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Part9(2001・1)
1月15日の朝を迎えました。
よく考えると、私はこの1月15日を、昨年も、一昨年もこの北海道内で迎えています。昨年は釧路にいて、SL「冬の湿原号」に乗っていましたし、一昨年は小樽を歩いていましたし。とにかく、すっかり冬の北海道のとりこになってしまっている感じしますね。(笑)

で、朝、札幌駅へやってきました。大きな荷物は例によってここのコインロッカーに入れ、カメラバッグだけで札幌の街へ出て行きます。
札幌駅のこちら、南口では、いま新しい駅舎の建設工事中です。変貌が著しいなか、ですが、こちらの駅前にあった「そごう」も、例の経営破たんのあおりで閉店になってしまっています。・・・ただでさえ、北海道経済はいま深刻な状況にあるのに、ますます大変な状況を抱え込んでしまっているような・・・。
こちら、駅から歩いて5分ほどのところにある旧・北海道庁のレンガ庁舎です。雪が積もっているほうが、やはり絵になりますね。

この方面に歩いてきたのには理由がありまして、実はこの近くに、私の使っているデジカメのメーカーのサービスステーションがあったんですよね。
故障したデジカメを持ち込みまして、即日修理ができるかどうか、また修理するとどれくらいかかるのかを尋ねるために、です。
・・・結果、部品の調達が必要になるため即日修理は不可能、ということで、費用もレンズ部品交換(工賃別)だけで1万円近くを要することが判明。・・・こりゃえらいことになりました・・・。
ちょっとショックを引きずったまま、フラフラと街をさまよっていた私がたどり着いたのが、こちら、札幌名所・時計台です。
この日は、月曜日で館内公開は行われていませんでしたが、それでも、建物の前で写真を撮ろうとする観光客の列が出来ていました。
私はそのままフラフラと大通公園へやってきました。
そろそろ雪まつりの準備も始まっている頃です。いまは閑散としていますが、これが2月頭になると・・・大変なことになっているはずですね。

私は、公園内にあった地下鉄駅の入り口へと、フラフラと入っていきました。(笑)
・・・と、その地下鉄駅をウロウロしているうちに、あることを思いついて、再び地上へあがってきました。
ここは、札幌市電の西4丁目電停。ここから、お初となる札幌市電に乗ってみることにしました。・・・って、やってきた電車は、「ペコちゃんの相棒」だったりしますが・・・。(笑)
実は、この市電に乗ったのは、この券を地下鉄駅構内で見かけたからでした。・・・そう、これはもいわ山ロープウエーの特別割引券。この券を使うと、札幌市街地を一望できる藻岩山の山頂まで行くロープウエーとリフトの往復1300円の料金が、なんと900円に割り引かれる、ということで、じゃ、行ってみるか、ということになったわけで・・・。

市電をロープウエー入口電停で降り、歩いてロープウエー乗り場まで向かいますが、これがけっこう坂道も含む道のりで、雪が積もっていることもあってかなり悪い状態に・・・。(^^;)
それでもなんとかロープウエーの山麓駅までたどり着きました。ちょうど出発する時刻で、大慌てで乗り場への階段を登りました。
出発すると、もうさっそく写真のような景色が・・・。
5分ほどでロープウエー山頂駅に到着。ここからはリフトに乗り換え、山頂の展望台をめざします。
そういえば、リフトって乗るのいつ以来だろう・・・なんて考えながら乗り込みました。一番最近は、故郷・北九州の皿倉山山頂のリフトに乗ったのが最後だったかな?それとも、八王子の高尾山でだったかな・・・もう記憶が定かじゃないですねぇ・・・。(^^;)
さあ、山頂の展望台に到着です。ここからは、豊平川の流れがつくりだした平野部に広がる札幌市街だけでなく、遠く雄冬岬方面や大雪山系なども見渡せるところです。・・・本当に、すばらしい眺望です。
藻岩山から降りてきた私は、そのまま再び市電に乗ります。・・・せっかくだから、そのままもときた道を戻ってもしょうがないだろう、と思って、すすきの方面行きの電車に乗りました。
この北の街・札幌で市電に乗る、というのも、初めての体験ですが、うれしいもんですね。
昨年11月の西鉄北九州線の廃止で、へこみと怒りを覚えていた私ですので、こうして路面電車が元気に活躍している姿は、うれしくもあり、うらやましくもあります。

