(2004・3)
2004年3月13日のJRダイヤ改正、まだ先だ、と思っていたことが、もうすぐそこまでやってきました。
今回のダイヤ改正の目玉はなんといっても、九州新幹線新八代〜鹿児島中央(西鹿児島)間の部分開業。1973年に九州新幹線鹿児島ルートの整備計画が決定されてから31年、建設工事の開始から13年を経て、この日に至ったわけで・・・。
この新幹線部分開業に伴って、九州の鉄道交通体系は大きく変貌することになりました。

今回の旅行記は、その移り変わりの動きをとりあげます。もちろん、楽しまなければ損(笑)ということで、たくさんの仲間とともにワイワイやりながら、ということになりました。
3月12日午後。
まず、ワタシは黒崎から、「逆向き」の小倉へやってきました。

山陽新幹線小倉駅のコンコース内。
ここに新幹線が通るようになってからすでに29年になります。山陽新幹線はJR西日本の管轄ですが、JR九州の新幹線開業と連動して、このように小倉〜博多間の山陽新幹線に乗れる鹿児島中央までの往復きっぷも発売されています。余念がないですな。(笑)
で、今回なぜ山陽新幹線か・・・。

実は、今回のダイヤ改正を見届けようと、ワタシとは5年来の付き合いになる大阪からのネット仲間氏が、新幹線でやってくることになっていたので、まずはお出迎えをしようということで・・・。

九州新幹線800系の開発ベースとなった、700系7000番台「Rail Star」E10編成で運転の「ひかり363号」、この列車に乗っていたネット仲間氏と合流します。
大阪のネット仲間氏には、小倉でお出迎えすることは一切話していませんでしたので、彼はワタシの顔を見るなり「あ〜びっくりしたっ!」(笑)

列車は小倉から17分で博多に到着。新幹線はやっぱり速いです。
博多で集まった仲間もいて、しばらく駅構内の喫茶店でマターリとしていましたが、誰からともなく「空港、行く?」(笑)という話になり、そそくさと市営地下鉄に乗り込むことに。
JR九州筑肥線から乗り入れの303系電車で、福岡空港駅へやってきました。
空港へきたわけは、もちろんお出迎え。
青森から福岡へ直行するJAS918便にて、青森からわざわざやってこられるみなさんがいらっしゃるということですので・・・。

定刻より5分遅れて、青森からの航空機は福岡空港へ到着。
しばらくすると、到着ロビーに青森勢3名が登場。彼らも大阪のネット仲間氏とは知り合いではあったんですが、あえて登場を明かしてなかったので、「なんでここにいるんですかぁ〜?」(爆)と大騒ぎに。
そう、大阪のネット仲間氏とは1ヶ月以上前から相談を重ねて、とにかくびっくりさせてやろうと策を練ってたわけですから・・・。(笑)
再会を喜ぶ暇もなく、一行は地下鉄で再び博多駅へ。

昨年暮れに改称された「つばめ(新幹線)口」から、いよいよホームに上がります。
博多駅の7・8番ホーム。
一足先に、九州新幹線開業記念の横断幕が貼られていました。

あくまでも、普通の平日の金曜日。駅は帰宅ラッシュ。
7番ホームから発車する「有明37号」に、あわただしく乗り込んでいく人たちの姿もありました。
そんななか・・・。
18時5分発、「つばめ23号」西鹿児島行きの発車案内が出ました。
特急「つばめ」が走るのも、そして「西鹿児島」行きの案内が出るのも、この日で最後です・・・。
17時54分、「つばめ23号」となる鹿児島総合車両所787系Bk-3編成7連が、7番ホームに入線です。
ワタシたちは今回、この列車で特急「つばめ」最後の乗車を楽しむことにしていました。
このBk-3編成は、2年前の7月、今回のダイヤ改正以後に特急「リレーつばめ」に使用される787系7連12編成のなかでももっとも最初に、黒い「ニューつばめ」仕様にリニューアルされた車両。
その車両にいよいよ「Relay tsubame」のロゴが貼り付けられました。

「つばめ 西鹿児島」の行先幕も、もちろんきょうが最後。
もう見られない、といってもなかなかその場では実感がわきませんけどね。
そして、今回ワタシたちが利用するのはこちら。
1号車グリーン車に、1列車1室のみ設置されている4人用グリーン個室「サロンコンパートメント」。非常にラッキーなことに、この個室をおさえることに成功していたのでした。

