(2021・10)
2021年秋。
10月半ばを過ぎて、ようやく暑さが一段落したかと思ったら、今度は急に冷え込みだしました。

コロナウイルス禍はまだ収まってはいませんが、とりあえず10月1日に緊急事態宣言が解除になって、週末は近場を中心に秋の楽しみを探しに出かけている我が家。
今回は、肥前鹿島駅スタートのJR九州ウォーキング参加の顛末になります。
実はこのコース、昨年も同じ時期にありまして、そのときは現在小5(当時小4)の娘とワタシだけで出掛けました。
嫁さんが資格試験の勉強でこのところ休日も家に籠っていたんですが、試験も終わったので、今回は嫁さんと小2末娘も連れて出かけることにしました。
10月24日。
箱崎7時2分発、福間始発熊本行き2325M列車に乗るところから、今回の日帰り行はスタートです。
415系Fo-108編成4連でやってきました。まだまだ、博多近辺で415の鋼製車に乗る機会もありますね。
博多からは7時17分発、「かもめ5号」長崎行きに乗車します。
787系BM5編成7連での運転です。

2週間前に長崎に行ったときは、往復とも885系の「かもめ」に乗車しました。今回は787系、1992年の「つばめ」でのデビューから間もなく30年になろうとしていますが、まだまだ在来線特急の主力です。
自宅で朝飯は食べてきたんですが、なにしろ早起きだったんで、ちょいと補給・・・嫁さんが作ってくれてた鶏釜飯のおにぎりをほおばります。
もちろん、手指消毒も忘れずにですね・・・。
列車は定刻に走り、二日市、鳥栖、新鳥栖、佐賀と停まり、次は肥前山口・・・は通過で、ワタシたちの下車駅である肥前鹿島になります。

こちらは、ふだんの年だと佐賀インターナショナルバルーンフェスタがまもなく始まろうという時期の嘉瀬川河川敷。今年は既に競技の無観客開催が決定しており、会場の設営も競技に必要な最低限のものになるようで、河川敷はがらんとしていました。
しかし、この先少し走っていくと・・・。
・・・おおっ!バルーンが立ち上がってる!!(^^;

そうそう、まもなく競技会は開催されるので、既に参加のバルーンはこの日の前日23日から練習を始めているんですよね。
午前8時を期して、線路の南側からいっせいにバルーンが立ち上がり、飛び上がっていく様子が確認できました。
そうこうしているうちに、列車は肥前山口を通過。
2022年秋に予定される西九州新幹線武雄温泉~長崎間開業を機に、肥前山口駅は「江北駅」に改称予定となっています。この間の町村合併で、このあたりの自治体名は江北町になっていて、その自治体からの要望を受けた形で改称となります。
肥前山口、っていう駅名にはやはり馴染みもありますんで、定着するには時間がかかるんだろうという気もしますが。

まもなく、肥前鹿島です。
8時21分、「かもめ5号」は定刻に肥前鹿島に到着。
ワタシたちはここで下車します。

しばらくホームで待っていると、上りの長崎発博多行き「かもめ6号」が、写真左の787系BM3編成でやってきました。
この肥前鹿島駅では、こうして特急列車の行き違いの光景がよく見られます。来年秋の西九州新幹線部分開業後、博多からの長崎線特急はここ肥前鹿島止まりとなる予定ですが、ここでのこうした特急行き違いも、やはり見られなくなるんでしょうね。
ということで、肥前鹿島駅前に出てきました。
ウォーキングの受付開始は9時からになっていて、少し時間はあったんですが、駅前には既に多くの参加者が列を作っていました。

あまりに列が伸びていたので、8時50分ごろには時間を繰り上げて受付が開始になっていましたが・・・ワタシたちも早々に受付を済ませて、歩き始めました。
駅を出て、まずは街のなかを歩いて行きます。

こちらは、鹿島では老舗の造り酒屋である矢野酒造さん。いかにも、な店構えですよね。
昨年のウォーキングの際は、ここでもお酒の試飲ができたんですよね。歩き始めて早々に(量はわずかですが)お酒を呑めて、「あぁ、クルマの運転のないお休みっていいな・・・」と至福の時を味わったんですがね。
今回は事情があるのか甘酒のみとなっていました。

左下写真のような、とても趣のある空間で、甘酒をいただきました。
濃厚だったなぁ・・・。
そこから今度は、鹿島城址の方向へ向かいます。
この鹿島は、鹿島藩2万5千石の城下町でした。もともと海に近い常広城が居城でしたが、水害が絶えないため、1807年に鹿島城に移ったとのこと。1874年に佐賀の乱による戦乱で城は焼失し、跡地には現在、鹿島高校や旭ヶ丘公園があります。

