(2012・3)
3月、「JR九州ウオーキング」の春編がスタートする時期になりました。
さっそく駅で配布されているウオーキングのパンフレットを入手して検討していたところ、この3月17日から全面高架駅化される大分駅で、3月10・11の両日に、供用開始前の高架線路敷を歩くウオーキングが開催されることが分かりました。
この週、ウイルス性肝炎とみられる熱発と全身倦怠感の症状でダウンしていたワタシでしたが、職場復帰も果たして弱ってる足腰をしっかり鍛え直さないとと思い立ち、嫁さんと、1歳7ヶ月になった末娘を連れて出かけてみることにしました。
3月11日。出発は、早朝の博多駅から。

博多6時24分発、883系Ao-17編成7連で運転の「ソニック1号」大分行き。かつては「Ao-7編成」を名乗り、リニューアル前は黄色いマスクで走っていた車両です。
この編成には、5連から7連に増強された際に4・5号車として、885系と同タイプの車両である883系1000番台2両が組み込まれました。

インテリア、エクステリアはもちろん、走行系の機器までほぼ885系と言っていいこの車両ですが、実はワタシ、まだ乗ったことがなくてですね・・・。
ただまぁ今回は、2号車の指定席を事前にとってあったんで、自由席号車となるこの1000番台の車両には乗車はしなかったんですが、発車前にちらっと中の様子だけ見させてもらってきました。
定刻より若干遅れて小倉を発車。
小倉で進行方向が変わり、日豊本線へ進みます。

小倉〜西小倉間にある紫川の橋梁では、長らく橋梁掛け替えの工事が続いています。今年の元日から1月2日にかけても、日豊本線系統の夜間帯の運行を止めて橋梁の切り替え工事が行われていました。

小倉総合車両センター(旧・小倉工場)の構内には、ピカピカの787系6両編成、BM2編成でした。後日、所属の南福岡車両区へ出場回送されたようです。
早くも列車は別府を出て、終点の大分に着こうとしています。

西大分駅を通過。
構内には、JR貨物門司機関区で長らく活躍し、現在は除籍となっているED76の37号機、および43号機が留置されています。同じくこの西大分にて留置されていたED76-1007については、昨年7月に門司機関区へ戻されたうえで解体されていますが、ここに残る2両の今後は・・・。
「ソニック1号」は、若干の遅れのまま、終点・大分に到着しました。

到着後、さっそくウオーキングスタートの受付へ。
かつて、駅に隣接して車両基地(大分運転所→豊肥久大運輸センター)があった駅南側に、高架に対応した新しい駅舎が出来上がっていました。今回の駅デザインも、水戸岡鋭治氏率いるドーンデザイン研究所が手掛けているようです。
今回のウオーキングは、高架を歩くのがメインの4km余りのコースなんで、それほど時間はかからないだろうとタカをくくっていたんですが、それは大きな間違いでした。・・;

まず、高架への上り口のところで、行列。
供用開始後に保守作業などに使われるであろう、細い階段一本での上り下りとなるため、参加者が一気には上れない状況になってたんですよね。
それでもしばらく待って、高架線路敷へ。
高架に上がるまでは末娘をベビーカーに乗せていましたが、さすがに高架上の移動はベビーカーでは無理と判断し、ベビーカーを高架下にて係員さんに預かってもらい、末娘を抱き上げて上がってきました。

写真の部分には4本の線路が敷かれていますが、うち2本は電留線で、北側の2本の線路が日豊本線の上下本線となっていました。
高架の上から下を覗くと、地上の現在線を走る列車たちを見ることもできました。
写真は、885系SM7編成による大分行き「ソニック5号」。
もう1週間もしないうちに、こちらの高架の上を走るようになるわけなんですよね。
末娘も歩きたそうにしていたんで、ぼちぼちと歩かせながら折り返し点へ向かっていきました。さすがにまだまだ歩くスピードが遅いし、線路敷で凸凹も多いもんですから、かなり気を遣いましたが。

おっと、勾配標が見えてきましたね。下り14パーミル。
ここから、高架線への切り替え地点へと、下り坂を進んでいきます。
そうしてたどり着いたのが、もう西大分駅が間近に見える、高架線への切り替え地点。
ここでしばらく、本線を走る列車を眺めていました。写真は、883系Ao-4編成7連で運転の「ソニック9号」大分行き。
こんなアングルで列車を撮れるのも、こういう機会でなければまず無理でしょう。
折り返し地点から戻って行くと、途中から今度は、高架を降りる人たちが行列をつくっていました。
今回のウオーキングには、かなり地元の方々が参加されているようでした。めったに歩けない線路敷を歩けるチャンスでもあるし、距離としても手ごろでしたからねぇ・・・。