ちょっと待てよ・・・今回の旅のメンバーはここまでで7人になっていました。
この個室に入れるのか?という話もありましたが、なんとか全員が個室内に納まりました。(なお、うち3人はきちんと別にグリーン料金を支払っていましたので、念のため・・・)
今回は最初から、飛び去っていく特急「つばめ」を惜しんで、みんなで呑みましょうや、ということにしていたので、このような品々が早速登場。
青森勢の荷物からは、青森の地域限定のお菓子類や、強烈なにおいが特徴の「にんにくせんべい」、そして青森の地酒が登場。(笑)
さらに、「つばめ」の車内販売でもおなじみの芋焼酎「石の蔵から」が2本も(爆)持ち込まれていました。
18時8分、定刻より若干遅れて、「つばめ23号」は博多駅を発車しました。
個室に陣取った我々一行は、思わず拍手・・・。(笑)
発車したら、即これ、というのも、いわずもがな。(爆)
「石の蔵から」を、これもあらかじめ用意してもらっていた氷でロックにして、みんなで乾杯です。

列車は最初の途中停車駅・鳥栖に到着。
サッカーJ2・サガン鳥栖の本拠地であるスタジアムを左手に見ながら、宴会は盛り上がっていきます。
ここで、客室乗務員さんが、グリーン車サービスのドリンクを持って登場です。
我々7人、みんながコーヒーを注文していました。「あの、すでにアルコールをお呑みになってますが、大丈夫ですか?」と尋ねられつつも、やはりコーヒーはオリジナルブレンド、飲んでおかないと・・・。(笑)

一緒に持ってきてもらったおしぼり、外袋がすでに「つばめ、翔ぶ。」になっておりました・・・。
続いて、ワゴンサービスがやってきましたので、今度はおつまみ系のものを大量に仕入れることにしました。
明太チーズちくわ、日奈久ちくわ、薩摩揚げなどなど、いずれも「つばめ」車内ではおなじみの品々・・・。

それに加えて、まだ熊本にも着いていないというのに、あんなにあった焼酎が早くもなくなろうとしていました(爆)ので、次はビールかな、ということで、缶ビールを10缶(!)ほど後から届けてもらうことに・・・。
19時22分、「つばめ23号」は熊本に到着しました。
指定席が満席になっているためか、自由席の乗車位置にはかなり長い列ができていました。
この熊本を出たところで、届けてもらったビールで再度乾杯です。

そして、つまみにはこちらの品が登場です。
阿久根農業高校の生徒たちが作った、豚味噌といわし味噌の缶詰。

今回は、博多での乗車前に、白いご飯を調達してもらっていましたので、ご飯に載せて食べてみましたが・・・やっぱり、うまい! 一緒にいた一同、「あ、これうまいっす!」と激賞していました。

「つばめ23号」は暗闇の中、南への足取りを進めていきます。
さて、さすがに特急「つばめ」ラストランの日、ということで、さまざまなイベントが用意されていました。
その一つが、こちら。鹿児島銘菓「かるかん」を、グリーン車の乗客にサービスするというもの。客室乗務員さんが、人数分を持ってきてくれました。
列車が水俣を出た頃、またビールが足りないということで、客室乗務員さんにお願いして再度調達をかけました。(爆)
ということで、またまた乾杯、ということに・・・。
それにしても今回、お酒呑める人ばかりでほんとによかったっす・・・。(笑)

個室内は熱い語らいで、すでに熱気むんむん状態でした。
ビールを持ってきてくれた客室乗務員さんに、社交辞令だと思いますが「仕事じゃなかったらこちらのお仲間に入りたいです」と言われてしまったくらいですから。(笑)
「つばめ23号」は出水に到着しました。
この出水を含め、八代〜川内間の鹿児島本線は、あくる日から第三セクター・肥薩おれんじ鉄道に移管される区間。
この区間を特急が走るのも、この日が最後ということになるわけで・・・。

なかなか発車しないなぁ、と思っていると、上りホームに定刻より少し遅れて、博多行き最終の「つばめ28号」が到着。・・・はぁ、もう上り「つばめ」はこれで終わりなんですねぇ・・・。
気がつけば、すでに鹿児島県内、ということで・・・。
デザートのほうにいくことにしました。
またも客室乗務員さんにはご足労いただきまして、こちらのアイスクリームを届けてもらいました。
酔った後のアイス・・・これがやめられないんですわねぇ。(^^;)
21時23分、「つばめ23号」は川内に到着。