そんな鹿島城の城門が一部残っています。左上は大手門、左下は赤門。いずれも佐賀県の重要文化財に指定されています。
鹿島城址からさらに歩き、やってきたのは、鬼塚古墳。
ここはウォーキングのコースには入っていませんでしたが、地元の保存会の方々が案内をしていました。

鬼塚古墳は、直径30m、高さ約5m、6世紀後半に作られた佐賀県内屈指の規模の古墳(円墳)で、佐賀県の文化財指定を受けています。
石室が見学可能であるということで、見学させてもらいました。巨石が組み上げられて造られていますが、この大きな石をどうやって持ってきたんだろうと、ちびさんたちも感心していました。
鬼塚古墳からすぐ近いところに、今回のウォーキングの「二大寺社」の一つである誕生院があります。

安産や子授け祈願の聖地として知られるお寺。ウォーキング参加者には先着順で、厄除けのお札と、厄除飴が渡されました。
この誕生院は、SNSなども活発にされているようで、「今どきのお寺」としてアピールされているようです。
誕生院を出ると、今度は山のある方向へ。

ここは途中の久保山北交差点。
この鹿島市内では、信号のところにこうして横断の際に子供たちが使用する黄色い旗の置き場が、まだまだあります。
ワタシ自身も最近は見かけることが少なくなった品ですが、こうして活用している地域もまだまだあるんですね。
そうしているうちに、祐徳稲荷神社の門前商店街までたどり着きました。
昔ながらの門前商店街の雰囲気を色濃く残しています。

嬉野茶や柚子胡椒などの地元産品が、あちこちのお店で売られていました。あと最近は、アニメ「ゾンビランドサガ」の関連商品を置いているお店もあるようで・・・。
祐徳稲荷神社にやってきました。
日本三大稲荷のひとつに数えられる、全国的にも有名な神社です。

ここは、左上写真中央に見える高いところに本殿があります。
えっちらおっちら階段を上って、本殿まではどうにか上りました。
左下が、本殿からの眺め。

そういえば、昨年来たときは、同行の娘が「奥の院まで行く」と言い出して登り始めたものの、かなり険しい道のりで、息を切らせながら奥の院までたどり着いたんでした。あれはかなりきつかった・・・安易な気持ちで登るものじゃないですね。(^^;
祐徳稲荷を後にして、再び歩き出すわけですが・・・。
同行のちびさんたちから「お腹空いた~」の合唱が・・・。(笑)

本当はもう少し先まで行ってからお昼、と思っていたんですが、合唱が始まってしまったんで、近場で探すことに。
門前商店街の一角にある「立花屋」さんに入りました。

麺類や定食物もあるようでしたが、今回は丼に。
左下、「牡蠣フライ丼」(800円・税込)をいただいたんですが・・・まず、牡蠣フライの牡蠣の身がけっこう粒が大きくてびっくり!そして、玉子とじの玉子の濃厚なこと!
これ、正直言って、当たりでした。おいしかった!(^o^)/
食後、ゴールへ向けて歩き出します。

祐徳神社バス停の車庫に停まっている、祐徳バスの車両が2台。
ICカード乗車券「nimoca」塗装のバスがいますが・・・祐徳バスでも「nimoca」使えるんでしたね。
浜川に沿って下るコースを進んで、こちらは幸姫酒造さん。
ここでも、試飲をやっていました。

この幸姫酒造さんは、祐徳稲荷神社の御神酒を造っていることで知られる造り酒屋。「幸姫」は国内外の品評会で入賞するなど、その呑み口のよさで人気があります。
無濾過あらばしりの生酒を1本お買い上げ。昨年も買いましたがおいしかったですもん。(^^;
さらに浜川沿いに下り、肥前浜宿のエリアへやってきました。

こちらは峰松酒造場の建物。現在は「光武酒造場 峰松蔵」となり、観光酒蔵として観光客を受け入れています。

ここでも試飲コーナーがありましたが、ここでは自動で試飲カップに適量を注いでくれるマシンがありまして。
これなかなか面白いですね。

酒蔵の見学も可能だし、奥の方には、電化製品など昭和の暮らしを再現したコーナーなんかもありまして、見てる分にも楽しめます。
そしてこちら、コースをさらに進んだ光武酒造さんでは、試飲に加え、有料での各種呑み比べをやっていました。

なになに、4種類で800円(税込)ですか。ちょいと呑んでいきますかな・・・。

こちらでは、イートイン時に手指消毒と検温を行い、検温済みのしるしとして青いリストバンドを装着するということで、しっかりと感染対策がされていました。
建物の裏側に、ビールケースとベニヤ板で仕立てたテーブル席がありましたんで、そちらでいただくことにしました。

