(2000・11)
20世紀最後の秋も、いよいよ深まってきました。
忙しいあまりにほとんど秋らしい雰囲気を感じないまま過ごしてきたワタシですが、ついに、というか、やっと、というか、出かけることにしました。
とにかく、手元にあるのは、土曜・休日に関東エリアのJR東日本線が一日乗り放題となる「スーパーホリデーパス」(4080円)。これを使って、はたしてどこまで行くのか考えながら、今回の行動はスタートとなりました。
朝7時前、八王子駅です。
結局、スタートはこの列車、「新幹線リレー3号」大宮行きとなりました。北関東エリアへ向かうときにはよく利用する列車です。三鷹電車区の169系6両編成、7時ちょうどに、八王子駅3番ホームを発車しました。
この「新幹線リレー号」の最大の特徴は、三多摩エリアと大宮とを直通で結ぶために武蔵野線を利用すること、そのために、もともとは貨物列車用につくられた中央線〜武蔵野線、武蔵野線〜東北線の短絡線を走ることです。
まぁ、武蔵野線自体がもともとは貨物列車の迂回ルートとして計画された路線ですから、短絡線の存在抜きには語れないわけなんですが、こと旅客列車が「臨時列車」といいつつも定期的にこの短絡線を走るわけですから、面白いもんです。
ちなみに、写真は中央線国立から、武蔵野線へ向かうために短絡線のトンネルへと潜っていくところ・・・。
大宮へ着こうとするころ、通路を歩いていて、もともと分かってはいたんですがついつい写真に撮ってしまったのがこちら。
この三鷹電車区の169系は、一部車両のトイレが写真のように撤去されているんですよね。169系はもともとすべての車両にトイレの設備があるわけなんですが・・・まぁ、編成中にトイレは他にもあるわけで、ここはなくても、ということなんでしょうが・・・。
「新幹線リレー3号」は定刻どおり7時50分に大宮到着です。
ワタシはここから、八王子で買い込んできた新幹線自由席特急券を手に、新幹線ホームへ上がりました。
新幹線18番ホームに着いて、この写真の位置に並びます。待つ列車は、8時18分発、「あさま553号」長野行き。ここで、ある程度向かう方向を固めました。
が、特急券は大宮〜高崎のものを持っているものの、高崎でそのまま降りるか、それとももう少し足を伸ばしてみるか、この時点ではまだ迷っていました・・・。
待つことしばし、やってきたE2系「あさま」の自由席に乗り込みました。幸いなことに窓側の席が空いていたので、さっさと座ります。
今回乗車した「あさま」の編成は、長野新幹線運転所に所属するE2系のN1編成、つまり、長野新幹線用に製作された量産先行試作車だったんです。客窓内側の「さん」が量産車より広くなっているほか、座席番号シールの貼り付け位置が荷物棚のエッジのところになっているなど、量産車との差異はいろいろあるもんです。

途中、熊谷に停車しますが、窓外の高崎線には、「ECO-POWER桃太郎」ことEF210形電気機関車がタンク貨車をたくさん引いて走ってますねぇ・・・あ、写真には写ってませんので念のため・・・。(笑)
8時46分、「あさま553号」は高崎に着きました。
高崎到着を告げる自動放送のアナウンスが入る段になっても、まだどこで降りるか迷っていたワタシですが、結局、高崎で降りることにしました。
向かうべき方角は決めた、ということで、ここで新幹線を降りたら、あの路線へ向かうしかないでしょう・・・。
・・・ということで、やってきたのは在来線乗り場の6番線。
発車案内板には「普通 9:17 横川」の文字が見えますね。

そうです、やっぱり信越線に乗ることにしたのでした。
横川へ向かう信越線の列車に乗るのは、5月に碓氷峠鉄道文化むらで開いたオフ会のとき以来、ということになります。
やがて、ホームには折り返し横川行きとなる107系電車4連がやってきました。

