックスナッツを出してもらいました。

この「つばめ」のビュッフェがなくなる、という報道を目の当たりにしたとき、まずもって「もったいないなぁ」という気持ちが先に立ったことは事実です。新幹線からも食堂車営業が消え、列車内で温かい食事をとるということがますますもって贅沢な存在になっている昨今、スタンディングスタイルではありながらも、こうして温かい食事をとり、景色や街灯りを眺めながら過ごすことができるスペースがあるというのは、文字通りこの787系「つばめ」を語るうえで、最大のセールスポイントでした。

ただ、最近は、積極的にこのビュッフェに赴いて食事をとろうとする人が、確実に減少しているという話も聞いています。まず列車に乗る前に駅などで食べ物を買って乗ってくる人が多くなっている・・・。そうでなくてもこの「つばめ」の車内では、沿線の駅弁をはじめとした弁当類の品揃えが豊富です。
九州新幹線の部分開業で乗車時間が短くなるとなれば、ますますもって、供食設備の必要性は薄れてしまうことでしょう。

車内供食設備のあり方、というのも、鉄道の高速化時代にあって、非常に難しい局面にあるのだ、ということを、まさしく肌身で感じることになってきていますね。
21時16分、「つばめ24号」は終点・博多に到着です。
4時間近くかかっているはずなんですが、それほど時間的な長さを感じないのが不思議でした。
ここからですが、885系「かもめ」編成で運転される門司港行きの特急「きらめき6号」に乗ることにしました。
白い車体がホームへ滑り込んできました。
この「きらめき6号」は、私が前日に乗った門司港始発の「かもめ5号」の車両の送り込みを兼ねて、福岡から北九州方面への帰宅を急ぐお客さんを運んでいる列車です。平日だと通勤帰りの人たちで混雑するところですが、この日は日曜日ということもあってお客さんの数は多くはありません。
グリーン車のほうも、乗客は結局私一人ということで、誰にも気兼ねすることなく、のんびりと過ごしていました。
車内改札をに来た車掌さんは、私のきっぷを見ながら「門司港まで乗るんでしょ? え?! 黒崎なの?」という顔をしていました。私のことを見て、「豪遊券」での乗り回しをしているというところまでは察しがついたらしく、終点まで乗るんじゃないか、と気を回してくれていたようです。

私は黒崎で下車。いったん帰宅することにし、筑豊電鉄に乗り継いで自宅へと向かいました。
九州在住だと、「豪遊券」での乗り回しのなかでもこういう形で帰宅していれば、宿泊代の心配をしなくて済みますしね。(^^;)

「豪遊券」の効力はあと1日残っています。明日も朝が早いです。
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