このあと、すすきのでとあるお寿司屋さんに入り、旬の海の幸をいろいろ食べました。やっぱり、うまいものはうまいです。「好きねぇ、あんた」といわれても、構わないんだーい。(笑)
本当は、ラーメンを食べに行くか、どうするかいろいろ迷ったんですけどね。その日の私は、とにかく海の幸を食べたい気分でした。
たらふくお寿司を食べた後、今度は地下鉄で移動です。地下鉄東豊線に乗り、終点の福住、というところを目指します。
実は、もう一つ、札幌市街地を展望できるところへ行きたいと思いまして・・・。
で、福住からバスで移動。いま、ここは羊ヶ丘展望台へ向かう道の途中です。本当は1時間に1本だけ、展望台へ直通するバスがあるんですが、あいにく時間が合わず、その手前まで行くバスにのり、終点から歩いてきたんです。
実は、バスを降りてからここへたどり着く間に、アイスバーンに足を取られてひっくり返ってしまいました(笑)。その日はそうでもなかったんですが、後日、手首に鈍い痛みが襲ってくることに・・・。(^^;)
なんとか、15分ほど歩いて、展望台へとたどり着きました。

写真を見て「あぁ、ここかぁ」、と思われる方も多いでしょうが、札幌地区の観光スポットとして写真入りで紹介される有名な場所なんですね。
右側に立っている銅像は、もちろん、「Boys, be ambitious!!」のセリフで有名なクラーク博士のもの。そして、ここから見える雪原は、農林水産省の北海道農業試験場の敷地です。もともと、この展望台の場所も、試験場の一部だったところだそうで・・・。
さて、ここからはバスで福住駅へ戻るわけですが、そのバス停の前に、「かまくら」のようなものが作ってありまして・・・。「羊ヶ丘シェルター」なる看板がつけてありましたが、いったいなんだったんでしょうか・・・??

まもなく、バスがやってきました。
バスで福住まで戻った私は、とにかく、札幌駅へ戻ることにしました。いろいろ、頭の中でやりたいことが錯綜してきまして、交通の中心である札幌駅まで戻って、一度整理しよう、と思いました。もう一日、ゆっくりできたらよかったんですが、なにしろ、今夜には東京へ戻る列車に乗らなければ・・・。

で、こちらなんですが、地下鉄のレールです。というより、札幌市の地下鉄はすべて車輪がゴムタイヤでして、軌道も真ん中にガイドレールが置かれているだけという感じです。感覚的には、トロリーバスを大規模にしたようなもの、という感じなんでしょうか。
でもって、ここの地下鉄は加速がいいんですよ。ゴムタイヤで、摩擦抵抗が一般的な鉄道よりも大きいからだと思いますがね・・・。

このあとなんですが、いろいろ迷った末、ちょっとした「乗り鉄」に走ることに・・・。
札幌駅へ戻ってきた私。券売機で乗車券を買い込み、ホームへ上がりました。

ちょうどホームには、15時5分発、新千歳空港行きの快速「エアポート150号」が到着するところでした。
特急型の781系電車で運転されるこの列車、旭川から特急「ライラック14号」として走ってきたものが、そのまま折り返して千歳線へ乗り入れる運用になっています。しかも、この日は中間に2両を増結した6両編成になっていました。
特急型車両に乗車券だけで乗れる、という点では、やはり「乗り得列車」の部類に入ると思いますが・・・。

しかし、列車のヘッドマーク、「ライラック」と「エアポート」一体型のものに変わってしまったんですねぇ。以前は札幌駅でちゃんとヘッドマークを回して変えていたんですけど・・・。
列車は少し遅れて到着したせいもあって、あわただしく折り返します。
こちら、781系の車内ですが、基本的には本州や九州で走っている485系特急電車と同じ構造です。