新幹線ホームを見上げると、そこには行先表示板。
あくる日から実際に運転されることになる列車の表示が・・・。
特急「つばめ」1列車に1室の、このグリーン個室「サロンコンパートメント」。
ワタシ自身は、「つばめ」でこの個室を利用するのは今回が5回めということになります。

1992年の登場以来、この787系特急「つばめ」が「豪華列車」に数えられた所以の一つが、この個室でした。
開放型の客室と違い、プライベートな旅のもてなしの空間として、多くの旅人たちの旅心を満たしてきた個室・・・。「リレーつばめ」になって運転時間が短くなってしまうことで、この個室の需要がどのように変化するのか、ワタシとしては注目しているわけですが・・・。
いよいよ、列車はラストスパートにかかります。
熱い語らいの時間もそろそろおしまい。
写真のほうは宴のあと、ということで・・・。

そろそろ下車準備。
4時間近くを過ごした個室とも、お別れです。
定刻より若干遅れて、「つばめ23号」は終点・西鹿児島に到着しました。

通常であれば、「つばめ23号」で到着した編成はそのまま鹿児島総合車両所へ入区となるんですが、この日のBk-3編成は明くる日から博多〜新八代間の「リレーつばめ」の運用につかなければなりませんので、そのまま折り返し回9446M列車として南福岡へと回送されることになっていました。
そのまま同編成は、南福岡電車区へ転属となりますので、住み慣れた鹿児島総合車両所に戻ることはもうないわけで・・・。
すでに、行先幕は「回送」表示に・・・。

定刻より5分遅れの22時6分、Bk-3編成は帰らぬ旅に出て行きました。発車シーンはこちらの音声なし動画で。(wmvファイル・202KB、16秒)
一行はいったん宿へのチェックインをするべく、改札へ向かいました。
コンコース内のカウントダウン表示、「その日まで1日」・・・。

駅の西口へ出てくると、そこにはすでに「鹿児島中央駅」の文字。
いよいよ、そのときが近づいていることを実感しました。
チェックインを済ませた後、我々は再び駅へ戻ってきました。

新幹線ホームを見上げると、そこではすでに出発式の準備が・・・。
自動券売機のところでは、すでに運賃表の取り替え作業が行われていました。
これもまさしく、移り変わりを実感する光景・・・。
入場券を買って、ホームへ降りてきました。

5・6番ホームの片隅に、繁忙期シーズンにはおなじみだった、特急「つばめ」の乗車位置を示す旗さしもの。
明日からは、これも使われることはないわけで・・・。
いよいよ、「その時」はやってきました。

6番ホームに、下り特急「つばめ」の最終列車となる「つばめ27号」が、8分遅れの23時53分に入線してきました。
車両は、787系Bk-2編成7連。

「つばめ 西鹿児島」を表示する列車は、この列車がもちろん最後ということになりました。
上りの最終「つばめ28号」はすでに博多に到着したあと。ということで、この「つばめ27号」が、文字通り787系特急「つばめ」の12年の歴史に幕を引く列車、ということになったわけで。
到着したBk-2編成は、こちらもやはり改正後の運用に備え、回9472Mとして川尻へ回送されることになっていました。

定刻1分遅れの3月13日0時4分、Bk-2編成は旅立っていきました。

この先、この駅に787系車両がやってくることは、果たして・・・。
そうしている間にも、駅構内ではこのように駅名標の取り替え作業が・・・。

1・2番ホームで、いち早くこちらの「鹿児島中央」の駅名標がお目見えしました。
日付が変わり、カウントダウン表示のほうも「祝 開業」の文字が。

改札外の通路では、新幹線「つばめ」の一番列車となる「つばめ30号」の自由席に乗ろうという人たちが、すでに列を作って待っていました。
列の中には、ワタシの知った顔もちらほらと・・・。(笑)

「つばめ、翔ぶ。」、その日がついにやってきました。
0時20分、宿に戻ろうと、駅を出てきました。
新幹線ホームには、一番列車「つばめ30号」になる800系編成が回送されてきていました。

移り変わりの興奮に、最後の特急「つばめ」でのほろ酔い気分はすっかり吹き飛んでいました。
3月13日朝。
ワタシは新幹線「つばめ」一番列車の出発式には行かず、6時30分ごろに起床しました。
出発式に行った青森勢の証言によれば、駅改札やホーム上は乗車するお客さんと見物客とでパニックになっていたらしく、入場制限までかけられる状態だったそうで・・・。