横川へ向かう際にはよくお世話になっているこの電車、以前にもご紹介したとおり、急行形の165系電車のモーターやクーラーなどの廃車発生品を使用している電車で、車体が新しいわりにはどこか懐かしいモーター(MT54形)の音を響かせているわけなんですが・・・。
これもまたいつものことながら、ここまで来てロングシートの電車に乗る、ということに、やっぱり抵抗を覚えてしまうワタシでありました。(^^;)
9時17分の定刻に高崎を発車した列車。横川へ向け、徐々に高度を上げていきます。
松井田〜西松井田間では、これも恒例となった上毛三山の一つ・妙義山の山容が車窓に現れます。この山並みを見ると、「あぁ、またここまで来たなぁ」なんていうセリフがつい口から出そうに・・・(笑)。山並みはずっと変わらないのですが、ここの線路を特急列車が走らなくなって、もう3年ですか・・・。

列車はまもなく横川に着きます。
9時49分、ワタシの乗った129M列車は終点の横川に到着しました。

横川駅1番ホームに到着すると・・・出迎える光景は、やはりこれ。
痛々しくも断ち切られた、峠への鉄路。長野新幹線開業と引き換えに碓氷峠の鉄路が廃止されてからすでに3年以上が過ぎてしまいました。
かつての峠の鉄路を知る者としては、なんとしても風化させたくない、と思うわけなんですが、もどかしくも、時間の経過とともに、かつての栄華は少しずつ削り取られているように見えます。

とにかく、駅を出ましょうか・・・。
「横軽」の鉄路なきあとも、まだかつての姿をとどめている横川駅舎です。
駅舎が変わっていないだけに、ついつい峠の鉄路在りし日のことをつい思い出してしまいます。
頻繁に発着する特急列車の喧騒と、峠のシェルパ・EF63形電気機関車のブロア音と・・・ワタシゃいまだに忘れられんのですよね・・・。
・・・と、浸ってしまいがちな雰囲気を振り切って、先へ進むことにしましょうか。

やってきたのは、鉄路なきあと横川と軽井沢を結んでいる路線バスの乗り場です。いつもならこの乗り場を行き過ぎて、向こう側に見える碓氷峠鉄道文化むらの園内へ進むところですが、今回は文化むらをパスして先へ向かうことにします。
10時ちょうど、ほぼ満員の乗客を乗せたバスは、軽井沢へ向けて走り出しました。今回は新道の碓氷バイパス経由です。
バスは右へ左へと大きくカーブを切りながら、山を登っていきます。
横川と軽井沢の標高差は550m。かつての鉄路は11.2kmの距離で結んでいましたが、道路になると約20kmほどの道のりになります。これ一つとっても、この碓氷峠の鉄路がいかに急勾配のものであったか、この峠の鉄路を知らない人でも、容易に想像がつくでしょう。

ちょうど紅葉が見ごろ、という情報だったので、実はひそかに楽しみにしてきたわけなんですが、色づきはかなり進んでいるものの、色自体はちょっといまいちかなぁ、という状況でした。
10時30分、バスは定刻より6分も早く、軽井沢駅前に到着です。
バス乗り場のちょうど目の前に、かなりいい色づきをした木があったもんで、ついついこんな撮り方をしてしまいました。(笑)
こちら、軽井沢駅舎です。ご存知のとおり、新幹線開通とともに新駅舎に移行しました。横川とはさすがに雰囲気が違います。

ここからなんですが、いったんは軽井沢周辺をぶらぶらしてみようかな、とか思ったんですけど、この駅の前まで来て、気が変わりました。そそくさと駅舎の中へ入ることにしました。きっぷを買います。で、向かったのは・・・。
ここは、現在はしなの鉄道の管理下となっている、かつての信越本線軽井沢駅のホームです。
ホームから、峠、そして横川の方向を見ます。かつての上りホームは線路が外されていますよね。出番待ちのEF63重連が待機していた中線のレールも、すでにありません。
こちら側でも、時間とともに峠の鉄路の面影が少しずつ消されているような感じですね。

一方、その線路の外されたかつての上りホームの手前側に目をやると・・・。
こちら。以前の旅行記でもご紹介したとおり、碓氷峠最後の日・1997年9月30日に最後の峠越えをし、軽井沢にとどまったEF63の2号機です。
この春にオープンした「旧・軽井沢駅舎記念館」のちょうど裏手のところで、静態保存・展示されることになったものですが・・・。

