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Part3(2006・3) | |
3月13日の朝です。 宿を出て山形駅にやってきました。 山形市内は昨晩かなりの勢いで大粒の雪が降っていました。朝の時点では小降りになっていましたが、やはり足元に気を遣わなければならない道路状況でした。 |
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山形駅では、待合室の売店で朝飯用として駅弁を買い込みました。 「山形特選牛めし」(980円)。 前の晩に「牛肉どまん中」を食べておいて、また牛かよ!(笑)と思われる方もいるでしょうが、それくらい、やはりこちらでは牛肉の駅弁がポピュラーである、ということでしょう。 お肉によく味がしみておりましたよ。 |
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駅構内に入ってきました。 2番ホームには、新庄始発で東京へ向かう「つばさ102号」がやってきました。車両は、E3系1000番台L51編成。 山形新幹線用のE3系は、1999年の新庄延伸にあわせて2編成が登場した後、昨年新たに1編成が増備されています。 |
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さて、山形からはこちらの列車で北上開始。 米沢始発でやってきた、7時6分発、新庄行き421M列車。 山形車両センター所属の719系5000番台2両編成。けっこう雪をつけています。 719系5000番台は、仙台近郊などで活躍する719系をベースに、新幹線にあわせ標準軌に改軌された区間に対応する車両として投入されたものです。投入当初は下枠交差形のパンタグラフを装備していましたが、どうやらシングルアーム式に交換されているようですね。 |
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山形を発車した列車は、左手に霞城公園を見ながら進んでいきます。 仙山線が分岐する羽前千歳までの区間は、狭軌の線路と、新幹線対応の標準機の線路との単線並列となっています。 北山形までの区間では、同じ7時6分に山形を出る左沢線左沢行き325D列車との並走もありました。 |
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新庄までの奥羽本線は私自身、新幹線で何度か通っている区間です。 少しウトウトしているうちに、北へ北へと進む列車。 外があまりに寒いため、暖かい車内との温度差で窓ガラスが完全に曇ってしまいました。 積雪もかなりの状況になっているようです。 |
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8時31分、421Mは終点・新庄に到着。 ここからはさらに北へ向かうわけですが、実はこの新庄から先、大曲までの奥羽本線が未乗で残っていました。 新庄から乗車するのは、秋田車両センターの701系N37編成2連で運転の2435M列車秋田行き。701系は元来ロングシート車ですが、このN37編成はセミクロスシート化改造された車両でした。 東北に来ると、電化区間でこの701系に乗車する機会がどうしても多くなります。 |
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新庄から大曲へ至る奥羽線ですが、及位〜院内間のみが複線で、その他は単線区間となります。 こちらは、新庄の次の泉田駅。ここでは秋田からやってきた2428M列車との行き違いとなります。 |
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院内からは秋田県に入りました。 写真は途中の横堀駅。 駅構内に、「小野小町生誕の地」の看板がありました。 この横堀駅の所在する旧・雄勝町(現在は合併により湯沢市)は、小野小町のふるさととして知られるところです。 |
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さて、この先大曲からは、秋田での乗り継ぎの都合上、2435Mから新幹線「こまち1号」秋田行きへと3分での乗り換えを計画していた私ですが・・・。 先ほど触れた単線ならではの行き違いがもとで、思いもよらずピンチを迎えてしまいました。 途中の下湯沢で、行き違いの上り列車が遅れて到着。そのため、こちらの2435Mにも遅れが出てしまいました。 このままで行くと、「こまち」への乗り継ぎにわずかに間に合わない・・・しかし、このまま2435Mで秋田まで乗り続けることになれば、行程が・・・大曲までの車中、ひたすら気をもむことになってしまいましたが・・・。 |
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・・・その後、車内放送にて「こまち1号」への接続が確保されることが案内され、ほっと一安心・・・。(^^;) ということで、大曲で2435Mを降りた私は大急ぎで跨線橋を渡り、「こまち」への乗り継ぎをなんとか終えました。 大曲からは30分ちょっとで秋田へ。 よく考えると、「こまち」のE3系に乗車するのもかなり久しぶりでした。 |
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「こまち」で先を急いだのは、この写真左側に停車中の、秋田発男鹿行き1131D列車に乗るためでした。 この1131Dは秋田11時16分発。 さきほど大曲まで乗車していた2435Mでそのまま秋田まで来ると、所定でも11時20分到着のため、わずかな差で間に合わない、というダイヤ設定になっていました。 私のように「18きっぷ」で乗り鉄をしようという人もそうですが、それ以上に、地元の人たちにとってこのダイヤ設定というのは、かなり厳しいんじゃないでしょうかねぇ? 秋田発の男鹿線の列車は、この1131Dを逃すと、次は12時53分発の1133Dまで1時間半以上待たなければならないんですよねぇ。 奥羽本線の下り方面でも、秋田11時11分発の青森行き647Mを逃すと、次は12時15分発の東能代行き1649Mとなってしまい、2435Mからの接続はかなりの待ち時間を課されます。 3月18日ダイヤ改正後の時刻表を見ても、そのあたりは基本的に変わっていませんね。朝夕はわりと効率のいい接続のようなので、昼間の一部時間帯だけのようですが・・・。 すべての接続を効率よく、というのはなかなか難しいんでしょうが、何とかしてもらいたい気もします。 電車の本数が東京や大阪といった大都市圏のように多くないわけですから、なおのことです。 ちょっと長くなりましたが、この辺で話を戻しましょう。 1131Dですが、秋田車両センター所属のキハ48形2両編成での運転。オールロングシートの車両でした。 「男鹿なまはげライン」という愛称がついている男鹿線専用ということで、車体にはなまはげのステッカーも貼られています。 |
