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Part6(2006・3)
3月16日朝。

きょうが旅の最終日となります。

高崎駅前。時刻は6時前です。きょうも早ぇ〜。(笑)
高崎駅の駅ビルの一角に、こういうものがありました。

高崎駅には2001年3月から、新幹線ホームの屋根を活用しての太陽光発電システムが設置されているそうです。屋根上に発電パネルを載せる、というのは、屋根上の有効活用としてはいいアイデアですね。
発電で得られた電気は、駅構内の照明やエスカレーターの電源として使用されているとのこと。
きょうは、今回の旅で最後の未乗線乗車となる、吾妻線への乗車をします。

この吾妻線、私が東京在住の頃には結局来る機会がなく、最近でも関東に来るたびに何度か乗車しようとして、うまくいかなかった経緯がありました。

ただ、この吾妻線。大前までの全線を乗りとおすというのは、なかなか難易度が高いのであります。渋川〜大前間の全線を直通する列車は、一日に下り4本、上り5本(いずれも高崎直通)しかありませんのでね。
今回は、高崎6時14分発の525M列車大前行きに乗車しますが、これを逃すと、次の列車は高崎10時42分発、およそ4時間半もあいてしまいます。
なので、こんなに朝早い出発になったのであります。

525Mは、高崎車両センターの107系R5編成2連での運転です。
新前橋付近。

右手に、梅の花が見えてきました。
ここまで寒いところを旅してきましたが、ここ関東も、もう春ですね・・・。
6時39分、渋川に到着。
列車はここから吾妻線へ進みます。

利根川の支流にあたる吾妻川に沿って、列車は吾妻線を進みます。
金島〜祖母島間で、上越新幹線の高架をくぐります・・・上の新幹線のほうは何度も乗ってますが、それを下から見上げるというのも不思議な感覚です。
車内は、通学の高校生で結構混みあってまいりました。
学校が始まる時間にはまだ早いんですが・・・毎日この時間に通学する、というのも大変ですよね。

7時41分、長野原草津口に到着。
湯もみ、湯畑が有名な草津温泉の最寄り駅、ということですが、草津温泉へはこの長野原草津口駅からさらにバスに乗り継ぐ必要があります。
さらに進んで、8時ちょうど、万座・鹿沢口に到着。

ホームは1面1線、つまり、ホームに停まれる列車は1本だけ。
吾妻線を下ってくる列車の多くがここを終点としていますが、これほど規模の小さい駅とは思いませんでした。
8時4分。
525Mは終点・大前に到着しました。

駅はやはり、ホーム1面1線。
ホームに待合室はありましたが、1日5往復しか列車がやってこないということで、電化されていながらも、何か取り残されたかのような雰囲気があります。
駅前も、民宿が1軒あるだけでした。

吾妻線は、この大前から先、嬬恋、さらに長野県の豊野までの延長が改正鉄道敷設法別表に盛り込まれていましたが、実現しませんでした。
大前からは、525Mの折り返しとなる8時30分発、528M列車に乗車して、高崎まで戻ってきました。

戻ってくると、4番ホームには10時30分発、高崎線上野行き886M列車が停車中。
211系編成の中間、4・5号車には、グリーン車が連結されていました。

東海道線でのE231系投入が進行し、113系電車から捻出された2階建てグリーン車が211系への組み込み改造を施工されていますが、その東海道線の211系(田町車両センター所属)から玉突きで捻出されたグリーン車が、今度は高崎車両センター所属の211系に新たに組み込まれることになりました。

E231系の増備とあいまって、今年7月には、東北(宇都宮)・高崎線上野発着の普通列車すべてにグリーン車が連結されることになるとのことです。
来年からは、常磐線(中距離電車)に投入中のE531系電車にもグリーン車の連結が始まるという発表もありましたね。
これで、今回の旅での未乗線乗車はすべて終了。
今回だけで合計15路線の完乗を達成しました。アレだけ残っていた東日本エリアの未乗線が、瞬く間に指折り数えるくらいの数まで減っていました。

