(2001・2)
特急「あずさ」といえば、ワタシがいつも利用している地元路線・中央東線の特急列車。1966年12月12日、新宿〜松本間2往復体制(当時はボンネット型の181系電車を使用)で走り始めたのを皮切りに、瞬く間に中央東線の「顔」となり、1977年には、狩人の「あずさ2号」のヒットで一躍全国区の特急愛称となりました。
現在では振子式車両・E351系電車の「スーパーあずさ」が定期8往復(現在はリニューアル工事のため2往復が189系で代走)、国鉄型の183・189系車両(左写真は189系編成・1998年5月18日、鳥沢〜猿橋間にて撮影)で運転の「あずさ」が定期10往復の体制。
中央東線は、新宿〜甲府間運転の「あずさ」から派生して1988年に走り始めた特急「かいじ」定期9往復も含めると、特急が昼間は30分ヘッドで走るという特急街道の一つなのです。
その特急「あずさ」で久しく見られなかった、クリーム地に赤い帯の国鉄特急色の電車が、今年になって臨時列車で走る機会が数回ですがありました。
現在、「あずさ」の定期列車で使われている183・189系電車(長野総合車両所と松本運転所に所属)は、そのすべてが薄いグレーに水色とピンクの帯が配された「あずさ」カラーに変更済み・・・。
ではどこから来るのか、といえば、ふだんは房総地区の特急を担当している千葉の幕張電車区から、なんですね。同電車区の183系車両はすべて、現在でも国鉄特急色をまとっています。
ところが、昨年12月のダイヤ改正で、幕張電車区の183系電車から、グリーン車が外されてしまいました。外房線の「わかしお」、内房線の「さざなみ」で残ってきたグリーン車も、利用者の低減に歯止めがかからなかったようでした。

臨時列車でもしばらく「あずさ」登板がなかった同電車区の183系が、「予告登板」で充当されるその「あずさ81号」、時刻表にはグリーン車のマークがついています。
実は、団体臨時列車などに使用する波動輸送用車両として、1編成だけ、グリーン車が外されずに残った編成がいました。その編成は、「マリ30」という編成番号のついた編成。グリーン車必須、の状況にある「あずさ」の運用に入れる編成は、その編成しかありません。

・・・前置きが長くなりましたが、その「あずさ81号」が走る2月10日、ワタシは八王子駅でその国鉄色「あずさ」の写真を撮ろうと思って朝、家を出ました。もちろん、最初は本当に駅で撮るだけ、のつもりでした。
しかし、駅が近づくにつれて、気持ちがかなり揺らぎました。・・・JR東日本はこの2001年中に、「あずさ」「かいじ」用の新車投入を開始すると発表しています。新車が入れば、国鉄型の183・189系は淘汰される、もちろん、国鉄色の車両が走る機会も・・・。
次の瞬間、ワタシは駅の「みどりの窓口」に駆け込むことを決めていました。(笑)
「みどりの窓口」へ寄ってきたワタシは、きっぷを握りしめて4番ホームへ急ぎます。
そこには、先発の特急「スーパーあずさ1号」のE351系編成がすでに入ってきていました。ホームでは大きな荷物を手にした人たちがたくさん列車を待っていましたが、その多くはこの列車に乗り込んだようです。
「スーパーあずさ1号」が出て2分後・・・。
・・・目的の列車が登場です。「あずさ81号」松本行き。予告どおり、国鉄特急色の車両。運転室に掲げられた編成番号札は「30」、確かに、「マリ30」編成のようです。
いまは臨時でしか登場しない幕張電車区183系の「あずさ」ですが、国鉄時代の1985年3月以前は、定期列車の「あずさ」にも充当されていました。