ワタシはゆっくり準備をして、8時を過ぎてからホテルをチェックアウトしてきました。
鹿児島中央駅の西口前、ロータリーにはすでに、新幹線から降りてくるお客さんを待つ観光バスが集結してきていました。
近所のベーカリーカフェで朝食をとった後、入場券を買って駅構内に入ります。
青森勢以外の同行者と落ちあい、改札を通りました。青森勢は某所へ撮影に行くといって別行動・・・。

入場券もこのとおり、「鹿児島中央駅」に一晩で早変わりです。
ホームに降りてきました。

4番ホームには、国分行き特急「きりしま6号」の485系編成。
今回の改正で、新幹線から霧島方面への観光需要を開拓すべく、鹿児島中央から国分行きや霧島神宮行きといった短距離の「きりしま」が数多く設定されることになりました。

最近、保留車だった車両を組み込んで復活したこちらの編成、久しく見られなかったオールグリーンの「きりしま」色をまとっていました。
このところ、特急「きりしま」「ひゅうが」の運用には、国鉄特急色の3連1本を除いて、ほとんどが「K&H」色といわれる、かつての「ハウステンボス」カラーから転じたカラフルなブロックパターンの塗色の編成が使用されていましたので、このグリーン一色が懐かしくもあり・・・。

手前側の1号車・クハ481-256は、最近まで大分運輸センターのDo-31編成に組み込まれていたもの、残りの2両が保留車からの復活。
3両とも、「RED EXPRESS」の赤い色からの変身です。
9時9分、5番ホームに、今回のダイヤ改正の目玉の一つであるこちらの車両が入線して来ました。
特急「はやとの風2号」肥薩線経由吉松行き。車両は、この「はやとの風」専用としてJR九州小倉工場で改造を受けたキハ140・147形2両編成です。
こちらも、霧島方面への観光客誘致が最大の眼目となっている列車。指定席と自由席1両ずつの設定になっています。

キハ140・147形というのは、近郊形気動車のキハ40・47形の強馬力改造車。それがどう転んだのか、今回なんと特急に出世してしまうということで、登場前から大いに話題になっていました。

この黒っぽい色が、写真を撮る人をすでに悩ませているという話もありますが。
こちらが、「はやとの風」の座席です。
形状的には、「かもめ」「ソニック」の885系電車の普通席のものに似ていますね。ただ、背もたれが木を基調にしたものになってますが。
車両の中央部に設けられた展望席。
昨年リニューアルされたキハ71系「ゆふいんの森1世」車両にも通じるこの木を多用したスペース、試乗会の段階から早くも好評を得ているという話で・・・。
「はやとの風2号」は定刻より2分遅れて、発車です。
発車時には1番列車の出発式ということもあり、種子島銃の合図でお見送り、というアトラクションが・・・。
やがて、3番ホームには宮崎からの「きりしま5号」が到着。こちらはいわゆる「K&H」色の485系3両編成でした。
こうして4番ホーム停車中のグリーン「きりしま」の編成と並びます。

そして、その上には新幹線800系「つばめ」の編成が・・・。
この光景を見て、「鹿児島の鉄道新時代」という文字が、頭の中を横切っていきました。
485系も元気でがんばっている、というのが、何よりうれしいことではありましたが。
ここで、新幹線ホームへ行ってみるか、ということで、乗り換え改札を通過。このときには、別便で鹿児島にやってきていたネット仲間氏も合流していました。

新幹線コンコースのほうでは、新しくお酒や土産物のショップができており、その前で焼酎の試飲会をやっていました。
思わず一同、試飲のプラスチックカップを手にとって・・・まだ朝だというのに。(爆)
新幹線コンコース内には、こちらのようなものが・・・。
この手のプロモーションはさすが、という感じもします。
新幹線ホームに上がってきました。

ホームでは、見物客が多くいることに加え、ホーム端で各地元テレビ局が中継ブースを作って随時のテレビ中継をやっていたりと、非常に賑やかな状態になっていました。
11番ホームには、予備で待機していると思われる800系U5編成の姿が。
見物客のカメラの被写体としても大活躍でした。
再び在来線ホームへ。

左のほうから6番ホーム、5番ホーム、4番ホームと、すべてに817系電車が停まっています。この鹿児島の817系は、もともと「福北ゆたか線」で走っていた車両が転属したもの。
実は、さらに右側の3番ホームにも817系が・・・4本並びかい?(^^;)

