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Part2(2022・1)
1月2日の朝になりました。
津和野は盆地なので、朝の冷え込みがすごかった・・・7時の気温はなんとマイナス4℃。(^^;

そんななか、起きだして朝食です。
お宿の1階に食堂がありますが・・・なんかこんな感じで写真を撮ると、なんだか実家にでも来たかのような雰囲気ですよね。(^^;
お宿の朝食はこんなラインナップ。
お魚はサバで、焼きサバか味噌サバかを選ぶんですが、ワタシは味噌のほうにしました。このお味噌がですね~生姜が効いてておいしかった!
納豆も玉子も豆腐もあって、本当に朝から栄養満点でした。
朝食後に部屋でまた休憩。せかせかしてないのんびり旅を今回は目指してましたんで、こういう余裕もありました。
結局、チェックアウトは10時ぎりぎり。(笑)

お宿のご主人もいい方で、本当に気兼ねなくのんびりと過ごすことができました。
広い座敷の部屋でゆったりとしていられて、料理もおいしかったし、今回はこのお宿にしてよかったと思います。
「食堂民宿さと山」を出て、ワタシたちはそのまま、太鼓谷稲成神社へ参拝、ということにしました。
向かう道すがらに、参拝者用の駐車場があったんですが、朝からすでにかなりの台数の車が入っていました。

昨年はなかったんですが、今年は出店が出ていましたね。
参拝者の数も、昨年と比べてかなり多くなっている感じでした。
参拝を済ませて、境内からの景色を。
この太鼓谷稲成神社はとても眺めのいいところで、SLを撮る人にとってもポイントの一つになっているところ。ワタシも以前、ここで撮ったことがありました。
神社から、津和野川の川べり、二の鳥居のところまで降りてきました。
新山口発益田行きの普通2539D列車が、キハ40の1両で山を下ってきたところを撮影。前日と似たような場所での撮影でした。
さらに街を散策することにしました。
こちらは弥栄神社。太鼓谷稲成神社の一の鳥居と二の鳥居のあいだに位置しています。かつて津和野城の城主だった吉見弘信が、城の鬼門鎮護を祈念して1428年に拝祀した神社なのだとか。
ワタシが一人、家族より先にお賽銭を入れて参拝していると、ちょうどおられた神主さんがなんと、ワタシ一人のために真榊を振って祈祷してくださいました。なんとまぁ恐れ多いことで・・・。(^^;
さらに歩いて、殿町通りへ入ってきました。
こちらは、かつての藩校・養老館。残念ながら内部の見学は正月でお休みだったんですが、敷地内には入ることができまして、雰囲気だけは味わうことができました。

ここの掘割の水路には、鯉がたくさん泳いでいます。いつもながら、まるまると太ってますな、ここの鯉は・・・。(^^;
そのまま通りを歩いているうちに、ちびさんたちが「喉乾いた~」と大合唱を始めましたんで(笑)、喫茶店に入ることにしました。

こちら、「沙羅の木」本店。民芸品を扱う店などとの複合的なつくりになってるお店で、その一角が喫茶コーナーになっています。
ワタシはせっかくなんで、津和野名物の源氏巻をいただこうと思って、抹茶とのセットメニューをいただいたんですがね。源氏巻が程よい甘みのこしあんで、抹茶のほろ苦さとちょうどいいバランスだったんですよね。
やっぱり、和菓子には抹茶よね、ということで。(^^;
「沙羅の木」本店を出てさらに歩くと、こちら。
昨年も立ち寄った、造り酒屋・古橋酒造さん。昨年もここでお酒を買ったんですが、今年も「初陣」純米吟醸を買い込みました。
やはりいい水があるところには、おいしいお酒が生まれますね。
そのまま歩いて行って、津和野駅前に出てきました。

駅前には、D51-194が静態保存されています。
正月ということでナンバープレートが赤地になっており、「賀正」のヘッドマークがつけられていました。

まだまだ帰るには時間があります。駅前に手荷物預かりをしてくれるお店があったので、大きい荷物を預けてきました。
で、こちらへ。
津和野駅の先にある、鉄砲町踏切のあたり。
ちょっと目的があって、歩いてきました。
やってきたのは、津和野駅構内にある転車台を見学できる見学広場。

12時58分に到着する、下り「SL津和野稲成号」を、ここで待ち構えることにしました。

到着した編成は、そのあと津和野駅の下り方へ引き出され、駅の1番線に入れ換えられます。
そのあと、牽引機のD51-200は切り離され、入れ換えられて転車台へやってきます。
その、入換から、転車台に乗って向きを変え、給水のためにピットインする様子を間近で眺めていました。

この津和野に転車台が残っていたからこそ、1979年の「SLやまぐち号」運転開始につながったわけで。国鉄・JRの復活SL第1号が生まれるきっかけになった場所でもあるのです。
13時半ごろ、転車台見学広場を後にして、遅めのお昼を物色。
昨年のときにうずめ飯をいただいた「みのや」さんも考えたんですが、どうもお客さんが多そう・・・ということで、別のところへ。