車内は、もっと混み合うかと思ってましたが、案外空いています。まぁ、快速「エアポート」は、721系電車で運転されるものも含めると、だいたい15分に1本の割合で走ってますし、ある程度は分散してるんでしょうね。
列車は雪のなかを走りつづけ、若干遅れて千歳駅に到着です。
「エアポート」というくらいですから、もっと空港に行くお客さんの比率が高いかと思っていたら、途中での乗り降りもけっこうありますね。
で、これは今回発見したことなんですが、781系の普通車の車端部の一部座席に、座席を片側2列から1列に変更した部分がありまして、写真のように「スー パーホワイトアロー」の785系電車のものと同じようなシートが取り付けてありました。これは、おそらく混雑時対策なんでしょう。一部区間でも快速運転、 しかも空港連絡列車になるわけで、混み合うときでもなんとか多くの人を乗せるスペースを確保しよう、という感じなんでしょうか。
そして、781系の座席のほとんどが簡易リクライニングシートであるのに対し、この交換された座席だけはフリーストップリクライニングになっている、というのも、なんだか、ですね。(^^;)
電車は3分ほど遅れて、新千歳空港に到着です。到着したこの781系電車は、折り返し15時48分発の「エアポート157号」となって戻っていきますが、 デフォルトでも折り返しは7分しかないなか、遅れて到着したこの車両・・・もう、折り返し整備もへったくれもないですね。(^^;)
で、私は駅の改札を出て、コンコースへと出てきました。なんだか、空港下ではありますが、そんなことをあまり感じさせないくらい、すっきりした感じですね。単に人がいないせい、というのもあるでしょうが。(笑)
もちろん、空港地下にある駅なので、駅舎、なんてものは存在しません。
上写真の位置から振り返ってみると、そこにはこんなものが・・・。
そうです、快速「エアポート」に使用される721系電車内にこのほど新設された、指定席「uシート」の座席を展示していたんです。
JR北海道ではいま、バス輸送に対抗していろいろな新サービスを始めていますが、この「uシート」導入も、どうやらその一環のようです。「特急並みのシートに座って、快適に都心へ・・・」というところでしょう。
そういうものを見てきたこともあって、折り返し札幌に戻る私は、この「uシート」に座ってみることにしたわけなのです。(笑)
戻りの列車・快速「エアポート161号」小樽行きの721系は6両編成。そのうちの4号車の半分が、「uシート」になっています。
こちら、その指定席部分の室内です。部分的に配置されている赤いシートがアクセントになっているようですね。
写真では分かりにくいですが、この指定席部分だけ、照明が蛍光色から暖色系に改められています。
このシートなんですが、リクライニングをいっぱいに倒しても写真のような感じが精一杯で、特急みたく倒れていくわけではないです。
ただまぁ、この721系のシートのデフォルトは転換クロスシートでリクライニングしませんから、明確に差別化は出来ていると思います。
そして、車内には「見えるラジオ」の表示器が取り付けられていました。こうした列車は航空機で移動するビジネスマンも多いでしょうから、こうした設備もきっとありがたいはずですね。
さらに、こちら。座席背面にはチケットホルダーまでついていました。
JR西日本が山陽新幹線に登場させた700系「ひかりRail Star」のサイレンス・カーが、やはりチケットホルダーを設けて、寝ているお客さんに声をかけなくてもすむようなスタイルをとりましたが、この「uシート」でもそうしたケースを意識しているんでしょうか?
列車は16時3分の定刻に新千歳空港を発車。夕闇迫るなかを、札幌へ向けてひた走ります。
しばらく、「uシート」車内の動向を見ていました。始発から乗る人たちは、ほとんどが指定券を持っているようでした。途中から、指定席であることを知らずに入ってくる人の姿もありましたが、やはり少数でした。
列車はほぼ定刻に、札幌に到着しました。列車はこの先、小樽まで走ります。

今回、私は初めて快速「エアポート」を利用しました。何度もこの旅行記で書いているように、本州から北海道へやってくる人のほとんどが航空機を利用する時 代、JR北海道としても、この空港から札幌都心までのアクセス列車、という需要は、絶対に無視できない位置にあります。その分野で、こうして少しでも乗客 をひきつけるようなサービスを展開することは、やはり必要不可欠なんでしょう。
この空港アクセス、という列車のあり方について、この「エアポート」という列車は非常に興味深く考えさせてくれました。

さて、いよいよ、東京へ戻る列車に乗る時間が迫ってきています。
快速「エアポート」を降りてから、しばらくホームでの撮影をしていました。

こちらですが、私がまだ間近で見たことがなかった、キハ261系の特急「スーパー宗谷」です。昨年3月デビューの新型特急で、私が唯一乗ったことのない列車、でもあります。いずれ機会を見つけて乗りたいんですが・・・。
ちなみに、この17時22分発「スーパー宗谷3号」稚内行きですが、自由席の混雑はかなり激しいものがありました。以前の宗谷急行だと、いろいろ増結とかしたりして混雑時をしのいでましたが、この「スーパー宗谷」は最大限増結しても6両が精一杯ですからね・・・。
それにしても、そばで見ると、やっぱりかっちょえー、って感じですよ。
しばらくコーヒーを飲んだりしているうちに、そろそろホームへ上がる時間になりました。今回、東京へ戻るのに私が利用する列車は、寝台特急「北斗星4号」 上野行き。私が今までよく使っていた「北斗星1・2号」がJR北海道札幌運転所の編成で走るのにたいし、この「4号」はJR東日本尾久客車区の編成が使用されます。編成の内容も、双方で異なりますので、その違いも見ることができそうですし。