呑み比べのお酒は、左上から順に「きまぐれドラゴン2021」「辛口手造り純米酒 光武」「琥珀 光武」「雫しぼり大吟醸 光武」の4種。
琥珀色がやはり一番気になりますが、ワイン酵母を使用して3年間熟成させたものとのこと。これがですねぇ~とてもまろやかでやわらかい呑み口でした。色が琥珀なんでウイスキーのような味を想像したんですが、まったく違いました。

お店のすぐそこを、浜川が流れています。
川のせせらぎを聞きながら、好天のもとでおいしいお酒を呑めるっていうのは、実に幸せですね。(^^;
呑み比べが終って、しばし肥前浜宿の街を歩きます。
これだけ造り酒屋が集まってるってのは、往時はかなり賑わったんでしょうね。

観光列車「36ぷらす3」の月曜日コースで、肥前浜駅でのおもてなし停車が組み込まれた背景には、この肥前浜宿の造り酒屋文化があったわけですね。
まもなく、ゴールの肥前浜駅に着こうというところで、こんな看板と出くわしました。
駅前にある漬物屋さんが出していたようなんですが・・・このあたりの電車本数が少ないのを逆手にとった、こんな呼びかけ、なんかいいですよね。(^^;
ということで、スタートから約5時間かかって、ようやくゴールの肥前浜駅にたどり着きました。
約10kmのコースでしたが、あれこれ寄り道してますからねぇ。(^^;

駅前ではイベントが開催されていました。
で、今回で、JR九州ウォーキングのスタンプカードが、スタンプ40個になりましたんで、景品のリュックサックに交換しました。
コロナウイルス禍で中止になるコースが相次いだ関係で、スタンプカードの期限が延長になったりはしてましたが、それでも40個貯めきったのでかなり満足しています。

なお、JR九州ウォーキングのスタンプカードは、この秋編から新規の配布はなくなり、今後はJR九州アプリを活用してデジタルスタンプを集める方式に変更になるようです。
次回からはゴール時にQRコード読み込みをしないとですね・・・。
さて、これから帰路につきますが・・・。

肥前浜駅はふだん無人駅で、この日は近隣の駅などから社員が出向いて、臨時に出札窓口を開いていました。
その関係で、きっぷはこういうものしか用意されておらず、しかもこども用のきっぷはない・・・とのこと。とりあえず、おとな2人分のみきっぷを買い、ちびさんたちの分は下車駅で精算することにしました。
肥前浜駅の構内に入ってきました。

左上が上り方、左下が下り方を見たところです。

前回の旅行記ブログでも書きましたが、西九州新幹線武雄温泉~長崎間が開業する来年秋以降、この肥前浜~諫早間では電化設備の撤去が予定されています。
普通列車は気動車での運転が予定されているとのことで、どのような運転形態になるのかはまだ不透明ですが・・・。
特急はおろか電車が走らなくなる、っていうのが、まだまだ想像できないですけどもね。
帰路の列車は、肥前浜14時28分発、2860M列車、長崎始発鳥栖行き。
817系VN26編成2連でやってきました。
このあたりの普通列車は2時間に1本程度ですので、ウォーキング参加者が大勢いるなかだと、当然車内は大混雑・・・しかしながら、次の肥前鹿島でかなりの数が降りていきました。みなさんクルマで来たの?それとも特急に乗り継ぐのかな・・・?
ワタシたちはこのまま普通列車で先へ向かいます。
車内でまったり過ごしているうちに、2860Mは15時32分、終点の鳥栖に到着。
到着ホーム向かい側の1番ホームに、間を置かずに15時34分発、区間快速(二日市~博多間快速)1230M、羽犬塚始発福間行きが入線。
817系3000番台6連の列車に、大急ぎで乗り込みました。

博多駅に到着し、そこでしばしお買い物を・・・。
博多16時49分発、2164M列車福間行きに乗車。
811系8両での運転、後ろ4両は「RED EYE」のPM7609編成でした。
あとは家路を急ぐのみです。
そんなわけで、1日いろいろ楽しんできました。
史跡や寺社、そしてうまいもの、酒蔵・・・毎度そうですが、JR九州ウォーキングはただ単に駅から歩くだけでなく、いろいろな地元の名物との出合いの場でもあります。何よりも、楽しく歩けるのがいいですよね。
コロナウイルス禍で中止になったりいろいろありますが、この先もできるだけ参加の機会を作りたいと思います。
<おわり>