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さて、列車は秋田を出て、追分までは奥羽本線を走ります。 追分から分岐して、男鹿線へ。 しばらく、進行方向左側には防雪林が続きます。 厳しい冬の気候のなか、列車の運行を確保するための工夫の一つですね。 |
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天王〜船越間。 ここは川ではありません。 日本海と八郎潟を結ぶ船越水道を渡ります。 現在は一般的な鉄橋ですが、昔は可動橋だったそうです。 |
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12時15分、1131Dは終点・男鹿に到着しました。 駅は、男鹿半島の南側に位置する男鹿市の中心市街地に近く、半島観光の拠点となる位置にあります。 駅舎は左下写真のような感じで、いかにも北国の駅、といった雰囲気を醸し出しています。 ここからは、折り返しとなる12時30分発、1134D列車秋田行きに乗車し、来た道を戻ります。 |
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秋田へ戻った私は、13時36分発、奥羽本線院内行き444M列車に乗車して、さらに来た道を戻っていきます。 天気は、やはり荒れておりました。 一瞬、日が差す場面もあったりしましたが、基本的には雪が降り続き、列車が跳ね上げた雪が車体側面をびっしり覆ってしまうというような状況に・・・。 移動の途中、携帯電話で列車運行情報を確認したところ、東北各地では積雪や強風などでの運行見合わせが相次いでいました。 私が乗っている奥羽本線でも、秋田・山形県境付近で、架線トラブルのために列車の運行ができなくなっている、という情報が入ってきました。 まさか、私の乗る列車も運転見合わせになったりはしないだろうか・・・またもハラハラドキドキの時間を過ごすことになってしまいました。 |
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444Mは14時25分、大曲に到着。 10分の停車時間がありましたのでホームに降りてみましたが、乗車していた701系N20編成の後ろ、巻き上げた雪がびっしり。 444Mの運行はとりあえず通常通り、ということでしたので、とにかく信じて乗っているしかありません。 きょうはまだまだこの先、行程は長いです。 |
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大曲を出た444Mは14時54分、定刻どおり横手に到着しました。 ここ横手といえば、「かまくら」が有名ですね。 毎年2月に「かまくら」の祭りが行われ、多くの観光客で賑わうようです。 |
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横手の駅前に出てきました。 雪が積もっていまして、ところどころ凍りついておりました。一つ間違うとツルッと滑ってしまうので、足元に十分気をつけながら歩きます。 で、ここ横手では、次の列車まで1時間ちょっとの待ち時間がありましたので・・・。 |
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・・・こちら。 横手といえば、富士宮、群馬県の太田と並ぶ「日本三大焼きそば」といわれるくらい、やはり焼きそばが名物でありますので、食べに行くことを計画していました。 駅から程近い、「やや」というお店に入ってみました。もともとは居酒屋のようですが、昼間でも焼きそばをいただくことができます。 この時間まで昼飯我慢したから、ということで、焼きそばの大盛りをいただくことにしたんですが・・・これがかなりのボリュームでありました。 特徴的なのは、上に載せられた目玉焼き(焼きそばとかき混ぜて食べるとウマイ、とおかみさんからアドバイスを受けました)。そして、付け合せの福神漬け、さらに千切りキャベツ。福神漬けは横手焼きそばには欠かせない存在だそうです。 焼きそばは少し濃い目のソース味で、目玉焼きを混ぜ込むと今度はマイルドな味わいに。このお店独特の付け合せのキャベツも混ぜてみましたが、これもけっこういけちゃうんですよね。 少し汗をかきながら完食。お腹いっぱい〜!(笑) |
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横手からは、次なる未乗線に進みます。 北上線北上行き736D列車。一ノ関運輸区に所属するキハ100形2両編成。同運輸区は大船渡線も担当しており、車両も共通運用のようで車体に「ドラゴンレール大船渡線」のステッカーの貼られた車両が充当されました。 実は、この北上線でもこの日、強風のために一時列車の運行がストップしているという情報が入っていまして、この736Dが運転されるかどうかも一時は心配だったんですが、幸いなことにこの736Dの時刻には通常運行に戻りまして、ほっと一安心・・・。 |
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定刻に横手を出た736Dは、横手の市街地の南側を回りこむようにして走り、やがて山手のほうへ進んでいきます。 横手の次の矢美津駅。 一歩市街地を外れると、こんなに雪が・・・。 |