本当はですねぇ、この冬場に「カシオペア」の二人用「カシオペアツイン」のシングルユース(一人利用)が可能になっていたので、それを使うことも考えてたんですが・・・。
昨年末、まさか空いてないだろうな、と思いつつも、「北斗星」最高級の個室といわれるA寝台個室「ロイヤル」の空きを冷やかしのつもりで「みどりの窓口」で調べてもらったら、空いてたんですねぇ、これが・・・(^^;)。ということで、せっかくですし「ロイヤル」の旅を楽しむことにしましょうかねぇ・・・。
発車15分前、札幌駅5番線に、「北斗星4号」の編成が滑り込んできました。
先頭はDD51形ディーゼル機関車の重連。その後にブルーの車体、24系25形車を中心にした客車編成が続きます。
写真は最後尾なんですが・・・実は、この日の編成には、電源車であるカニ24が2両つないでありまして、こちらの最後尾の1両は、電源エンジンが回らない 回送扱いの車両でした。何か事情があって、上野方へ電源車を送り込まなければならない事態になったんでしょうか?
で、こちら。10号車にある、窓のひときわ大きな個室、ここが、私が一晩利用する「ロイヤル」です。
今までは外側から見つめるだけだったその最高級の個室に、いざ、入ってみましょう。
こちら、個室入り口から撮ったものです。いままで私が使っていたB寝台個室「ソロ」とは、比べ物にならない広さがあります。ベッドのほかに、簡単なデスク ワークが出来るテーブルと回転式のイス、さらには、写真では見えませんが、ビデオモニター、洗面台やトイレ、シャワーまでもがこの個室のなかについている、という、非常に贅沢なつくりです。
この個室、一人利用だと特急料金3150円、寝台料金17180円(運賃は別)という料金になりますが、この個室設備といい、このあと出てくる「ロイヤル」オンリーのサービスといい、料金を払って乗るだけの価値はあるように思います。

ちなみに、通常この「ロイヤル」は一人用ですが、エキストラベッドを利用すれば二人利用も可能です。(二人利用の際は別に料金がかかります)
さて、19時25分、「北斗星4号」は定刻どおりに札幌を後にしました。
まだまだ、札幌の魅力を知り尽くしたとはいえない私、いずれ、また来ることもあるでしょう。

ところで、実は私、食堂車でのディナーの予約をしていますが、その時間が19時30分から。それまでに、車掌さんの車内改札は来てくれるのかな? 前に 「北斗星2号」で、ディナーの時間になっても車掌さんがやってこなくて慌てたことがありましたんで、ちょっと気になってますが・・・。
・・・そういう気分をなだめすかすかのように、食堂車のスタッフが、「北斗星」では「ロイヤル」のみのサービスであるウェルカムドリンクのセットを運んできました。
内容は、小さなビンに入ったウイスキーと、おたるワイン(ミュラー・トゥルガウ完熟フリーラン・1999年もの、白)のハーフボトル、そして、水割り用の水と氷、緑茶、という感じです。
で、このおたるワインの白が、葡萄果汁のみで熟成されたものだけあって、非常に口当たりがよかったのが印象的でしたねぇ・・・。

このときやってきた食堂車のスタッフさんは、「ディナーのご予約がありますね」と確認した上で、「お食事のほうは車掌さんが来たあとでけっこうですので」と言ってくれました。
無事に車掌さんの車内改札を受けた私は、受け取ったカードキーで個室のカギを閉め(このカギの受け取りがあるので、車掌さんが来てからでないと食事には行けないんですよね・・・)、食堂車へ向かいます。
「北斗星」の食堂車「グランシャリオ」でのディナーは、今回で4回目の利用になります。フランス料理のディナー(7800円)と、和食の懐石御膳(5500円・いずれも要予約)とがありますが、私はいまだに和食のほうを食べたことがありませんで・・・。
席に着くと、さきほどウェルカムドリンクを届けてくれたスタッフさんが「お待ちしておりました」と迎えてくれました。席につき、車窓を眺めながらの食事に舌鼓を打ちます。
こちら、メインディッシュの牛ヒレ肉のソテー、です。メニューは、昨年のときと変わっていないようですね。