その後、この線路にもう1両、機関車がやってきたのです。
それが、この写真の機関車。
碓氷峠の鉄路が電化された当時に活躍した、イギリス製のアプト式機関車・10000形(EC40形)が、駅前の展示スペースから、駅の構内へ移ってきたのでした。アプト式のラックレールや、電源用の第三軌条もいっしょにこの場所へ移されてきたようです。
・・・こんどここへ来たときには、ゆっくり見学できるかな?
そうした機関車たちを横目に見ながら、ワタシは先へ向かうべく、写真の電車に乗り込みます。
3年前の峠の鉄路の廃止と同時に、軽井沢〜篠ノ井間の信越本線をJRから引き継いで誕生した第三セクター・しなの鉄道の115系電車です。この車両も、もとはJR東日本に所属していたものをしなの鉄道が譲り受け、塗色を変更して使用しています。

さて、10時46分、小諸行きの761M列車はまもなく発車です。
中軽井沢、信濃追分、御代田、平原と、列車はかつての信越本線を走っていきます。
右手には、雲に頭を隠していますが浅間山が見えてきます。写真では見えませんが、山すそ一面にオレンジ色の木々の塊が見えたときには、かなりゾクゾクッとしたもんです。

それにしても、さすがに高原地帯、空気が澄んでいるなぁというのが、車窓から見ているだけでもなんとなく感じられるようです。
浅間山、そして高原の景色・・・このしなの鉄道の路線は、なかなかいいシチュエーションのもとを走ってますよね。こんないいところを走ってるんだから、ただ単に電車を走らせるだけでなく、観光向けに、たとえばトロッコ列車やSL列車みたいなのを走らせるとか、いろいろ人を呼ぶための工夫もできそうな気もしますし。
しなの鉄道さんには、ぜひそのあたりをがんばっていただきたいですね。
でもってこのカット、線路沿いにある色づいた木をデジカメで狙ってみたものなんですが・・・デジカメでも、ここまで撮れるもんなんですねぇ。やるじゃん!(笑)

さすがに長野県らしく、赤いリンゴの実をつけた木々も沿線に見えます。
列車は順調に走りつづけ・・・。
761Mは11時9分、定刻どおりに終点・小諸に到着しました。
ワタシ自身、この小諸の駅に降り立ったのは、実に6年ぶりのこと。当時は、もちろん特急「あさま」が30分に1本やってくる文字通り「幹線の駅」だったんですが、長野新幹線のルートから外れてしまい、現在では街並みも、駅もひっそりとしたたたずまいに見えます。

本当は乗り継ぎ時間がもう少しあれば、小諸城跡の「懐古園」などもじっくり見て回りたかったんですが、今回は時間が中途半端になってしまったため断念。今度またゆっくり来るとしよう・・・。

待合室の売店でパンを買ってお腹に入れた後、ワタシは次の列車へ向かいます。
再び小諸駅の構内へ入りました。
こちら、1番線の改札脇には、「小諸なる古城のほとり・・・」と始まる、島崎藤村の「千曲川旅情のうた」の碑があります。この小諸は、藤村が「小諸義塾」の教師として赴任したゆかりの地なのです。
ちなみに、懐古園のなかには藤村記念館もあるのだとか・・・やはり、懐古園には機会を改めて来なければ・・・。(^^;)
ということで、次に乗る列車は、小海線の小淵沢行き232D列車です。
しなの鉄道の管理下となった小諸駅に乗り入れているのは、JR東日本小海線営業所に所属するこのキハ110系気動車です。
ちなみに、この小諸駅構内ではかつて信越線と小海線の線路はつながっていたんですが、いまは、信越線はしなの鉄道に、小海線はJRにと別会社になったわけで、線路も完全に切り離されているようです。

発車までのしばらくの時間、車両のなかでじっと外を見ていました。エンジンのアイドリングの音を聞きながら発車を待つ・・・車両こそ新型ですが、昔と変わらない、ローカル線の時間待ちのひとときでした。

12時6分、列車は走り始めました。
途中の乙女までは、しなの鉄道線に寄り添うように走ります。
この小海線という路線は、「八ヶ岳高原線」という愛称を持っていて、「高原を走る観光路線」というイメージが強いんですが、途中の小海までの間は、わずか30kmほどの区間に19もの駅がひしめいていて、どちらかといえば「生活路線」の匂いの強い区間です。
この小諸〜小海間はもともと「佐久鉄道」という私鉄が前身であるために、このような形になっているわけなんですが・・・。