高崎駅の新幹線ホームに上がってきました。
左上写真、11番ホームの案内表示に「長野新幹線」の文字。
1997年の長野新幹線開業当初に、本来の「北陸新幹線」としての延伸先となる北陸方面に配慮してつけられた「長野新幹線」の名称。しかし、いまやすっかり死語になってしまった感がありますね。

下りの通過線を、「あさま513号」長野行きが通過していきました。
高崎駅の北3km余りのところに、上越新幹線と長野新幹線の分岐ポイントがありますが、下りの分岐ポイントは「38番分岐器」というもので、分岐側でも160km/hでの通過が可能なため、高崎駅を通過する「あさま」はそれほど速度を落とさない状態で通過していきます。
高崎からは、10時50分発、「たにがわ405号」ガーラ湯沢行きに乗車します。
車両は、いまやすっかり数を減らしてしまった200系車両。

山陽新幹線の0系がもはや風前の灯火になりつつあるように、こちらの200系もまた、気が付けば稀少になってしまいました。
定刻に高崎を出た「たにがわ405号」。
さきほど乗車してきた吾妻線をまたぐ区間を走っていきます。

写真左側に見えているのが、吾妻線。
さっきあそこを通ってきたんだなぁ、と思うと、これまた不思議な感覚になるもんです。
11時21分、越後湯沢に到着。

私はここで「たにがわ405号」を降りました。

乗り継ぎのため、在来線ホームへ。
また、雪の残ったエリアに戻ってきちゃいましたね。
ここからは、こちらの列車に乗車します。

越後湯沢11時37分発、「はくたか8号」金沢行き。
「はくたか」に乗車するのは昨年12月以来ですが、そのときは雪による列車の遅れの影響から、489系「能登」編成による代走になってましたねぇ。

きょうの「はくたか8号」は、赤い先頭部が特徴的な「スノーラビット」こと、北越急行所属車での運転となりました。

9両編成のうち、金沢寄りの基本編成6両は、昨年投入された683系8000番台N03編成、一方の付属編成3両は681系2000番台N12編成となっていました。

北越急行の683系が投入されたことによって、「はくたか」では、JR西日本の681系「ホワイトウイング」車も含めた両社車両の基本・付属編成それぞれが完全共通運用となり、基本編成と付属編成の連結パターンもさまざま見られるようになっています。

なお、北越急行での683系導入のいきさつについては、北越急行のサイト内「ほくほく博士」のコーナーで非常に詳しく、そして丁寧に解説されていますので、ぜひ一度見に行ってください。

さて、乗り込むとしましょうか。
「はくたか8号」車内で、高崎で買い込んできたこちらの駅弁で昼食にしました。

「とりめし」(800円)。
そぼろ、照り焼き、コールドチキンと3種類の調理法で仕上げられた鶏肉が、ご飯の上にびっしり。
下のご飯も、ササニシキを使っているそうです。

安心して食べられるお味ですね。
「はくたか8号」は定刻に越後湯沢を発車。

駅のホームにも雪が積みあがっていましたが、やはりこのあたりは雪がまだまだ残っていますねぇ。

車内では、積雪の関係で、上越線内で速度を落として運転する旨が放送で案内されました。
六日町から北越急行ほくほく線へ。
さすがに高規格の路線に入ると、一気に速度が上がります。

在来線での営業運転では国内最高速度となる、ほくほく線内での「はくたか」160km/h運転は2002年3月に開始されていますが、私自身はそれ以降、「はくたか」には先ほども触れた489系代走の列車しか乗っていませんので、今回が「高速進行」は初めてとなります。

上越線内徐行のため、3分ほど遅れて、十日町に到着しました。
トンネルの多い区間を過ぎて、頚城平野へ。

水田地帯もいまは雪景色。
思わずはっとさせられる景色でもあります。
列車はやはり3分ほど遅れて、12時33分、直江津に到着。

4日前にここから東日本エリアに入ってきました。
きょう、ここで東日本エリアとはおさらばです。
直江津からは、JR西日本管内の北陸本線を走ります。

天気は下り坂に向かうという予報。
このあたりまではまだ晴れていましたが、先に進むにつれて雲の量が多くなっていきました。

12時56分、交直セクションを越えて糸魚川に到着。
大糸線ホームには、首都圏色(タラコ色)のキハ52形が停まっていました。
大糸線のうち、南小谷〜糸魚川間の北線区間ではこの冬の積雪、そしてその後の気温上昇で雪崩発生の恐れがあったことから、1月13日から不通となっていましたが、3月8日から運行を再開しています。
まもなく富山というところ。