右手にはそろそろ新千歳空港の夜景が見える頃。空港の灯りを眺めながら、走る列車のなかで味わう食事・・・贅沢だなぁ・・・(笑)。
まぁ、たまにしかできないことですから、この際、ゆっくりと・・・。
食事が終わって、一度車内を見て回りました。
こちらはロビーカー。「北斗星1・2号」ではロビーが半室のみしかありませんが、こちら「3・4号」では1両丸ごとロビーカーのスペースがあります。やはり、これくらい広いと、ゆとりを感じますよね。
まぁ、今回は「ロイヤル」利用なんで、ロビーカーにいる時間は必然的に短くなっていくわけなんですが・・・。
夜もふけていく頃、食堂車では予約なしで利用できるパブタイムの時間になりました。私は結局、またここに陣取っていました。(笑)
軽くおつまみを食べながら、窓の外を見やります。ちょっと吹雪いているでしょうか、かなり外は寒そうです。車内は非常に暖かく、おいしいものを食べながら、で、非常に居心地がいいですよ。時間も、気のせいかゆったり流れているような・・・。

ちなみに、お皿に乗っているおつまみは、鮭の身を燻製にしたものらしく、それに野菜を乾燥させたチップスが添えられていました。
列車は、5分ほど遅れて函館に到着。時間はすでに、0時が迫るような時間です。
ここで、機関車交換。青函トンネル区間用のED79形電気機関車が連結されますが・・・ありゃ、ドラえもんのペイントがついてますね(笑)。この機関車が、青森までの牽引を担当します。

さて、そろそろ床につくことにしましょうか。
個室に戻り、ベッドで横になりました。・・・って、やっぱり「ロイヤル」だけあって、枕も大型ですねぇ、非常に頭の置き心地(?)がいいですよ。
1月16日の朝です。
実は、3時ごろに一度目が覚めました。ふと、窓の外を見てみると、そこは青森駅。・・・ん!?なんか変だぞ・・・と思いましたが、その場は再び眠りました。

目覚ましがなって起き上がりました。時間は5時半を過ぎたところ。しかし、列車の現在位置は、まだ盛岡を過ぎたばかり。かなり遅れてますね。
一ノ関到着直前、朝の車内放送が始まります。アナウンスによると、75分遅れて走行しているとのこと。こりゃ、えらいことになってますね。原因は、津軽海峡線区間(江差線、津軽線)での単線行き違いの関係によるものとのこと。おそらく、「日本海縦貫線」から北海道へ向かう貨物列車などに遅れが出たんでしょ う。この列車も、完全に割りを食った格好です。

とりあえず、個室内のシャワーを浴びることにしますが・・・この「ロイヤル」のシャワー、10分間もお湯が使えるんですね(ロビーカーにある共用のシャワーは6分しかお湯が出ません)。知らんかった・・・。(^^;)

6時半少し前、個室内にある内線電話(!)のベルが鳴りました。食堂車からの電話で、「ただいまからモーニングコーヒーをお持ちしてもよろしいでしょうか?」という確認の電話でした。・・・そうそう、「ロイヤル」には食堂車につながる専用の電話までついているんですよねぇ。すごい!
6時半過ぎ、食堂車では朝食の営業が始まります。モーニングコーヒーを飲み終わった私は、アナウンスを聞いて、さっそく食堂車に向かいます。
ただし、この日は、本来なら仙台で積み込むはずの和食の材料が積み込めていないために、食事は洋食(1600円)のみとなっていました。
結局、昨日のディナー、パブタイムと、この朝食で、三度目の食堂利用です。

外は本州に入っても、相も変らぬ雪景色。かなり降ったんですねぇ・・・。
こちらが、朝の洋定食です。写真のとおりのものです。左にあるパンは普通のバターロールと、シナモンパウダーがかかったものです。
・・・で、右側になんか赤いものが入ったコップがありますが・・・ついつい、オレンジジュースじゃなくて、トマトジュースを頼んでしまったんですよね。こういうときでもないと、あまり飲む機会ないんですが・・・。(笑)