ホームではワタシの他にも、カメラを構えている人がいました。
2001年2月10日7時2分新宿発・8051M「あずさ81号」編成

←新宿                                              松本→
禁自 禁自 禁自 禁G 禁指 禁指
クハ
183-1531
モハ
183-7
モハ
182-7
モハ
183-8
モハ
182-8
サロ
183-3
モハ
183-9
モハ
182-9
クハ
183-1532
注・幕張電車区マリ30編成使用
列車はほぼ定刻に、八王子を発車しました。
ワタシは「みどりの窓口」で、この列車の指定券を確保したんですが、実は普通車の指定がすべて埋まっていたため、グリーン車の指定を取ることになりました。・・・ということで、6号車に連結されたこちらのグリーン車、サロ183-3にやってきたのでした。
房総特急ではすでに外されているサロに乗れることになって、内心喜んでやってきたものの、乗っているのはワタシも含めて3人だけ・・・。普通車指定が満席だということを知っているだけに、なんだか・・・。
こちらが、そのグリーン車のシートです。シートモケットは張り替えられており、シートそのものも、背面テーブルがついたりして改善はされていますが、なんとなく国鉄の匂いがしませんか? もちろん、悪い意味で、ではありません。
列車は高尾を過ぎて、山登りです。左に右にカーブを切りながら次第に高度を上げていきます。隣の車両からモーターのうなりが聞こえてきます(このグリーン車にはモーターはついていませんので)。かなり走りも力強くて、小気味いい感じです。
小仏トンネルを抜けると神奈川県。左手にちらちらと相模湖を見ながら、西へ進むとやがて山梨県内へ・・・。
この場所、このページのトップに置いてある189系「あずさ」の写真を撮った、まさにその場所。鳥沢〜猿橋間にかかる、新桂川橋梁の上です。
ここはかなり川面からの高さがありまして、上から見下ろすとかなり開けて見えますよね。
このあたりでは、うっすらと雪が残っている感じでした。
8時2分、列車は大月に到着です。
この駅は最近自動改札が設置されました。・・・そういえば、去年の11月に来た際に、ちょうど工事をしてましたっけね・・・。
ここ大月では、河口湖へ向かう富士急行線の乗り換えがあるんですが、実はこちら中央東線と富士急行線とは、大月の少し先で線路がつながっています。
JRから富士急線への乗り入れ列車もありまして、定期列車では早朝深夜に、201系通勤電車が東京から河口湖まで直通しています。
大月を出ると、初狩、笹子と通過していくんですが、この2駅は、ともにスイッチバックで知られたところ。
このあたりはかなり勾配が急なため、列車はスイッチバックして勾配をクリアしていました。
初狩には現在も使用中のスイッチバック線がありますが、これは工臨(JRの工事用臨時列車)用のもので、本線を走る列車は勾配をものともせずに通過していきます。ちなみに、初狩駅のホームは、25‰(パーミル)の勾配の途中にあります。
笹子峠を越え、甲斐大和を過ぎていくと今度は下りにかかります。
勝沼ぶどう郷を出ると、左手にはもう定番となった甲府盆地の景色。相変わらず、いい眺めですね、ここは・・・。
塩山を過ぎてさらに高度が下がっていきます。
このころ、左手には山並みの上に、富士の高嶺がぽっかりと頭を出します。
線路の周辺はブドウ畑が多いんですが、さすがにこの時期、果実は何もありませんね。
さて、今回は、デジカメと、内臓ストロボの修理から戻ってきたEOS5のカメラ2台体制で臨みました。
もちろん、本当に最初は八王子駅で撮って帰ってくるつもりだったので、一眼レフのほうには24枚撮りのフィルム1本しか入っていません。・・・まぁ、デジカメのほうは十分なメモリを確保してますから、一眼レフの出番を最小限にしておけば何の問題もないわけです。

列車はまもなく、甲府に着きます。
「あずさ81号」は8時34分、甲府に着きました。八王子からだと約1時間です。

やはり、このカラーリングは普段見られないとあって、ホームにいる人たちの視線が自然と列車に集まります。
なかでも、甲府までこの電車を運転してきたと思われる運転士さんが、乗務カバンを持ったまま、ワタシの乗ったグリーン車をしげしげと眺めていたのが目に焼きつきました。
甲府を出た列車は次に韮崎に停車。ここも25‰(パーミル)の上り勾配の途中にホームがあり、発車時には運転士さんがひときわ気を遣うはず・・・。ブレーキを戻しながら力行ノッチを入れ、バックしないように・・・自動車の「坂道発進」の要領とやはり似ていますね。