こちら、「ちしゃの木」という農家レストラン。津和野町内で農場を営んでいるご主人が10年前に始めたお店。
地元産のそば粉を使った十割の手打ちそばが名物ということで、いただいたんですけどね・・・十割でこんなにもコシが!っていうくらい、強いコシがあって、それでいて歯切れはよく、食感もしっかり楽しめるっていう、まさに最強のおそばでした。
ここまでのものを出せるのは、ご主人の腕がいいからでしょう。これはいいものをいただきました。(^^;
食後、預けておいた荷物を受け取って、こちらのお店に寄り道。
津和野駅前の釜井商店さん。ちびさんたちが、列車に乗る前に飲み物を買いたいということで、やってきました。
ついでに、ワタシもあるものを調達・・・。(笑)
気が付くと、D51-200は折り返し整備を終え、1番線で留置されていた35系客車編成に、すでに連結されていました。
ワタシたちも、それを見て駅へ。

昨日ワタシたちが津和野まで乗ってきた2545Dが益田へ向けて発車すると、D51+客車編成も入換を開始。
ほどなく、2番ホームに据え付けられました。
さっそく、指定席をとっていた4号車・オハ35-4001に乗り込みます。

車端部にあるデジタルサイネージ。なんとも昔風な路線図の表示、しかしながら、走行位置表示も出る今どきの仕様。
旧型客車を装いながらも中身は最新、という、この35系4000番台の大きな特徴ともいえますね。
で、車内ではさっそくこちらを。

駅前のお店で調達してきた地酒「津和野盛」。やはりお酒を仕入れてきてしまいました。(笑)
なので、さっそく開けます。(^^;
15時45分、D51の高らかな汽笛を合図に、「SL津和野稲成号」8522列車は津和野を後にしました。
大勢の方が、小旗を振ってお見送り・・・SL列車ならではの光景ですよね。
列車は津和野盆地をあとに、次第に県境へ向けて高度を上げていきます。
写真は、前日に訪れた道の駅「津和野温泉なごみの里」のあたり。

津和野は本当にいいところです。また来たい街です。
白井トンネルを抜けて山口県へ。
船平山を通過し、徳佐あたりの田園地帯を列車は快走します。

時折、撮り鉄さんたちが構えている光景が見えてきます。
やはり、SL狙いの人多かったですね。
車内ではこちら。
乗車記念券が各座席に配布されました。

列車名がやまぐち号になってたり、描かれてる機関車がC57-1だったりするんですが、まぁ共通版でしょうからねぇ。(^^;
小2末娘が最後尾・5号車の展望デッキに行きたがってましたので、連れて行こうとしたんですが、マニアのみなさんを中心に黒山の人だかり。
さすがに密すぎるので、入るのはやめにしました。

かわりにこちらへ。
乗車記念スタンプが5号車に置かれていましたんで、こちらを娘に押させてきました。
16時38分、列車は篠目に停車。
ここでは4分の停車時間。

少しだけホームに降りてきました。
こういう小駅に停まるSLと旧型風客車、いい感じですよね、ほんと。
列車は高度を下げながら山口へ。
その後、湯田温泉に停車し、あとは終点の新山口に到着するだけです。

途中の大歳駅で、米子行き「スーパーおき6号」との行き違い。
向こうもけっこうお客さんが乗っているようでした。

山口の街のなかでも、地元の人たちが列車に向かって手を振る光景をたくさん見かけました。地元の人たちにとっても、SLの走る風景がすっかり定着しているように見受けますね。
17時30分、「SL津和野稲成号」は定刻に終点・新山口駅2番ホームに到着しました。
車内ではのんびり過ごしていましたが、1時間45分はあっという間に過ぎていきました。

Twitterでも呟いたんですが、やはりSL列車は現代の鉄道においては、あらゆる人たちを笑顔にする立派なエンターテイメントだと、今回見たり乗ったりして改めて感じた次第です。
さて、ここからは帰りの行程。

新山口駅12番ホームから17時45分発、「こだま857号」博多行きに乗車します。車両は700系7000番台「RailStar」E7編成8連。
上り側のホームは帰省Uターンもあってけっこうお客さんがいましたが、こちらは空いていました。
そういえば、昨年の「津和野稲成号」乗車の時も、新山口からの帰りの新幹線はこの列車だったですね・・・。

ということで、18時44分、「こだま857号」は終点・博多駅16番ホームに到着。列車はそのまま、博多南行きとして運転されます。
ワタシたちはそそくさと在来線ホームへ・・・。
博多駅からは18時59分発、普通144M列車小倉行きで、地元・箱崎へ。
813系6両でしたが、いわゆる「輸送力向上工事」がされていない車両で、ワタシたちが乗ったのは後ろ3両のRM3編成でした。
ということで、1泊2日の鉄始めは無事に終了となりました。
旅行記の最初に書いた、昨年のDL牽引「津和野稲成号」のリベンジをしたい、そして、津和野へ泊りがけで行ってみたいという目的はしっかり果たせました。そして、とにかくこの旅はのんびりしたい、ということだったんですが、それも十分に叶えられました。
いつも乗り継ぎが慌ただしかったりするんで、今回こんなにのんびりした行程を組んでたことに、嫁さんがびっくりしてたくらいでしたから。

昨年、ワタシは二度の入院を経験しました。1回は腰の手術、2回めは突発の腸の炎症でした。
生まれて半世紀を過ぎ、体も曲がり角に来ていることを実感するには十分だったかと。
あまり無理はせず、でも、体は動かして体力は維持したい。そういう思いのなかで今回の旅を計画したわけで。矛盾するような中身にも見えますが、これからはそういうことを意識しながら、やれるところからやっていこうと。

引き続きコロナウイルス禍のなかではありますが、感染対策にしっかり気をつけながら、まずは近場から。
早く、安心して遠出が楽しめる日が来ることを、ワタシも祈っています。
<おわり>