新幹線との連絡駅である佐久平付近では、左手車窓に浅間山の山容が見渡せます。手前には稲の刈り入れを終えた田園の風景が広がっています。のどかでいい感じですよね。
在来線である小海線が新幹線の上を高架で跨ぐという珍しい形態の佐久平駅を過ぎ、しばらくすると、小海線営業所が隣接する中込に到着です。
ここまでは車掌さんが乗務していましたが、この先はワンマン運転となります。
10分も停車するというので、つい車両の外へ出てきてしまいました。(笑)
こちら、ワタシの乗っていた車両の内部です。キハ110系って、外観もそうなんですが、車内もこぎれいな感じで、好感持てますよね。

昼下がりののんびりとした空気が流れる車内ですが、実は一時、どこからか大きなハチが車内に入ってきまして、騒然とした状態になったのでした。そろそろ寒くなってきて、ハチも動きが鈍くなってはいるものの、やはり刺されたときのことを考えると・・・。(^^;)
中込を過ぎると、列車は徐々に高度を上げ始めます。
車窓を見ると、山肌にオレンジ色の葉をつけた木々がたくさん・・・いい感じだなぁ。
列車は13時15分、小海に到着しました。
ここで、観光帰りと見られるお客さんが大挙乗り込みます。団体ツアーの人たちもいるようです。それまでけっこう空席もあったんですが、ここでほぼ埋まりました。

小海を出ると、列車は右へ左へとカーブを切りながら、さらに高度を上げていきます。
さて、このあたりで、ずっと川が線路に寄り添って流れてますね。
実はこの川、日本最長の河川である信濃川の源流にあたる、千曲川の上流部なんですよね。そっかぁ、こんなところを流れていたんだっけ、といまさらながらに思わされます。
さらに高度を上げていくと、山肌はご覧のとおり。さすがにここまで上がってくると、紅葉の盛りはもう過ぎて、葉のない木の姿が目立ちますね。

信濃川上を過ぎ、急な勾配を登っていくと、やがて・・・。
・・・平らなところに出ました。いよいよ、八ヶ岳のふもとに広がる野辺山高原へと上がってきたわけです。高原野菜の畑も、すでに収穫を終えて冬支度、といったところでしょうか。

さあ、列車はもうすぐ、日本のJR線では最も高いところにある駅に到着します。
232Dは14時2分、野辺山に到着しました。
列車は小淵沢行きですが、ワタシはここで途中下車です。

この野辺山駅、海抜1345.67mの位置にあり、日本のJR線では最も高いところにある駅ということになっています。ちなみに、JR線で高いところにある駅ベスト10のうち、9駅までがこの小海線の駅なんですよね。

それにしても、ここにたどり着くまでに何度「耳ツン」がしたことか・・・。(笑)
実は、この野辺山駅のすぐ目の前に、以前きたときにおしゃれな喫茶店を見つけていました。こちらの喫茶「せきぐち」がそうです。
次の列車は14時39分発ですので、少し時間があります。このお店に、寄ってみることにしましょう。
前回こちらに来たときに食べて気に入ったのが、こちらのこけ桃チーズケーキ(レア)なんですよ。そういうことで、今回も迷わず注文です。
ケーキとコーヒーのセット(700円)を頼みました。コーヒーの香りもいいんですけど、このケーキの味、上品な甘味がして、とてもおいしいです。みなさんも、野辺山へ来ることがあったらぜひお試しあれ!
ちなみに、このお店ではこけ桃のジャムも売っていたので、帰りがけに土産として買い込みました。
今度の列車は、14時39分発の臨時8254D列車小淵沢行きです。
さきほどワタシが乗ってきた定期列車に多くの観光客が乗っていってしまったので、こちらの臨時列車はそれほど混雑もせず、悠々と乗り込むことができました。
こういう臨時列車、というのは、混雑でいやな思いをせずにすむので、非常にありがたいですね。
野辺山駅を出てまもなく、左手にご覧のようなものが・・・これ、東京天文台宇宙電波観測所の大型パラボラアンテナなんです。
この八ヶ岳周辺の高原地帯では、全国的にみても晴れの日の割合が高い、ということもあり、こうした天文関係の施設は多くあるようです。

