(2022・7)
今回は、787系BM363編成「36ぷらす3」による、ツアー専用の団体臨時列車に乗車した際の記録になります。

1992年7月、鹿児島本線での特急「つばめ」運転開始とともに、新型車両としてデビューした787系。様々な変遷を経ながら、今月、デビュー30周年を迎えました。
JR九州では、それを記念した様々な企画を実施していますが、その一環として、BM363編成「36ぷらす3」を使用して7月3日、博多~門司港間を往復するツアーを実施しました。
ツアーの販売開始は6月8日、瞬く間に完売したようですが・・・実はワタシも、そのツアーの申し込みに成功しておりました。(^^;

ということで、当日、小6娘とともに出掛けてきました。
まずは、いつものように地元駅から。

9時10分発、普通1159M列車鳥栖行き、821系UM8+UM10編成計6両でやってきました。
この時間、竹下~笹原間での踏切安全確認の影響で、上り列車に遅れが出ていましたが、下りはほぼ定刻で運転されていました。
博多に到着して、改札を出ました。

こちらは、博多口側、駅ビルに上るエレベーターの前。
福岡ソフトバンクホークスの藤本博史監督の大きな顔が鎮座しています。(^^;
今月行われる、恒例の「鷹の祭典」を盛り上げるために設置されているものですね。
駅前広場にはこちら。

7月1日から始まっている博多祇園山笠、その飾り山が鎮座していました。
今年の十三番山笠・博多駅商店連合会の飾り山、表題は「いざ、鎌倉」。やはり、今年の大河ドラマが「鎌倉殿の13人」なので、今年の飾り山はそれ絡みのものが多いようです。
さて、そろそろ受付開始時刻ですね。
博多口の屋外で、ツアーの受付が開始されていましたので、そちらへワタシたちもやってきました。
コロナウイルス禍のツアーということで、12歳以上の参加はワクチン3回接種済み証明、もしくは直近のPCR検査陰性の結果証明が必要となっていました。ウチの娘はまだ11歳なので、接種済み証明ありの親の監護下ということで証明は免除に。
ツアー前3日間の健康状態を記した健康チェックシートの提出もして、無事に受付を済ませました。
時間があったので、コーヒーショップでちょいとお茶してから、改札口へ。

中央改札内の西九州新幹線「かもめ」カウントダウン表示、この日の時点であと82日・・・。
2番ホームにやってきました。

今回の「36ぷらす3」のツアー団臨は往復とも、この間、週末を中心に博多~門司港間で運転されている、「かわせみやませみ92・91号」「しんぺい92号・いさぶろう91号」のスジを使用する行程になっていました。
博多発の9082M列車も、10時39分と同じ発車時刻・・・さすがに、「団体」表示になっていましたが。
しばらくすると、南福岡から回9180M列車で、「36ぷらす3」が入線してきました。
相変わらず、黒光りの鏡面仕立てでテカテカしていますね。

横の行先表示は、やはり「団体専用」になっていました。
ホームの放送ではしきりに、一般客の乗車および車内見学・車内撮影はできない旨を告げていました。
車内に乗り込みます。

今回ワタシたちが指定されたのは、6号車・クモロ786-363の座席。
6号車ということで、例の畳敷きの室内となっています。客室に入る際に靴を脱いで靴箱に入れてきました。
娘は前回乗車したのが5号車でしたので、「靴はどこに入れるの?」と・・・まぁ、なかなか列車でこういう空間ってないですもんねぇ。
10時39分、「36ぷらす3」9082M列車は博多を発車しました。
先述のとおり遅れの出ている列車があり、前がつかえていたため、ゆっくりとホームを滑りだしていきました。

御笠川を見ながら、列車はそろそろと走っていきます。
車内では、さっそく客室乗務員さんによる放送での案内。各号車をまわり、1両ごとにマイクで案内をしています。
マイクでの案内が終ると、こちら、記念乗車証が配布されました。裏がスタンプ台紙になっているやつですね。
スタンプは3号車のビュッフェにある、ということで・・・。
さっそく、3号車ビュッフェに赴きました。
既に多くのお客さんがカウンターの前に列を作っていました。