2月28日限りでJR線としては廃止された富山港線。現在は4月29日の「富山ライトレール」開業に向けて準備が進んでいるわけですが、こちらは、ライトレールの路線から外れた富山口駅。
レールと架線はすでに外され、ホームの駅名標もなくなっていました。
「はくたか8号」は14時19分、終点の金沢に到着しました。

ここで少し時間がありますので、いったん改札を出て土産物屋を物色。
お酒やちりめん、お菓子など、いろんな店がありまして退屈はしませんでした。
金沢に寄り道したい気持ちもありつつ、今回の旅程にその余裕がないところが悲しいところ・・・。

14時59分発、「サンダーバード32号」でさらに西へ。
車両は金沢総合車両所所属の683系。富山から走ってきた6両編成に、ここ金沢で後ろよりに3両が連結されました。
さすがに疲れが出まして、車内でウトウト。
目を覚ますと・・・。

を、また雪国に戻ってきちゃいましたか・・・?(笑)

ここは、この冬かなりの雪が降った、今庄付近です。
3月も半ばというのに、まだこんなに残ってるんですねぇ・・・。
しかしその雪も、北陸トンネルを抜けると・・・。

敦賀を通過し、上り専用のループ線へ。
この北陸線の上りに乗っていると、一瞬見えるこの敦賀市街の景色に、眠気がしていてもいつもはっとして、目がさえてくるんですよね。(笑)
湖西線を走り抜けて、京都へ。
京都の街を歩いたのって、もう何年前だろうか?・・・って、ふと考え込んでしまいました。8年前に梅小路蒸気機関車館に行ったことがありましたが、それ以来なのかな・・・。
この間何度か、旅の途中で立ち寄っても、短時間の滞在ですしね。

さらに進んで、向日町付近。
京都総合運転所の構内、今回の旅の初日に乗車した「きたぐに」に使用される583系電車の姿もありました。
17時29分。
「サンダーバード32号」は新大阪に到着。

まだ夕方なんですが、急速に空を雲が覆い始めていました。
さっきも書いた下り坂、という予報が、まさしく的中しようとしていました。

新大阪からは、20番ホームから17時59分発、「ひかり477号」博多行きに乗車して、一気に九州へ向かいます。

車両は700系7000番台「Rail Star」のトップナンバーE1編成8連。
博多からやってきた「ひかり468号」からの折り返し運用で、わずか15分ほどのインターバルであわただしく車内整備が行われていました。
これはかなり大変ですねぇ・・・。

ホーム上には、ビジネス客、家族連れなど、思ったよりも多様なお客さんが待っていました。

新大阪近辺、曇って真っ暗になった空から、かなりの勢いで雨が降り始めていました。
車内整備が終わって乗り込むと、「ひかり477号」はあわただしく発車。

時間も時間なんで、夕食にします。

新大阪駅で買い込んできた、「ハンバーグ&海老フライ弁当」(1000円)。

ハンバーグもけっこう大きいのが入っていたんですが、他にもロールキャベツとか、グラタンとかサラダとか。かなり本格的な洋食弁当でありました。
これはかなりいい内容だと思います。
天候が次第に荒れ始めていまして、瀬戸大橋線が強風のため運転見合わせになるなど、影響が出ておりました。
この時間に帰ってきて、ある意味正解だったのかもしれません。

ビールを飲みつつ、今回の旅を振り返りながらの2時間28分が過ぎ、20時27分、「ひかり477号」は小倉に到着しました。
帰ってきちゃいましたね。
今回の旅で、私自身のJR全線完乗という大きな目標が、ぐっと近くなったという実感があります。
未乗路線は残り5線区。どう攻め落とすか、じっくり考えてみたいと思います。

でもまぁ、完乗チャレンジが終わったら、名所を訪ねながらのんびり旅したいですね。
今回の旅先でも、何度そう思ったか分かりません。
<おわり>