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Part2(2001・4)
電車は地下区間をゆっくりと走っていきます。なにしろ、このあたりはもともと地上線の頃から駅間距離が短いのです。

写真は陸前原ノ町駅。ここを発車すると、地上へ出ます。
こちら、地上へ出て最初の駅である苦竹です。
ここからは、地上線区間。もともと仙石線は、1925年に私鉄の宮城電鉄として開業した歴史を持つだけに、こまめに停まるいかにも私鉄っぽい感じの路線なのです。電化区間は交流電化がほとんどの東北のJR線のなかでも、ここは直流電化ですし、かなり出色であることだけは間違いないです。
前方を眺めていると、仙石線の車両基地である宮城野電車区が見えてきました。
ここの103系電車も、近々置き換えという噂が出ていて、私自身も、ここで103系に乗るのはひょっとしたら最後かもしれません。
というところで、その103系の車内なんですが、先述のとおりで車内もリニューアル工事が施されています。車内壁面の化粧板は白系のものに張り替えられ、シートも首都圏のものとは全然違います。運転室後ろにごみ箱が設置されている、というのも、関東の103系ではまず見られません。
また、ドアの横には乗客が乗降時に使用するドアボタンが設置されています。ドアそのものも、取り替えられているようです。
さて、本塩釜で東塩釜行きの電車を降り、あとからやってくる石巻行きの快速「うみかぜ11号」を待ちます。もちろん、車両は同じ103系で、しかもけっこう混んでいました。
東塩釜から先、石巻まで行く電車は1時間に2本、そのうち1本はこの快速ですので、快速への依存度はかなり高いようですね。
本塩釜を出ると、右手には塩釜港の様子が見えます。漁港、観光港、そして造船所・・・ここは、お寿司もおいしいそうですので、いずれまたゆっくり来たいんですが・・・。
松島海岸駅を過ぎ、ここからは私自身未踏の区間。車窓からは松島の海の眺めが見渡せます。
ほんと、波が電車の足元近くまで洗っているような感じがして、驚きました。それにしてもいい眺めですねぇ・・・。
海岸沿いから離れ、矢本の駅に着きました。ここまでは快速できましたが、この先は石巻まで各駅に停まります。

それにしても、さきほどから気になっているのが、上空を飛ぶ自衛隊の航空機。このあたりには航空自衛隊の松島基地があるんですが、私が見ている限りでも、人家の上数百メートルくらいのところを編隊飛行したりとかしてるんですよねぇ。音もあるでしょうし、もしも、のことを考えると、背筋が寒くなりますねぇ・・・。怖いなぁ、と思いますけど。
電車は13時57分、終点の石巻に到着です。ここで、仙石線の完乗は達成です。

折り返しまで20分ほどあったので、山形に続いて何か土産物でも物色しようかと思ったんですが・・・駅の近所で、ちょっと入れるようなお店を、私は見つけきれなかったですねぇ。
しょうがない、土産は仙台で仕入れるか、と腹をくくって、また改札を通ります。
折り返しの電車は、いま乗ってきた電車の折り返し、14時18分発の各駅停車あおば通行き。帰りはのんびり、といきましょう。
乗り込む前にコーヒーを飲んで一息・・・。
電車はもときた道を戻りますが、途中、田畑が広がる地帯や、さきほどのような海岸沿いの区間など、およそ大都市圏の混雑路線のために製造された103系にはあまり似合わない(といっては失礼だけど)ようなところを走っていきます。それも、場所によってはかなりスピードも出ている様子。

写真は、陸前小野駅にて、対向の快速電車と行き違い・・・。
さきほどの松島の海沿いの区間へ来ると、少し日が傾いていて、水面がきらきらと光っているのがとてもきれいでした。

それにしても、ビジネスマンと思しき男性2人が、電車に乗ってからずっと携帯電話でしゃべってます。取引の話をしているので商用の電話だとはすぐ察しがつきましたが・・・。結局、仙台到着直前まで、ほとんどの時間、電話しっぱなしでした。
車内アナウンスでも案内ステッカーでも、携帯電話の使用はご遠慮を、と案内しているのに、なんでですかねぇ・・・。そんなに電話するんだったらタクシーでも使ってくれ、と思わず怒鳴り込みたくなってしまいました。電車に乗っているのを分かっていて仕事の電話をかけてくる会社も会社、なんでしょうけどね、この場合・・・。