韮崎を過ぎると、左手には南アルプスへ連なる山々・・・。
そして、右へ左へ、見え隠れしながら、八ヶ岳連山の姿が次第に大きくなってきます。
適度に雪ものっていて、青空に映えていますよね。
その八ヶ岳連山が右手横に迫ると、まもなく小淵沢。八ヶ岳の麓を走る小海線の連絡駅です。これまた昨年11月、「高原列車は行く・2000年秋」のときにここへはきています。それにしても、小海線のホーム、かなり雪が乗ったままですね・・・。
列車はこの先、富士見へ向けてさらに高度を上げていきます。
ここ立場川橋梁も、川面からの高さがかなりあり、車窓からはご覧のような景色になります。ここもかなり雪が残ってます。
海抜955.2mの富士見が、中央線のサミット。その先は、下りです。
下りに入ると、まさに韋駄天のような走りで、あっという間に高度を下げていきます。
諏訪盆地に向けて、それこそ一気に・・・。爽快な走りっぷりですよね、ほんとに。
茅野、上諏訪、下諏訪、岡谷と、列車は諏訪湖沿いを各駅に停まりながら走ります。
下諏訪手前では、車窓に諏訪湖の湖面が飛び込んできますが・・・真っ白ですねぇ、完全に凍っているようです。
湖面に人が立っているのが見えましたが・・・ひょっとしたら、釣り糸を垂れていたのかも・・・。
下諏訪駅では、行き違い列車との待ち合わせのため7分の停車時間があります。そこで、カメラを持ってホームへ降りてきました。

改めて、ホームから車両を眺めてみます。
この車両は昨年、工場に入って整備を受けているようで、外板の塗装はまだ比較的美しい状態を保っていました。いやぁ・・・きれいですよ。ほれぼれします。(^^;)
最近はいろんなカラーリングが入り混じって活躍を続ける国鉄型車両ですが、オリジナルのカラー、というのは、やはりインパクト強いです。

しかし、ホームの雪が凍ってて、あぶないですねぇ。滑りそうでねぇ・・・。(^^;)
さて、下諏訪でワタシの前の席に座っていた女性が降りてしまい、これでグリーン車はワタシ1人になりました。
前後の指定席車も、小淵沢や茅野あたりでかなり人が降りてしまって、空いていました。
岡谷を出た列車は、1983年開通の塩嶺トンネル(5994m)を走り抜け、塩尻へ向かいます。
このトンネルができる前は、特急も含めてすべての列車は、辰野経由の旧線を走っていたんですが、今は完全にこちらがメインルートです。
塩尻手前でその旧線が合流。さらにその先、左手に分かれていく線路があります。その線路は、中央東線から、名古屋へ向かう中央西線へ直通するための短絡線なんです。

かつて、中央本線(中央東線・中央西線、という言い方は、この塩尻を境にして運転形態が異なることからついた俗称です・・・)はこの塩尻で、東京方と名古屋方の線路がスルーで結ばれる形式になっていましたが、1982年に塩尻駅の移転を経て、東京(中央東線)〜松本方面、名古屋(中央西線)〜松本方面をそれぞれスルーで結ぶ線路形態に移行しました。
しかし、なお貨物列車を中心に中央東線〜中央西線直通の需要があったことから、もともとあった直通の線路が「短絡線」として残ったのでした。
もっとも、現在定期列車でその短絡線を使っているのは、貨物列車1往復だけ、だそうなんですが・・・。
塩尻に着きました。
ここでも5分の停車時間がありますので、またまたホームへ降りてきました。なぜ停車時間が長いのか、と思ったんですが、名古屋から長野へ向かう特急「ワイドビューしなの3号」を先に通すため、のようです。

ホームでは、列車から降りた若い女の子4人組が、この国鉄色の車体をバックに記念撮影をしている光景に出くわしました。
この色の電車が、彼女たちの思い出に残ってくれることを祈りつつ、再び列車に乗り込みます。
塩尻を出ると、周囲にブドウ畑などがあるなかを列車は突っ走っていきます。さすがにこの時期は雪原と化していますが・・・。最後の力走、と呼ぶにふさわしい、すばらしい走りを見せてくれました。

貨物列車が待機している南松本を過ぎると、まもなく終点です。
10時4分、「あずさ81号」はほぼ定刻に松本駅3番線に到着しました。

先頭部へ回ってカメラを手に撮影をして、ふと立ちあがったところで・・・あれ?!どうも、とご挨拶をしてしまったんですが、以前から面識のある、某掲示板でお世話になっている地元のネット仲間さんが、たまたま駅に来られていたのでした。
「じゃぁ・・・」ということで、しばらくホームでの撮影に励むことにしました。
「あずさ81号」が到着した向かい側のホームに回って撮影していると、幕が回り始めました・・・。
以下、その中身からいくつか。