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列車は、岩手県に入ってきました。 さらに進んで、こちらはほっとゆだ駅。 あの有名な、駅温泉のある駅ですね。 駅の名所案内にも、「温泉のある駅」がしっかり書き込まれておりました。(笑) |
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ほっとゆだを出て、錦秋湖を渡ります。 錦秋湖は、和賀川をせき止めたダム湖で、このダム建設のため、北上線の線路も1962年にルート変更がされています。 ・・・本当に3月なの?と疑いたくなる光景ですよねぇ。 真冬ですよ、こりゃ。 |
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やがて、列車は平地へ。 空を覆っていた雲が一気にとれてきました。 このあたりは米どころ。 水田地帯も、雪原になっていました。 日が傾いてきましたね。 |
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17時21分、736Dは終点・北上に到着。 北上駅は新幹線や寝台列車などで何度も通過しているんですが、駅の前には初めて出てきました。 北上駅、といえば、秋田新幹線開業に向けた改軌工事の期間中、東北新幹線と特急「秋田リレー号」との乗換駅として脚光を浴びた時期もありました。 |
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北上からは、17時49分発の盛岡行き2541M列車で、盛岡へ北上します。 車両は、盛岡車両センターの701系4両編成。秋田の701系とは違い、盛岡支社管内の701系はパープル系の帯をまとっています。 盛岡到着時刻は18時43分。 新幹線だとあっという間の北上〜盛岡間ですが、さすがにローカルで行くと、けっこう時間がかかりますね。 |
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盛岡に到着。 ホームへ降りましたが、やはり寒いのであります。(^^;) 一応、着込んではいるんですが、それでも服の内側まで寒さが文字通りしみてきます。 ここから乗車する列車は、左の案内表示に出ています。 |
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盛岡19時10分発、山田線宮古行き666D列車。 東北地区で私が乗り残していたローカル線のなかでも、この山田線は、盛岡から宮古を経由して釜石までの157.5kmと、もっとも長い路線。 列車の運行本数や運行時間帯、そして接続する他線との関係もあり、この山田線を含む一帯の乗りつぶしの計画を作るのにはけっこう苦労しました。 666Dの車両は、盛岡車両センター所属のキハ52形。途中の川内までは2両編成となります。 そのうち、後ろよりに連結されたキハ52-149は、国鉄一般色にリバイバルされた車両でした。 盛岡支社管内では、このキハ52形や、キハ40形、キハ58形などの国鉄色リバイバル車両が走っています。同支社のサイトには、これら国鉄色車両がどこを走る予定か、という車両運用を紹介するページがありまして、鉄道ファンには非常にありがたいサービスとなっています。 |
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列車は定刻に盛岡を出て、右手にカーブし、単線の山田線を進みます。 盛岡市街地を過ぎると、太平洋側との間を隔てる山間地へ突入。 このあたりは、「秘境駅」として全国に名を知られる駅も多いですね。 19時46分、写真は、浅岸の駅。 1日に宮古行きが2本、盛岡行きが3本しか停車しない駅なんですが、とにかく、人家の灯りが見えない・・・。確かに、これは大変な場所であります。 この浅岸の一つ手前に大志田という駅がありますが、そちらは普通列車でさえも通過してしまうほどで、停車する列車は浅岸よりもさらに少ない、という状況でありました。 |
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浅岸の次は、区界に停車。 ここは区界高原の一角にあり、標高744mと山田線のなかではもっとも高い位置にある駅。 車窓からの景色もけっこういいらしいんですが、なにぶんこの時間ですのでねぇ・・・。 駅名標は、左上写真のように雪に埋まっておりました。 ここ区界では、盛岡行き659D列車との行き違い。 そちらには、国鉄色のキハ58形が入っておりました。 |
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列車は下り勾配に入りました。 20時30分、列車は川内に到着。 川内、というと、同じ漢字で「せんだい」と読む駅が鹿児島にありますが、こちら山田線の川内は「かわうち」と読みます。 駅舎の気温計は、やはりというか、マイナス2度を指していました。ホームに降りてみましたが、文字通り肌を刺すような寒さでした。 ここ川内では、25分間の停車の間に、宮古から661Dとしてやってきたキハ52形1両を、私の乗車している666Dの後ろよりに連結する作業が行われます。 凍りついた連結器まわりをハンマーでたたきながら、慎重に連結作業が行われました。 |
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川内を出て、列車は太平洋へ向け、閉伊川に沿ってさらに高度を下げていきます。 沿線の雪の量も、暗闇の中で見ていても次第に少なくなってきているようです。 3両編成となった列車ですが、さすがに車内の乗客の姿はまばらでした。 |
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21時51分。 666Dは終点・宮古に到着しました。 さすがに太平洋側だけに、街に雪はありませんでしたが、それでもやはり、冷たい空気が私の体を包んでいました。 それにしても、きょうも長い乗り鉄になりました。(^^;) 晩飯もまだですので、とりあえずコンビニで食べるものを買い込んで、宿でのんびりすることにしましょう。 明日も、長い乗り鉄になります。 |
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