それにしても、この食堂車のスタッフさんには、いろいろ親切にしていただきました。列車が遅れてともすればイライラしがちなお客さんへの配慮も忘れていません。「いやぁ、私の乗務するときは定時で走ってくれることが多いんですけど、きょうはどういうわけでしょうかねぇ・・・」と、明るく話し掛けてくれました。
こういうスタッフさんがいてくれると、列車の旅は本当に楽しくなります。
食堂車から個室へ戻る途中に、ロビーカーへ行ったりしていた私ですが、その帰りにふと目に入ったのがこちら。
停車駅でドアがあいている間に、やはり雪が降り込んだと思うんですが、それにしてもかなり雪がこびりついてますねぇ。デッキも滑りやすくなっていて非常に危険な状態になっていました。
・・・これが、 冬の雪国を走る列車、なんですね。
やがて、列車の車窓から松島が見えてくるところまで来ました。
私がいままで乗っていた冬場の「北斗星2号」では、時間的にまず見るのは不可能なわけですが、「あぁ、こんな景色も見れるんだ・・・」という感じがして、非常に新鮮でした。
仙台に停車し、列車はさらに先を急ぎます。
仙台を出たところで、新聞朝刊のサービス。食堂車のスタッフさんが、仙台で積み込んだ朝刊を届けてくれました。これも、「ロイヤル」のみのサービス、ですね。
しばらくベッドで横になっていると、列車は福島へ。この時点で、遅れは1時間48分に拡大していました。

実は福島到着前に、車掌さんが訪ねてきて、「便宜乗車」で新幹線に乗り換えるかどうか、訊いてきました。便宜乗車、だと、乗り継ぎの新幹線では自由席に座ることになりますが、追加料金は一切なしで、しかも車掌さんの説明では、この「北斗星4号」の正規の到着時刻あたりに東京に着ける、ということ。
・・・で、10号車ロイヤルのもう一部屋を利用していたカップルが説明を聞いて迷っている間に、私は車掌さんに「そのまま、この列車で行きます」と伝えました。 それを聞いて、向こうのカップルさんも「じゃ、そのまま・・・」となったもようで・・・。

左手には、福島交通と阿武隈急行のホームが見え、阿武隈急行の電車が停まっているのが見えます。
福島を出ると、やがて右手車窓にはうっすらと雪をかぶった安達太良山の姿が見えてきます。
こういう景色が見られるというのも、冬場ならでは、なんですが、なかなかいいですよね・・・。列車の遅れのイライラも、忘れさせてくれます。
さて、またしばらくのんびりしている間に、列車は郡山を過ぎ、栃木県内へ。黒磯にさしかかります。
ここは、東北線の交流電源と直流電源の境界駅。「北斗 星」の機関車は、青森から牽引の交直両用のEF81形、しかも、この黒磯駅での停車を必要としない寝台特急仕様になっていますんで、ちょっとスピードが落ちただけで、通過していきます。
列車はやがて宇都宮へ。関東エリアに入ってきましたが、遅れは1時間45分前後で、それほど戻っているわけではありません。
まぁ、この際ですから、ゆっくり行きましょう、ゆっくり・・・。
列車は関東平野に入って、とにかく少しでも遅れを戻そうと必死に走っています。
しかしながらそれも、大宮手前まで来ると、スピードが落ちてきました。高崎線との合流がありますし、どうしても詰まってくるんでしょうね。
結局、大宮には1時間58分遅れで到着。なんか、微妙な時間になってきたような気がしますが・・・。

ただ、大宮を出てからの列車は、思ったよりも飛ばしています。まさしくラストスパートですね。
13時12分、「北斗星4号」はジャスト2時間遅れで、上野駅13番線に滑り込みました。2時間ちょうど、ということは、「遅れが2時間を超えた場合」の特急券の払い戻しの対象にはなりませんね。あふぅ・・・。(笑)
あれだけ雪の積もってたところを走ってきた列車ですが、機関車の前面には、連結器周りにわずかに雪がついているだけでした。しかしながら、前面のスカートの裏側には、かなりの量の雪がこびりついてました。
・・・ということで、今回の旅行はとにかく雪による列車の遅れに悩まされながらも、なんとか無事に終了することができました。
まもなくラストランを迎える 特急「白鳥」や、下北交通大畑線、そして、初の通し乗車となった快速「海峡」、さらには「北斗星」の「ロイヤル」までを満喫することができ、札幌ではおいしいものと雪化粧した街並みとを堪能できたし・・・。
青森でのデジカメ故障に続いて、その後の撮影に使用したEOS5までが、内臓ストロボの故障を抱え込むというアクシデントもありました。かなり痛かったですが、まぁ、それはそれとして、今世紀初の乗り鉄旅をこれだけ楽しめて、満足感、というものは味わえました。

21世紀も、魅力的な列車やサービスを求めて、私は乗り鉄の旅を少しでも楽しみたいと思います。

最後に、この旅でお世話になったみなさんに、改めてお礼をいいたいと思います。
<おわり>