しばし待って、目的のものをゲットしたあと・・・。
4号車マルチカーのほうへやってきました。
ここはフリースペースになっていて、車内イベント開催時以外は、自由に使うことができます。
なので、ここでテーブル席に腰かけて・・・。
早速いただきます。

娘はバニラアイス(400円・税込)を、ワタシは「季節の日本酒飲みくらべセット」(1800円・税込)を調達してきていました。
飲みくらべセットは今回も桐箱に入ったグラスが3つ。大川市の若波酒造さんのお酒「若波」の純米、純米吟醸、純米大吟醸の三本立てとなっていました。
おつまみは、チョコレート2片と、あとは有明海産の海苔。この海苔がですねぇ~とてもいい香りでおいしかったんですよ。
もちろん、お酒も芳醇な香りとすっきりした口当たり、良い酔い心地でした。(^^;
「かわせみやませみ92号」「しんぺい92号」だと停車駅になっている駅でも、今回の団臨ではいったん停車こそするものの、ドアを開けずにそのまま発車する、という状況だったんですが・・・。

後続の「ソニック75号」の通過待ちで運転停車(「かわせみやませみ92号」「しんぺい92号」ではドア開閉なし)する海老津駅では、「36ぷらす3」はドアを開きました。
なので、左のようなカットも・・・。

「36ぷらす3」が博多→門司港間の上りを営業運転するというのは、通常のコースではありえないのでですねぇ。(^^;
これもなかなかない光景です。
一方、車内ではこちら。

今回は門司港駅前にて、「36ぷらす3」の「緑の路」「青の路」で運行される日豊本線沿線のおもてなし品などのイベント出店が行われることになっていましたが、その沿線の観光案内と、いくつかのグッズが入った袋が配布されていました。
中津の名物にもなっている、壱万円札お札せんべいもはいっていましたね。(^^;
また、今回乗車した子供たちには、こちらの子供向けグッズの配布が行われました。
ウチの娘ももらっていましたが、パズルやキャンディー入りの箱もありますね。(^^;
そうこうしているうちに、列車は黒崎に到着していました。
ここでも、いったん停車はしますが、ドアは開きません。

このあと、小倉ではいったんドアを開けていましたが、もちろんツアー客ばかりなので、乗降するお客さんはいなかったと思われます。
さて、間もなく門司港というところまで来ました。

駅手前の海側の電留線に、783系CM4編成の姿があります。
先日まで、隣にCM34編成も留置されていましたが、そちらは既に小倉総合車両センターへ送られ、解体作業にも着手されているとのことです。
12時16分、「36ぷらす3」9082Mは終点・門司港に到着しました。

ホームには大勢のお迎えの皆さんが。
そのなかには、「36ぷらす3」が走る沿線のゆるキャラさんたちもおりました。なんとまぁ賑やかなことで。(^^;

下車したあとは、駅の前でお出迎えのイベントがあるというので、改札を出て駅前広場へ行ってみると・・・。
・・・こちら。

佐伯市から、鶴岡八幡太鼓のチームのみなさんが、わざわざ門司港まで来られて、歓迎の演奏を披露しておられました。
何やら話を聞いていますと、この鶴岡八幡太鼓のチーム、現在の門司港駅長さんが前任の佐伯駅長時代にご縁があったとかで・・・そのあたりは後ほど触れますが。
太鼓による歓迎が終わると、いよいよ昼食会場へ移動です。

昼食は、ツアー申し込みの際に希望のレストランを3ヶ所から選ぶ形(旧門司三井倶楽部・MOJISHO・ニューラッキー、個室プランはプレミアホテル門司港限定)となっていました。
ワタシたちは今回、「ニューラッキー」のランチを申し込んでいましたので、添乗員さんに引率されて栄町銀天街のほうへ歩いて移動します。

「ニューラッキー」は、戦後すぐの創業という老舗洋食店。門司港に出入りする外国船の船員さんたちにも愛された、定評のあるお店です。
実はワタシ、幼少期に、亡くなった母方の祖父母に連れられてよく食べに来ていたということで、思い入れのあるお店でもあります。
今回のツアーのランチで、この「ニューラッキー」がラインナップされているのを見て、もう迷うことはありませんでした。
今回用意されたランチは、写真のタンシチュー(ライス付)。タンシチューは通常のメニューでは単品1700円(税込)で出されているもの。けっこう大きなタンのお肉が載っています。
さっそく食べてみますが・・・お肉の旨みが十分に染み出したビーフシチューの味わいと、ホロホロになるまで煮込まれた牛タンのとろけ具合、もうたまらん!っていう感じでしたね。これは本当にうまい!