仙台へ着いたら、土産物を買って、帰京です。
仙台駅には15時45分に戻ってきました。
ここで土産物などを買い込み、新幹線ホームへ上がってきます。復路の列車は、16時9分発、「やまびこ138号」東京行き。写真の200系F93編成12連がホームで待っていました。
こちらが、私が乗った7号車指定席の車内です。
シートが交換されており、3人がけのシートも回転できるようになっています。
こちらがシート。もちろん、フリーストップリクライニングです。

それにしても、200系に乗るのは、昨年8月に青森に行ったときの帰り以来、ですね。あのときは、大雨で乗り継ぎ列車を逃した挙句のイレギュラー、でしたが・・・。今後はガクンと乗る機会が減るはずですね。
昼飯も早かったので(笑)、お腹がすいてきた、ということもあり、駅弁を調達してきました。これは、「独眼竜政宗弁当」(1100円)です。折箱が二重になっていて、一の折(写真左)はくるみとぎんなんのおこわ、牛肉しぐれ煮、わかとりの照焼などなど、二の折は赤しそ巻きむすび・仙台みその焼むすび、笹かまぼこ、ほたて甘煮、凍豆腐含め煮など、地元・仙台のものを中心にしてさまざまな品が入っています。これはなかなかいい出来ですよねぇ。おいしかったですよ。
というわけで、列車は定刻に仙台を発車し、広瀬川を渡って東京へ向かいます。
美味い弁当を食べながら、こうして車窓の景色を眺める、というのは、列車旅の醍醐味の一つですね、やっぱり。
白石蔵王付近、右手には蔵王の影が・・・。さきほど、午前中に山形側から見ていますが、東北新幹線の車窓からも、見えてます。
弁当を食べた後、つまみものを買いに、9号車のビュッフェにきました。ビュッフェとはいっても、いまはほとんど売店のような機能しか果たしてませんけどね。
で、ここにはこんなものが・・・。
これ。スピードメーターです。この200系新幹線のビュッフェの基本構造は、東海道・山陽新幹線の0系とほぼ同様なのですが、さすがにスピードメーターは、こちらのデジタル表示でした。
東海道新幹線区間から引退した0系にも、やはりビュッフェにはスピードメーターがありましたが、見事にアナログでしたからね・・・。
まもなく福島です。
朝、ここの分岐線を下って、山形へ向かったわけですが、円を描いて福島へ戻ってきたことになります。
列車は栃木県に入りました。
この列車は、仙台〜東京間のうち、停車しない駅は那須塩原だけで、その他の駅にはすべて停まっていきます。

宇都宮へ向かう車中からは、すでに夕日かげんの太陽が・・・。
なんとなく、ぼんやりと夕日の方角を見つめていました。

宇都宮では、「やまびこ・こまち20号」の通過待ち。なんと、「やまびこ」が「やまびこ」に抜かれているじゃないですか。あふぅ・・・。(笑)
18時36分、「やまびこ138号」は定刻に東京駅22番線に到着です。戻ってきました。
しばらく新幹線ホームでウロウロしていました。いつもはそそくさと在来線に乗り換えてしまうんですが・・・おそらく、しばらくは東京から北へ向かう新幹線に乗る機会はないだろうと思ったんで・・・。
そういうことで、「E-final」なんてたいそうな名前を付けてしまった計画は、あっという間に果たされて終了しました。

東京が拠点だったからこそできた旅がある・・・いままで私が旅行記にしてきた旅の多くは、そんな感じのものでした。
東京というのは、位置的にも、交通事情的にも、いろんなことがやりやすいんです。それは間違いないでしょう。

でも、地方へ行けば、その地方なりに面白いことはたくさんある・・・それもまた、間違いないはずだと思っています。

これからは、私の拠点が九州へ動きますが、その事情のなかで、うまくいろんなことをやれるようになりたいなぁ、と思います。
どこへ行っても、旅する楽しみは、同じです。

そのうちいつか、東日本方面を、じっくり攻略する計画でも練ってみたいもんですね。

・・・え?! 今回の乗りつぶし、SUPER BELL''Zの「MOTOR MAN Vol.3」とネタがかぶってるじゃないかって? いやいや、たまたまそうなっただけですって・・・。(笑)
<おわり>