しばらく行列に並んで、ようやく階段を降りることができました。
駅へ戻ったところで、今度は供用開始前の高架1・2番ホームを見られるということで、そちらへ行ってみることにしました。

高架のうち6・7・8番ホームは、すでに豊肥・久大線用として使用されています。
ワタシがホームへ上がった時にはちょうど、6〜8番のいずれのホームにも、気動車列車が停まっていました。

久大線からの列車は現在、線路配置の関係でこの高架ホームにしか入線できません。
まだ高架ホームから別府方面への高架線の供用が始まっていないため、博多からやってくる久大線系統の特急列車が別府へ乗り入れできず大分止まりとされる状況となっていますが、それもこの3月17日ダイヤ改正での大分駅全面高架駅化で解消される運びです。

高架ホームから、地上にある現行ホームを見てみます。
現在地上ホームがある位置には、ホテルや商業施設などが入る22階建ての新しい駅ビルが建つ予定とか。大きく様変わりしそうですね。
ホームから降りてきて、新しい駅きっぷ売り場。
現在の博多駅や九州新幹線の各駅でも見られる、白を基調としたデザインが目を引きますね。
ゴール受付を済ませ、昼飯を物色しようと動き始めました。

大分といえば、「カレーヤ」駅前店を思い浮かべる方も多いかと思います。以前の旅行記でも、その「カレーヤ」が駅ビルの中に移転していたことをご紹介しましたが、今回の全面高架駅化に伴って、北口の現在の駅ビルは取り壊される運命にあるため、この「カレーヤ」も撤退となる模様です。
ちなみに、この日は定休日ですので、ご覧のような状態でした。
ということで、駅前の商店街を物色。
こちら、「五車堂」に入ることにしました。聞けば、1972(昭和47)年に創業したお店だそうで、地元ではカレーや洋食、あとはサンドイッチのテイクアウトで人気のあるお店のようです。
そこで頼んだのが、キング定食(1200円)。ハンバーグにチキンカツ、バーベキュー串2本に海老フライという豪華な盛り合わせ。「キング」の名にふさわしい盛りだくさんな内容です。
こういうの好きだなぁ・・・大満足!
大分駅に戻ってきました。
長く親しまれてきたこの3階建ての駅ビル、まもなくその役割を終えます。大分といえばこの駅ビル、とずっと思ってきましたが、次は22階建てですからねぇ・・・。
帰路につくため、駅構内に入ります。

ちょうど、2番ホームに、787系Bo-103編成4連による「にちりん15号」宮崎空港行きが停まっていました。
この編成、かつて「有明」で運行されてた頃には大河ドラマ「武蔵」のラッピングをされて走ってたことがありましたねぇ。懐かしい・・・。
そして、帰路の列車はこちら。
大分14時11分発、885系SM3編成6連「ソニック38号」博多行き。
アクセントラインが黄色の「白いかもめ」仕様の編成も、もうあと残りわずかとなっています。
ついでに言うと、SM3編成は2003年7月に長崎本線小江〜肥前長田間での落石による脱線事故で4〜6号車が廃車となり、その後代替新造された400番台車3両が連結されている編成ですね。

午前中の鹿児島本線赤間駅での人身事故の影響からか、折り返し列車の大分到着が遅れ、大慌てで折り返し準備が行われていました。
車内では、ワゴンサービスからコーヒーを買い求めました。
ちょうど列車に乗る直前から、末娘が昼寝をし始めたんで、ちょうどいいやと嫁さんとコーヒータイム。

ホットコーヒーを次回100円で注文できるサービス券の配布は、まだ実施されているようですね。
コーヒーを飲んだ後、少々疲れたんでちょっとだけ居眠りしようかと思ったんですが、末娘が起きてしまいゲームセット。(笑)

列車はあっという間に小倉へ。
「ソニック33号」大分行きの883系Ao-16編成との並走が展開されました。
小倉で進行方向が変わるので、慌ただしくシートを回転させたのもつかの間。

16時22分、「ソニック38号」は香椎に到着。
帰路はここで下車としました。

どうやら、オリジナル「白いかもめ」仕様の最後の1編成となりそうなこのSM3編成。果たしてこの姿での活躍はいつまで見られるんでしょうか。
大分駅が大きく変わろうとするそのときに、その移り変わりを体感するウオーキングとなりました。高架線路敷は供用開始されれば間違いなく、一般人が歩くことは不可能な場所ですしね。
そのコース自体の特殊性もあってか、明らかに普段のJR九州ウオーキングとは客層が違うなという感じもしました。地元の方が多かったんでしょうが、ワタシたちがゴールする頃には、高架へ上がるのに2時間待ちという状態になってましたしね。
4km余りという距離の割には、列に並んだりする時間もあってやや疲れましたが、それでも楽しい一日を過ごせてよかったです。
<おわり>