同行の娘もおいしそうに味わっていました。
あーやっぱり、「ニューラッキー」にしてよかった!(^^;
さて、ランチが終ったら、復路の発車までは自由行動ということで・・・。

とりあえず門司港駅方面へ戻ってみます。
ちょうど、九州鉄道記念館駅に観光トロッコ「潮風号」が停まっているのが見えていました。
門司港駅前広場では、14時からまたイベントがあるということで・・・。

「感謝」という毛筆書きが見えていますが、これは書家の竹内小梅さんの筆によるものだとか。上には「祝 787系30周年」の文字も見えています。
先ほどお出迎えの演奏をしていた鶴岡八幡太鼓のチームのみなさんも、またスタンバイしておりました。
先述したとおり、日豊本線沿線の各地からの出店ブースも出ていました。
各地の名産品などもありまして、PRに余念がない、という感じでした。
ここで、少し涼を求めて(笑)駅舎内へ。

駅舎2階にある「みかど食堂 by NARISAWA」は、ランチが貸切営業となっていまして、ドアは閉じられていました。
開放されている旧次室の窓からの眺め。

4番ホームに停まっている「36ぷらす3」が見えていました。
この時間、「36ぷらす3」は一般向けの列車内覧会が行われていました。
さて、駅前広場に戻ってみると、鶴岡八幡太鼓のチームによる演奏が始まっていますが・・・なんか中央のところに、制服姿の方が2人・・・。

そう、門司港駅長と、この日のイベントに来られていた佐伯駅長のお2人が、チームのメンバーと一緒に太鼓を演奏していたんですね。
現在の門司港駅長・緒方さんは、先述した前任の佐伯駅長時代に、この太鼓のチームに加わっておられたようで、現在の佐伯駅長・原野さんも、チームに参加しておられるようでした。バチ裁きも決まってましたもんねぇ。(^^;
太鼓の演奏が終わって、まだ少し時間があるので街歩きを・・・。

こちら、旧門司税関のレンガ造りの建物の中です。
しっかりと冷房も効いていまして、少しゆっくりさせてもらいました。
なんというか、こういうレトロな空間にいると、心まで落ち着く感じがしますよね。このところ、仕事で困難がいろいろありまして、ちょっと心が疲れているもんで、しばしの癒しを・・・。(^^;
発車30分少し前、駅に戻ってきました。

門司港駅の発車案内には、「団体36ぷらす3 15:19 博多」という案内が表示されていました。団体列車であることが判別できつつ、「36ぷらす3」が来ていることをPRするという表示になっていました。
下り9083M列車となる「36ぷらす3」は、引き続き4番ホームに停車中。
「かわせみやませみ」「いさぶろう・しんぺい」のときは、博多から到着したあとにいったん洗浄線へ入れ換えられていますが、今回は先述した内覧会の関係もあって、ホームにそのまま留まっていました。
隣の5番ホームから、15時2分発の快速4241M列車荒尾行きが発車したあと、「36ぷらす3」はドアを開きました。

もちろん、復路も同じ席なので、6号車に乗車します。
またゆったりと、大きなシートに腰掛けます。
定刻の15時19分、「36ぷらす3」9083Mは門司港を発車しました。
小旗を持ったみなさんのお見送りが・・・その中に、JR九州の古宮社長の姿もありました。来られてたんですね。(^^;
発車後、さっそく3号車・ビュッフェに赴きました。