こちらは房総方面の特急「あやめ」(東京〜鹿島神宮間)のヘッドマークですが、よく見ると、通常はついているはずのL特急マークがありません。臨時用、なんでしょうかね??
こちらは、「かいじ」です。
2年前の秋頃に、この幕張電車区の車両を使った「かいじ」が走ったことがありました。結局、いまのところそれっきりになってますが・・・。
こちらは、やはり房総特急の「すいごう」(東京〜佐原間)のマークですね。
朝晩しか走っていない特急で、なかなか馴染みがありませんが。
で、こちら。「ビーチ in BOSO さざなみ」のヘッドマークです。海水浴客向けの臨時列車、として走った実績のある列車です。いずれにしろ、松本でお目にかかることはまずありえないはずのものですね。

このあと列車は回送幕を出して松本運転所構内に引きあげるか、と思いきや、また幕を巻き戻して「あずさ 新宿」の行先幕を表示しました。
この車両、折り返しは営業列車ではなく回送で戻ることになっていましたが・・・ひょっとして、「あずさ」に巻き戻したのはファンサービスだったのかな??

1994年までに、定期列車の「あずさ」から消えた国鉄特急色。いま、全国的に鉄道ファンの間で「国鉄メーク」が脚光を浴びている時期でもあり、この幕張電車区の183系の臨時「あずさ」充当は、今後の新車計画ともあいまって、貴重なものだったといえそうですね。
ネット仲間さんとの駅撮りは、まだまだ続きました。

こちらは、JR東海の「ワイドビューしなの」383系と、「あずさ」色の並び。これももう何年も見られる組み合わせではありませんね。
この日は世間では3連休初日、ということもあって、定期運用から退いたJR東海の381系振子車による臨時「しなの5号」白馬行きも運転されていました。
先頭車こそ改造車のパノラマグリーン車ですが、塗装はこちらも国鉄特急色なんですよね。
さまざまホーム上で撮り歩いた後、昼食にしました。
駅構内の信州そば屋さんに入り、ご覧の大もりそば(800円)を食べました。・・・最初はいつもの調子で「もり2枚〜」とか頼もうとしていたんですが、地元のネット仲間さんが「ここのはちょっと量が多いから2枚も頼んで大丈夫かなぁ・・・」といっていたので、大もりにしました・・・やはり、それで正解でした。けっこうお腹にたまりましたもん・・・。(笑)

駅ビル内の土産物屋で、お土産に信州ワインを買い込みました。
さて、と・・・。
そろそろ、またホームへ戻りましょう。
すでに、帰路の列車の指定券は入手しました。さすがに、復路はグリーン車ではなく、普通車の指定にしましたが・・・。
帰路の列車は、長野総合車両所の189系N205編成で運転される「あずさ62号」新宿行き。元・信越線の特急「あさま」用に改造されたグレードアップ車の11両編成です。
この列車は新宿から到着しての折り返し運用で、そのままホームで車内清掃を施され、すぐにドアが開きます。しかし、ワタシはすぐに乗り込むようなことはないです。まだ時間早いんです・・・。
松本駅ではすでに見慣れたこのカラーリング、なんですが、新車の投入が迫ったいま、いまのうちに記録しておかないと、という気持ちが、ワタシのなかでも非常に強いです。
帰路、「スーパーあずさ」で行くことも考えましたが、やはり、ここは国鉄型車両にこだわらせていただきました。
「あずさ62号」の発車直前、隣ホームの4番線に、大糸線から走ってきた臨時急行「くろよん」大阪行きが入ってきました。
JR西日本日根野電車区所属の381系振子電車(これも国鉄メークです)使用なんですが、よく見ると前面のヘッドマークが真っ白でして(^^;)。側面の行先幕は「急行くろよん 大阪」を掲出していましたが、その横にささっていた列車種別のサボ(表示板)には、なぜか「特急」の文字が・・・。