今回の改正で、これまで鹿児島近郊の鹿児島・日豊線で活躍していた475系などの元急行形車両を含め、国鉄型電車がかなり追いやられてしまいました。
お次は、これも今回のダイヤ改正で登場した観光車両。
特別快速「なのはなDX101号」として発車を待つのは、黄色いキハ200・220形の3両編成。そして、その先頭には、キハ220-1102。今回、「なのはなDX」用の指定席車両として改造されたものです。
こちらが、そのキハ220-1102のシート。
構造としては、「はやとの風」のシートと同じようですね。
こちらは、車体中央部の乗降ドアを取り払って改造された展望席。
やはり、木を多用していますね。
ということで、ダイヤ改正の目玉をいろいろと撮影した後、いったん駅の外へ出てきました。
駅の東口、新しい「鹿児島中央駅」の看板がお目見えしています。

このあと、沿線撮影に出ていた青森勢と合流し、昼食をとりにいくことにしますが、駅周辺はとにかくものすごい人出! 駅構内も、歩いて通り抜けるのにかなり苦労する状態でした。
結局、駅を少し離れて、こちらを食べることにしました。
鹿児島名物でもある、ざぼんラーメンです。

今回はラーメンだけをいただきましたが・・・それにしても食べ応えが・・・。(^^;)
食事を終えて駅へ戻ってくると、そこでは・・・。

ビールの試供品の配布が行われていたのでした。
それにしても・・・ここでまで乾杯する我々って・・・。(笑)
そろそろ、北上する時間になりましたね。

ワタシたちの乗る列車は、鹿児島中央13時16分発、「つばめ48号」新八代行き。
しかしながら、ホームの発車案内表示は「博多」行きという案内になっています。

どうやら、新八代で乗り継ぎとなる新幹線「つばめ」〜在来線特急「リレーつばめ」という2本の列車を1本としてとらえる仕掛けになっているようですね。
しばらくすると、新八代からの「つばめ41号」が到着。
この列車が、到着後11分で折り返し「つばめ48号」となります。
車両は、800系の第3編成であるU3編成6連です。

側面のLED行先表示、「つばめ 博多」を表示しています。
車両の側でも、徹底されているようです。
早速車内に乗り込みました。

指定席の3号車に乗車。
もっとぎちぎちに混むのかと思っていましたが、午後の列車ということもあってか、それほどでもありませんでした。
ちなみに、自由席はもっと空いていたようで・・・。

まもなく、発車時間です。
今回利用していたきっぷがこちら。

新幹線開通に合わせて、新しく「新幹線つばめ2枚きっぷ」という回数券タイプのきっぷが発売になりました。
そちらを使ってみようということで・・・。

そして、指定券のほうは、今回新たに新幹線「つばめ」〜在来線特急「リレーつばめ」の2列車分を1枚で発券するシステムが稼動し、ワタシたちの席も2列車分が同一号車同一席番の発券となっていました。
定刻2分遅れの13時18分、「つばめ48号」は鹿児島中央駅を発車しました。

向かい側ホームには、このとおり、黒山の人だかり・・・。新幹線には乗らない見物客もかなりホームにはいたと思います。
ワタシ自身は、先日の試乗会のときにもこの800系新幹線の乗り心地は味わっていますが、メンバーのほとんどはもちろん初乗車。
とくに青森勢からは、東北新幹線E2系「はやて」との比較での感想が・・・「同じ新幹線とは思えない!」との声も。もちろん、これは800系「つばめ」をほめての言動ですね。

列車は早くも川内の新幹線車両基地の横を通過していきます。
「つばめ48号」は各駅停車タイプの列車。
川内に停車し、さらに先へ・・・。

川内を発車してしばらく。左手のほうに単線の在来線が分かれていきます。
川内以北の在来線は、きょうから肥薩おれんじ鉄道の路線になった区間。
前夜、あちらの線路を特急「つばめ」で通ってきたばかりなので、まだそんなふうになったという実感はわきませんが。
トンネルの区間を通り抜け、次の停車駅、出水に到着します。
おれんじ鉄道の気動車も元気に走っていますね。

折を見て、おれんじ鉄道のほうにも乗りに来たいもんです。
出水を出て、新水俣へ。
わずかの区間ながら、海が見えます。

天気がよくてよかったですわねぇ・・・。
新水俣に着きました。ここは文字通り、新しくできたばかりの駅。

見物に来たと思われる地元の人たちがたくさんいましたねぇ。
車窓から手を振り返しましたが・・・。地元のみなさんも「見てるだけ」じゃなくてどんどん乗ってくださいねぇ。(笑)
そして、早くも車内のほうにはこちらの表示が・・・。