以前の乗車の時にもいただいた、宮崎県・都農ワイナリーのスパークリングワイン・キャンベルアーリーロゼ(ミニボトル1本850円・税込)を注文したんですが、そこへ、車内で販売している鹿児島県・福山黒酢さんの黒酢を使用したフルーツビネガーの試飲を「どうですか?」ということだったんで、いただくことにしました。
フルーツビネガー、香りはけっこうお酢の香りが強かったんですが、飲んでみるとすっきりしたお味で、なかなかいい感じでした。同行の娘は一口で「ちょっと無理」と言ってましたが。(^^;
もちろん、スパークリングワインもおいしくいただきました。
そうこうしているうちに、列車は門司を発車し、JR貨物門司機関区の横を通過。
写真手前に写っているのは、EF81-502。しばらく前に運用落ちしているとのことで・・・。
EF81のうち、JR化後に新製された500番台でも、こうして運用落ちするカマが出てきているということで、本当にもう安穏としてはいられないのだな、という感じですね。
車内ではこちら。

復路の記念乗車証として渡されたのは、先述の書家・竹内小梅さんの筆による「感謝」の文字が書かれたもの。
同時に、今後のツアーの案内が配布されていました。7月16・17日に博多~鹿児島中央間で運転される、787系による「つばめ30周年記念号」のチラシもありましたねぇ。
こちら、遠賀川駅。
往路の海老津駅と同じく、「かわせみやませみ91号」「いさぶろう91号」では運転停車でドアが開かないところ、今回の「36ぷらす3」ではドアが開きました。
なので、通過していく「ソニック36号」885系SM10編成との並びを撮ってみました。
赤間で若干の運転停車があり、発車したあと。
沿線では既に稲が植えられ、水が張られていました。
もう完全に、夏の風景ですね。
こちらは、古賀駅。
ここも、「かわせみやませみ91号」「いさぶろう91号」では運転停車でドアが開かないところですが、今回の「36ぷらす3」ではドアが開きました。

ここでは、沼津発福岡貨物ターミナル行きの高速貨1091列車の通過を待ちます。
この日の北九州貨物ターミナルからの牽引機はED76-81、さらに機次位には、DD200-21が無動でつながっていました。
DD200-21は愛知機関区所属ですが、このところは門司機関区常駐で、北九州貨物ターミナルでの入換や、小倉車両所入出場の牽引などにあたっていました。福岡貨物ターミナルに送られたということは、同ターミナルでの入換仕業にあたるんでしょうかね・・・。
そろそろ、「36ぷらす3」での今回の旅もラストコース。

車内では、客室乗務員さんがキャンディーを配っていました。
これ、特急「つばめ」の頃にもよくありましたよねぇ~。上りの「つばめ」で終点の博多が近づくと、客室乗務員さんがやはり配ってまわっていましたね。その頃を思い出しました。
こちら、福工大前でも運転停車。
ここではさすがに、ドアは開きませんでした。

883系「ソニック76号」の通過を待ちます。
青い車体が、足早に駆け抜けていきました。
多々良川を渡るところまでやってきました。
ここまで来ると、終点・博多はもう間近です。

そろそろ、下車準備しましょうかね・・・。
16時59分、「36ぷらす3」9083Mは終点の博多駅5番ホームに到着しました。

やっぱり、というか、終わってみるとあっという間でしたね。
昨年最初に乗車した、博多→鹿児島中央間の「赤の路」で6時間半近く乗っていても短く感じるくらいですから、今回の片道1時間半くらいだと、まだまだ、って感じがします。
博多到着後は寄り道もせず、そのまま地元駅へ。

博多17時12分発、普通2166M列車海老津行き、821系UM9編成+817系VM3011編成計6両での運転でした。
1ヶ月近く前から申し込みをして、楽しみにしていたツアー参加でしたが、ほんと、あっという間に終わってしまいました。
しばらくぶりの「36ぷらす3」乗車、本当に楽しい時間だったです。通常のコース運行ではありえない行程での乗車ということで、面白かったですし、車中でおいしいお酒もいただいて、楽しませてもらいました。
そして、思い出のレストラン「ニューラッキー」でのランチ。かつて、祖父母と行っていた懐かしいお店に、自分の娘を連れて行くっていうのは、なんか感慨深かったです。娘は曽祖父母のことは写真でしか知らないわけですが・・・なんか、亡くなった祖父母に、娘を会わせに行っているような感覚になりました。

いろいろな思いを含んだ、今回のツアー参加でした。
「36ぷらす3」でいうとまだ乗っていないコースがありますんで、そちらへのチャレンジもしたいんですがね・・・。
<おわり>