12時52分、そろそろ、「あずさ62号」の発車時間です。
ネット仲間さんのお見送りを受け、列車は静かに動き出しました。。
「あずさ62号」は、松本駅構内のポイントを渡り終わると、猛然と加速し始めました。
こちら、ワタシが乗車した5号車車内です。
シートは、もう何度も旅行記でとりあげましたが、フリーストップリクライニングの立派なシートになっています。
アコモ的には、完全に「スーパーあずさ」のE351系車両よりも上だと思います。こちらのほうがシートも大きく、レイアウトにゆとりを感じられますから。
一つだけ難をいえば、窓割とシートピッチが合っていないので、座ったら顔の真横が柱、ということがままありうること。実際、ワタシが今回利用した席もそうでした。(^^;)
列車は塩尻まで平坦な区間をかなりのスピードで走ります。塩尻停車後、今度は塩嶺トンネル通過でスピードが上がります。
ここのあたりは、やはり一番スピードが乗る区間なんでしょうかね。往路での、富士見から先の下り坂もけっこうすごかったですが・・・。
このあたりはまだ雪がかなり残ってまして、塩尻駅構内でも、必要なところだけの雪かきしかおこなわれておらず、ホームの端やなんかにかなりの量の雪が残されていました。
塩嶺トンネルを抜け、辰野からやってくる旧線の線路が合流してきます。
岡谷〜辰野間の旧線ルートは、飯田線からの乗り入れ列車が多いために、単線ではありつつもそこそこのダイヤ本数が確保されています。
岡谷を出て下諏訪へ向かう途中、諏訪盆地の眺めです。
このあたりは精密機械工業の事業所や、観光ホテルが多く、それなりに人口も抱えているところです。それにしても、雪が残ってるなぁ・・・。
茅野を出て、富士見へ向けて山を上ります。
この編成は、11両編成のうち8両にモーターを積んでいるということで、かなり強力な編成の部類に入るんですが、さすがにこの区間で、その本領をいかんなく発揮しています。力強い山登りです。
サミットの富士見に到着です。ホームにはご覧の通り、かなりの雪・・・。
先月、何度か大雪のためにこのあたりの線路は不通になっていたんですが、この量の雪が残っているのを見て、そうなるのも無理ないな、なんて思ったりしました。
東京では、これよりはるかに少ない量の雪で、運行に支障が出たりしたことが過去にありまして、それ以来JRは雪対策についても本腰を入れ始めてはいるようですが・・・。
こちら、小淵沢です。
ここの中央線ホームではさすがに、ホーム上のかなりの部分で雪が片付けられていました。ここは冬場も観光客が多いところですし、雪が残って凍りつくようなことがあると、転倒・転落事故につながりかねないですからね。
山を下って韮崎付近、右手車窓に富士の姿が拝めるようになりました。本当は、富士見を過ぎたあたりからちらちらとは見えていましたが・・・。

このあたりから、朝が早かったこともあって、さすがに眠気が襲ってきました。
ちょっと、ウトウトさせてもらいますか・・・。
・・・ということで、甲府をはさんでしばらくの間、居眠り。
目が覚めると、笹子付近を走っていました。サミットはすでに越え、下りに入っているようです。
車内を見渡すと、甲府でかなりのお客さんが乗ってきたらしく、7〜8割方席が埋まっていました。
過ぎ行く車窓をぼんやりと眺めます。この189系編成、揺れも少なく、実に快適な空間を提供してくれていますね。眠っていても、非常に気持ちがいいというか・・・。「スーパーあずさ」だと、なかなかこうはいかないことが多いんですが・・・。
大月を過ぎ、さらに東へ進み、神奈川県を通過して高尾手前からは東京都内へ。
オレンジ201系の通勤電車が、主役を張っているところです。
そろそろ、下車準備を始めますか・・・。
15時8分、「あずさ62号」は定刻1分遅れで八王子に到着です。
ホームから、走り去る列車を見送ります。
この車両に、あと何度乗ることができるだろう、そんなことを、ぼんやりと考えていました。
今回は、とにかく感情のおもむくままに(笑)、「あずさ」で松本まで往復してきたわけなんですが、何度も書いている通りで、新車の投入が迫っている「あずさ」系統だけに、車両の動きは今後目を離せなくなると思いますし、現在、文字通り「あずさ」「かいじ」を大黒柱として支えている183・189系電車がその後どうなるのか、ということも、当然焦眉の問題になるはずです。
そうしたことが背景にあっての今回の乗り鉄ですが、いまや完全に稀少価値となった国鉄特急色「あずさ」に乗れたことを含め、貴重な体験となりました。

最後に、松本でお世話になったネット仲間さんには、この場を借りて改めてお礼を申し上げます。
<おわり>