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Part2(2005・8)
8月21日の朝になりました。

別府駅に出てきました。
ここからが、団体ツアーの行程となります。

ここから乗車するのは、あの列車・・・。
そうです。ブルトレ「彗星」南宮崎行き。

すでに、10月1日ダイヤ改正で廃止が決まっている「彗星」。
大分から先、宮崎方面へ行くブルトレも、この「彗星」の廃止で終焉ということになります。
「消えゆく列車の旅」のツアーということで、今回はまず、この「彗星」の立席乗車ということになりました。

この日は、通常期の4両に、1両増結の5両編成でやってきました。
多客期の増結なんですが、本来なら6両編成の枠があるのに5両しか組まれない、というのが、悲しいところ・・・。
6時40分に別府を発車し、13分で大分に到着。
ここで、機関車がEF81-411からED76-87にかわります。

大分から南は、「彗星」の単独ヘッドマークがつきますね。
大分を出ると、臼杵、津久見、佐伯と停車。
臼杵の近辺まで来ると海が見えてきます。

津久見では、佐伯発博多行き「ソニック12号」との行き違い。
ツアー参加の一行も、この並びを撮影。
「彗星」はまもなく発車するので、ワンカット撮ったらそそくさと列車へ引きあげます。
佐伯を出ると、列車は大分・宮崎県境へ・・・。

こちらは重岡駅。行き違いでの停車です。
2002年に公開された映画「なごり雪」のロケ地にもなったということで、そのことを示す看板がありました。・・・確か、この映画は、イルカが歌ってヒットしたあの「なごり雪」をモチーフに作られたものでしたね。私は観てませんが。(^^;)
列車の乗り心地を堪能しながら、車内での会話を楽しんでいるうちに、早くも列車は大淀川を渡っていました。
宮崎も天気はよくないようですねぇ・・・。

別府からの4時間の乗車も、もう終わってしまいます・・・。
10時41分、「彗星」は終点・南宮崎に到着しました。

ホームで「彗星」の編成を撮っていると、向かい側ホームには鹿児島中央発宮崎行きの「きりしま4号」が到着。なんと、485系国鉄色のDk-2編成でやってきました。
なんか、図ったかのような国鉄色編成の登場に、一行はビックリ!
さて、一行はここから貸切バスでの移動となりました。

まずは、腹ごしらえ。
宮崎市内の某ホテルのレストランにてランチバイキング、という行程が組まれていました。

おかずのほうもバラエティ豊かで、デザート類もいろいろあったんですが・・・なんとまぁ、このレストランのバイキング、昼間から赤と白のワインがおかわり自由!(爆)
いきなりワインで乾杯なんていうことに・・・。(笑)
昼食が終わると、バスでさらに移動。
宮崎自動車道に入り、えびのジャンクションから九州自動車道へ。

途中、このように霧島の山並みが見えるところも走っていきます。
晴れてきましたねぇ!
14時前に、一行の乗ったバスは、人吉駅前に到着しました。

ここからはまた列車の旅になりますが・・・乗るのはもちろん、左写真の発車案内にも出ている、15時21分発、「SL人吉号」熊本行き。

「SLあそBOY」で活躍してきた58654号機の、いわば「里帰り興行」として運行されてきた「人吉号」ですが、58654号機の引退に伴って、この日の運転が最後となりました。
一行は、その最後の「人吉号」に乗車することになっていました。
ということで、人吉駅では、この日の「SL人吉号」発車にあわせて出発式が行われることになっていました。
駅の1番ホームにはこのような看板も掲げられました。セレモニーにあわせ、駅には続々とギャラリーが集まりつつありました。
構内では、熊本から到着した「人吉号」の折り返しに向けた準備が進んでいました。
58654号機の不調により、もちろんこの日もDL補機が連結されていました。この日は、DE10-1206が担当。

熊本行き最後尾となる1号車の後ろに、DLが連結されています。
この間に、58654号機は転車台に乗り、方向転換して待機・・・。
やがて、DLに引かれた客車編成が入線したのに続き、15時ごろ、58654号機が入れ換えられて1番ホームに入線してきました。

客車との連結を終えた58654号機、多くのギャラリーがカメラを向けていました。

すでにホームではセレモニーが始まっています。
地元の関係者のあいさつを聞いていると、SLの早期の復活を望む声が多数聞かれていました。「あそBOY」の場合もそうですが、この「人吉号」においても、SLが地元にもたらした経済効果というのは、やはり大きかったんですね。
15時21分、58654号機の汽笛長声が高らかに響き渡り、「人吉号」は人吉を発車しました。
駅ホームもそうですが、駅の周辺も、観光客や地元の人たちなどでご覧のような賑わいでした。
車内では・・・。
やはり、ビールでの乾杯が始まっていました。(笑)

車内で配布される乗車証明書も、「さよなら期間」の特別版でした。
列車は球磨川の景色をのんびりと眺めながら、下流へと下っていきます。

沿線では、最後の「人吉号」を撮影する人たちがズラリ!
車内からも、「うわ〜すごいよ!」と驚きの声が上がるほどでした。
沿線で撮影している人の多さに驚いているうちに、「人吉号」はもう終点熊本、というところまできました。

熊本駅に隣接している、かつての熊本運輸センターの敷地。
すでに運輸センターは熊本操車場の位置に移転しており、移転後のこちらの場所は、九州新幹線関連工事が進められます。
見えているレンガ車庫も、すでに内部は片付けられてしまっておりました。
定刻よりやや遅れて17時46分に、列車は熊本駅5番ホームに到着。
編成はそのまま入れ換えられ、中線を通って熊本運輸センターへ引きあげます。

ツアーの一行はこのあと、熊本駅近くの某居酒屋にて懇親会を行い、楽しい旅のひと時をしめくくったのでした。
ブルトレの再編・縮小に加え、思いもよらなかった形でのSL・58654号機の引退もあり、九州の鉄道は今年も激変を続けています。
今回の旅では、そうした激変の一断面を体感することができました。

最後に、ご一緒したみなさん、どうもお世話になりました。m(__)m
<おわり>