Part1(2003・10〜11)
2003年9月30日、この日を持って「九州グリーン豪遊券」というきっぷの発売が終了となりました。
「豪遊券」は、お値段20900円で、JR九州全線3日間乗り放題、しかもグリーン車にも乗れるという大変おとくで、使いでのあるきっぷでした。

ワタシ自身も、これまで3度にわたってこのきっぷを使って旅をしてきました。そのたびに、九州出身でありながら、それまで知らなかった九州のさまざまな姿を目に焼きつけ、またさまざまな発見をしてきました。

今回、ワタシは、その発売最終日である9月30日、めいっぱいの1ヶ月後、つまり10月30日から有効の「豪遊券」を確保。このところ仕事がめいっぱいの状態で疲れていたこともあり、「命の洗濯」(笑)を兼ねて旅に出ることにしたのでした。

ちなみに、ワタシがこのHPで紹介する旅行記は、本作でちょうど100編目(・当時)、ということになりました。11月3日にHP開設からちょうど5年の節目を迎えたこととあわせて、ふだんからご愛読いただいているみなさんに感謝をこめて、この旅行記をお送りします。
では、最後の豪遊の旅、どのようになったのか、じっくり見ていただきましょう。
まずは、前日の10月29日夜から。

黒崎駅に出てきました。
豪遊券の効力を生かし、南下を図るために、まずは博多へ向かいます。

乗車する列車は、「ソニック58号」博多行き。
通常なら885系「白いソニック」車両での運転ですが、車両不足の関係から、883系での運転に変わっていました。やってきたのは、883系の3次車にあたるAo-5編成7連です。
この時間の博多行き、ということで、もちろん車内はがらがらです。
普段通勤で使っている区間ですが、この時間の下り、となると、まったく別物に感じます。

ワタシは、とりあえず持参のノートパソコンを開いて、写真画像の整理をしていました。
23時16分、「ソニック58号」は博多に到着です。
いったん改札を出て、水分その他をコンビニで調達します。
先ほども書いたように、ここからは一気に南下します。

乗車する列車は、日付が変わった0時6分に発車する「ドリームつばめ」西鹿児島行き。車両は、昼間の「つばめ」と同じ、鹿児島総合車両所の「つばめ形」787系電車7両編成が使用されます。
この日の編成は、来年3月の九州新幹線部分開業に備えてリニューアルを受けた「ニューつばめ」Bk-14編成でした。
この「ドリームつばめ」という列車は、1993年3月のダイヤ改正で、それまでの客車急行「かいもん」からの特急昇格、という形で運転を開始しています。783系「ハイパーサルーン」で運転された時期もありましたが、現在は787系車両での運転です。
「かいもん」といえば、20系寝台客車が連結されていたりして、夜行旅派には人気の列車でしたね。「ドリームつばめ」になって、寝台車こそなくなってしまいましたが、それでも夜の間に九州を縦断できてしまう便利さは、変わっていません。

来年3月の九州新幹線部分開業で、昼間の在来線「つばめ」と同様、この「ドリームつばめ」も走らなくなるのでは、ということも言われています。正式なアナウンスは執筆時点でまだありませんが・・・。

実はワタシ、「ドリームつばめ」に乗るのは、これが初めて、となりました。
ひょっとしたら、これが最初で最後、になるのかも・・・。
ここからは「豪遊券」利用ということで、グリーン車の1号車に乗り込みました。
車内もこのとおり、リニューアルバージョンになっています。
  トップキャビンの入り口。
新幹線800系「つばめ」のステッカーが・・・。
これから眠りにつくわけですが、このように毛布も用意されていますので、こちらを体にかけて眠ることにします。
日付が10月30日に変わり、「ドリームつばめ」は定刻に博多駅を発車しました。
大牟田あたりまでは、最終列車がわりに利用する人も多いようです。さすがにグリーン車にはそういうお客さんは来ませんが・・・。

大牟田を過ぎた頃、車内放送は終了となり、車内灯も減光となりました。
朝は、伊集院到着前から放送が始まるとのこと。
とりあえず、おやすみなさい、ということで・・・。
さて、「ドリームつばめ」は途中で長時間停車をはさみながら、夜通し南への疾走を続けました。
ワタシなんですが、どうもシートの形状と体のほうがフィットしませんで、なかなかいい体勢で眠ることができませんでした。この点は個人差がありますんで、なんとも言いづらいところではありますが。

5時54分、列車は終点・西鹿児島に到着しました。
空はやっと少し白み始めたばかりで、まだ暗いなかの到着でした。
いったん改札を出てきました。
在来線の改札の横では、すでに新幹線改札口の工事が進行しています。
この時間だというのに、すでにスーツ姿がけっこう多いんですよね。始発の博多行き上り「つばめ」などに乗る人たちでしょうか。
ここからは東の方向へ向かうことにします。

まずは、6時14分発「きりしま2号」宮崎行きに乗ります。
車両は、鹿児島総合車両所の485系Dk-7編成3連。赤を基調に、青、緑、黄色を配した独特のカラーリングは、かつて特急「ハウステンボス」で使用されていたカラーリング。いまはこの南九州で「きりしま」「ひゅうが」のカラーリングとなっています。
白み始めた空の下、「きりしま2号」は西鹿児島を発車しました。
鹿児島から日豊本線に入り、錦江湾沿いの区間へ。波静かな海の向こうに、桜島のシルエット。「鹿児島にきたんだなぁ」と実感する光景です。
西鹿児島からおよそ30分、列車は隼人に到着。
私はここで下車します。

隼人駅といえば、2002年に、ワタシ自身がJR九州全線完乗を達成したところ。駅舎を眺めながら、そのときのことを思い出していました。 
 
ここからは、肥薩線へ向かうことにします。
7時12分発の4222D列車吉松行き。元急行形のキハ28・58形2両編成でした。
列車は隼人を出ると日豊線と分かれ、山登りを始めます。
車内は通学の高校生がたくさん。そりゃもうにぎやかな状態・・・。
隼人を出ておよそ40分、列車の行く手に、ワタシの降りる駅が見えてきました。
では、その駅とは・・・。
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