もうしばらく走ると、JRの最高地点(海抜1374m)に到達します。踏切の脇に大きな標柱が存在するので、車窓を見ていれば「あぁ、これか」とすぐに分かります。
長野・山梨の県境を越えて坂を下っていくと、高原の避暑地で知られる清里。さらに甲斐大泉、甲斐小泉と、八ヶ岳の山すそを下っていきます。
こちらは、甲斐小泉での行き違い停車の間に、駅ホームから小淵沢方向を撮ったもの。木立と線路の寂れ具合が、なんともいえないですよね。
甲斐小泉を出ると、撮影ポイントとして有名な大カーブを左へ曲がり、まもなく中央本線と合流です。

合流ポイント直前、左手車窓に八ヶ岳が見えてきました。
頭は雲の中なんですけど・・・この八ヶ岳、冬の雪化粧した姿がなかなかきれいでですねぇ。車窓から見ていてもなかなかいい眺めになりますよ。
臨時8254Dは15時23分に小淵沢に到着しました。
ちょっと駅の外に出てきてみたんですが・・・まだ15時半だというのに、もう西日加減ですよね。さすがに11月、もうすぐ冬です・・・。

時間が少しあったので、駅構内の立ち食いそば屋で野沢菜天ぷらうどん(360円)を注文。そういえば、いままでパンとケーキしか食べてないよなぁ・・・。(笑)
さて、今回の最後を飾る列車は、こちら。
いつもは東海道線で通勤の足として走っているオールダブルデッカーの215系電車が、週末の臨時で中央線の観光運用・・・という、「ホリデー快速ビューやまなし号」東京行きです。

このオールダブルデッカーの車両、という珍しさだけではなく、この小淵沢から、各駅停車でなくある程度の速達性があり、しかも特急料金なしでも乗れてしまう、という手軽さもあって、最近は一般の観光客にも名前が浸透しているようです。
このあたりからだと、首都圏へは特急を使う人がやはり多いんですが、それでもこの「ビューやまなし号」を待ってる人、けっこういました。
15時57分、小海線からの乗り継ぎ客の乗車が遅れて2分ほど遅れての発車となりましたが、列車は大柄な車体をくねくねと曲げながら、山を下っていきます。
列車が発車したころから、雲が広がってきたこともあり、あたりは急に暗くなってきました。実は、曇天のままだという予報だったんですが、とにかく今回は雨が降らないでくれて、よかったですよ〜。

韮崎、甲府、石和温泉、山梨市、塩山、勝沼ぶどう郷、大月と、主要駅に停まりながら、列車は走ります。
甲府盆地を走り去るころには、本当にごらんのように、まもなく暗くなる、というところまできました。車窓の景色を撮るのはもうかなり露出的に苦しいんですが、それでも無理やり、ご覧のようなカットを撮りました。かなりブレてますけどね・・・一応デジカメです・・・。

さすがに「快速」なもんで、特急にだけはかなわないらしく、日野春、甲斐大和、四方津と三度の特急通過待ちをしました。こればかりは致し方ないか・・・。
18時15分、「ホリデー快速ビューやまなし号」は八王子駅2番ホームに到着しました。

朝、八王子を出てから11時間15分。ぐるりと回って舞い戻ってきました。
時間数だけ見ると、長かったような感じですが、実際はそれほどでも・・・という感じです。
もっと観光したかったというのもありますが、列車に乗ってるだけでも楽しいという「無類の列車乗り好き」の血は争えない、ということでしょうかね?(笑)
秋、という季節は、やはり旅に出たいと思わせるものなんでしょうか。
そして、高原を走る列車たちは、そうした気持ちをさらに増幅させてくれるものなんでしょうか。

澄んだ空気、そして美しい景色。それらは人間にとって大切な何かを、ふと思い出させてくれるのかもしれない、そんなことを思いながら、列車に乗っていました。

これからも、ワタシはそんな列車の旅に出ることになるでしょう。
そう、大事な何かを忘れかけている、と感じた、そのときに・・・。
<おわり>