各駅に停まっているはずなんですが、やっぱり速いですよねぇ・・・。

青森勢からこんな声があがりました。「え〜、もう着いちゃうんですかぁ〜?」(笑)
定刻1分遅れの14時4分、「つばめ48号」は新八代駅12番ホームに到着しました。

定刻どおりだと、3分の乗り継ぎで向かい側11番ホームで待ち合わせをしている在来線特急「リレーつばめ48号」に乗り継ぎ、ということで・・・。

11番ホームに停車していたのは、787系Bk-4編成、改めBM4編成7連。
そう、この日3月13日から、鹿児島総合車両所に所属していた「つばめ」仕様の787系電車は、南福岡電車区へ転属になったんですよね。

このBM4編成は、「リレーつばめ」に使用される787系7両編成12本のうち、一番最後にリニューアル改造を受けて「黒く」なった車両です。
14時7分、「リレーつばめ48号」は新八代を発車しました。
まずは、新幹線ホームから鹿児島本線へ、アプローチ線を下っていきます。
新幹線の高架は、少し北へ進んだところで切れています。

左下の写真は、この九州新幹線で試験走行が予定されているフリーゲージトレイン(軌間可変電車)試験車両のために用意されている、軌間変換装置。ここの変換装置を使って、在来線〜新幹線直通の試験走行も計画されているようです。
千丁駅手前で鹿児島本線に入り、北上を開始。

こちらは川尻駅構内。
前日まで、南九州を職場にしていた元急行形の475系電車が・・・。
用途がなくなり保留車になった車両たちですね。
列車は14時27分、熊本に到着しました。
熊本運輸センターの留置線には、前日まで急行「くまがわ」の運用に入っていた九州新急行色のキハ58・65形の姿が・・・。
急行「くまがわ」はこの日から特急に格上げされ、使用車両もキハ185系に変更されましたので、こちらのキハ58・65形も用途がなくなってしまいました・・・。

この熊本では、熊本在住のネット仲間たちがホームでお見送りをしてくれました。
熊本を出て、ワゴンサービスからコーヒーを買い求めました。
カップはまだ「TSUBAME」になっていました。
気がつけば、列車は鳥栖に到着。

九州新幹線が博多まで延伸になると、計画では長崎線のほうと交差する形で「新鳥栖」という駅ができることになっています。
そのころには、きっと今からは想像もつかないような変化が待っているんでしょうねぇ・・・。
定刻より若干遅れて、「リレーつばめ48号」は博多駅1番ホームに到着しました。

到着したBM4編成、今月に鹿児島総合車両所で全般検査を施行されていましたが、その際に、車体妻面の所属標記が、南福岡電車区を示す「本ミフ」に変更されていました。
フロントマスクの編成番号標記は「Bk-4」のままなんですがね・・・いつか変更になるんだとは思いますが。
さて、ここからワタシたちは、「有明28号」小倉行きに乗車し、黒崎へと向かうことにしました。
車両は787系「有明」仕様BM109編成4連。一行は自由席に乗り込みました。

この日、箱崎駅付近の連続立体交差化が完了し、これまで地上を走っていた鹿児島本線上り線も高架線に切り替えられました。吉塚・箱崎の両駅で上りホームの切り替えが実施されたほか、吉塚〜箱崎間の新しい電留線が使用開始となりました。

黒崎に到着した我々は、そのまま某所に転がり込み(笑)、今回の旅の打ち上げを兼ねて杯を交わしたのでした。
まさしく、九州の鉄道交通体系の大きな移り変わりをじかに味わう旅、それを絵に描いたようなスケジュールで実行してしまったわけで・・・しかも、遠路はるばるやってきた大阪のネット仲間氏や青森勢といった親しい仲間とともに、というのが、何よりもワタシとしてはうれしいことでした。彼らがこうしてきてくれなかったら、ワタシ自身、ここまで盛り上がっていたかどうか・・・。本当に楽しませてもらいました。改めて同行していただいたみなさんに感謝したいと思います。

今後はやはり、観光を兼ねての乗り鉄、というのもやってみたい。それだけの観光資源が、九州新幹線の沿線にはあります。
ワタシ自身も、九州を味わいつくすのは、むしろこれから、なんですよ。(笑)
<おわり>